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雰囲気バツグンの癒し系アプリ。iOS向けアクションパズルゲーム「Contre Jour」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第355回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
ここ最近,AppStoreのゲームランキングで“雰囲気ゲー”をよく見かける。ただ,空気感や世界観を重視するあまり,ゲーム性が薄いタイトルも少なくない。しかし,本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」で紹介する「Contre Jour」は,世界観の表現や演出にこだわりながらも,多彩なギミックが楽しいアクションパズル系の良質な雰囲気ゲーなのだ。
プレイヤーの目的は「Petit」と呼ばれる,目玉がひとつしかない謎の生物をステージのゴールまで運ぶこと。各ステージは,すべて1つの画面内で完結するので,1つのステージにおけるプレイ時間はおよそ1〜2分といったところだ。短時間でさっくりと遊び終われるというお手軽なゲーム性は,スマホとの相性もバッチリだ。
本作には5つの「チャプター」が用意されており,チャプターによって背景やキャラクター,ギミックの雰囲気がガラリと変化する。また,各チャプターにはそれぞれ20のステージが用意されているので,かなりのボリュームだ。ただし,チャプター2以降は後述の「光の玉」を特定数集めなければ開放されないので,地道にクリアしていこう。
さて,Petitをゴールへ運ぶと書いたが,プレイヤーは実際に彼を操作するわけではない。なんと彼が立っている地形を操作し,ゴールへと“導く”のだ。そのやり方は,まず地形の端をタップし,そのままドラッグ。すると地形がその動きの通りに出っ張ったり引っ込んだりする。粘土のように地形を変形させることで,Petitを転がらせたり,止まらせたりできるのだ。ただし,地形を変化させられる範囲はかなり狭いので,「どこを出っ張らせどこを引っ込めさせるか」というのを考えなければならない。
ゴールはモコモコした大きな光で,そこへ導けばステージクリア。クリア時には,クリアにかかった時間からボーナスが算出され,スコアとして表示される。また,ステージ内には3か所に光の玉が配置されており,これらをゲットした状態でクリアすれば「光ボーナス」が加算されるほか,入手した光の玉の数でチャプターが開放されていく。
序盤のステージは普通にゴールを目指すだけで3つ入手できることが多いが,次第に配置がいやらしくなり,しっかり筋道を立てて考えないと入手できなくなっていく。ステージの中には地面のないものもあり,そこにPetitが落下してしまうとステージがリセットされてしまうので,注意して挑んでいこう。
ステージ内のギミックは,地形の変形以外にも,ゴムのように大きく伸びる手や,Petitを大きく吹き飛ばす空気の間欠泉,ロープなど,多彩に用意されている。これらを利用しないとクリアできないステージもどんどんでてくるので,積極的に活用していこう。なお,ゴムの手やロープなどはひとつだけでなく,2つ以上同時にPetitにくっつけることができ,くっつけ方によって力の加わり方も変化する。
また,こういったギミック以外にも,Petitを邪魔するトラップが存在する。これらは逆に避けながらゴールを目指していこう。中には伸びる手やロープの進路上に配置されていることもあり,うかつにPetitを動かせない状況もでてくる。
耳に優しい音楽,直感的で軽快な操作性,閃きや倫理的思考が重要となる正当なパズル性,そして光の玉を3つコンプリートした状態で迎えるクリアの気持ちよさなど,非常に丁寧に作られている作品といえる。冒頭でも語ったが,雰囲気ゲーながらゲーム性もしっかりしていて,かなり遊び倒せること間違いなしだ。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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