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「Xperia 1 V」が6月下旬以降に国内発売。新型撮像センサーの採用でカメラ性能が向上
Xperia 1 Vは,約6.5インチサイズで,解像度1644×3840ドット,アスペクト比21:9の有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンだ。ディスプレイのサイズは,前世代製品の「Xperia 1 IV」と共通である。公称本体サイズも厚みが従来の約8.2mmから約8.3mmへと,0.1mm増えた程度でほとんど変わらないと言っていいだろう。
一方,筐体表面の加工は大きく変わったのがポイントだ。Xperia 1 IVでは,背面にフロストガラス風の処理を施していたのに対して,Xperia 1 Vは,背面全体に非常に小さなくぼみが設けられている。加えて,従来はフラットだった側面にも,浅めの溝が刻まれており,いくぶん持ちやすくなった印象を受けた。
搭載SoC(System-on-a-Chip)は,Qualcomm製のハイエンド市場向け「Snapdragon 8 Gen 2」を採用する。SoC自体の電力効率が改善しただけでなく,カメラを使用するときの消費電力を約20%削減して,従来よりも発熱を抑えるように工夫されている。そのほか,筐体内部に備える熱拡散シートの面積を約1.6倍に増やしたとのことだ。
Xperia 1 Vは,アウトカメラの性能が大きく強化された。標準と広角,望遠という3眼構成と,それぞれの焦点距離はXperia 1 IVと変わらないが,標準カメラに組み合わせる撮像センサーに「Exmor T for mobile」を採用したのが見どころとなる。
Exmor T for mobileは,これまでの撮像センサーと比べて,センサーのサイズが約1.7倍になった。さらに従来は,同一基板上で形成していたフォトダイオード(光を電気信号に変換する)と,画素トランジスタ(信号の制御を行う)を別々に形成して積層することで,夜景などの暗所撮影時に発生しやすいノイズを大幅に低減するという。
なお,Exmor T for mobileの有効画素数は,約4800万画素だが,4つの撮像素子を1つにまとめて扱う「ピクセルビニング」によって,実際に撮影する画像サイズは1200万画素相当となる。
また,Xperia 1 IVまでは,距離計測用のToFセンサーを搭載していた。Xperia 1 Vは,撮像センサーの進化に加えて,機械学習を活用した深度推定処理の精度が向上したため,ToFセンサーを省略したそうだ。
ニーズが大きいという動画配信者向け機能もさらに強化された。Xperia 1 Vでは,新たなカメラ設定を用意しており,アウトカメラのオートフォーカスを人物優先から,レンズに最も違い物体を優先へと変えることで,たとえば製品レビューの撮影時に,製品からピントが外れるのを防ぐという。このほかにも,アウトカメラのユニット部分にマイクを備え,被写体の音声をよりクリアに収録するそうだ。
ゲーマー向け機能の「GameEnhancer」では,アプリの起動画面から,フレームレートやバッテリー残量,本体の温度といった端末の状況を確認できるようになった。さらに,右側面に備えるシャッターボタンでスクリーンショットを撮影する機能が加わったとのことだ。
Xperia 1 IV用のクーラー兼拡張ドック「Xperia Stream for Xperia 1 IV」(以下,Xperia Stream)は,Xperia 1 Vでのそのまま使える。ソニーによると,Xperia Streamを使った場合,AnTuTu Benchmarkのスコアは,Xperia 1 IVの約1.3倍に向上するとのこと。
オーディオ機能にも触れよう。Xperia 1 Vは,従来モデルと比べて音圧が約10%向上した。とくに低音域では,200Hz付近で1.4倍,80Hzで2倍以上に増加しており,より深い低音を表現したという。ソニー独自の立体音響技術「360 Reality Audio」や,音声のアップスケール機能「DSEE Ultimate」は引き続き搭載する。
純正アクセサリーとなるカバーは,ひとつのキックスタンドで縦置き,横置きの両方に対応する。キックスタンド部分の構造を利用して,撮影時のグリップ性能も高めているという。
また,ソニーは,オープンマーケット版(以下,SIMフリー版)Xperia 1 Vを7月下旬以降に国内発売することも発表した。キャリアモデルとの違いは明らかになっていないが,従来製品の例を考えると,キャリアモデルと比べて,メインメモリ容量や内蔵ストレージ容量が異なるほか,キャリモデルで利用できる5Gのミリ波に対応しない可能性がある。
SIMフリー版は,ソニーのインターネット直販と直営店であるソニーストア,一部の家電量販店,ECサイトで販売される予定で,税込のメーカー想定売価は,19万5000円前後となっている。
メーカー | ソニー |
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OS | Android 13 |
ディスプレイパネル | 約6.5インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 8 Gen 2」 ・CPUコア:Kryo(最大3.19Hz) ・GPUコア:Adreno |
メインメモリ容量 | 16GB |
ストレージ | 512GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約4800万画素,F値未公開,焦点距離24mm ・広角:約1200万画素,F値未公開,焦点距離16mm ・望遠:約1200万画素,F値未公開,焦点距離85〜125mm |
インカメラ | 約1200万画素,F値未公開 |
対応5Gバンド | n1/n3/n5/n28/n41/n77/n78/n79 |
対応LTEバンド | 1/3/4/5/7/8/12/13/17/18//19/21/26/28/38/39/40/41/42/66 |
無線LAN対応 | 未公開 |
Bluetooth対応 | 対応(バージョン未公開) |
バッテリー容量 | 5000mAh |
USBポート | USB 3.1 Type-C |
本体サイズ | 約71(幅)×165(奥行き)×8.3(厚さ)mm |
本体重量 | 約187g |
本体カラー | ブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン |
カメラ機能を強化したXperia 10 V
Xperia 10 Vは,約6.1インチサイズの有機ELディスプレイを採用したスマートフォンだ。前世代の「Xperia 10 IV」は,約6インチサイズからわずかにディスプレイが広くなった。これに合わせて,公称本体サイズも幅が約1mm,奥行きが約2mm大きい。一方で,公称本体重量は,Xperia 10 IVの約161gから2g軽くなっている。
搭載SoCは,Xperia 10 IVと同じQualcommのミドルハイクラス市場向け「Snapdragon 695」で,容量6GBのメインメモリと容量128GBの内蔵ストレージも共通だ。
Xperia 10 Vでも,カメラ機能の強化が見どころとなる。標準と広角,望遠というカメラ構成と焦点距離は,従来と変わらないが,標準カメラと組み合わせる撮像センサーのサイズが大きくなったことになり,暗所での撮影性能が約60%向上したという。
このほかには,内蔵スピーカーの音圧が約20%向上したとのことだ。
メーカー | ソニー |
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OS | Android 13 |
ディスプレイパネル | 約6.1インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 695」 ・CPUコア:Kryo 619(最大2.2GHz) ・GPUコア:Adreno 660 |
メインメモリ容量 | 6GB |
ストレージ | 128GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約1200万画素,F値未公開,焦点距離27mm ・広角:約800万画素,F値未公開,焦点距離16mm ・望遠:約800万画素,F値未公開,焦点距離54mm |
インカメラ | 約800万画素,F値未公開 |
対応通信規格 | 5G,LTE |
無線LAN対応 | 未公開 |
Bluetooth対応 | 対応(バージョン未公開) |
バッテリー容量 | 5000mAh |
USBポート | USB 3.1 Type-C |
本体サイズ | 約68(幅)×155(奥行き)×8.3(厚さ)mm |
本体重量 | 約159g |
本体カラー | ブラック,ホワイト、セージグリーン、ラベンダー |
ソニーのXperia特設サイト
ソニー公式Webサイト
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