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[TGS 2011]「Halo: Combat Evolved Anniversary」の開発者によるプレゼンレポート。初代Haloのリメイクはどこまで進化したのか
いつでも映像モードを切り替え可能
オリジナルとAnniversaryの映像の差は一目瞭然
プレゼンテーションは,Microsoftのゲームスタジオ「343 Industries」のフランチャイズチーム開発ディレクターであるFrank O’Connor(フランク・オコナー)氏が解説しながら,ゲームデザイナーであるChad Armstrong(チャド・アームストロング)氏が実演するという形で進められた。
Frank O’Connor氏(左)とChad Armstrong氏(右) |
ホテルニューオータニ幕張の一室でプレゼンしてもらった |
まず見せてもらったのは,キャンペーンモードから,「ピラー オブ オータム」(Pillar of Autumn)という名の戦艦を舞台としたレベル。Xbox版の「Halo: Combat Evolved」(以下,初代Halo)では「オータム」という名称で呼ばれていたところであり,Haloシリーズのファンにとっては懐かしい場所だ。
ただ,舞台は同じでも,グラフィックスとサウンドが完全にリメイクされており,印象は初代Haloのそれとは異なる。正直,同じシーンであると分かっていても,まったく別のゲームに見えるほどだ。
Halo Anniversaryで採用されているグラフィックスエンジンはHalo: Reach(以下,Halo Reach)と同じものだが,実際にはHalo Reachのエンジンと初代Haloのエンジンとを同時に走らせているとのこと。これは,ただリメイクするのではなく,初代Haloのプレイヤーに,10年前を思い出してほしかったための実装だそうだ。
この仕様により,プレイヤーは,キャンペーン中ならいつでも,コントローラのボタンを押すだけで,生まれ変わったグラフィックスの「Anniversaryモード」と,10年前のグラフィックスである「オリジナルモード」との間を行き来できるようになっている。
実際に切り替わる様子も見せてもらったが,最新の映像技術を盛り込んだ美麗な映像と,古臭くも懐かしさを覚える映像とのギャップは大きく,かなり異なった感覚で遊べる印象である。
ちなみに,「2つのグラフィックスエンジンを同期させる」作業の副産物として,3D立体視に対応できたのだそうだ。今回は「偏光メガネをかけると,オータム内部の光景を立体視できる」のを確認しただけだが,付加価値としての立体視対応というのはアリだろう。
O’Connor氏によると,ジャングルなどの外部マップでは,とくに良好な立体感を得られるとのこと。なお,3D立体視が可能なのはAnniversaryモードのみで,オリジナルモードは3D平面視のみの対応となる。
これは「Halo 3」にあったものと同様だが,ターミナルに近づいてクリックすると,Haloシリーズの全体的なストーリーがターミナルの画面上に表示される。「Halo 4」につながる内容も含まれているそうなので,シリーズのファンは漏らさず探し出しておきたいところだ。
マルチプレイ用にシリーズの人気マップ7つを収録
Reachのタイトルアップデートでタイトル間対戦も可能に
「マルチプレイには,Halo Reachのエンジンのみを採用した」とO’Connor氏。これは,ゲームそのものと,コミュニティ両方を考えたうえでの決定で,「複数のフィーチャーを導入することでファンコミュニティを分裂させたり,またそれによってプレイヤーの数を減らしてしまったりするのは,好ましくないと判断したため」だそうだ。
結果,開発チームは,マルチプレイモードのベースにHalo Reachを用い,マップには,この10年の間にファンから支持を得たマップを盛り込むという決断を下したという。
この決断により,11月にHalo Anniversaryが発売されたときには,Halo Reach側でもHalo Anniversaryとまったく同じバランスやプレイ感覚を提供できるようになるという。また,このアップデートと同じタイミングかどうかは語られなかったが,Halo ReachのプレイヤーがHalo Anniversary用のマップをダウンロードできるようになるともされたので,おそらく,Halo Reach側でアップデートを適用し,マップもダウンロードすれば,(E3 2011での情報どおり)Halo ReachとHalo Anniversaryで相互対戦が可能になるということなのだろう。
ただし,Halo Reach側のアップデートは,一度適用すると元に戻せなくなるそうで,「Halo Anniversaryと対戦しない前提で,Halo Reachならではのゲームバランスを維持する」という選択肢も,プレイヤーには提供されることになるようである。
さて,Halo Anniversaryのマルチプレイモードでは,初代HaloからHalo 3までの人気マップ7種が収録される。これには,「Halo 3: ODST」にあった,コヴナントを倒しスコアを稼ぐ協力モード「ファイアーファイト」も含まれるのだが,Halo Anniversaryでは,AIがコヴナントを探すのを手伝ってくれるようになるなどといった改良も施されているそうだ。また,「Halo 2」の人気ステージ「ヘッドロング」(Headlong)が収録されるとの情報も得られている。
なお,マルチプレイヤーマップの開発には,Halo 2から同シリーズのマップ開発に関わっているCertain Affinityが携わっていて,同社のMax Hoberman CEOはオリジナルモードの制作にも参加しているそうだ。マップのクオリティは従来のシリーズと同水準のものを期待していいのではなかろうか。
以上,足早に説明された情報のなかには,既報のものも混じっていたが,いずれの情報からも,初代HaloのHD画質リメイクに留まるつもりはないという,開発チームの意気込みは相当に伝わってくる。初代からのHaloファンは11月17日の発売日を楽しみに待とう。
「Halo: Combat Evolved Anniversary」公式サイト
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Halo: Combat Evolved Anniversary
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