イベント
アナログゲームの祭典「ゲームマーケット2013秋」をたっぷりの写真とともにレポート。小雨の中,5000人以上の参加者が集まる
今やアジアでも最大級のボードゲーム/カードゲーム即売会に成長した本イベント。東京ビッグサイトに会場を移しての開催としては2回目となる今回は,朝から小雨が降るあいにくの天気ではあったにも関わらず,5000人以上の参加者で盛り上がっていた。
本稿では,そんな会場の模様をレポートしていこう。ただ,今回の出展数は一般216,企業41(そのほか人狼などの大型企画ブースも)と,すべてのブースやイベントをチェックすることが難しい規模になっており,回りきれなかった部分はある。そのため,筆者が見聞きできた範囲に限られてはしまうが,できるだけ多くのブースを写真やテキストで紹介していくので,現場の熱気をほんの少しでも感じてもらえれば幸いだ。
ゲームマーケット公式サイト
話題その1:ニコニコ生放送との連動
近年のアナログゲーム普及に大きく影響を与えているのが,ニコニコ動画を中心としたネットでのゲームプレイ実況である。文章だけでは分かりにくいアナログゲームの楽しさも,動画であればより伝えられるというわけだ。
今回のGM2013秋では,ニコニコ生放送との連動で,イベント直前に,「ゲームマーケットチャンネル」が開設され,注目ポイントを予習する番組が公開されたり,特設ブースから生中継で「ニコニコ自作ゲームフェス2」の受賞作発表や,受賞作の生プレイ実況が行われた。
放送中のひとコマ。アナログゲーム界の人気者を集めて,タンサンファブリークの「人間ゲーム」をプレイ中 |
「ニコニコ自作ゲームフェス2」の受賞作発表を会場から生配信。巨大ディスプレイの前は観客でいっぱいになった。なお,大賞はフラッシュゲーム「SANXEN WORLD」が受賞 |
話題2:ゲームマーケットから世界へ
10月22日に掲載した「500円ゲームズ」の記事でも紹介したとおり,出展されたゲームが商用化されるというのは,今のゲームマーケットをとりまく大きな流れの1つと言えるだろう。
また,ゲームマーケット直前にドイツで行なわれた世界最大のボードゲームイベント「エッセン・シュピール(Essen Spiel)」でも,ヤポンブランド(和製ゲームを海外に紹介するプロジェクト)によって日本人デザイナーが手がけた12作品が持ち込まれたが,いずれも完売し,多くの著名メーカーから引き合いがあった。日本国内だけでなく,ゲームマーケット出身のゲームデザイナーが世界に飛び立っていく図式もできあがっているのである。
その結果,日本へ凱旋する形で商業化されたのが,カナイセイジ氏の「ラブレター」および新作「ラブレター・トゥ・レディ・ラック」と,木皿儀隼一氏の「あやつりキングダム」「よくばりキングダム」を収録したカードゲーム作品集,「プリンセスワンダー」(アークライト)である。
「人狼」を小人数・短時間で遊べるヒット作「ワンナイト人狼」は,「究極の人狼」を作ったBezier Gamesより世界展開が決定 |
「500円ゲームズ」として作られたI was gameの「ダンジョン オブ マンダム」は,オインクゲームズによって今回リメイクされた |
アークライトブースでの「プリンセスワンダー」のインストは,秋葉原のカルチャーカフェ「シャッツキステ」のレイラさんが担当 |
熊本のボードゲーム専門店「ゲームフィールド」では,「500円ゲームズ」企画から生まれた「パトロナイズ」「セイルトゥインディア」を商品化 |
話題3:後夜祭開催!
もうひとつの話題は,ゲームマーケットの後夜祭として,ニフティの運営するお台場のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」にて,「ゲームマーケット2013 アフターパーティー」が初開催されたことだろう。
第1回の今回は,アナログゲーム界の重鎮,鈴木銀一郎氏がメインゲストとして出席。来場者たちはおしゃれなバースペースで,飲食しつつ手に入れたばかりのゲームを遊ぶ優雅な時間を過ごした。
鈴木銀一郎氏による乾杯。「ゲームマーケットがいつか宿泊イベントになって,何日もゲームできるといいと思っています。この後夜祭はそんな夢への第一歩」と述べた |
お酒を片手に,「レジスタンス:アヴァロン」(ホビージャパン)をプレイする鈴木氏(左) |
ヤポンブランドの顔,健部伸明氏はステージで「日本のゲームは世界に誇っていいレベルに達しています」と述べる |
参加者は入場と同時に帽子をかぶらされ,そこに書かれた単語を当てるインディアンポーカー型ワードゲームでほかの参加者と交流を深める。これがなかなか当たらない |
話題4:人狼ブームは最高潮!
2013年は「人狼」の年だったと言っても過言ではないだろう。人狼ブームは,数年前から徐々に高まってきていたが,あくまで知る人ぞ知るゲームだった。それが,スマホアプリ化でブレイクしたり,春から複数の局でTV番組化されたりしたことで,認知度は大きく高まっている。この人狼ブームを受け,今回も多数の人狼系ゲームが出展されたほか,イベントエリアでは「東京村」による人狼体験イベント「経験浅き者の村」が開催された。
また,今回のゲームマーケットでも,前回に引き続き多数の人狼ゲームが出展されていた。その中から気になるタイトルをいくつか紹介しよう。
人狼体験イベントでは11人で構成される村が3つ用意されたが,毎回予約で満員となっていた。なお,結果は村人側の勝利がやや多めだったようだ |
スタッフによるゲームマスターのほか,初心者向けの議論アシスタントとなる「アドバイス役」が配置され,初めての人にも優しい人狼となった |
大人気「ワンナイト人狼」のハロウィンバージョン。プラスチック製のカードが採用されている |
「聖剣伝説2」などの作曲で知られる元スクウェアの菊田裕樹氏は,人狼用BGMのCD「人狼伴奏音楽集」を販売 |
台湾ボードゲームデザインの「狼の血」。インディアンポーカー方式で,自分がどちらの陣営かわからずに戦う |
アークライトが新発売した「はじめての人狼」。女性がハンドバッグに入れて持ち歩けることをコンセプトに,防水のおしゃれなカードになっている |
富士見書房は『「人狼」カード&プレイブック』を出展し,体験会も合わせて開催 |
「株式会社人狼」は,「うそつき人狼」「会話型心理ゲーム 人狼」を販売 |
スモール出版からは,ゲームブック形式で進行ができる「今夜はじめる人狼ゲーム」が発売。付属カードがスタイリッシュだ |
帽子などの人狼グッズを売る「マガジェット」の主催者は,「人狼読本」(エンターブレイン)にもライターとして参加しているとのことだ |
アート系人狼カードの代表格,月世界通信「トガの狼」は,拡張カードセットを発売。狼のお面は手作りだそうだ |
毎回ユニークなコンセプトのゲームを持ち込む中村 誠氏の「タダの人狼」。コピー1枚,制作にかかった費用の分だけ村人の欄に広告を入れた無料のゲーム |
ゆるぼ出張所の「人狼外伝〜霊界乃鬼編・改〜」。死んでもプレイに参加できる和風人狼の改訂版を刊行。ユニークな「こっくり人狼」もここの作品だ |
「こびと人狼」を発売しているのは,サークル名もそのままこびと人狼。かわいらしいこびとの村にも,人狼がやってきた! |
注目ブースをフォトレポート
最後に,企業ブースや海外メーカー,人気ブースなどから,気になった製品を写真とともに紹介していこう。
なお,2014年は,「ゲームマーケット2014大阪」が3月9日に大阪マーチャンダイズ・マートで,「ゲームマーケット2014春」が6月1日に東京で開催される予定だ。
今回のレポートで興味を持った人は,ぜひ,さらに会場が広くなったゲームマーケットに,足を運んでほしい。
■企業ブース
関西屈指のクリエイター集団,グループSNEはcossaicとのコラボで出展。写真は,ついに発売された「ゴーストハンター13 タイルゲーム」と安田 均社長。このゲームについては,今後「アナログゲームレビュー」記事で取り上げる予定だ |
リプレイ出演でも知られるゲーム大好き声優,大竹みゆさんらがカードゲームを紹介するDVD「ピアニィ・ガーデンinコザイク村」 |
4Gamerで取り上げたことのある「ダンガンロンパ1・2 超高校級の人狼」(アルジャーノンプロジェクト) |
デザイナーの橋本淳志氏は,モノクマになってインスト |
アークライトのブースでは多数の新作がデモプレイされていた。写真はパルプ雑誌風の冒険活劇を再現するストーリーテリングゲーム「真夜中の探偵 完全日本語版」 |
他人より長生きすることを目指すブラックジョーク満載の「心臓発作にならない10の方法」(アークライト) |
老舗のゲームメーカーであるホビージャパンは,今回も多数の製品を出展。新作は,「レジスタンス:アヴァロン」の追加カード |
ワイワイと積み木を積んだり,ダイスの砲弾を飛ばして崩したりする「ドッカーン!(KA-BOOM!)」(ホビージャパン) |
輸入ボードゲームと雑貨のお店,ドロッセルマイヤーズは,今回は人狼推し |
ステンレス製の連写式輪ゴム銃が,ドロッセルマイヤーズの店頭で異彩を放つ。職人の手による一品もので,価格は2万円オーバーだ |
こちらも手作りの革製バックギャモン・ボード。丸めて持ち歩けるのがカッコイイ |
名古屋の輸入ゲーム専門店,ゲームストア・バネストには,今回も中野店長ならではの品揃えを求めて人々が集った。店長のおすすめは「Puzzle Strike」。宝石を消す対戦型パズルゲームを,デッキ構築型ゲームふうに表現したものだ |
冒険企画局のブースでは,1人用のゲーム「Shephy」が発売。羊をたくさん増やす様子はまるで「Cookie Clicker」? スタッフによれば「1匹目に名前をつけるとより楽しく遊べます」とのこと |
KADOKAWA メディアファクトリーからは,大人気アプリ「パズル&ドラゴンズ」のデッキ構築型ゲーム「攻略! メタドラダンジョン」が発売 |
来年発売予定のボードゲーム「Arcatype」(月島ファクトリー)のβ版が配布されていた |
チーム桜刻館は短時間で遊べる新作カードゲーム「シュークリームは誰のもの?」を発売 |
テンデイズゲームズでは,田中 誠店長が執筆した「BOARD GAME GUIDE 500」が出展 |
ジャイアントホビーでは,メタルミニチュア6体入りの宇宙ものボードゲーム「宇宙の墓場サルガッソー」が販売されていた |
グランディングの新作は,自分のキャンディーの価値をひそかに上げつつ,他人のキャンディーがどれかを推理する「キャンディーチェイサー」 |
ワンドローでは,「ロストレガシー」第2弾「百年戦争と竜の巫女」が売れ行き好調。16枚で遊べるゲームが2つ入って,それぞれ単独でも,今までのシリーズと混ぜても遊べる。「これからもこの形で続けていきたいと思います」とのこと |
iPad用のボードゲーム系アプリを扱うPlaydekブースには,「Summoner Wars」のコスプレをしたお姉さんが |
「バイオハザード」シリーズの海外版タイトルに基づくデッキ構築型カードゲーム「バイオハザード サバイバルホラー デックビルディングゲーム(Resident Evil Deck Building Game)」(プレミアムバンダイ) |
本格シミュレーションから,ライトなボードゲームまでを取り扱うサンセットゲームズ。気球コマが目をひくのは,落ちそうな気球を運転して空の彼方を目指す「Cloud9」 |
Baka Fire Partyからは「惨劇RoopeR X(カイ)」の拡張第3弾「Another Horizon」と「脚本集」が新発売に |
すごろくやのオススメは「Florenza」カードゲーム。実際に遊んだ人が店頭で「イイネ!」シールを貼っていくという試みも |
伊藤商会/プレイスペース広島は,レーザー刻印や石膏製のオリジナルダイスを多数出展 |
書泉ブースの店頭には「艦これ」をはじめ,話題のゲーム関連書籍が置かれていた |
カタンの6年ぶりとなる新作「カタンの開拓者たち 探検者と海賊版」(ジーピー)が発表。今回は乗組員や荷物を積み込んだ船を動かし,世界を広げていくことになる。発売は来春予定だ |
7色のカードで7種のゲームができる「JELLY!」(JELLY JELLY GAMES)が先行発売。作者の姪っ子さんもインストに参加中。東急ハンズなどでも扱われるとのこと |
みさき工房の「ラクール・コロシアム」は,カードドラフト方式のファンタジー・トーナメントで,魔法使いと戦士のペアで優勝を目指す |
■海外メーカー
台湾のゲームクリエーターら11のサークルが連合して出店した台湾ボードゲームデザインのブースには,多彩なゲームがぎっしりとひしめいていた |
台湾ボードゲームデザインより,蒸籠に入った食べ物ゲーム「ディムサム」。シュウマイはスタートプレイヤーマーカー |
同じく「スウィート女王のドレスクロニクル」。入れ物にもなる下敷きのキルトはデザイナーが手縫い |
猫を積み上げる「Cat Tower(畳畳猫)」など,どこか温かみのあるゲームもあった |
台湾のスワンパナシアでは,大人気の「小吃大胃王(Taiwan Snackbar)」の続編を発売。カワイイ猫たちが大食い大会に挑む |
Visionaryから改名した韓国メーカーMagpie。ホームズ・ファン垂涎の推理ゲーム「Holmes13」が目玉 |
■人気ブース
どうながねこぞく売り場の「どうながねこぞくのたたかい」は愛らしいイラストで大人気。今回も開始早々に長い列が |
姉妹サークル,ぴよらっと売り場ではあやしげなカードゲーム「いぎょらっと」も出展 |
世界で活躍するカナイ製作所には,新作「Eight Epics」のテスト版を求める来場者で,開場と同時に行列ができていた |
OKAZUブランドの新作「江戸屋敷」(先行版)は,アクション要素の入ったパズルゲーム。さっそく完売! |
篠原遊戯重工の新作「クルリア」は,神経衰弱的な要素もある対戦型色合わせパズル。こちらも完売 |
中村 誠氏の「SORAMIMI FANTASY」(手前)。WEBでダウンロードした音声と組み合わせて遊ぶダンジョンゲーム |
高級感のある造形で定評のあるツムラクリエイションの石取りゲーム「アメン」。サイコロを振る台も木工作家の1点ものだ |
桜遊庵の和風陣取りゲーム「かれいど」。繊細な色合いが美しい |
高天原の新作「アルパカバーガー」。アルパカやネズミ入りのハンバーガーを作っちゃおう! |
同じく高天原から,こちらはやや硬派な新作「Gem c’Rock」。宝石を採掘しては細工し,贈り物としての価値を競う |
Juniasの新作「ワリトリペンギン」は,可愛らしい見た目ながら読み合いが難しい陣取り合戦 |
ドミニオン木曜会は,「ドミニオン」の定石や技術を学ぶための「ドミニオンラーニング」を発売。ゲームマーケット限定付録には一人回しで練習するための専用シートが |
■新作ピックアップ
ヴァイキングをテーマにしたワーカープレイスメントゲーム「ヘイムスクリングラ」(遊星からのフリーキック) |
どれが王様でどれが爆弾? 秘密のコマで戦う「王様と爆弾」(ヒツジスタジオ) |
ビンに入った様子が可愛い陣取りゲーム「Clover Cookies」(エイトゲームプロジェクト) |
「#大洗市街戦ボドゲ化問題」(N&Nfactory)。某戦車道アニメのあのシーンが再現できる? |
猫の写真がキュートな「しろくまフィットネスクラブ会員獲得大作戦」(トロイホース)。ほかにも猫のゲームが並んでいた |
pyx.isの「ゆめ描き」。優しい雰囲気のイラストが描かれたカードを使う物語制作ゲーム |
覚えているようで覚えていない思い出を蘇らせるゲーム「アノコロの俺ら」と「ゼロ年代の俺ら」(熊熊飯店) |
ひとじゃらしの「3秒ルール」。ビー玉を転がし,落ちるまでの3秒以内にお題をクリアせよ! |
絵本のような独特のアートセンスが光る「Dragon and Bandits 2nd Edition」(Plan E) |
「樹ブロック」で知られる植民地戦争+αは,シンプルながらしっかりとしたウォーゲーム「新しく簡単な戦争ゲームを作ってみた」を販売 |
EJIN研究所の「穴があったら入りたい」は,恥ずかしい過去や痛いできごとをネタにするパーティーゲーム |
トロヴィ工房の「ゲリマンダー」。選挙戦をテーマにした変則陣取りゲーム |
YbYの「Make Rule」。「ルールはない」と言い切る姿が潔い。3つのルールを提案して戦うが,誰が勝つかは最後までわからない不思議なゲーム |
「からふる どれいく」(夕日の土建屋さん)。絵合わせタイルの入った布袋はすべて会員の手縫いとか |
アンティークのスピンドル(糸巻き)を利用した騎士コマでリングを集める「The King of Rings 指輪王」(LOGY GAMES) |
アルハラシステムズの「オトーリバース」。宴会で飲みつぶされないように頑張るカードゲーム |
TRYGOODの「カノジョが下着を決める5つの理由。」「新バージョンにはユーザーの声を受けて,水色縞パンとヒョウ柄を追加しました!」とのこと |
「タマゴリッチ」(conception)のデモスペースには,本物のダチョウの卵が! |
言葉作りゲーム+ババ抜きの「コトババ」(“HP1”GameMakeBurrow) |
十式ワークスはSFテイストあふれるカードゲーム「ロボトリノ」と小粋な仕掛けの「トロージャン」を発売 |
「90日で−10kgやせる方法」は,文庫本のように見えて,実はDesk Game Theoryの対戦カードゲーム。いかにもな表紙のセンスに爆笑 |
ダイスタワーで相手の出目を予想する数字パズル,「サイコロ探偵デメロン」(ピグフォン) |
ひょうきんな絵柄だが読み合いの要素が強い農業ゲーム「たねまき」(HOY GAMES〜豆を愛する会〜) |
蜜健会の「BAK×KIN」。爆弾や金塊カードを配置して効率よく爆破を目指す。相手の爆弾を誘爆させるのもまた楽しい |
バランスクズシの「Fog」は情報隠蔽式の対戦型ボードゲーム。コーヒーで着色した羊皮紙風のボードが美しい |
マジックテープで貼ったりはがしたり。「ゲームができるTシャツ」の新バージョン(ドコウツカゲームズ) |
3Dプリンターでフィギュアを作る石膏粉末工房では,提督と艦娘のフィギュア,艦隊ダイスを出品 |
イラストレーターの佐々木 亮さんがデザインした「オムそばすけっと」(コトノハゲームズ)は,プレイ中にお腹が空いてくるカードゲーム |
■イベント風景
SFゲーム「パッチーズ」を売るRockin’chairの2人は,謎の宇宙人? |
有志によって運営されるゲームオークションには,レアなお宝ゲームが出ることもしばしば |
OKAZUブランドにて,おまけのコマたち。このようにエッセン・シュピールからの帰還組は,お土産持参のところもあった |
残りわずかな「ワンナイト人狼」のハロウィンバージョンを巡って,ジャンケンバトル! |
「あなたのカバンの中身,見せてください」その2はTRPG系をかなりカバー。「甲州蟹寺」(「クトゥルフ神話TRPG比叡山炎上」の同人サプリ)の存在感が半端ない |
最後に筆者の購入物を。今回は忙しくてほとんど買っていないはずなのに,なぜかこの量。とくに人狼系が多め。半分はいただきものです。ありがとうございました |
注目の高まる中,ゲームマーケットらしさを推進
ゲームマーケットは参加人数の増加を受け,前回から会場を東京ビッグサイトに移した。ゲームマーケットの運営責任者であるアークライトの山上新介氏によれば,ビッグサイト移動を機会に,参加者はさらに急増したという。参加者は前回とほぼ同じおよそ5000人。今回はTV東京のニュースで取り上げられたほか,多くのメディアが取材に訪れた。
ゲームマーケット事務局の山上新介氏
山上氏は,「前回はブシロードさんの大ヴァンガ祭と連動でしたので,単独開催としては今回が初になります。それと今回の天候を考えれば,前回に並ぶ集客は十分な成功と言えるでしょう」と述べる。
次回の2014春からは,広さが1.5倍の西4ホールでの開催となる。今回はやむなく先着順にしたが,次回以降のブース出展の申し込みは抽選制にして,ゆとりをもって準備してもらいたいとのことだ。
「今回の特徴として挙げられるのは,ニコ生との連動,人狼の定着に加えて,ゲームマーケット作品の商品化です。ゲームフィールドさんの『パトロナイズ』『セイルトゥインディア』,オインクゲームズさんの『ダンジョン オブ マンダム』のように,春に500円ゲームズで出たものが評価され,本格的な流通に乗る製品として再登場する。弊社の『プリンセスワンダー』も同様で,カナイセイジさん,木皿儀隼一さんの作品を出版したいと思いから来たものです」
ゲームマーケットの規模拡大に伴い,海外からの注目もさらに高まっているという。
「秋の回は,世界最大のエッセン・シュピールの後わずか1週間ということで,海外からの来場者はかなり少なめですが,アジア各国からは『ゲームマーケットは日本のエッセンだ』と言われるほど注目されています。今回は台湾,韓国,アメリカのブースも出ていますし,フランス人バイヤーも来ています。日本から世界に羽ばたく土台がしっかりとできてきたといえるでしょう」
将来の目標は,エッセン・シュピールのようなイベントに育てていくことかと質問したところ,「ゲームマーケットの未来は,エッセンになることではないと思っています」という。「あれは何泊にもわたる大規模なイベントですが,ゲームマーケットには商業的に大きなところも,小規模なブースも同様に出店し,実験していくことができる。そんな良さを残しながら,ベストを尽くしていきたいと思います」とのことだ。
ゲームマーケット公式サイト
- 関連タイトル:
ボードゲーム(アークライト)
- この記事のURL:
(c)2011 Arclight. all rights reserved.