インタビュー
より多くの人に楽しみと絶望を与えたい――「コープスパーティー」シリーズの外道……祁答院 慎氏に,ホラー論や次なる新作について聞いてみた
そして2010年8月,ついにPSP向けタイトルとしてコンシューマー版「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」(以下,コープスパーティーBR)が5pb.から発売され,ホラーアドベンチャーゲームとしては異例のスマッシュヒットを記録。さらにはコミカライズやドラマCD化など多くのメディアミックス展開にも恵まれ,今年の9月には,続編となる「コープスパーティー Book of Shadows」(以下,コープスパーティーBS)が発売されるなど,コンシューマゲーム業界でもその存在感の大きさを示した。
今回,4Gamerはそんな「コープスパーティー」の原作者であるチームグリグリの祁答院 慎氏に対してインタビューを行った。「コープスパーティー」シリーズの歴史からクリエイターとしてのルーツまで,深く切り込んだお話を聞いてきたので,同作ファンのみならず,ホラーアドベンチャー好きの読者にお届けしたい。当然のことのように「コープスパーティー」次回作についても(チラッと)触れているので,お見逃しなく。
チームグリグリ公式サイト
「コープスパーティー」公式サイト
卒業課題をスルーして「コープスパーティー」を制作
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介を兼ねて,祁答院さんの経歴を教えてください。
始まりは大阪芸術大学の漫画研究会です。そこでチームグリグリ(祁答院さんの所属する同人サークル)初期メンバーの,オガワコウサクや濱本麻央と出会いました。僕を含めた3人ともゲームが大好きで,「卒業したらゲーム業界に行こう」と全員が思っていたんですよ。
4Gamer:
ある意味,将来を誓い合った関係というわけですね!
祁答院氏:
そう表現しても過言ではないんじゃないかと思います。在学中から,みんなでそう決めていましたから。
4Gamer:
その後は,どういった流れで現在の形に落ち着いたのですか?
祁答院氏:
それぞれ別々のゲーム会社に就職することになりまして,ひとりは新潟,ひとりは兵庫(神戸),僕は東京と,見事なまでにバラバラに分かれちゃいました(笑)。
その後は各々がゲーム業界で働いていたのですが,ある時そのうちのひとりが会社を辞めて上京してきまして。それを機に再び3人で集まり,有限会社を立ち上げたんですよ。
4Gamer:
では,祁答院さんの代表作である「コープスパーティー」シリーズについて。大元となるPC-9801版は,お一人で制作されたんですか?
祁答院氏:
ほとんどの部分は僕が制作しましたが,音楽部分だけは濱本麻央にお願いしていました。
4Gamer:
当時の祁答院さんは大学生だったと思うのですが,どういった経緯で制作を?
祁答院氏:
漫画研究会に所属していた時期,ちょうど22歳くらいのときに,阪神・淡路大震災の影響で学校に通えなかった時期がありまして。その時間を利用して制作しました。
その頃,学校ではちょうど卒業課題のチーム制作が進んでいたんですが,学校に行けないのをいいことに,作業をほかのメンバーに任せっきりにしちゃいまして。僕は家でゲームを作っていましたね。それに関して,未だに恨みごとを言われます(笑)。
4Gamer:
やむを得ない事情があるとはいえ,それは恨まれますね(笑)。
祁答院氏:
とはいえ,今「コープスパーティー」が賑やかになってきているから許す,とも言われています(笑)。良かった!
そもそも「コープスパーティー」の着想は,どういったところから得たものなんでしょうか。
祁答院氏:
最初は漠然としていて,「学園ホラーを作りたいな」という程度のものでした。それまでは,「リトルチェイサー」や「サバトの女王」のような,ファンタジー系の作品ばかりを作っていたので,何か現代モノを作りたかったんですよ。
4Gamer:
ジャンルとして学園ホラーを選んだことに,特定の作品の影響はあるんでしょうか。
祁答院氏:
強いて挙げるなら,ディスクシステムで発売されていた「ファミコン探偵倶楽部」です。“かわいい絵柄だけど怖い”という「コープスパーティー」に通じるギャップを持っている作品で,そこから受けた影響は大きいですね。
4Gamer:
ちなみに「コープスパーティー」のシナリオに関しては,何かモデルなどあるのでしょうか。
祁答院氏:
これといってないですね。シナリオは,まず最初にストーリーの始まりとラストを思い付き,あとはその間を埋めていったという感じです。
4Gamer:
では,あの“救われないエンディング”は最初から決まっていたということですか……。
祁答院氏:
はい。ああいった結末になるべくしてなった,ということです。
4Gamer:
「ハッピーエンドにするつもりなんかサラサラなかったぜ!」と。
祁答院氏:
ない(笑)。
4Gamer:
まさに外道……。そんな初代「コープスパーティー」は,「第2回 アスキー エンタテインメント ソフトウェア コンテスト」で最優秀賞を受賞して一躍有名になったわけですが,これに関してはどういった流れで応募を?
祁答院氏:
「コープスパーティー」の前に作った「サバトの女王」(※)がきっかけで,アスキーの編集者さんと知り合いまして,あるときゲーム制作ツールである「Dante98」を紹介されたんですよ。そして,その方から「こういうコンテストがあるけど,せっかくだから応募してみない?」というお誘いが来たのがきっけでした。
※1995年にチャイムズクエストで制作された同人RPG。愛らしい猫耳幼女が主人公なのだが,その内容は「コープスパーティー」と同様に凄惨極まりない。実質プレイ不可能となった現在でも多くのファンに支持され続けており,祁答院作品の中でもとくに人気の高いタイトルである
4Gamer:
当時は賞金額も高かったですよね。グランプリが1000万円で最優秀賞が500万円でしたっけ。
祁答院氏:
ええ。でも僕が受賞した第2回のコンテストでは,グランプリは出なかったんですよ。その前,1回目のコンテストでグランプリを受賞した「クック・ドゥ・ドゥル・ドゥー」の制作者が,17歳だったというのが衝撃的でよく覚えています。
4Gamer:
なんと17歳ですか!
祁答院氏:
面白かったですよ,ニワトリが主人公のゲーム。クリエイター発掘の意味でも,意義のあるコンテストだったと思います。
やりたい放題やらせてもらえたコンシューマ版
「コープスパーティーBS」では危うくCERO「Z」に!?
では話を戻しまして。PC-98版から10年以上の時が経ち,チームグリグリからリメイク作であるWindows PC版「コープスパーティー ブラッドカバー」が発売されましたが,どんな経緯でリメイクに至ったのでしょうか。
祁答院氏:
あるとき,携帯電話向けのゲームを作らないかというお話をいただいたのがきっかけです。元々はiモード専用のアプリとして制作したんですが,ファンからの要望が多かったので,その後グラフィックスやイベントを変更/追加したWindows版をリリースしました。
4Gamer:
リメイクの際には,世以子や森繁といった新キャラの追加や,ストーリーの変更が行われましたよね。
祁答院氏:
初代からリメイクが実現するまでの間に新しく浮かんだアイデアを取り入れたんです。
4Gamer:
新キャラの中でも,刻命裕也はとくに異質で印象的ですよね。彼のような“人間の殺人鬼”を登場させたのにはどういう意図があったのでしょうか。
祁答院氏:
あいつは,プレイヤーに恐怖を与える新たな存在として追加したんです。基本的には“霊や呪い”が恐怖の対象である世界に“狂った人間”をブチ込んで,さらにひっかき回してもらいました。
あの猟奇性は……やはり祁答院さんご自身がモデル?
祁答院氏:
違います!(笑)。
4Gamer:
またまたご謙遜を(笑)。あと,異質という意味では森繁もかなりアレな子でしたよね。彼についてはいかがですか?
祁答院氏:
彼は決して悪い人間ではないんです。……ただちょっと,変態なだけで。
4Gamer:
なるほど。では,そういった追加要素に対して,ファンの皆さんの反応は?
祁答院氏:
不安はありましたが,思ったよりもすんなりと受け入れてもらえました。逆に「世以子を殺すなや!」というお便りを送られるほどキャラクターへ感情移入してくれた人もいて,かなり嬉しかったですね。
4Gamer:
その後,ついに「コープスパーティーBR」として,コンシューマ版が発売されたわけですが……。なにやら,当初は「コンシューマー化は不可能」だと言われていたとか?
祁答院氏:
初っ端から首を飛ばしたりするシナリオを書いていたので,「これはどうなの!?」とは自分でも思っていました。「だがそれがいい!」と言ってくれる人もいるにはいたのですが,やはり表現的な部分でコンシューマ化は難しいということで,なかなか実現には至りませんでしたね。
4Gamer:
そんな“異端児”を,5pb.は受け入れてしまったわけですが。
祁答院氏:
そうですね(笑)。
内心「無理かな」と思いつつ企画書を持ち込んだら,二つ返事で「いいですね,やりましょう!」と。そこからはトントン拍子で話が進みました。
4Gamer:
とはいえ,移植に関しては苦労も多かったのでは?
祁答院氏:
それが実は,かなりやりたい放題やらせてもらえたんですよ。僕自身が「さすがにヤリ過ぎかもしれない」と思って提出したものですら,問題なく通ってしまったり(笑)。
元々,インディーズならではの過激な描写をどんどん入れていこうというコンセプトの作品だったので,コンシューマ企画が始まった当初は不安もありましたが,結果がついてきて良かったですね。
4Gamer:
それは予想外ですね。ゲーム業界の懐が広くなっているのか,それとも5pb.が怖いもの知らずなのか……。しかし,商業タイトルとして,レーティング審査は避けて通れませんよね。
祁答院氏:
確かに。ですが,色々と融通を利かせていただき,かつ5pb.さんのご協力もあって,なんとかギリギリCERO「D」に落ち着きましたね。
あそこまでハードな内容でCERO「D」というのは,ちょっと驚きでした。
祁答院氏:
それで5pb.のプロデューサーさんも僕に毒されて「まだいける!」と思ってしまったらしく,続編である「コープスパーティーBS」では,最初CERO「Z」にひっかかってしまって,修正が大変でした(笑)。
4Gamer:
やはり5pb.が怖いもの知らずなのかも……。
祁答院氏:
でも,この2作で「どこまでやっていいのか」という感覚が掴めたのは大きかったです。次回作ではCERO「Z」ギリギリ手前のラインを狙った,よりハードな作品をお届けしたいと考えております!
4Gamer:
やっぱり狙っちゃいますか! ところで「コープスパーティーBR」の話に戻りますが,それまでこういったシステムのゲームは,5pb.では制作していませんでしたよね。そういった技術面での苦労などは?
祁答院氏:
基本的にはWindows PC用に開発したシリーズの移植でしたので,かなり余裕を持って制作できました。ただ,コンシューマのハードへ移植する際に,ベースプログラムを外注にお願いすることになり,そことのセッションは少し大変でしたね。
4Gamer:
と,言われますと?
祁答院氏:
チームグリグリや5pb.さんの中だけで制作している間はまだ大丈夫なのですが,外注のスタッフが増えると,やっぱり細かい部分までチェックが行き届かなくて。なので,バックログ機能やテキストの早送りなど,やり残してしまったと感じる点はいくつかありました。
4Gamer:
確かに,「コープスパーティーBR」は細かな不具合など惜しいところがありましたね。原因はそういったところにあった,ということでしょうか。
祁答院氏:
そうですね……。声が行き届かず不具合が開発終盤に発覚し,大混乱だったという感じです。
4Gamer:
ですが,ストーリーの面白さもあってか,ゲーム自体にそれ程のマイナスイメージはありませんでしたね。シナリオ面では,何か苦労した点などありましたか?
祁答院氏:
実は「コープスパーティーBR」の開発当初,Windows版は4作目までリリースされていて,まだ完結していなかったんですよ。本来は5作目,6作目と続く予定だったので,それをコンシューマ用にまとめるのがとにかく大変でした。
4Gamer:
では,Windows PC版でのリリースが予定されていた5作目と6作目のストーリーをまとめたものが,「コープスパーティーBR」のChapter5だったということですか。
祁答院氏:
その通りです。Chapter5は,ほかのChapterに比べてボリュームが大きいんですが,それが原因ですね。
4Gamer:
確かに,プレイ時間がかなりかかった記憶があります。そういえば最近,Windows版の5作目も販売されましたが,あれで完結していますよね? 6作目は出るのでしょうか。
祁答院氏:
いえ,そちらも5作目で完結させました。ですが,コンシューマ版をクリアした人でも楽しめるように,独自要素を追加しているので,興味があればぜひともプレイしてほしいですね。
異例のスマッシュヒットを記録した要因とは?
「コープスパーティー」の魅力をあらためて分析
4Gamer:
そんな「コープスパーティーBR」は,発売後に全国で品薄になるほどのスマッシュヒットとなりましたが,ご自身でその売れ行きは予想されていましたか?
「売れるといいなぁ」という位には考えていたのですが,あの展開は予想だにしていませんでした。そういえば,発売日に店頭に並んでクジを引くというイベントがあり,僕もそれに参加させてもらったんですが,自分のゲームを遊んでくださっている方を初めてちゃんと見ることができて,本当に嬉しかったです。「手渡しで,直接僕のゲームを伝えられるんだ」という感覚には,感慨深いものがありました。
4Gamer:
ふむ……手渡しで祁答院さんの悪意を伝えて回るという……。
祁答院氏:
それもあるかもしれない(笑)。
4Gamer:
それほどの注目を集めた理由は,どういったところにあったと思われてます?
祁答院氏:
豪華なキャスティングや,ほかのコンシューマゲームでは味わえない,インディーズスピリッツ溢れるゴア表現だと思います。それと,マフィア梶田さんの紹介記事の力が大きかったのではないかと。
4Gamer:
いやそれは……恐縮です。こちらとしても,紹介記事の反響は正直言って予想外でした。4Gamerの年間PVランキングでもベスト10に入るほどのPVでしたから。
祁答院氏:
あの記事でゲームを魅力的に紹介してもらえたのは,本当に有難かったです。また,ほかにも多くの方々に助けられ,そのうえで遊んでくれたプレイヤーさんが盛り上げてくれたおかげだと思っています。ちなみに,RADIO 4Gamerに出演させていただいたことがきっかけで,御国司のキャストに岡本信彦さんを起用させていただくことになったんですよ。そういう意味でも,4Gamerさんにはお世話になりましたね(笑)。
4Gamer:
お役に立てて何よりです(笑)。ところで祁答院さん自身は「コープスパーティー」の怖さや魅力を,どういう風に分析していますか?
祁答院氏:
一見,コミカルで明るい絵に「見える」ように工夫しているので,本来ならホラーを敬遠するようなユーザーにも興味を持ってもらえる点。もうひとつは,いわゆる“日本的なホラー”と“西洋的なホラー”を融合させた表現が魅力ではないかと思っています。
4Gamer:
確かに,「コープスパーティー」の“恐怖”はどこか無国籍な感じがします。
祁答院氏:
そうですね。魔術的な要素なども盛り込まれているのが,いい方向に作用したのかなと思います。まぁ,僕の好きな要素を色々と混ぜ込んだ結果,こうなってしまったんですけどね(笑)。
4Gamer:
そういった自分のやり方が,果たしてプレイヤーに受け入れてもらえるのか……という不安もあったんじゃないかと思います。
祁答院氏:
当然,ユーザーさんに楽しんでいただけるような作品を作ろうとは考えていますが,基本的には作りたいものを作っちゃう性格なので。そういったことはあまり考えませんでした(笑)。
4Gamer:
そんな……そして前述のように「世以子を殺すな」メールをもらうという……。悲惨すぎやしませんかね彼女。
祁答院氏:
世以子はメインヒロインの一角を担うキャラクターではあるのですが,最初の構想から死ぬ予定でした。いい子であればあるほど,その死はより派手に,より感情に残りますよね(外道スマイル)。
4Gamer:
き,鬼畜ッ!
祁答院氏:
また,「コープスパーティー」全体で一貫している「フラットに死の運命が振りかかる」というコンセプトに則っているとも言えます。「善人だから助かる,悪人だから死ぬ」というような要素は完全に排除していますので。
4Gamer:
死は平等ということですね……。
祁答院氏:
残念ながら,世以子は死ぬ運命だったのでしょう……。
テキストアドベンチャーになっても変わらぬ魅力
“わがまま”が生きた「コープスパーティーBS」
4Gamer:
続いては,最新作である「コープスパーティーBS」の話題に移りたいと思います。本作はどういう経緯で開発に至ったのでしょうか。
「コープスパーティーBR」の制作が終わって少し経った頃,5pb.さんに高級なお肉の並ぶ焼肉屋へ連れて行かれまして。「よし,食べたね……。コープスの続き,作ろうか」って(笑)。
4Gamer:
ハメられたわけですね(笑)。
祁答院氏:
いえいえ(笑)。非常に光栄な話なので,こちらも「ぜひやらせてください」と返事をしました。
4Gamer:
今作は“サテライトエピソード集”という位置付けの作品で,いわゆる正統続編ではないんですよね。
祁答院氏:
はい。最初は「ファンディスクをつくろう」という企画だったんです。本編ですぐに死んでしまうキャラクター達にスポットを当てようと。そこで僕のほうから,ひとつわがままを言わせてもらったんですよ。
4Gamer:
その“わがまま”とは?
祁答院氏:
前作からの続きとなるシナリオや,前日談などを追加してほしいと。そうやって色々な要素を盛り込んでいるうちに,当初はファンディスクだったものがフルボリュームになってしまいました。
4Gamer:
今作ではシステムがテキストアドベンチャーに変更されていますが,それに関しては何か苦労などありましたか?
祁答院氏:
システムは変わっても,“コープスパーティーらしさ”を失わないように気を配っています。天神小学校を探索する感覚を残すため,開発に無理を言ってキャラクターのマップ移動シーンなどを入れてもらいました。
4Gamer:
確かに,ちゃんと「コープスパーティー」らしい作品になっていますよね。
祁答院氏:
実は今作には,前作でマップ制作を担当してくれたオガワコウサクが一切関わっていないんです。ですが,出来上がった作品を触らせてみたところ,彼も「ちゃんとコープスパーティーになってる!」と言ってくれました。まぁ「俺なんていなくてもいいってことか……。ちゃんと面白いじゃん……」と凹んでいましたけど(笑)。
4Gamer:
ではファンの皆さんも,ちゃんと「コープスパーティー」として楽しめているはずだと。
むしろ,テキストアドベンチャーになったことで「グロさ」が強調されているので,従来作が平気だったのに,今作はキツいと感じた方もいるようですね。
4Gamer:
文章とイラストが主体ということで,心理描写なんかもより深く伝えられるでしょうし。
祁答院氏:
テキストによる恐怖の描写は,後からジワジワと効いてきますからね。
4Gamer:
で,ファンからは「ふざけんな祁答院!」と。
祁答院氏:
むしろ「もっとやれ祁答院!」という反応のほうが多かったですね(笑)。
4Gamer:
さらに本作では“精神汚染度”というシステムが導入されていますが,これは祁答院さんの発案なんですか?
祁答院氏:
はい。実はWindows版の頃から温めていたアイデアなんですが,かなり大規模な仕様変更になるので,なかなか導入できずにいました。
4Gamer:
やっぱりこれの元ネタって……SAN値ですか?
祁答院氏:
皆さんそう言いますが,実はクトゥルフ神話に関してはまだ勉強中なんですよ(笑)。
4Gamer:
え……それは意外です。では,純粋に祁答院さんの発想から生まれたシステムなんですね。
祁答院氏:
精神にダメージを受けてしまい,思うように体が動かない。けれど意識はハッキリしている。そして選択肢にはロクなものがないけど,どうしてもどれかを選ばなければならない……という状況を表現するにはどうしたらいいだろうと考えていたら,こうなりました。
4Gamer:
調べなければ先に進めない,しかし調べると危ない。という,ゲーム的にも面白いシステムですよね。
祁答院氏:
これがあるだけで,緊張感がまるで違いますからね。
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