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orgarhythm(オルガリズム)公式サイトへ
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  • ネイロ
  • 発売日:2012/08/09
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[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた
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印刷2012/06/11 19:27

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[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた

 アクワイアが2012年8月9日に発売予定のPlayStation Vita用ソフト「orgarhythm(オルガリズム)」。実写映像による謎めいたコンセプトムービーが話題を呼んだ本作だが(関連記事),その初のプレイアブル版が,E3 2012のSony Computer Entertainmentブースに出展されていた。
 今回,会場にて本作のディレクターであるネイロの代表取締役社長 平井武史氏に話をうかがう機会を得たので,ゲームシステムの特徴と,その狙いについて,試遊レポートと共にお伝えしていこう。

画像集#002のサムネイル/[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた

「orgarhythm(オルガリズム)」公式サイト



右脳と左脳を並行して働かせるゲームシステム


ネイロ 平井武史氏
画像集#007のサムネイル/[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた
 まずは本作の基本システムについて説明しよう。本作はジャンル名に「ミュージック×ストラテジー」と銘打たれており,音楽に合わせてインタフェースを操作するリズムゲームの要素と,戦略に基づいて兵士をコントロールするリアルタイムストラテジーの要素が組み合わさったゲームとなっている。

 一般的なリズムゲームと同様,本作もメニューからステージ(楽曲)を選んでプレイする形式となっており,ステージ数は全部で12種類。ステージごとにCASUAL/NORMAL/HARDの3段階の難度が存在していて,プレイ結果に応じてクリア後にリザルト画面が表示されるといった作りも,リズムゲームを遊んだことのある人ならば馴染みのあるもののはずだ。
 ステージを開始すると,プレイヤーキャラクターである“光の神”が,自動的にマップ内を行進していくが,その行く手にはさまざまな敵が現れる。光の神自身は攻撃する術を持たないが,光の神の周りに火/水/土の民が付いてきているので,彼らをうまくコントロールして敵を倒していくのが基本的なゲームの流れだ。ステージの最後にはボスも待ち受けており,それを倒せばステージクリアとなる。

画像集#013のサムネイル/[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた

 敵と味方のいずれにも火/水/土の属性の概念があり,火の敵には水の民を戦わせた方が有利であるなど,ジャンケンのような三すくみの関係となっている。また,攻撃の手段は「打撃」「弓矢」「投石」「生贄」の4種類が存在し,敵との距離などに応じて使い分ける必要がある。
 ただし,ゲーム中盤以降からアンロックされる「生贄」だけは特別で,これは民の命を犠牲にする代わりに周りにいる敵に大ダメージを与えるという自爆技となっている。さらに,条件を満たしていれば「回復」などの補助アクションも使用可能だ。


 このように,ステージセレクトが音ゲー的である一方,攻略の流れ自体はRTSに似た形態をとっているのだが,そのコマンドの出し方が面白い。それが次に紹介する4つのアクションから成る操作方法だが,これこそが本作のゲームシステム最大のキモなのだ。

 先日オープンしたばかりの公式サイトでは,「操作はたったの4アクション。」というコピーとともに,操作方法を示す1枚の画像が掲載されているのだが,あの画像を見ても何が何やらさっぱりというのが正直なところではないだろうか。しかし,実はあの画像は,本作の操作方法を端的に表現している。

画像集#001のサムネイル/[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた

 「4アクション」の内訳をざっくりと説明するなら,以下のとおりだ。なお,本作の操作はすべてタッチパネルで行う。

  1. アクション開始(画面中央のマーカーをタッチ)
  2. 使用キャラクター選択(火/水/土/補助のいずれかのマーカーをタッチ)
  3. 攻撃方法選択(打撃/弓矢/投石/生贄のいずれかのマーカーをタッチ)
  4. 攻撃位置&人数選択(マップ上の任意の地点に点や線を描く)

画像集#006のサムネイル/[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた

 このうち,1〜3のアクションは,マーカーをタッチするタイミングが重要となる。ここが本作の「リズムゲーム」たる由縁で,ステージBGMのリズムとタッチのタイミングが合っているかどうかで,Excellent/Cool/Good/Badといった評価がなされるのだ。
 タイミングを合わせて高評価を出せば,レベルアップによって味方のステータスが上がり,さらに民の人数も増加していく。逆に,タイミングをミスしてしまうとどんどんレベルが下がってしまうため,常にタイミング良く入力し続ける必要がある。

 実のところ,タイミングを合わせてマーカーをタッチするだけなら,そこまで難しくはない。だが,本作はリズムゲームであると同時に,ストラテジーゲームでもある。リズムゲームで求められる“リズム感”と,ストラテジーで求められる“判断力”。この2つを両立させようとすると,なかなか思いどおりにはいかないものなのだ。
 実際にプレイしてみると分かるのだが,戦況に応じて適切な行動をとろうとすると,タッチのタイミングがだんだんずれてきてしまう。かと言って,タイミングを合わせることに意識を集中させていると,今度は「遠くの敵を攻撃したいのに,間違えて打撃を選んでしまった!」といったミスが発生してしまう。

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 “リズム感”と“判断力”。片方ずつならば難なくこなせるにもかかわらず,同時に行おうとすると,どうしてこんなにもままならないのだろうか?

 プレイ後に平井氏から話を伺ったところ,本作では「人間の脳の働き」を逆手にとってゲームデザインをしているのだ,と種明かしをしてくれた。
 一般的に,右脳は直感的な働きをして,左脳は論理的な働きをする――という話を聞いたことがないだろか。本作の操作方法は,右脳(リズム感)と左脳(判断力)を並行して働かせる必要があるため,どちらか一方に意識を集中すると,もう片方が疎かになってしまうとのこと。
 筆者は最初,「思い通りに操作できないのは,自分が下手くそだからでは?」と思ったものだが,それこそまさに平井氏の計算通りだったわけである。そういったデザイン上のコンセプトを念頭において遊ぶと,また違った楽しさがあるかもしれない。

 ただ,このように説明すると,音ゲーやRTSに慣れない人にとっては,ハードルの高いゲームに思われてしまうかもしれないが,平井氏によると,最初こそ思い通りに操作できないものの,誰でもプレイを重ねるうちにどんどん慣れていくのが実感できるそうだ。
 たとえば車の運転などは,慣れないうちは信号や走行速度などにひたすら意識を向けていなければならないが,慣れてしまえば運転しながら雑談くらいは難なくこなせるようになる。それと一緒で,本作もプレイに一度なれてしまえば,かなり気持ちよくプレイできるようになる,とのことである。

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AI制御やCo-opモードなど,既存の枠に囚われない多彩な仕掛け


 本作には全部で12のステージが収録されているが,単に各ステージを1度ずつクリアしただけでは,本当の意味で「クリアした」とは言えないかもしれない。というのも,本作の敵はAIで制御されており,プレイヤーの戦い方を学習して手強くなるのだ。
 またプレイヤーは,ステージセレクト時に1種類だけ「スキル」を選択できる。スキルの効果は多種多様で,プレイを重ねるにつれてどんどん新しいものを習得できるとのこと。
 収録している楽曲やステージの数を単純に増やすのではなく,敵の動きやプレイヤーの選択肢を広げることで,遊びの深みを増すというこの発想は,非常に面白い試みといえるだろう。

スキル選択画面。なお敵のAI制御は,ステージセレクト画面でON/OFFを切り替えられるとのこと
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 さらに今回のプレイアブル版ではシングルモードしかプレイできなかったが,本作はアドホック通信によるCo-op(協力プレイ)や,2人対戦モードも用意されているという。

 Co-opモードは,シングルプレイと同じステージを協力して攻略していくという形だが,そのぶん単純に簡単になるのかというと,そうでもないのがまた面白い。このモードのポイントは,プレイヤーキャラクターである光の神は2体登場するが,兵士として戦う“民”は2人のプレイヤーで共有する,というところ。つまり一方のプレイヤーが火の民を動かしていると,もう一方のプレイヤーは水の民や土の民しか使えないわけだ。
 ただプレイヤー同士がリソースを共有することによる難しさはあるが,プレイヤーが2人いれば,補助アクションを行える機会や民の人数が増えるチャンスも倍に増えるため,基本的にはシングルよりも攻略しやすいそうだ。

 またバトルモードでは,専用のマップが用意されている。平井氏によると,プレイヤー同士のシビアな読み合いや駆け引きなど,シングルモードやCo-opモードとはまた違った楽しみ方ができるとのこと。

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 そのほか,とくに筆者が面白く感じたのは,ゲーム画面上でプレイヤーの意識を画面の中央に集中させるための工夫だ。風景写真の大部分にボカシをかけることで,風景をミニチュア風に見せる「ティルトシフト」という写真加工法があるが,本作のマップ画面には,同等の処理が施されている。
 また主にロック調の楽曲が使われている,本作の音楽も面白い。ステージBGMは5つのトラックが重ねられており,レベル1の状態では1トラックしか流れないが,レベルが上がるにつれてトラック数が増えていく。つまり,上手くプレイすればするほどにBGMが豪華になるのだ。プレイに応じてBGMが盛り上がっていく演出は,シンプルながらもとても気持ち良いのだ。

 今回,本作のコンセプトについて平井氏から話をうかがっていた中で,平井氏が独自に作成したという「リズムゲーム分布図」なるものを見せてもらった。その分布図は「リズムゲー/notリズムゲー」「能動的/受動的」の2軸に,これまでに世に出ているリズムゲームを大まかに分類したもの。
 例えば画面に流れるノーツ(譜面)に沿って入力するタイプのオーソドックスな音ゲーは受動的なリズムゲー」,体感コントローラなどで楽しむタイプのダンスゲームは「受動的なnotリズムゲー」,そしてプレイヤーの自由な入力に応じてゲーム側がサウンドをクオンタイズして(タイミングを揃えて)鳴らすものは「能動的なnotリズムゲー」,といった具合に(この図は,今後公式サイトで公開予定とのこと)。

 その中で,平井氏がorgarhythmで目指しているのは,上記のいずれとも異なる「能動的なリズムゲー」だという。筆者はいずれのカテゴリのリズムゲームもプレイしてきているが,たしかに今回の試遊では,既存の音ゲーにはない,新しいプレイフィールを味わうことができた。日本での発売が今から楽しみである。

画像集#005のサムネイル/[E3 2012]平井武史氏が目指す「能動的なリズムゲーム」とは。「orgarhythm」を試遊して,その斬新なコンセプトについて聞いてきた

「orgarhythm(オルガリズム)」公式サイト

「E3 2012の特設ページはこちら」

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