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[COMPUTEX]視線追跡デバイス搭載液晶ディスプレイを大拡充するAcer。HDR対応モデルはASUSと同じ液晶パネル?
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印刷2017/06/05 22:54

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[COMPUTEX]視線追跡デバイス搭載液晶ディスプレイを大拡充するAcer。HDR対応モデルはASUSと同じ液晶パネル?

COMPUTEX TAIPEI 2017のAcerブース
画像集 No.002のサムネイル画像 / [COMPUTEX]視線追跡デバイス搭載液晶ディスプレイを大拡充するAcer。HDR対応モデルはASUSと同じ液晶パネル?
 COMPUTEX TAIPEI 2017におけるAcerブースは,仮想現実(VR)や複合現実(MR)関連デバイスと,ゲーマー向け製品の展示をメインとして,「映画館とかアミューズメントパーク風」のデザインをコンセプトに採用したエンターテインメント色の強い構成で製品をアピールしていた。
 本稿では,Acerブースでもとくにゲームファンの注目を集めそうな,ゲーマー向け液晶ディスプレイについてレポートしよう。

Acerが予約販売を始めたばかりのMRヘッドマウントディスプレイ(関連記事)による展示もあった。体験コーナーは連日満員で,たとえば筆者は午前中に整理券を受け取ったものの,実際に体験できたのは16時というほどである
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Predator X27

27インチのHDR対応IPS液晶4Kディスプレイ


 最初にチェックした製品は「Predator X27」。27インチサイズで解像度は3840×2160ドットの4K対応のIPS液晶パネルを採用し,HDR(High Dynamic Range,ハイダイミックレンジ)表示にも対応するというハイスペックなゲーマー向け液晶ディスプレイで,2017年4月に米国で行われたイベントで発表されたものだ。

Predator X27。写真では分かりにくいと思うが,明暗の階調表現が印象的だった
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 HDR表示で重要なバックライトは,直下型バックライト方式で,エリア駆動分割数は「384」。最大輝度は1000nitで,平均輝度はおよそ600nitくらいとのこと。
 発色に関しては,量子ドット(Quantum Dot)技術を採用した液晶パネルは,sRGB色空間カバー率が130%,Adobe RGB色空間カバー率は99%,DCI-P3色空間カバー率は96%となど,色域もかなり広い。
 なお,エリア駆動分割数や量子ドットといったキーワードについては,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)のHDR表示対応ディスプレイレポート記事に詳しくあるので,気になる人はそちらを先に参照してほしい。

NVIDIAの「G-SYNC」にも対応。ベゼル左下の角には,「G-SYNC HDR」のシールが貼られていた
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 最大垂直リフレッシュレートは144Hzで,NVIDIAのディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応。HDRに対応したG-SYNCなので,NVIDIAは「G-SYNC HDR」対応であるとアピールしている。ビデオ入力インタフェースは,HDMI 2.0とDisplayPort 1.4を1系統ずつという構成だ。

 さて,本製品のスペックは,実のところ,すでにレポートを掲載したASUSTeK Computer(以下,ASUS)の「ROG SWIFT PG27UQ」(以下,PG27UQ)と,極めて近い。色域はPredator X27のほうが広いものの,それ以外の仕様はほぼ同じであり,もしかすると,液晶パネルおよびバックライトシステムのサプライヤーが共通という可能性もあるのではないか。
 もっとも,製品発表自体はAcerのほうが先だったので,真似をしたというわけではないだろう。

 スペックが似通っているとはいえ,機能もまったく同じというわけではなく,Predatorシリーズならではの特徴を盛り込んだ部分もある。その1つが,Tobii Technology(以下,Tobii)の視線追跡デバイスを内蔵していることだ。ディスプレイのベゼル下側に取り付けられた視線追跡デバイスは,ホストPCとUSBで接続する仕組みだ。

ベゼルの下側にあるのが,Tobiiの視線追跡デバイスだ。オプションではなく標準装備である
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 AcerはTobiiの視線追跡デバイス採用を,同社製のゲーマー向けノートPCや液晶ディスプレイの差別化ポイントにしていくそうで,2017年1月のCES 2017における発表以降,多くの製品で採用している(関連記事)。
 ブースの担当者によると,今後,低価格を狙う一部のモデルを除いて,Predatorブランドのゲーマー向け液晶ディスプレイでは,視線追跡デバイスの搭載割合を上げていき,評判次第では搭載率100%を目指したいとのことであった。これには筆者も思わず「Are you sure?」(本気かい?)と聞き直してしまったほどだが,「As far as I heard, Yes!」(私が説明を受けた限りではイエス!)と即答だったほど。実際,今回取り上げるゲーマー向け液晶ディスプレイ4製品中3製品が搭載しているので,Acerはどうやら本気らしい。

 競合製品にはない,Predator X27ならではの2つめは,専用のバイザーをオプションとして用意している点だ。BenQの「XL2540」は,似たような可動式の板「Shield」を,「ディスプレイ外の周囲を見えなくして,ゲームに集中させる」という名目で標準装備としていたが,Predator X27のものは,外光を遮る遮光板で,あくまでも別売りのオプションである。

Predator X27専用オプションのバイザー
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バイザーはディスプレイ側面にネジ留めする仕組み。開け閉めしてみたが,意外にしっかりしていた
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 Predator X27はゲーマー向け液晶ディスプレイであるが,Acerとしては,「4K解像度で,色再現性にも優れ,HDR表示にも対応している本製品をアーティストやデザイナー,写真家にも訴求できるはず」(担当者)と判断したそうで,外光を遮断できるバイザーをオプションとして用意したそうだ。
 ただ,プロ向けディスプレイでは必須ともいえるハードウェアによるカラーキャリブレーションに対応するかどうかについては不明で,画像や映像のプロ向けに使えるものかどうかは,正直なんとも言えない。

 Predator X27の発売時期は,2017第3四半期の予定で,価格は未定とのこと。日本での展開についても未確定とのことだった。


Predator X35

HDR対応の35インチ湾曲液晶ディスプレイ


 Acerからはもう1台,ASUS製品と瓜二つなスペックの液晶ディスプレイが披露されていた。それが,「Predator X35」だ。

 35インチサイズで解像度3440×1440ドット,アスペクト比21:9の横長で,曲率1800R(=半径1800mmの円を描くカーブ)のVA型湾曲液晶パネルを採用し,というスペックは,ASUSの「ROG SWIFT CURVE PG35VQ」(以下,PG35VQ)とまったく同じ。液晶パネルに量子ドット技術を採用して,広い色域を実現している点も変わらない。
 最大輝度が1000nitでHDR表示に対応し,駆動分割数「512」のエリア駆動が可能な直下型LEDバックライトを採用する点も同様である。

Predator X35。横の長さは80cmを越える大きなディスプレイだが,湾曲のおかけで中央から見る分には見やすい。ちなみに,デモで使っているゲームは,HDR表示に対応する「Mass Effect Andromeda」で,Predator X27でも使われていた
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 最大垂直リフレッシュレートは200Hzで,中間調(grey-to-grey)応答速度は4ms,G-SYNC HDRにも対応する。Predator X35は視線追跡デバイスを備えていないので,スペックや仕様はPG35VQとの違いが見当たらないほどだ。
 なお,ビデオ入力インタフェースはPredator X27と同じく,HDMI 2.0とDisplayPort 1.4を1系統ずつ備える。

湾曲具合が分かりやすい角度から撮影してみた
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 なお,発売時期は2017年第3四半期を予定しており,北米でのメーカー想定売価は1800ドル程度とのこと。PG35VQの価格は未定とのことだったが,仕様がほぼ同一であるだけに,おそらくは価格も同程度になると思われる。


Predator Z271UV

視線追跡デバイス搭載のメインストリーム機


 視線追跡デバイス搭載のゲーマー向け液晶ディスプレイで,メインストリーム市場向けに位置付けられるのが「Predator Z271UV」である。こちらも2017年4月のイベントで発表済みの製品だ。
 画面サイズはPredator X27と同じ27インチサイズだが,解像度は2560×1440ドットとなっている。液晶パネルはIPS型で,曲率1800Rの湾曲型パネルだ。

Predator Z271UV。アスペクト比は16:9だが,画面は湾曲しているのが特徴だ
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 HDR表示には対応していないが,量子ドット技術を採用した液晶パネルによって,sRGB色空間カバー率125%を謳う。コントラスト比は1000:1と,ここはごく普通のスペック。ただ,最大輝度は400nitと,PC用液晶ディスプレイとしては高めになっているのがポイントといえようか。

湾曲具合が分かりやすい角度から撮影してみた。なお,バックライトはエッジ式で,HDR非対応の液晶ディスプレイとしては,最大輝度がかなり高めである
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 最大垂直リフレッシュレートは165Hzで,G-SYNCにも対応。中間調応答速度は3msだが,オーバードライブ駆動によって1ms未満を実現できることもあるという説明だった。
 ビデオ入力インタフェースはHDMIとDisplayPort(※いずれもバージョン未公開)を1系統ずつ装備。そのほかに,USB 3.0×4のUSBハブ機能や,出力7W+7Wのステレオスピーカーを備える。
 発売時は2017年第3四半期を予定しており,価格は未定とのことだ。

ベゼル下側に視線追跡デバイスを搭載(左)。ビデオ入力インタフェースはHDMIとDisplayPortの2種類だけだ(右)
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Predator Z301CT

視線追跡デバイス搭載の21:9メインストリーム機


 最後に紹介する「Predator Z301CT」は,アスペクト比21:9タイプのメインストリーム市場向け液晶ディスプレイだ。画面サイズは30インチで,解像度は2560×1080ドット。曲率1800RのVA型湾曲液晶パネルを採用している。

Predator Z301CT。ベゼル下側に視線追跡デバイスを備えるのは,Predator Z271UVなどと同じ。視線追跡デバイス部分に,紫色っぽい光が見えるが,これが視線追跡に使う赤外線エミッターの発光だ
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 液晶パネルはHDR表示に対応しておらず,量子ドット技術も使っていない。最大輝度は300nitと,ごく一般的な液晶ディスプレイ並みである。最大リフレッシュレートは200Hzで,G-SYNCにも対応する。中間調応答速度は4msとのこと。

液晶パネルの曲率は,本機も1800Rだ(左)。HDR非対応で量子ドット技術も使っていない液晶パネルということで,とくに色域のアピールはしていなかった(右)
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 Predator Z301CTは,一部地域ですでに販売中で,北米でのメーカー想定売価は900ドル程度とのこと。2017年第3四半期には,販売地域を拡大する予定という説明だった。

ビデオ入力インタフェースは,本機もHDMIとDisplayPort(※バージョン未公開)の2系統のみ(左)。背面にはUSB 3.0ハブ機能も備える。視線追跡デバイスはPCとUSBで接続するので,ついでにハブ機能も付けておけということだろうか
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Max-Q Designのゲーマー向けノートPCも展示


 液晶ディスプレイではないが,NVIDIAの「Max-Q Design」を採用する薄型ゲーマー向けノートPC「Predator Triton 700」も出展されていたので,写真で簡単に紹介しておこう。
 ちなみにこの製品も2017年4月に,製品名や厚さが20mmを下回る薄型ボディという点だけは発表されていたもので(関連記事),今回,ようやく詳細が明らかになったものだ。

Predator Triton 700。展示機の画面サイズは15.6インチで,解像度は1920×1080ドット。ただ,異なる解像度のモデルも用意されるようだ
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キーボードがボディ部分の手前側にあり,キーボードとヒンジの間にGPUやCPUを内蔵する構造は,ASUSの「ROG Zephyrus」と同じ。ただ,内部の冷却機構を見せるデザインを採用したのがユニークだ。なお,デモ機のGPUはGeForce GTX 1080で,CPUはKaby Lake世代のCore i7/i5を採用するという
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アイソレーションタイプのキーボードを採用(左)。厚みは画面を閉じた状態で約18.6mmとのこと。HDMI出力やDisplayPort出力が並ぶ背面。排気のための開口部が多い(右)
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Acer 日本語公式Webサイト

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