［Gamescom］世代を超えて愛されるキャラクターに。「ソニック ジェネレーションズ」飯塚プロデューサーにインタビュー

　セガの看板キャラクター「ソニック」が，2011年6月23日に生誕20周年を迎えた。そんな節目の年に「ソニック ジェネレーションズ 白の時空」（PlayStation 3/Xbox 360）と，「ソニック ジェネレーションズ 青の冒険」（ニンテンドー3DS）が発売される。どちらも20周年を記念したソフトで，古くからのファンにとっても懐かしいステージやキャラクターが登場するのだ。Gamescomのセガブースも，まさにソニック一色といった装いになっており，お祭りムードに包まれていた。
　そんな中，ソニック ジェネレーションズ 白の時空/青の冒険のプロデューサーである飯塚 隆氏にメディア合同ではあるがインタビューを行ったので，その内容をお伝えしよう。

「ソニック ジェネレーションズ」公式サイト

PS3/Xbox 360版

ニンテンドー3DS版

――ソニック ジェネレーションズの魅力を教えてください。

飯塚 隆氏（以下，飯塚氏）：
　2011年がソニック生誕20周年になりますので，何かやりたいと数年前から思っていました。しかも，ただ新作を発売するのではなく，20周年ならではの作品を作ろうと考え，企画を立ち上げたんです。
　長く続いているシリーズだけに，ファンの方々からは，「2Dのソニックが好き」とか「3Dのほうが好き」など，さまざまな意見をいただいています。今回，両方を一つのソフトで楽しめるようなものを作りたいと考え，その結果，クラシックなソニックとモダンなソニックが共演するゲームにしました。


――2D時代のソニックと3D時代のソニックが登場するのは，20周年だからこそなんですね。

飯塚氏：
　ええ，20周年ならではといえる点の一つです。
　また，ソニックシリーズではこれまで，リメイクを行ったことはありません。過去のタイトルを別ハードに移植したことはありますが，昔の世界を新たに作り直したことがなかったので，20周年を記念し，従来作のステージの一部を最新技術で蘇らせるという試みも行っています。

――その作業にあたって苦労した点を教えてください。

飯塚氏：
　最初にグリーンヒルをリメイクしたんですが，どこまでオリジナルのイメージをキープし，どこまで作り替えるのか，そのさじ加減を決めるのに苦労しました。まさに作っては壊しの繰り返しで，基準となるものを作り上げるのにいちばん時間がかかったんです。その試行錯誤の甲斐もあって，誰が見てもグリーンヒルだと分かるステージに仕上がりました。

――リメイクするステージはどのような基準で決めたんですか？

飯塚氏：
　自分で選んだステージもありますが，日本やアメリカのスタッフから意見を集めたり，インターネットを使ってソニックファンからアンケートをとったりして，リクエストが多かったステージを選び出し，そのリメイク版を白の時空と青の冒険に分けて収録しました。


――ソニックは世界中で愛されているキャラクターですが，どんな年齢層に人気があるんでしょうか。

飯塚氏：
　日本を含め，全世界で年齢層の構成はだいたい同じですね。小学生が最大の購入層で，メガドライブの頃にソニックを遊んでくれた人達の層がもう一つの大きな山になっています。

――ソニックジェネレーションズは，PS3/Xbox 360版とニンテンドー3DS版の2種類が用意されていますが，これはファンの年齢層を考慮してのことですか？

飯塚氏：
　ええ，そうですね。年齢が高い人達には，ハイクオリティなグラフィックスで20年前に味わった楽しさを思い出してもらい，低年齢層の人達にはより気軽に遊んでもらえるように，3DS版を用意することにしました。

――開発の進捗を教えてください。

飯塚氏：
　20周年記念作品なので，「絶対に年内に出す」と気合いを入れて準備しています。かなり出来上がっていますので，期待していてください。


――とくにこだわって開発している点はどこですか？

飯塚氏：
　今回は，音楽にも相当のこだわりを持って取り組んでいます。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」と「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」は，DREAMS COME TRUEの中村正人さんがBGMを作曲しているのですが，今回は中村さんからアレンジの許可をいただき，グリーンヒルの曲を，クラッシックスタイルとモダンスタイルに分けて収録しています。

――飯塚さんの，ソニックにまつわる思い出を教えてください。

飯塚氏：
　いろいろあり過ぎて，どれか一つを挙げるのは難しいですね。ソニックが生まれた20年前というのは，私がセガの入社試験を受けた年なんです。ソニックの開発に参加したのは「ソニック・ザ・ヘッジホッグ 3」からですが，まさかこんなに長く関わることになるとは，当時思ってもいませんでした。

――これだけ息の長いゲームキャラクターは，なかなかいませんよね。

飯塚氏：
　ええ，皆さんのおかげでここまでこれました。これから先，30年，40年とシリーズを続けていき，おじいちゃん，お父さん，子供という3世代にまたがって愛されるようになれば，キャラクターとして一人前になれると思っています。そこまでがんばりたいですね。

――最後に，ソニックファンへのメッセージをお願いします。

飯塚氏：
　これからもソニックを広めていき，ファンの方が胸を張って「ソニックファンだ」と言えるような作品を送り出していきたいと思っていますので，みなさん応援してください。

――ありがとうございました。

「ソニック ジェネレーションズ」公式サイト

■スクリーンショット（PlayStation 3/Xbox 360版）


■スクリーンショット（ニンテンドー3DS版）

※画面写真は，2D表示のものです。ニンテンドー3DSの3D映像は，同本体でしか見ることができません。

「ソニック ジェネレーションズ」公式サイト