プレイレポート
「ソウルワーカー」で実施された「ワールドプレミアテスト」で分かった本作のゲーム性。プレイアブルキャラクターと基本システムの情報を見る
今回,短い時間ではあるがワールドプレミアムテストに参加することができたので,基本的なゲーム内容を中心にプレイレポートをお届けしよう。ストーリーや世界観といった設定については,スペシャルサイトやインタビュー記事を参照してもらうとして,ここではゲームの土台となるアクション性について検証していきたい。
最初に操作法についてまとめておこう。戦闘時は基本的にTPSのような動作モードとなり,マウスルックで視点が切り替わる(後述のように変更も可能)。キーボードのW/A/S/Dキーで移動し,マウスの左クリックで通常攻撃,右クリックで特殊攻撃を行う。スペースバーでジャンプし,移動キーの連打でダッシュ系の回避動作,シフトキーを併用して移動すると転がり系の回避動作となる。スキルは,フルキーの数字キーで発動する。また,なんらかのオブジェクトやキャラクターに対しては,Fキーでアクセスができる。
テストプレイで選択できた3人のプレイアブルキャラクター
さて,ゲームを始めて最初に行うキャラメイクは,プレイアブルキャラクターのソウラムソード/ガンジャズ/ミストサイスの3人から好きなキャラクターを選び,髪型(各キャラ3種)やカラーバリエーション,基本衣装を選択する。
画面のシルエットを見れば分かるように,プレイアブルキャラクターは今後追加されていくことになるのだろう。
プレイアブルキャラクターは,それぞれ所持する武器や習得できるスキルが違うので,まったく異なったプレイ感で楽しめる。キャラクターを保存できる枠も多めに用意されていたので,とりあえず全キャラクター作ってみて,自分のプレイスタイルに合うキャラクターを探してみるのがよさそうだ。以前の紹介記事で登場していたチェーンソーを持ったメガネの子が個人的に気になっていたのだが,残念ながらプレミアテストではその姿を見ることはできなかった。
では,プレミアテストでプレイすることができた3人のキャラクターを紹介していこう。ゲームストーリー上のキャラ名に続きカッコ内にクラス名を併記している。クラス名を見ればどんな武器を使うかはだいたい分かるだろう。
●ハル・エスティア(ソウラムソード)
大人しく心優しい少女で,バトルにおいては巨大な剣を携えて戦う。ハルのような大人しい女の子が大剣をブンブン振り回している姿は新鮮だ。
基本攻撃は大剣を左右に薙ぎ払うような動きが多く,敵の集団をまとめて攻撃できるためかなり使いやすい。ただ,初期段階では最後の縦斬りの隙が大きいため,回避や特殊能力を出して硬直をキャンセルし,隙を消すように動く必要があるだろう。
特殊能力の地上版は,前方扇状の範囲の敵を捕縛する使い勝手のよい技となっている。空中版は,敵に向かって蹴りを急降下する技で,スピード感のある動きができる半面,敵の真っ只中に降りてしまう危険もあるので,スキルでフォローできるようクールタイムの管理はしっかり行おう。
スキルは,広範囲の敵を巻き込める技から,突進系の技や敵を打ち上げる技など,オーソドックスなものが揃っていて,状況に応じて使い分けられると強い。
通常攻撃の範囲の広さと,地上版特殊能力の使い勝手のよさから,近接攻撃しか持たないザコ敵には無類の強さを発揮するキャラクターといえる。ボス級の敵に対しては,通常攻撃の隙がやや大きいこともあって慎重な立ち回りを求められるが,敵の攻撃に合わせて突進系のスキルで裏に回ることができると集中攻撃を行いやすい。総じてスタンダードな性能のキャラクターとなっているので,アクションゲームに馴染みがない人でも無難にプレイできそうだ。
●アーウィン・アークライト(ガンジャズ)
自他ともに認める天才であるが,楽天的で軽い性格。ビジュアルのイメージだとニヒルな感じも受けるが,戦闘中もよくしゃべる。今回のテストで唯一の男性キャラクター。
アーウィンは基本的に二丁拳銃で戦うスタイルだ。銃を持っていることから遠距離攻撃が得意そうに思われるかもしれないが,基本攻撃の射程はそれほど長くない。どちらかというと範囲攻撃に優れていて,自分の後方にいる敵を巻き込めるほどだ。加えて格闘系の攻撃もこなすので,密接から中距離のレンジで戦えるキャラとなっている。
特殊能力は,地上版がトラップを設置し,空中版は空から地上の敵に向けて射撃を行う。トラップは,敵が近づくと爆発して一定時間スロー効果を与える。敵は自身のキャラに向かってまっすぐ歩いてくるタイプが多いので活躍の場は多いだろう。空中からの射撃は多段ヒットさせられるので意外とダメージが高い。
スキルは蹴りで敵を浮かせるものと,後方へ退避する体術系と,銃の乱射を行う攻撃系を初期段階から所持している。あとから習得できる攻撃系のスキルは強力なものが揃っているので,ある程度レベルが上がってから本領を発揮するタイプのキャラクターといえる。
銃を持っているが,基本的な戦い方はほかのキャラクターと同じで,敵を集めて基本攻撃を使ってダメージを与えつつスキルで追撃する。初期スキルは地味なものが多いが,回避系のスキルも持っているので,動かしていて楽しいキャラクターだ。
ゲームのシステム上,ゴリ押しでいける場面も多いのだが,敵の攻撃を避けて反撃するところにアクションゲームの面白さを見出すタイプのプレイヤーにオススメしたい。
●リリー・ブルームメルヘン(ミストサイス)
とある事件をきっかけに傲慢な性格になってしまったお嬢様。巨大な鎌状の武器を振るって戦うが,戦闘中は危ない性格になることも。
横方向に回転するような動きが多く,基本攻撃は範囲が広く優秀だ。だだし,最後まで出し切ってしまうと隙は大きいので,回避や特殊能力でフォローできるよう準備しておこう。
見た目どおりの攻撃範囲となっているので,敵に近づかなければならず,遠距離攻撃をしてくる敵は少々苦手だ。
特殊能力の地上版は,前方に瞬間移動する技で,通常攻撃の隙を消したり,遠くの敵に一気に接近するときなどに役に立つ。回避の代わりに使ってもいいだろう。
空中版は,ぐるぐると回転しながら敵を攻撃する技となっていて,発動中も移動できるのが最大の強みだ。強力な攻撃を持つボス級の敵と戦うときに重宝する。
初期スキルはすべて攻撃系で,敵を浮かせる技と,二つの範囲攻撃を所持している。範囲攻撃はどちらも同じ程度の威力なので,通常攻撃から連続して出してダメージ効率を高めるように戦っていこう。
リリーは,範囲攻撃に優れたスキルを中心にザコ敵をなぎ倒す豪快なバトルが楽しめるキャラクターだ。巨大な鎌を振り回すという性質上,大振りなモーションになっているので,特殊技や回避をうまく使って立ち回りたい。
ボス級の敵に対しては,空中版の特殊能力を敵の周囲を旋回するように使っていくといい。背の低い敵に当てにくいのが難点なので,ジャンプした直後に出せるよう練習しておこう。
キャラクターの成長は,レベルアップ時に入手できるスキルポイント(SP)を消費して,好きなスキルを習得または強化していく形だ。一部のスキルは,一定のレベルまで上げることで「特性」を習得でき,このスキル特性によって性能がアップし,場合によってはスキルの機能やモーションが変更されることもある。
ちなみに,基本攻撃や特殊能力はパッシブスキル扱いとなっていて,これらもレベルアップすることができる。基本攻撃なら連続攻撃回数が増え,特殊能力も性能が上がる。基本攻撃と特殊能力は使用頻度が高いので優先的にレベルを上げたほうがよいかもしれない。
「ソウルゲージ」という独自システムが爽快なバトルを演出
ゲームプレイのサイクルは,拠点となる町でクエストを受けたり,武具の製作や強化といったバトルの準備を整えたりして,メイズと呼ばれるダンジョンに挑戦していく。メイズでは経験値を稼ぎ,製作の材料や武具の現物など,戦利品を獲得するといった流れになる。
メイズには,疲労度を消費して進入することになるが,今回は序盤のダンジョンだったこともあってか,1日3時間に設定されたテストプレイ時間では疲労度を全部消費することはできなかった。デイリークエストをクリアして入手できる「トークン」で,疲労度を回復できるアイテムを入手することも可能なようなので,週末だけがっつりプレイしたいという人は,トークンを集めておくとよさそうだ。
本作では,オプションで,カメラの動きとキャラクターの動きが一致する「FIXED CAMERA MODE」と,カメラとキャラクターの動きが分離する「FREE CAMERA MODE」を選択することができる。前者ならTPSのノリでプレイできるし,後者ならアクションゲームらしいプレイ感覚になる。自分に合ったモードでプレイしよう。
なお,カメラの操作もあるためキーボードとマウスによるキー入力が最適だと思われるのだが,日本市場を意識した作品ということでゲームパッドの対応も予定している。プレミアテストでは,ゲームパッドのキーコンフィグができず使いにくかったが,次のテストまでには調整されるはずなので,ゲームパッド派の人も安心してほしい。
カメラの視点についていうと,フィールドの隅の壁沿いなどに近づくと,アングルが急に変わってしまうことも多くあった。こういった挙動のタイトルは少なくないのだが,大作として売り出していくなら細かいところまで気を使ってほしいところだ。全体的には軽快なアクションが楽しめる手堅い作りとなっているがゆえに,細かいところが気になってしまう。
実際のバトルにおいては,「ソウルゲージ」という独自要素がポイントになってくる。このソウルゲージは,通常攻撃でダメージをあたえることで増加し,アクティブスキルを使用するときに消費する。MPがないため,ボスまでスキルを温存しておく必要がなく,スキルを多用したダイナミックなバトルが楽しめるというわけだ。
本作は,無双シリーズのように大量のザコ敵が出現し,それをまとめて一掃するケースが多いため,ソウルゲージのシステムはうまく機能している。一方ボスとの戦いにおいては,敵の攻撃を回避するため基本攻撃を連打することは難しく,強敵であればあるほど地味な戦いになってしまいがちだ。ザコ戦は豪快に,ボス戦は慎重に敵の弱点や特殊攻撃を探りながらといったところだろうか。
ちなみに,スキルはショートカットに入れて使うのが基本だが,「スキルデッキ」を組んでおくと,同じショートカットキーを連続して押すだけで,デッキに登録した順番にスキルを発動してくれる。クールタイムがあるので連発はできないが,デッキに入れて発動するとダメージボーナスもあるようだ。あと,基本攻撃もキーを押しっぱなしにするだけで連続して発動してくれるので,スキルデッキシステムと合わせてキー入力はかなり楽になっているのは嬉しいところだ。
防御面で重要になる回避や,パッシブスキル対応のアクションの一部は,「スタミナ」を消費することになる。回避は,基本攻撃中に反撃されそうなときなどに多用するが,スタミナの回復が遅く,ここぞという場面を見極めて使わなければならない。回避の代わりに特殊能力を使ったり,基本攻撃の途中をジャンプでキャンセルしたりといったテクニックも活用しつつ,スタミナの残量を管理しながら戦おう。攻撃は大雑把でも何とかなるが,防御はしっかりとタイミングを取ることが大事なので,プレイヤーの操作センスが問われそうだ。
バトルのバランスに関しては,ポーション類が店で売られており,クールタイムがそれほど長くないため,敵の攻撃をすべて避けて先を目指すようなシビアさはない。その分,キャラクターのアクションそのものを楽しめるようなカジュアル寄りの作りであり,経験値稼ぎやアイテム収集のためにメイズを周回することを考えると,ほどよい難度なのではないだろうか。なお,プレミアテストではレベル15までプレイすることができたが,少なくともそのレベルまではソロで進めることができた。
メイズの構成は,いくつかの区画に分けられていて,区画内の敵をすべて倒すと次の区画に移動できる方式で,メイズの最後にはボスモンスターが待ち構えている。
メイズの難度は“ノーマル”が基本だが,一部のメイズには“ベリーハード”も用意されていた。ベリーハードは,ザコ敵の強さはノーマルとさほど変化はないようだが,一部のボスがザコ敵にまぎれて出現したりする。
高難度といえば,敵が固くなり攻撃力も大幅にアップする数値上の調整が行われることが多いが,本作ではそれとは違った方向性で難度設定が行われているのだ。
高難度ダンジョンでもザコ敵をまとめて倒す爽快感を維持するという試みは評価できるが,それでもまだ歯応えのあるダンジョンとは言い難いので,今後のさらなる調整に期待したい。
リプレイ性を高めるサブコンテンツは,一部を除いてゲーム内で確認できた
続いて,プレミアテストで確認できたサブコンテンツを紹介していこう。
拠点には,武具や消耗品を売る商店や銀行,武具やアクセサリーを「製作」できる場所など基本的な施設が揃っている。製作で使う素材の種類が多く,インベントリだけでは到底持ちきれないため,とくに銀行は重要な施設といえる。
銀行はアカウント共通の倉庫となっていて,ゲーム内マネーも入金することができるタイプだ。一定のレベル以上にキャラクターが育っていれば,ゲーム内マネーで倉庫枠とインベントリの枠を拡張することも可能だ。
製作は,レシピと必要素材の両方を集める必要があり,レシピ自体も一度製作するたびに消費される。疲労度の問題はあるが,ボスを倒すと比較的高確率でレシピを落とすので,製作を行う頻度は高くなりそうだ。製作した武具は,ランダムでオプションが付くこともあり,商店で売っているものよりも高性能となる。
なお,いらない武具を「分解」して素材にすることもできるようだが,費用が高く,メイズで入手できるものが大半であることから,序盤は単純に店売りしたほうがよさそうだった。武具関連だと,ソケットやツールチップ,「強化」といったシステムも用意されているようだが,プレミアテストではその内容を確認することはできなかった。
そのほか,オンラインゲームだけに,ほかのプレイヤーとパーティを組んでメイズにチャレンジすることも可能だ。プレミアテストでは機能していなかったが,オートマッチングのシステムも完備されているので,手軽にパーティプレイが楽しめそうだ。
ほかにも,プレイ状況に応じて業績が解除され,達成段階に応じて報酬がもらえる「レコード」や,メイズを繰り返しクリアすることで報酬を得る「占有率」,メイズごとに設定された目的を達成していくやり込み要素「メモリアル」など,リプレイ性を高めるようなシステムも数多く導入されている。
以上,プレミアテストで判明したソウルワーカーの基本システムの概要をお伝えしてきたがいかがだっただろうか。
日本で受けそうな世界観とその世界観を補完するアートワークの妙,豪華声優陣の起用など,ビジュアル面中心で話題が先行していたが,肝心のゲームシステムは,オンラインのアクションRPGとして基本はしっかり押さえつつもカジュアルに楽しめる仕上がりになっていた。同ジャンルにおいて優等生であることは間違いなく,根幹となるゲームシステムは,アクションRPGとしての面白い部分を伸ばすことを考えて開発されているように見受けられる。
ただし,総じてクオリティは高いのだが,完成度の点ではあと一歩といったところだろうか。世界初のテストであるという前提はあっても(修正はされるだろうが)クライアントが不安定で強制終了が多く,アクションの挙動に不自然さを感じることもあったのだ。
アクションをウリにしたタイトルにおいて大事な,操作感の部分については良好で,当たり判定も見た目どおりだ。ストレスの要因となるのは前述した壁際のカメラアングル程度ではないだろうか。とくに難しいことをしなくてもコンボがつながっていき,一騎当千のキャラクター達が,群がる敵をなぎ倒していく爽快バトルを十分に堪能できるだろう。
プレミアテストは,本作が持つ大器の片鱗をテスターに感じさせるには十分だったが,未完成な部分も少なからず露呈していたように思う。今回のテストの結果を踏まえて,次に行われるβテストでは,より完成度の高いソウルワーカーの世界を体験することができるはずだ。
4Gamerでは,これからも最新情報を公開していくのでお楽しみに。
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