インタビュー
「ボーダーランズ2」開発者インタビューを掲載。人気FPSの続編は,アートやストーリーにおいて大幅にパワーアップ
「ボーダーランズ2」公式サイト
3D Realmsの仕事を引き継いで「Duke Nukem Forever」(2011年)を完成させたことでも知られるが,やはり彼らを一躍メジャーに引き上げたのは2009年の「ボーダーランズ」(PC/PlayStation 3/Xbox 360)だろう。
Gearboxでボーダーランズ2のプロデュースを担当するウェス・パーカー(Wes Parker)氏によると,現在100人以上のスタッフがボーダーランズ2の開発に従事しているという。
2013年には,現在進行中の複数のプロジェクトをこなすため,より大きなオフィスに移転するというGearboxだが,彼らが開発するボーダーランズ2も,そんなノッているデベロッパらしい,強烈な爆発力を感じさせる作品に仕上がりつつある。アクション性の高さや独自のゲームシステムはもちろん,キャラクターデザインやアートワークも独創的で,2012年を代表するタイトルになるという雰囲気が漂っている。
2K Gamesがサンフランシスコで開催したボーダーランズ2のイベントと,そこで行われたテストプレイの内容ついては,以下のリンクを参照してほしいが,ここでは,そんなボーダーランズ2の開発チームでクリエイティブディレクターを務める,ポール・ヘルクイスト(Paul Hellquist)氏にインタビューを行った。デモプレイでは分からなかった部分や,前作での反省点がいかにボーダーランズ2の開発に反映されているのかなどが語られているので,ぜひチェックしてほしい。
「ボーダーランズ2」のメディアイベントがサンフランシスコで開催。
前作から何がどのように進化したのか,実際にプレイして確認した
4Gamer:
前作「ボーダーランズ」は,世界累計で450万本というヒット作になっていますが,これはGearboxにとってサプライズだったでしょうか?
Hellquist氏:
イエスであり,ノーでもあります。ボーダーランズは「Brothers in Arms」シリーズに続くGearboxの独自IPであり,2009年に発売されたFPSタイトルの中でも数少い(続編ではない)オリジナルタイトルでした。ですから,それなりに成功するとは予想していましたが,450万本のセールスを記録するとは,正直言って考えもしませんでした。
4Gamer:
ボーダーランズのヒットの理由はなんだと思いますか?
Hellquist氏:
そうですね,ゲーマーがどんなゲームで遊びたいのか,我々がじっくり考えたからでしょうか。RPG的な要素,例えば「Diablo」のようにコレクター魂をくすぐる膨大な数の武器を用意していますが,それでいてFPSらしいスピード感を失わないように配慮しました。もちろん,個性的なアートスタイルにも気を使っています。
4Gamer:
そのアートがこのようになった経緯については,以前,説明していただきました。かなり制作が進んだ段階にも関わらす,アーティスト達が団結して今のアートを作り上げたそうですね (関連記事)。
Hellquist氏:
そういった,「全員で良いものにしよう」というエネルギーが,ボーダーランズを作り上げたのかも知れません。
4Gamer:
とはいえ,満足できなかった部分もあるんじゃないでしょうか。今回のボーダーランズ2で,解消できた不満点がもしあれば,教えてください。
Hellquist氏:
意外かも知れませんが,まずはアート面ですね。ボーダーランズのアートワークは美しいものでしたが,砂漠地帯を舞台にしていたために茶色系が多く,グラフィックスを生かし切れなかった部分を感じていました。今回は,惑星中のさまざまなロケーションでアドベンチャーを重ねていくことになりますので,それぞれの土地や気象に沿ったカラフルなものを意識しています。
4Gamer:
確かにそれは意外な不満要素かもしれません。
Hellquist氏:
それから,ストーリー部分です。前作では,「なぜゲームを進めているのか分からない」とか「どんなストーリーだったか忘れてしまう」というような評価もありました。NPCのパーソナリティを引き立てようと試みてはいるものの,ストーリーとうまく絡んでいなかったのは,我々も自覚しています。ですから,今回はストーリー部分に配慮したゲームデザインを行っており,そのためNPCの数も増えています。プレイアブルキャラクターがどういう人物なのか把握しにくい部分がありましたが,そのあたりも改善しようと考えています。
4Gamer:
プレイアブルキャラクターについてですが,今回のデモプレイで使えたサルバドール(Salvador)とマヤ(Maya)については,事前情報で割とファンに知られていますが,アクストン(Axton)とゼロ(Zer0)についてはほとんど発表されていませんね。
Hellquist氏:
アクストンは,前作のキャラクターだったローランド(Roland)のクラス,「ソルジャー」よりも上位の「コマンドー」です。タレットを設置できるのは,ローランドのスキルにもありましたが,こちらはスキルツリーに沿って,さまざまな方向にアップグレードしていくことができます。死んだ妻も兵士だったという設定で,彼女のドッグタグを首から下げているんです。
一方のゼロはミステリアスなキャラクターです。名前は,オデコに書かれた0の表示からつけられたニックネームですね。戦った相手で生き残ったものはゼロ,という意味なんです。ゼロのスキルはディセプション(Deception)というもので,自分の分身を作って敵にそちらを攻撃させ,自分は迂回して相手を仕留められます。
4Gamer:
以前公開されたムービーでは剣を使っていましたが,今回は銃器だけじゃなくて,メレー系ウェポンが手に入るんですか?
Hellquist氏:
いや,それはありません。あれはデフォルトで装備している武器を利用しているのですが,これもスキルツリーである程度の拡張ができます。まあ,ボーダーランズシリーズはただでさえ武器が多いゲームですから,メレーウェポンまで出すと収拾がつかなくなっちゃいます(笑)。
4Gamer:
公式発表では,ボーダーランズ2に登場する武器の種類が「870ガジリオン」になってますが,前作よりも増えているんですか?
※ガジリオン(gazillion)は「非常に大きいが,はっきりしない数」という意味。通常,誇張表現で使われる
Hellquist氏:
増えてます。でももう,実際に数えるのはあきらめちゃっているんですけどね。武器メーカーの特徴なども前作以上に付けられていて,「最新の武器を作る」とか「デザインが古風」とか,メーカーによって個性があります。
4Gamer:
デモでは,使い切った弾倉を投げると,それが爆発するというようなものがありましたね。
Hellquist氏:
Tediore社の武器の特徴です。マガジンに残っている弾丸の数が多いほど,爆発したときの威力も大きくなるんですよ。
4Gamer:
芸が細かいですね。ユーザーインタフェース面でも変更点が多いようですが。
Hellquist氏:
コンパスじゃなくてミニマップになっているでしょ。あとはスキルツリーも見やすく,前よりもカッコよくなっていると思います。
4Gamer:
ところで最近,クラップトラップが書いたという「PCゲーマーに送るラブレター」を公開されましたね。
※クラップトラップは(Claptrap)前作に登場するロボットで,ボーダーランズのマスコット的存在
Hellquist氏:
はい。前作はコンシューマ機をメインにした新規IPの開発という目的もあって,PCゲーマーにとってはユーザーインタフェースなど,十分に満足できるものではなかったと反省しています。今回は,マウスホイールの活用やキーボードのリマッピングなど,PCゲーマー向けの機能を実装していますし,マルチプレイのマッチメイク機能の強化や,クラウドでのセーブなど,PC専用のフィーチャーも数多く用意しています。
4Gamer:
なるほど。PCゲーマーにも期待してほしいということですか。それではリリースを楽しみにしています。本日はありがとうございました。
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(C)2011 Gearbox Software, LLC. All rights reserved. Borderlands, Gearbox Software, and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, LLC in the U.S. and other countries. Borderlands is published and distributed by 2K Games. 2K Games and the 2K Games logo are registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. in the U.S. and other countries and used here under license.
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