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鉄拳のオンライン対戦はここまで進化した。発売までひと月を切った「鉄拳タッグトーナメント2」,メディア先行体験会レポート
体験会では,PlayStation NetworkやXbox Liveを使ったオンライン対戦,また新モードである「FIGHT LAB(ファイトラボ)」などを実際にプレイすることができたので,本稿ではその実際のプレイフィールをお伝えしていこう。
「鉄拳タッグトーナメント2」公式サイト
オンライン対戦はここまで進化した
まずは,本作の購入を検討する人が,何より気になっているだろうオンライン対戦のプレイフィール,つまり“実際ところ「ラグ」はどうなのか”についてお知らせしよう。
安心してほしい。あくまでも筆者個人の感想だが,本作のオンライン対戦は,“ゲームセンターでの対戦とほとんど遜色なし”といって過言ではないでき映えだ。
こういってはなんだが,筆者としても,まさかここまでとは考えていなかった。そもそも鉄拳シリーズは,数ある対戦格闘ゲームの中でも“入力に応じた画面描画のレスポンスが速い”ことが特徴のタイトルだ。だからこそ,高速な駆け引きが楽しめる最高のゲームなのだが,一方で遅延の問題――オンライン対戦時のラグやモニタの表示遅延,コントローラの入力遅延などに対して,かなり弱いという側面を持っている。わずかな遅延があるだけで,プレイフィールには大きな違和感が生じてしまうのだ。
事実,「鉄拳5 DARK RESURRECTION」や「鉄拳6 BLOODLINE REBELLION」といった過去作にもオンライン対戦は実装されていたが,いずれも快適とはいいがたい状況だった。今回の「鉄拳タッグトーナメント2」も,もちろん発売は楽しみにしていたが,オンライン対戦には正直なところあまり期待していなかったのである。
しかしこのプレイフィールで対戦が楽しめるなら,これはもう文句のつけようがない。長年鉄拳シリーズをプレイしてきた筆者としては,「鉄拳のオンライン対戦もここまで進化したか」と感慨深くすらある。
どうやってこのオンライン対戦を実現したのかあまりに不思議だったため,同作のチーフプロデューサー 原田勝弘氏にこの疑問をぶつけてみたところ,実はアーケード版の時点から,オンライン対戦を見据えた設計を行っていたという。また同じフロアで仕事をしているという「ソウルキャリバーV」(PS3 / Xbox 360)のチームとも情報交換し,ネットコードなども参考にしている部分があるそうだ。
若干難しい話になってしまったが,本作が鉄拳デビューという新規プレイヤーはもちろん,アーケード版のプレイヤーも満足できるできなのは間違いない。むしろゲーセンに行く必要がなくなりそうで,そっちが心配なくらい。どうすんだこれ。
痒いところに手が届く「オンラインモード」
オンライン対戦の快適さに,思わず興奮して長く書きすぎてしまったが,オンラインモードの詳細について,改めてお伝えしていこう。
体験会Ver.では,試合の結果に応じて段位が変動する「ランクマッチ」と,段位の変動がなく気軽に楽しめる「プレイヤーマッチ」の,2つのゲームモードを遊ぶことができた。
どちらもコンシューマ版格闘ゲームのオンライン対戦ではお馴染みといっていいモードなので,あまり特筆すべき部分もないのだが,「ランクマッチ」では,簡易的なプラクティスモードである「ウォームアップスペース」で練習しながら,対戦相手を待ちうけられるのが大きなポイントだろう(関連記事)。
「ウォームアップスペース」は,後述するオフラインのプラクティスモードと比べると機能は少ないが,「木人」を相手にさまざまな技を試すことができる。対戦前にコンボの確認をしたり,文字通りウォーミングアップしたりするのに最適で,プレイヤーの腕前を問わず,かなり嬉しい仕組みである。
また「プレイヤーマッチ」では,好きな条件やルーム名を設定して対戦ルームが作成可能で,最大で6名(設定で変更可能)のプレイヤーが入室できる。
対戦中のプレイヤー以外は,現在進行中の対戦をリアルタイムで観戦できるほか,観戦中はテキストによるチャットが可能。同社の「ソウルキャリバーV」のプレイヤーマッチと似た仕組みだが,違いとしては「ルーム作成時に連勝制限を設定できること」「観戦中の対戦画面はフルスクリーンで,テキストチャットが上に重ねて表示される」といった部分が挙げられるだろう。
なおプレイヤーマッチには,「プラクティス」という設定があり,これをオンにしたルームでは,「ウォームアップスペース」と同じ仕様の簡易プラクティスモード「オンラインプラクティス」(体力と時間が無限/自キャラのみのダメージ表示)を遊ぶことができる。
参加人数の上限が2名になってしまうものの,家にいながらにして他人と練習ができるということで,上級者が初心者にコンボなど教えたり,攻略や研究を行ったりするのに役立ってくれそうなモードである。
オフラインも充実。「FIGHT LAB」と「プラクティスモード」
注目のコンシューマ版オリジナルモード「FIGHT LAB(ファイトラボ)」についても,実際に遊んでみた。“コンボット”と呼ばれるロボットを操り,提示されたミッションをクリアしていくミニゲーム仕立てのこのモードだが,実はこれ,手の込んだチュートリアルでもあったりする(関連記事)。
各ミッションをしっかりと練習すれば,本作の基本操作がマスターできるほか,ちゃんと鉄拳らしいバカバカしさがたっぷり詰まったストーリー(なんとフルボイス)も用意されていて,初心者はまずここから手を付けるのがオススメだ。
それだけでなく,ミッションクリアで得られるポイントを使えば,コンボットのカスタマイズも可能。先のポイントで購入した技(約300種類あるらしい)をコンボットに覚えさせれば,そのカスタマイズしたコンボットで,プレイヤーマッチ(ランクマッチは不可)に参戦することもできる。
……というか,風神拳に自分の好きな技を組み合わせられると聞いて,夢が広がらない鉄拳erはいないはず。というわけで,初心者のみならず上級者にとっても楽しめるモードになるのは間違いない。
もうひとつ,オンラインの「ウォームアップスペース」で簡易的なものが遊べる「プラクティス」だが,オフラインでは充実した設定項目が用意され,大幅にパワーアップしている。
強制カウンターやCPUの姿勢制御などはもちろんのこと,例えばコマンドリストのサンプルコンボでは,サンプル再生中にもキー入力表示が行われ,操作のタイミングを覚えやすい。
また「ソウルキャリバーV」にもあった機能だが,CPUのアクションを2つ設定して,連続再生できるのが嬉しいところだ。キーレコード機能と併用すれば,特定の技に対する確定反撃なども練習でき,まさに至れり尽くせりである。
アップデートでさらなる展開も?
個人的にも,発売がますます楽しみになったのは言うまでもない。
なお本作は,バンダイナムコゲームス公式SNSとして準備中の「World Tekken Federation」と連動も予定されている。プロフィールやプレイ履歴を閲覧できたり,ほかのプレイヤーとチームを結成したりできるといったことが可能になるそうで,こちらも楽しみ。
また発売後も,コミュニティに対するアプローチも含め,さまざまなアップデートを予定しているそうである。
体験会後の質疑応答では,チーフプロデューサーの原田氏から,「プレイヤーが分散してしまわないように,少しずつ遊びの幅を増やしていくつもり。アップデートというよりも,昔のタイムリリースのような感覚です」という言葉もいただいた。鉄拳erの代表として,発売“後”の展開にも大いに期待したいところだ。
「鉄拳タッグトーナメント2」公式サイト
- 関連タイトル:
鉄拳タッグトーナメント2
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(C) 2012 NBGI
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