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[CES 2017]目玉は21インチ湾曲液晶搭載の巨大ノートPC。視線追跡デバイス内蔵PCなどAcerのゲーマー向け製品をまとめてチェック
ほかのPCメーカーと同様に,PC新製品のほとんどは,既存製品の搭載CPUをKaby Lake世代に変更したマイナーチェンジモデルであるものの,視線追跡デバイスを搭載する製品など,興味深いものもあった。本稿では,Acerのゲーマー向け製品の中から,注目の新製品をまとめて紹介しよう。
話題になった湾曲液晶搭載巨大ノートPCを見てきた
Acerブースのゲーマー向け製品で,一番注目を集めていたのは,ゲーマー向けノートPCの「Predator 21 X」だろう。
2016年8月に発表された製品で,21インチサイズの湾曲型液晶パネルを搭載したノートPCということで,日本でもちょっと話題になったものだ。
そんなPredator 21 Xの製品版相当という試作機が,Acerブースに展示されていたのである。
最大の特徴である湾曲型液晶パネルは,21インチサイズでアスペクト比21:9,解像度2560×1080ドットというスペックを備える。最大垂直リフレッシュレートは120Hzで,NVIDIAのディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応するというから,ゲーマー向け液晶ディスプレイ並みの液晶パネルを搭載しているわけだ。
なお,湾曲の曲率は2200R(半径2200mmの円を描くカーブ)とのことで,比較的カーブは緩やかだ。正直に言うと,これくらいのサイズなら湾曲させる意味はあまりないと思うのだが……。
搭載CPUは,Kaby Lake-Hのアンロック版「Core i7-7820HK」で,GPUとしては,「GeForce GTX 1080」(※ノートPC用か否かは不明)を2-way SLI構成で搭載しているという。
液晶パネルのヒンジ部分には,Tobii Technology(以下,Tobii)の視線追跡デバイスを内蔵しており,視線によるゲームやWindowsの操作ができる。
搭載するキーボードは,Cherry製のメカニカルキースイッチを採用しているという。ちょっと面白いのは,キーボード右側にあるタッチパッドが取り外し可能となっており,表裏を反転させると,テンキーになるというギミックを備えているところか。
ちなみに,このモンスターマシン,米国での発売は2017年2月の予定で,価格は8999ドル(税別)(税別,約105万3870円)とのこと。本当に売るのか,売ったところで買う人がいるのかと,余計な心配をしたくなるほどだが,これくらい挑戦的な製品も,1台くらいはあってもいいのかもしれない。
通常のゲーマー向けノートPCにも視線追跡デバイス付きモデルを用意
続いては,普通のゲーマー向けノートPCを簡単に見ていこう。
ゲーマー向けノートPCの上位モデルとしては,「Predator 17 X GX-792」という製品が展示されていた。
17.3インチサイズで解像度1920×1080ドットのG-SYNC対応液晶パネルを採用するのが特徴で,GPUにはGeForce GTX 1080,CPUにはCore i7-7820HKを搭載するというハイスペックな製品だ。CPUとメインメモリは,オーバークロック動作も可能となっている。
Acerに限らず,Tobiiの視線追跡デバイスを採用するノートPCは,徐々に増えつつある。だが,デバイス自体のサイズがそれなりに大きいため,搭載するノートPCは17インチ級の大型ノートPCに限られがちで,デザイン的にもヒンジ部分に目立つデバイスがあるため,デザイン的にも制約されてしまう。
しかしTobiiは,PCへの内蔵に適した小型の視線追跡デバイスも開発しており,どうやらAspire V 17 Nitroには,この新しい小型のデバイスを採用しているようだ。
残念ながら,デモ用PCが動作していなかったので,実際の挙動は確認できなかったが,今後はこのような小型の視線追跡デバイスを使ったPCが増えてくるのかもしれない。
話はそれるが,Acerは,視線追跡デバイスを内蔵するゲーマー向け液晶ディスプレイも2製品ほど出展していた。
単体の視線追跡デバイスは,ディスプレイに貼り付ける必要があるうえ,キャリブレーションもちょっと面倒なのだが,ディスプレイ内蔵されていれば,こうした手間が省けるので,気軽に使えるようになる。こうした製品はもっと増えてほしいものだ。
Acer 日本語公式Webサイト
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