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[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート
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印刷2012/06/07 21:53

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[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート

画像集#001のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート
 PCゲーマー待望の都市建設シミュレーション「SimCity」の紹介が,E3 2012のElectronic Artsブースで行われた。紹介は,デベロッパであるMaxisのスタッフが実際にプレイし,それを解説するというスタイルで行われた。解説を行ったのは,Maxisの副社長兼SimCityのジェネラルマネージャーでもあるBret Berry氏だ。

 ご存じのように,SimCityについてはEAが2012年4月18日にロンドンで行ったイベントでも紹介が行われており,次第にゲームの輪郭が明らかになりつつあるが,今回は,ロンドンでのイベントでも話題に出てきた「マルチプレイ」についての説明が中心となった。

Bret Berry氏
画像集#002のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート
 Berry氏は,まず,Sim Cityの特徴として「GlassBoxが使われている」「誰でも自由に街作りを楽しめる」,そして「マルチプレイ」の3点を挙げた。ちなみにGlassBoxとは,MaxisがSimCityのために開発したゲームエンジンで,1986年の初代「SimCity」の段階では,CPUの性能的に不可能だったレベルの都市建設シミュレーションを実現するために用意されたのだ。
 初代SimCityは,ランダムに出来事が起きているように見えても,実際には,その多くがあらかじめ決められていたイベントだった。今回,25年以上の歳月を経て飛躍的な性能向上を果たしたコンピュータを使って,よりリアルなシミュレーションを実現しようというわけだ。
 GlassBoxについては,2012年3月9日に掲載したGame Developers Coference 2012のレポートでも紹介しているので,興味のある人は読んでみてほしい。ともあれ“GassBoxが使われている”というのは,よりシミュレーション性が高いという意味だと思ってもらってかまわない。

画像集#006のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート
上は「Sim City」,下左が初代「シムシティー」,下右は「SimCity 2000」。グラフィックスも大きく向上している
画像集#004のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート 画像集#005のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート

 さて,本題のマルチプレイでは,4つのエリアが登場した。うち3つは,その場にいる3人のプレイヤーが操作しており,マップ右上にはStnesrow氏の街,左上はPearl氏,そして画面下はTaylor氏という具合に逆三角形の配置になっている。中心には,建設途中の大きな国際空港があるという感じだ。

画像集#007のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート
画像集#008のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート
 Taylor氏の街は,ごく普通のもので,住宅地や商店などが建ち並んでいる。問題はエネルギー不足で,エネルギー状況を可視化すると,多くの家々に電気が行っていないことが分かる。そこで,発電所を作るわけだが,火力発電にせよ代替エネルギーにせよ,配置するにはお金がかかるし,汚染の原因にもなりかねない。というわけで,Taylor氏はStnesrow氏の街から電気を引くことにした。
 このように,電力などのエネルギーを融通できるのが,マルチプレイの特徴だ。電力はTaylor氏の街につながる直前で止まっている道路に沿って流れており,あとは送電線を引けばいいだけだ。

 Taylor氏の街がカリフォルニアあたりの田舎町を思わせるのに対して,Stnesrow氏の街は工業都市だ。カメラを移動させると,そこはもくもくと煙を出す煙突が建ち並んだ大きな街。Stnesrow氏の街の地下には,地下資源として「石炭」が眠っており,採掘場を作ってそれらを掘り出し,火力発電所で電気に変え,多数の工場に供給しているというわけだ。こういうやり方で街を作れば,お金がたくさん儲かるという。

 電力問題に一応のメドを付けたTaylor氏が住民の幸福度を調べると,どうも娯楽が不足しているようだと分かった。娯楽施設を作ればいいのだが,発電所と同様,こちらもお金がかかる。というわけで,Pearl氏の街と連携することにした。Pearl氏の街は,娯楽都市で,カジノや劇場など,さまざまな建物がある。Taylor氏の街の人々は,こぞってPearl氏の街へ遊びに行き,幸福度が上がったようだが,データを見ると,どうも深刻な交通渋滞が起きているらしい。

これはシティホール
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 そのタイミングでPearl氏は,ちょうどうまい具合にアンロックされた「プロスタジアム」を建設した。これは,E3会場のそばにあるStaples Centerになんとなく似ているような似ていないような巨大屋内競技施設で,これを作ることで多くの観光客を呼び込めるわけだ。とはいえ,Taylor氏の街からやってくる人々のせいで交通渋滞はさらに深刻化。というわけで,Pearl氏は市電などの公共交通機関の整備を始めた。

 さて,カメラを再びStnesrow氏の街へ戻すと,いつの間にか,街中の屋根や壁に落書き(グラフィティ)が描かれている。工場が多すぎるために汚染が広がり,人々が逃げ出し(工場労働者は,ほかの街からやってくるようになった),住宅地がスラム化して,犯罪発生率が高まったのだ。
 一見すると,Stnesrow氏だけの問題のようだが,そうでもない。汚染は隣接するプレイヤーの街にも広がるし,犯罪者もやってくる。今しも,天上にガイコツの絵を描いた車がStnesrow氏の街からTaylor氏の街へやってきた。車は銀行の前で停まると,中から飛び出した男達が中へ飛び込んでいった。響き渡る銃声。銀行強盗だ。小さな人間がちょこちょこと動き,いっちょまえに銃を撃ったりする光景はなんだか面白いが,事態は深刻。銀行強盗が発生したせいで,人々が寄りつかなくなり,そのせいでドーナツ屋が一件つぶれてしまったのだ。

画像集#010のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート 画像集#011のサムネイル/[E3 2012]「SimCity」の欧米での発売は2013年2月。Electronic ArtsによるSimCityのマルチプレイデモレポート

 ……このように,ちょっと思いがけないような形で相互に影響を与えるのが,SimCityのマルチプレイだ。物事が次々に発生したため,筆者が勘違いしている部分もあるかもしれないが,だいたいこんな感じで,一人でプレイするときよりもいろいろなことが起きやすいという印象を受けた。

 やがて,共同で建築していた国際空港が完成の日を迎えた。盛大に花火が上がり,色とりどりのスモークを引いた戦闘機がセレモニーを盛り上げる。これで,ますます多くの人がこのエリアにやってくるはずだが,飛行機で行った先でもほかのプレイヤーが街を作っている可能性もあり,もしかしたら出ていく人のほうが多くなるかもしれない。いやいや,なかなか難しい。

 ロンドンでのイベントの段階では「2013年のいつか」となっていた欧米での本作の発売日だが,今回,Berry氏は2013年2月であると述べた。E3 2012に合わせて公開されたムービーの最後でもそのように書かれているので,まず間違いないだろう。マルチプレイも楽しめる本格的な都市建設シミュレーションゲームは,約8か月後に発売される予定だ。

4Gamer E3 2012特設ページはこちら

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