ニュース
次世代のハイエンドスマホ向けCPU IP「Cortex-X4」が発表に。搭載製品は2023年後半〜2024年に登場
●CPU IP
- Cortex-X4
- Cortex-A720
- Cortex-A520
- Immortalis-G720
- Mali-G720
- Mali-G620
新しいCPU IPは,いずれもArmのCPU命令セット「Armv9-A」に準拠した製品である。プレミアムコアのCortex-X4は,マイクロアーキテクチャの改善で,前世代の「Cortex-X3」と比べて性能が15%向上しただけでなく,消費電力が40%少なくなったとのことだ。また,big.LITTLEアーキテクチャを構成する高性能コアのCortex-A720と,低電力コアのCortex-A520も,それぞれ電力効率が改善しているという。
CPUコア同士をつなぐのDSU(DynamIQ Shared Unit)も,既存の「DSU-110」から「DSU-120」に新しくなった。DSU-120では,管理できるCPUコアが12コアから14コアへと増えたのがポイントとなる。ただ,スマートフォン向けSoCで,それほどのメニーコアを採用するのは現実的ではないので,PCやChromebookといった製品に向けたCPUを想定した技術と理解するのがいいだろう。
Cortex-X4を採用したSoCのテストチップは,TSMCの製造プロセス「N3E」を用いて,テープアウト(設計完了)しているそうで,これらのIPを採用したSoCは,2023年の後半から2024年にかけて登場すると思われる。
また,TCS23世代では,GPUも大きく進化している。たとえば,GPU IPのImmortalis-G720は,第5世代のGPUマイクロアーキテクチャを採用することで,性能が15%向上している。
また,「Deferred Vertex Shading」技術(以下,DVS)により,メインメモリへのアクセス効率が向上したという。タイルベースレンダリング(関連記事)を採用するGPUでは,頂点シェーダとフラグメントシェーダ(ピクセルシェーダ)での処理で,メインメモリへのデータ転送が発生する。DVSは,こうした状況でのメインメモリへのアクセスを,1回にまとめるという。これにより,GPU性能の向上や消費電力の低減といった効果が得られるそうだ。
なお,詳細は明らかになっていないものの,Mali-G720とMali-G620も従来世代と比べて,性能が向上しているという。
また,Armは,2024年に登場予定のTCS24も公開した。CPUはプライムコア「Blackhawk」(開発コード名,以下同),高性能コア「Chaberton」,低電力コア「Hayes」,GPUは「Krake」の開発を進めているようだ。
Arm日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
Cortex-A
- 関連タイトル:
Mali,Immortalis
- この記事のURL: