プレイレポート
[TGS 2011]「F1 2011」のPS3,PS Vita&ニンテンドー3DS版を体験。各プラットフォームの特徴をいかした独自機能に注目だ
会場内にはPlayStation 3/PlayStation Vita/3DS版が用意されており,コードマスターズのシニアプロデューサーである大庭将司氏がプレゼンテーションを担当。同氏によって語られたゲームの説明とプレイフィールを機種別にお伝えしよう。
基本的なゲーム内容はすべてのプラットフォームで共通
全機種版に2011年度のデータ(マシン,ドライバー,サーキットなど)が収録されているのはもちろん,レギュレーションの変更にも対応されている。例えば,「KERS」というブレーキング時のエネルギーを蓄えて再利用し,一時的に馬力を上げて加速させる装置や,リアウィングを可変させてダウンフォースを軽減しスピードを上げる「DRS」システムなどがゲームにも採用されているのだ。
ちなみに,実際のF1ではDRSを使える場所は限られているが,これはゲームも同じ。いつでもどこでも使えるわけではない。
また,ゲーム中の天候はリアルタイムで変化する。それも,単に雨が降れば路面が濡れ,晴れれば乾くといった単純なものではない。車が多く走るラインと,そうでない場所とでは乾き方にも差が出てくる。
天候の変化には晴天から雨,もしくはその逆などさまざまなパターンがあるほか,同じ雨でも小雨程度のものから豪雨まであり,バリエーションも豊富。当然,雨が降ったらレインタイヤに変える必要も生じるので,実際のF1と同様に天候の変化を読まなければならない。
セーフティーカーの導入も大きなトピックで,これにより戦略性がアップし,F1の面白さをさらに表現できたと大庭氏は語る。ちなみに実際のF1では,事故などが起きた際にセーフティーカーが登場し,各チームはドライバーにピットインを促し,タイヤを変えたり,給油したりするが,それらをゲームで再現するのは困難なため,今までのF1ゲームでセーフティーカーが登場したことは一度もないそうだ。
2011年度のF1は,ピレリがタイヤを提供しているが,それはゲーム内でも同じだ。大庭氏によると,ピレリから提供された4種類のタイヤデータ(どれくらいで磨耗するかなど)がゲーム内に組み込まれたおかげで,いままで以上にリアルになっているという。
なお,PS Vita版,3DS版という携帯機2機種は,据え置き機版と比べると,難度が多少落とされているそうだ。
PlayStation Vita版はタッチパネルやタッチパッドに対応
高いクオリティのグラフィックスにも注目
PS Vita版は正面のタッチスクリーンにタッチすることで視点変更が可能。さらに今回は試せなかったが,背面のタッチパッドを使ってギアのシフトアップ/ダウンができるという。こちらはいわばPS Vitaをステアリングに見立てて,「パドルシフト」(F1や一部の市販車などはステアリングを握ったままトランスミッションを操作できる)を実現したと考えるといいだろう。
そして,基本的な操作は左アナログスティックがステアリング,右側の各種ボタンでアクセルやKERSの起動などが行える。
グラフィックスクオリティは非常に高く,かなり見ごたえがあった。レースも24台が参加するフルグリッドでのプレイとなるため,その迫力は携帯ゲーム機ということを忘れてしまう程。また,まだ開発中のバージョンとはいえ,処理落ちなどは見られず,気持よくプレイすることができた。
サウンド面も素晴らしい。携帯ゲーム機はどうしても音がこもったように聞こえてしまい,ヘッドホンなどを使いたくなるのだが,こちらは音質もクリアで聞き心地も良かった。なお,ピットとの無線は日本語吹き替えになっている。スピード感のあるレースゲームでは,字幕を見る余裕はあまりないので,日本語吹き替えの導入は素直にうれしい。
そのほかの要素で注目したいのは,2人で同じチームを選んでの協力プレイだ。このモードでは,実際のF1開催日程に沿って全19戦を転戦していき,総合優勝を目指す。
なお,PS Vita版は,本体と同時の2011年12月17日に発売される予定だ。
3D立体視への対応や
すれちがい通信による遊びも実現された3DS版
3DS版もPS Vita版と同様にSUMO DIGITALが担当している。3DS版の特徴はなんといっても,3D立体視への対応だ。立体視の見え方は,個人差があるが,奥行きがよく表現されており,スピード感もかなりのものだった。なお,デフォルトの3人称視点よりも主観視点にしたほうが,より立体視の効果を実感できた。とくにロングストレートなど,速度を出せる場所はかなり気持ちよく,ついついスピードを出しすぎてコースアウトしてしまうことも少なくなかったのは,ここだけの秘密だ。
もう1つの特徴は,「すれちがい通信」に対応している点だが,こちらの詳細は後日あらためて発表される。発売日の情報と合わせて続報を待ちたい。
リッチなプレイ環境を整えられる据え置き機版は
より高い没入感を得られる
2011年10月6日に発売されるということもあり,ゲーム内にはすべてのF1チームと所属ドライバー,サーキットが収録されていて,自由に選んでプレイできた。
今回はレッドブル・レーシングを使って鈴鹿サーキットを走ってみたが,グラフィックスは,コードマスターズの独自開発のエンジン「EGO Engine」によりリアルに描写されており,そのクオリティは「さすが」の一言に尽きる。また,3人称視点でプレイした際にDRSを使用すると,リアウィングが動く様子も確認できた。
操作に関しては,ステアリングコントローラのフォースフィードバックが効いて,本物のF1とは違うのだろうが,臨場感もかなりのもの。このようなプレイ環境を自宅に整えるのはなかなか難しいだろうが,没入感を高めるならぜひ導入したいところだろう。携帯機では決してできない体験を味わえるはずだ。
「F1 2011」公式サイト
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