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声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし
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印刷2013/08/12 21:22

イベント

声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)は,9月5日に発売予定のPlayStation 3用アクションゲーム「パペッティア」のプレミアムイベント「制作スタジオ潜入ツアー」を8月10日に開催した。
 このイベントは,同社のコミュニティサイト「プレコミュ」の会員を対象としたもので,応募者の中から抽選で選ばれたユーザーが,実際のゲーム制作現場を見学し,ゲームの試遊や,開発者とのトークを楽しめるというもの。
 「魔法劇場で繰り広げられる人形劇」という凝った世界観が特徴の本作だけに,イベントの各パートが始まるごとに開演ブザーが鳴り響くなど,ゲームの雰囲気を活かした数々の仕掛けが用意されていた。このツアーの模様をお届けする。

画像集#001のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし
イベントの会場は,品川にあるSCEJAの本社ビル。プレコミュを通して,こうしたスタジオツアーが行われるのは初めてのこと
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 受け付けをすませた参加者は,制作スタッフのインタビュー映像を鑑賞した後に,第一幕「制作ルームツアー」へと案内された。制作スタジオに向かうために乗ったエレベーター内では,ゲームでナレーションを担当する声優・藤原啓治さんによる,この日だけのスペシャル音声が流れる。ゲーム同様に芝居がかった大仰な言い回しで「魔法劇団へようこそ。本日はその舞台裏である美術工房へとご案内します」と説明があり,参加者達の期待はおのずと高まっていったようだった。

開発者のインタビュービデオに見入る参加者達。熱心なゲームファンが多かったようで,参加者達の楽しそうな表情が印象的だった
画像集#004のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

会場内には,台本やスタッフお手製のグッズ,イメージボードの数々などが展示されていた
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 「制作ルームツアー」では,実際にゲーム開発を担当したスタッフが,モーション,イメージボード,ライティング,リハーサルという4つの要素ごとに,本作がどのような工程で作られていったかを説明。
 一般ユーザー(というか,我々メディアも)足を踏み入れることの難しい開発現場で,ゲームを作っている人達から直接説明を受けられるという貴重な体験に,参加者達はすっかりのめりこんでいたようだ。
 ゲームのことを知りつくしているスタッフなだけにその語り口は実に軽妙で,短い時間ながらも非常に密度の濃い内容となっていた。

制作ルームの入り口に置かれたホワイトボードには,スタッフ直筆の歓迎イラストが
画像集#007のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

開発スタッフが普段仕事をしている環境でのデモンストレーション。開発スタッフのデスクを取り囲んだ参加者達は,話を聞き漏らすまいと熱心に聞き入っていた
画像集#036のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

モーション(動き)を説明するリード・アニメーターの川 孝平氏。主人公クウタロウには,ジャンプや攻撃といった基本アクション用に50種ほどのモーションと,数十種類の細かなモーションがあり,それらを組み合わせることで滑らかな動きを表現しているという
画像集#037のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

リード・ライティング・アーティストの小宮進吾氏が,光による演出を説明。ゲーム中ではシーンごとに数十個もの光源があり,その位置や向き,色を調節することで,より雰囲気を引き立たせているとのこと。光源あり(左)となし(右)で,大きく印象が異なることが実演された
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GOBOと呼ばれる照明道具を使い,ゲーム中のライティングの効果をわかりやすく説明する一幕も
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イメージボードから実際のゲーム画面ができるまでを説明する,リード・イメージボード・アーティストの中井 俊彦氏。企画者によるアイデアを,中井氏がイメージボード(左)に起こし,それを基にして,ゲーム中のステージのグラフィックスが制作される
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制作ルームに貼りだされた無数のイメージボードからは,制作にかけるこだわりや,かけられた手間の多さを感じた
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リハーサルのパートでは,ゲームデザイナーの山部 学氏がスクリプトツールによるゲームデザインの裏側を披露。開発機で動作しているゲームの“数値”を変えることで,リアルタイムに調整がなされていく。その様子を目の当たりにした参加者達は,驚きの声を上げていた
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画像集#018のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

 第二幕「制作スタッフ おもてなし試遊」では,参加者全員分が用意された試遊機にて,発売前の本作が1時間ほど楽しめた。しかも,開発スタッフが参加者ひとりひとりの隣に座り,遊び方を1対1でレクチャーしてくれるというおもてなしぶり。

 さらに,会場に用意された試遊機は,会場限定バージョンとなっており,事前に登録したユーザー名を,藤原啓治さんが読み上げてくれるというサプライズが実施された。わざわざ製作現場にまで足を運ぶ熱心なファンにとっては,一生忘れられない思い出になったことだろう。

画像集#020のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし 画像集#021のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし
特設の試遊会場へと案内された参加者は,隣りに座った開発スタッフの手ほどきを受けながら思い思いにプレイを楽しんでいた
画像集#019のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

ゲーム開始時に自分の名前で「我が親愛なる,○○様,あなた様だけに! 来る9月に全世界で初公開されます,当劇場の新作『パペッティア』その一部をお目にかけましょう」と読み上げられるサプライズが!
画像集#022のサムネイル/声優・藤原啓治さんも登場した「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーをレポート。開発スタッフが数々のサプライズでおもてなし

 第三幕「制作スタッフとパペッティアについて語ろう」では,ゲーム制作の中心スタッフたちのトークショーと,質疑応答が行われた。プロモーション担当の北尾泰大氏により,クリエイティブ・ディレクターのギャビン・ムーア氏,リードゲームデザイナーの佐藤一信氏,シナリオライターの岩片 烈氏が紹介され,穏やかなムードで開発秘話の数々が語られていった。

特設会場に登壇したパペッティア制作の中心メンバー。左から北尾氏,佐藤氏,ムーア氏,岩片氏
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 ムーア氏は,本作が作られたきっかけを「今までは,SIRENなどのリアルなゲームに関わってきたけど,自分の子供と楽しめる,(これまでとはまったく逆の)ファンタスティックなものが作りたくなった」と語る。
 主人公クウタロウの名前は,同氏の息子・クラウド君に由来するとしつつ,欧米でのミーティングで名前を説明する際に「Cut-rowって意味なんだろ?」と勝手に勘違いされ,クウタロウが,日本以外のバージョンでも共通の名前になったというエピソードを披露した。

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 「ひとりで遊んでもしっかり遊べるアクションゲームで,一見,子供向けに見えますが,大人がギョッとしたり,クスッとしたりするシーンやナレーションを用意した」と語ったのは佐藤氏。
 その言葉を受けて,岩片氏は「最初はまじめに作っていたが,“普通”といわれるあまり,ブラックユーモアを詰め込みました。誰か止めてくれるだろうと思っていたら,みんなが『大丈夫!』というので(笑)」と,製作時期が後半になるにつれて,どんどん調子を上げていったという。
 そのため,あやうくCERO区分がAではなくなりそうになり,慌てて表現をマイルドにする一幕もあったのだとか。ちなみに,こうしたテイストは,イギリスのコメディ集団「モンティ・パイソン」を意識してほしいという,ムーア氏のオーダーによるものだそうだ。

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 このほかにも,ピカリナが関西弁な理由が「イギリス英語を基準とすると,ピカリナは方言をしゃべるから」,クウタロウの武器をハサミにした理由を「剣では普通すぎるし,モノが自由に切れるハサミは,チョキチョキとしたリズムの良さがあるから」,「舞台がガラリと変わる演出は文楽がヒント」,「クウタロウのヘッドの数は100種類ある」など,とっておきの秘話を次々と披露していた。
 さらには,本作は常に画面内のキャラクターやナレーターがしゃべり続けていること,そしてこのイベント用に音声を収録したことに話題が及ぶと,「70人分の名前を呼ぶのはとてもたいへんだったんだぞ〜。品川にお集まりの紳士淑女の皆様……今日は熱いねぇ(笑)」という声とともに,特別ゲストの藤原啓治さんが姿を現した。

サプライズゲストとして登場した藤原さん(左)。「よく胡散臭い声といわれる」といった軽妙なトークで,参加者の笑いを誘っていた
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 藤原さんをナレーターに起用した経緯を「英語版は重厚なおじいさんの声なんですけど,日本語ではしっくりハマらず,藤原さんの声を聞いて,その瞬間に惚れました」と山本氏は説明。「品があって色気が合って,なのに軽薄(笑)」とも語りる。そのため海外版とはナレーターのキャラクターを変えているとのことだ。
 藤原さんは「このお芝居は,人を惑わせるような切り替えが多くて,演じていて面白かったです」とコメント。セリフの数が非常に多かったことで「古めかしくて慇懃(いんぎん),芝居がかった言い回しだったので,自分の芝居心をくすぐられました」と,収録時の気持ちを振り返っていた。
 なお,シナリオは後半にいくにつれ,おふざけ度が増していくようで,藤原さんいわく「収録を重ねる毎に,キャラクターの印象が変わっていった(笑)」とのことなので,発売を楽しみにしている人は,その辺りも意識してみるといいかもしれない。

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 トークの後には,制作スタッフの手作りのグッズや,特製の絵本が当たる抽選会が行われた。手作りグッズは,開発作業の手が空いたスタッフが自主的に作り始めたものだそうだ。イベントの最後には,制作スタッフと参加者全員が集まっての記念撮影が行われ,この日だけの特別な,そしてサプライズ満載の魔法劇場は幕を閉じた。

レアなグッズの数々をくじ引きで参加者にプレゼント。最後までサプライズ満載のイベントとなった
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「工場」として,制作ルームの片隅に設けられたグッズ製作工場。フェルト生地や型紙,裁縫道具などがズラリとならんでいる
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参加者に抽選でプレゼントされたサイン入り絵本(左)や手作りグッズ。また,参加者全員にTシャツとポスターが手渡された
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