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IDF 2012初日基調講演レポート。Haswell世代で「PCの再発明」を目指し,Intelはさまざまなアイデアを提案中
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印刷2012/09/14 16:55

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IDF 2012初日基調講演レポート。Haswell世代で「PCの再発明」を目指し,Intelはさまざまなアイデアを提案中

会場となったMoscone Center West
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 Intelは,PCの概念を根底から変えようとしている。
 北米時間2012年9月11日に開幕した開発者向け会議「Intel Developer Forum 2012 San Francisco」(以下,IDF 2012)でIntelは,次世代マイクロアーキテクチャ「Haswell」(ハスウェルもしくはハズウェル,開発コードネーム)の概要を明らかにするとともに,本アーキテクチャを最初に採用する第4世代Coreプロセッサや,Ultrabook向けのSoC(System-on-a-Chip)の計画を明らかにした。


PCの「再発明」を推進するIntel


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携帯デバイス向けAtom Zプロセッサ「Medfield」(メドフィールド,開発コードネーム)と,HPC向けのXeon Phiプロセッサをもって,すべての製品ジャンルに革新をもたらしていくと述べるDadi Perlmutter氏(Chief Product Officer, Executive Vice President and General Manager, Intel Architecture Group, Intel)
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Intelの調査によると,約80%のユーザーがUltrabookにタッチインタフェースを採用することを望んでいるという
 Intelで製品開発を統括するDadi Perlmutter(ダディ・パルムッター)執行副社長兼CPOは,IDF 2012の開幕を告げる基調講演に登壇し,携帯端末からデータセンターまで,すべての製品ジャンルにおいて,再発明と呼べるほどの変革をもたらしていく考えを示した。
 その皮切りとなるのが,Haswellを採用する第4世代Coreプロセッサと,Haswell世代のCPUとチップセットとをパッケージ上で統合したSoCであるというのが,Perlmutter氏の話のテーマである。

 Perlmutter氏いわく,「Windows 8とタッチインタフェースが,PCの使い方を大きく変えることは明白だが,それはあくまでも,PCの革新におけるスタートでしかない」。基調講演のなかで氏は,音声認識やジェスチャー認識などといった,人間にとってより自然な,いわゆるナチュラルユーザーインタフェースも,PCが持つ優れたCPU性能であれば実現可能だとして,2つの具体例を披露している。
 いずれも,Ivy Bridgeコアを採用する第3世代CoreプロセッサベースのUltrabookで,音声認識やジェスチャー認識を使ったものだ。



公開された,ジェスチャー認識のデモ環境。3DカメラにはCreative Technology製カメラが採用されている
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本文では触れなかったが,NFCによる決算のデモも行われた。東芝が,NFCによる決算機能をUltrabookへ搭載する最初のベンダーになるという
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 Intelは,アプリケーションやシステムにおけるナチュラルユーザーインタフェース対応を加速させるべく,ソフトウェア開発キット「Perceptual Computing SDK Beta」の無償提供を行う予定とのこと。本SDKでは,以下のソフトウェア開発を支援するとのことだ。

  • 顔認識・認証およびトラッキング
  • 指トラッキング
  • 近距離におけるジェスチャー認識(※手,指,腕の関節)
  • 音声認識
  • 2D/3Dオブジェクトのトラッキング

 基調講演でPerlmuttter氏が示したジェスチャー認識のデモでは,Creative Technology製の赤外線方式3Dカメラ「Interactive Gesture Camera」が用いられた。これはベルギーSoftKineticの深度センサー技術を採用する製品だ。

Perceptual Computing SDKは,現時点だと第2&3世代Coreプロセッサに対応。32/64bit版のWindows 7&8で利用可能。ユーザーが直感的に操作できるナチュラルユーザーインタフェースの実装により,大きな革新をもたらせるというのがIntelのメッセージだ
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 なお,Intelの関係者によれば,これらのナチュラルユーザーインタフェースをゲームで利用できるよう,ゲームエンジン「Unity」向けのツールも提供される見込みとのことだった。


2013年,第4世代のCoreプロセッサとともに,Ultrabookは大きな変革のときを迎えるとPerlmuttter氏
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 さて,Perlmutter氏は,「ナチュラルユーザーインタフェースをPCで実装するためには,PCのフォームファクターも変わる必要がある」とも述べている。要するに,Windows 8の登場によるタッチインタフェース時代の到来に合わせて,PCの心臓部となるCPUなどを液晶パネル側に実装して,液晶パネル部(=タブレットPC)とキーボードを着脱できるようにしたり,液晶パネル部をスライドさせたり回転させたりすることでタブレット型へ変形できるコンバーチブル型のように,Ultrabookのフォームファクタに多様性をもたらしていく,ということである。

新しいフォームファクタやプラットフォームが新しいユーザー体験をもたらす。だからUltrabookやノートPCの進化を加速させるというのがメッセージだ。現在全世界には約70種類のUltrabookがあるのだが,Windows 8の登場に合わせてさらに70種類以上増え,そしてそのなかにはコンバーチブル型などといった新しいフォームファクタの製品が多く含まれるという
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コンバーチブル型UltrabookがWindows 8搭載PC市場をリードしていくという市場分析
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「Intel Developer Forum 2011 San Francisco」で掲げられた「Connected Standby電力を20分の1に」は,Haswellの実シリコンで達成したという
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 そのほかPerlmutter氏の基調講演では,Haswell世代のUltrabookにおける新機能として,インターネットに接続したスタンバイ状態「Connected Standby」(コネクテッドスタンバイ)の存在も挙げられていた。Connected Standbyにより,第2世代Coreプロセッサ搭載環境で同じような状況を作ったときと比べて,消費電力を20分の1に抑えられるという。「(バッテリーの浪費を気にすることなく)スマートフォンやタブレットと同じ使い勝手を実現できる」(Perlmutter氏)そうで,Connected Standbyのままなら,10日以上というバッテリー駆動時間も達成できるとのことだ。


モバイル向けHaswellのラインナップが明らかに


基調講演のまとめ+αを行ったKirk Scaugen氏(Vice President & GM, PC Client Group, Intel)
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 Perlmutter氏の基調講演後に開かれた,Ultrabookに関する報道関係者向け説明会では,Intelでクライアント製品事業部を率いるKirk Skaugen(カーク・スカウゲン)副社長が,Haswellアーキテクチャの製品投入計画を明らかにした。「通常電圧版のモバイルCPUとデスクトップCPUが2013年前半,Ultrabook向けのCPUやSoCは2013年後半」(Skaugen氏)だそうだ。

 Skaugen氏はさらに,Haswellアーキテクチャを採用するモバイルCPU&SoCのTDP(Thermal Design Power)が,以下のような製品ラインナップになることも明らかにしている。

  • 通常電圧版のモバイルCPU:37〜47W
  • 一般的なUltrabook向けCPU&SoC:15〜17W
  • 超低電圧版SoC:10W以下

 TDP 10W以下のUltrabook向けSoCには,「Core」以外のプロセッサブランドが採用される可能性があるとのこと。さらに,32nmプロセス技術を採用するタブレット端末向けAtomプロセッサ「Cloverview」(クローバービュー,開発コードネーム)では,TDPが2Wに抑えられるとも氏は語っていた。

Ultrabook向けに15〜17Wの第4世代Coreプロセッサ(CPU単体とSoC),10W以下のSoCが用意されることが明らかにされた
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Haswellアーキテクチャを採用する第4世代Coreプロセッサの特徴
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HaswellベースUltrabookのリファレンスモデル。液晶パネル部とキーボード部のヒンジが360度の回転をサポートすることで,タブレット形態に変身する
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速報記事でもお伝えした,Haswell SoCの開発用ボード。PCHに相当するチップが基板上に見当たらないことから,PCH同機能がCPUパッケージに統合されていることを推測できる
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 なお,北米時間11日に開催された技術セッション「Technology Insight」では,第4世代Coreプロセッサに統合されるグラフィックス機能が「GT1」「GT2」「GT3」の3種類になると明らかになっている。
 先行して掲載した記事で,GT3の持つ3D性能が高いことはすでにお伝えしているが,この点についてPerlmutter氏が基調講演で「同じ消費電力帯であれば,性能は第3世代Coreプロセッサの2倍。仮に第3世代Coreプロセッサと同じ性能でよければ消費電力を半分にできる」と述べていたことは特筆しておきたい。それほどまでにIntelは,Haswell世代の統合型グラフィックス機能が持つ性能と省電力性に自信があるということなのだろう。


VAIO TAP 20
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 ちなみにSkaugen氏のセッションでは,オールインワンPCの「再発明」に関するアイデアの一端も示されている。氏は,ソニーが市場投入を予定しているオールインワンPC「VAIO Tap 20」を例に,「大きな画面を複数のユーザーで共有してディスカッションやゲームプレイができるようになったり,手軽に持ち運べるようになったりする」と述べ,オールインワンPCにもフォームファクタ変革のときが迫っているとアピール。合わせて氏は,オールインワンPCでも,ユーザーがマザーボードなどを交換することでスペックや性能をアップグレードできるよう,拡張性を持たせることも検討中だとも述べていた。

携帯デバイスからオールインワンPCまでのあらゆるデバイスで,タッチなどの新世代ユーザー体験を実現させるのがIntelの目的だ
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 なお,Haswellアーキテクチャの詳細は,Technology Insightやアーキテクチャ解説セッションの内容を基に,あらためてお届けする予定だ。

Haswellの開発を担当しているRonak Singhal(ロナーク・シンハル)シニアプリンシパルエンジニアが,「Hawsellアーキテクチャを採用するサーバー向けCPUでは,4コア以上のCPUコアが統合される」と説明していた。この発言は初日におけるトピックの1つといえるかもしれない。ただ,とにかく話題の中心はUltrabookで,デスクトップPCやサーバーの話題はほとんどないと述べてもいいくらいだった
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Intel Developer Forum公式Webページ(英語)

  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3-4000番台(Haswell)

  • 関連タイトル:

    Atom

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