紹介記事
PC版「黒い砂漠」の既存17クラスがリブート。プレイ感触が良かったのは?(後編)
PC版「黒い砂漠」の既存17クラスがリブート。プレイ感触が良かったのは?(前編)
PC向けMMORPG「黒い砂漠」で12月22日に,既存17クラスのスキルなどを上方修正する“リブート”が実装された。一通り試すのも簡単ではないほどのボリュームだ。そこで本稿では,筆者手持ちのキャラクターを使って,リブート17(+1)クラスの印象を,前後編の2回に分けて紹介しよう。
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テスト時の環境や前半の記事は「こちら」で確認しよう。なお,1月上旬時点の情報であり,今後のアップデートで仕様が変わる可能性がある。
ウィッチ/ウィザード(伝承)
ウィッチは女性魔法使いで,ウィザードは男性魔法使いになるが,メイン武器である「スタッフ」を使う“伝承”は,共通部分が多いので先にまとめて紹介しよう。
もっとも特徴的なのはメイン武器スキルの「マジックルアー」だ。これは敵をルアーに引きつけて,自分は安全な位置から攻撃が可能というもので,「ちょっとズルいのでは?」と言われそうなスキルになっている。事実,防具が整っていない段階でも格上モンスターと戦えるくらいで,初心者にとっては大きな魅力になるだろう。
ウィッチ/ウィザードの伝承は,「強:元素の流れ」が大きなポイントになる。このスキルを取ると,火,雷,水,大地の元素のうち最初に使用した元素のスキルを,右クリックを押すだけで連続して出せるようになるからだ。
例えば,雷元素のスキルを一通り取れば,雷元素のスキルを出すと右クリックを押しているだけで,コンボのようにどんどん出してくれる。
ただし,スキルの再使用待機時間を回避する意味で多くのスキルを取得しなければならず,スキルポイントが多く必要になってしまう。また,非常に楽ではあるが,基本的に棒立ちでスキルを出し続けることになるので,攻撃が痛い敵を相手にするときは危険だ。
そこで,こちらに敵が向かってこないように,あらかじめ「マジックルアー」を仕掛けておくといった使い方になるだろう。逆に言えば,マジックルアーが効かない相手は回避を混ぜて戦うことになるので,途端に操作が忙しくなる。
ウィッチ(伝承):快適度 ★★
ウィッチの伝承では,「強:マルチプルマジックアロー」が再使用待機時間中にも使用できるようになった(※)。これは「強:元素の流れ」に関係するスキルを使いたくないときの,ちょっとした削りなどに効果的だ。
※一部のスキルは,再使用待機時間中にも火力減少などのペナルティは発生するが利用できる
伝承ウィザード:快適度 ★★
ウィザードの伝承では,無敵状態で瞬間移動する「トランジション」「極:トランジション」のコンボスキルを,別スキルとして扱えるようになった。つまり,トランジションを2回使える点が魅力だ。とくにPvPで重宝されるが,PvEでもちょっとした移動時に有用なスキルになる。
覚醒ウィッチ:快適度 ★★★★
ウィッチの覚醒は,これまでと使い勝手がほとんど変わらないが,新規に追加されたスキルが3つあるので紹介しよう。「大地の叫び声」は近距離範囲攻撃,「稲妻の洗礼」は中距離範囲攻撃,「元素化」は瞬時に後方へ移動するというスキルだ。
伝承と違ってコンボの概念がなく,1つ1つのスキルを出していけば良いクラスなので操作しやすい。召喚獣「ゴル」「テト」を呼び出したり,毒沼こと「デッドリーポイズン」で敵を引きつけたりなど,とにかく自身の安全を確保する性能は,以前と変わらずピカイチである。
覚醒ウィザード:快適度 ★★★★
ウィザードの覚醒もウィッチと同じくコンボの概念がない。ただ,ウィッチよりも全体的に近接戦闘寄りの戦い方になるので,ダメージは少々食らいやすい印象だ。とはいえ,マグマを作る「ラーヴァフィールド」や召喚獣「アネ」「マグ」を使って,敵の視線をそちらに向かせておけるので,伝承よりも安全性は高い。
攻撃スキルに前方移動攻撃の「水の洗礼」,炎を召喚する「火炎の呼び声」が追加されたため,一般スキルを挟まず,覚醒スキルだけで回していけるだろう。ウィッチ同様「元素化」という瞬時に後方へ移動するスキルが追加され,後退しやすくなった。
くノ一(伝承):快適度 ★★
くノ一(くのいち)の伝承はメイン武器に「小剣」,補助武器に「苦無(くない)」,または「手裏剣」を装備する。ただし,スキルに苦無専用のものがあるため,手裏剣ではなく苦無を用意するのがベストだ。
戦闘では,「忍術:鬼」「忍術:魂」「忍術:霊」という3つのバフ状態を管理しながら戦うことになる。これらは特定のスキルを使うことで付与され,付与されたバフの組み合わせとスキルで威力の異なる“爆発”が発動する。
その関係は上図のとおり。くノ一の「伝承」タブを押し,習得スキルの「(伝承):沈黙の悲歌」にカーソルを合わせれば表示される。「個々のスキルを覚えるだけでなく,忍術の組み合わせまで覚えないといけないのか」というのが正直な印象だ。
ただし,管理が大変なだけあって爆発の威力は高い。直感でプレイしたい人は,とにかく「忍術のバフが3つが付与されたら“↑+C”か“↓+C”で爆発を発動させる」というのを最低限覚えておくと良い。
くノ一(覚醒):快適度 ★★★★
くノ一(覚醒)の武器は円形の「月輪刀(がちりんとう)」。デザインが個性的なため好みは分かれるが,使い勝手に癖がなく,伝承と比べて頭を使わなくていいので扱いやすい。
特徴は,「廻天連舞」などの打撃数が多い攻撃で,HPをモリモリ回復させながら戦えること。また,「月ノ舞」に前方ガードが付与され,安全性も増した印象で,伝承と比べて圧倒的に攻撃範囲が広がり,狩り自体の安定感も高くなった。くノ一をPvE用途で育成するなら狩りやすい覚醒で進めて,十分にスキルポイントが溜まってから伝承に変更するのも良いだろう。
忍者(伝承):快適度 ★★★
忍者の伝承はメイン武器に「小剣」,補助武器に「手裏剣」,または「苦無」が装備できる。忍者の場合は手裏剣に専用スキルがあるので,補助武器は手裏剣を選ぶのがベストだ。
くノ一のようなややこしい仕組みはなく,スーパーアーマー付きの範囲攻撃「強:的殺防雨刃」,前方ガードありでHPも回復する範囲攻撃「強:乱舞」といったスキルを中心に,安定して戦いやすい。攻撃力や攻撃速度アップのパッシブスキルも多く,とにかくやられる前にやるという印象だ。後退ガード,Qガード(Qキーで発動するガード)はないので,とにかく回避と無敵,前方ガードでやりくりする必要があるのは,くノ一と同じである。
忍者(覚醒):快適度 ★★★
忍者の覚醒武器は「修羅刀」で,6振りの刀を自在に操る。納刀状態を維持する基本スタンスと,上段の構えになる「転換姿勢」など,日本刀らしい立ち振舞いが魅力だ。
とくに新しいスキルはないが,範囲攻撃について不足は感じない。一方,Qキーでの防御が押しっぱなしでなくても維持できるようになった点など,細かな使用感のアップが図られている。火力的には普通といった印象だが,ズバズバと斬る感覚やエフェクトが気持ちよい。
ダークナイト(伝承):快適度 ★★★
ダークナイトはレンジャーの姉妹クラスである。フィギュア化されるなど,黒い砂漠の顔としてもおなじみで,ダークファンタジーらしい妖艶な魅力を持つキャラクターだ。
伝承では「太刀」と「組み糸飾り」を着用し,近接戦闘がメインとなる。多くの前方ガードスキルを持つが,それぞれの発動時間は短いため,無敵回避の「宵闇」や,敵をすり抜ける「強:ファントムチャージ」からの「強:ノクターン」などで,相手の背後をなるべくキープしながらの戦いが求められる。
また,比較的スキルスロットから発動するスキルが多かったが,「強:ベディルの狂気」などを,コマンドで出せるように改善された。コンボスピードの改善も図られており,技のつながりは良くなっている。ほかにも,飛び込み攻撃の「エアレイド」から続く「コンボ:ベディルの襲撃」が追加された。
ダークナイト(覚醒):快適度 ★★★★
ダークナイトの覚醒は,「ベディアント」という手袋を装備し,幻影剣を出現させて近〜中距離で戦闘する。
空中に飛び上がる「コンボ:凶刃なる暴風」からつながる「コンボ:闇散開」は,着地点を前後で選べ,威力もかなり高い。さらに,最初のスキルからキーを押しっぱなしで簡単に発動させられるのが利点だ。また,「ディスペアーアーツ」はコンボスキル化され,ほかのスキルの後に右クリックで手軽に出せるようになった。
圧倒的に伝承より操作が楽であり,必要スキルポイントも少ないため,初心者は覚醒から使い始めると良いだろう。
格闘家(伝承):快適度 ★★★★★
格闘家は文字どおり,パンチとキックで戦うクラスだ。伝承では「手甲」と「腕甲」を装備する。闘魂という専用のポイントを管理しながら戦うのも特徴だ。
リブートでは「紅牙:閃」の発動条件が変わり,闘魂を消費する攻撃スキルの利用時にクリティカル確率が上昇するようになった。ダッシュ移動スキルの「瞬動」の使い勝手も非常に良い。
格闘家(伝承)の強さはスキルの回転が早く,単一スキルの威力も高いうえに,「強:仙術:狼牙神掌」などでスキル特化の効果を常にかけやすいところだ。これまでも十分に強かったため,リブートでスキル自体に目立った火力アップは行われていない印象だが,「強:弾丸暴脚」にすべての攻撃力増加バフが付くなど高火力に磨きをかけている。前方ガードを維持できるわけではないものの,火力を出すためのコンボがそこまで複雑ではないので押し切れてしまう。
また,スキルポイントが少ない段階でも,十分に高火力のスキルを回せる点も見逃せない。
格闘家(覚醒):快適度 ★★★★★
格闘家の覚醒は「闘神甲」を装備して戦う。このクラスの強さは説明が簡単で,1つめは↑+Fキーを押しっぱなしでコンボを繰り出していれば周囲の敵が倒れていき,HPまで回復するという点。2つめは速さが取り柄のブレイダーやツバキと同じくらいの勢いで,狩場を駆け回れるという点だ。
伝承の場合は全体的にスキル数が多いため,コンボの仕組みを理解するのに時間がかかるが,覚醒はかなりシンプルになっているので覚えやすい。時間単位の火力が最高というわけではないと思うが,ボンヤリとしながらでも狩りができてしまうほどだ。欠点はその裏返しで,操作量で物足りなさを感じる人がいるかもしれない。
ミスティック(伝承):快適度 ★★★★
ミスティックは女性版の格闘家で,伝承では「手甲」と「腕甲」を装備する。キャッチの成功率を30%高める「握力増強」スキルが追加されたが,PvEではキャッチはそこまで使わないので今回の評価にはあまり影響しない。
主要なコンボ攻撃は「強:閃烈拳」「コンボ:旋刃脚」で,そこからほかの強スキルにつなげていける。また,飛び込みの「強:蒼龍轟掌」は「コンボ:瓦壊掌」につながるようになり,「天上拳」「強:蒼龍轟掌」「コンボ:瓦壊掌」というコンボが可能になった。ダッシュスキル「瞬動」や回避スキル「躍動」からつながる「強:撃龍蒼波」「強:双極拳」は,楽に出せてHPも回復できるコンボだ。これもかなり強いが,格闘家(覚醒)と比較すると一歩見劣りしてしまう。
ミスティック(覚醒):快適度 ★★
ミスティックの覚醒は「蒼龍甲」を装備して戦う。リブートでは「熱風」というコンボスキルが追加され,ほかのスキルから右クリックで追加打撃を手軽に与えられるようになった。同じく追加された「地天崩壊」スキルは,HP回復とバウンド効果のある範囲攻撃を自分中心に出せる。
一方,前方ガード付きのスキルが1つだけなので,正面からの殴り合いは厳しいところ。それでいて左右に移動するような攻撃も乏しいので,飛び込みのスキルをうまく回避にも使う必要がある。
アーチャー:快適度 ★★★
アーチャーは純粋な遠距離攻撃クラスだ。ほかのクラスと異なり,伝承はなく覚醒のみとなっている。育成初期からメイン武器の「クロスボウ」だけではなく,覚醒武器の「グランドボウ」が使えることも特徴で,レベルが上がるとグランドボウで利用できるスキルが増えていく。
リブートでは覚醒スキルに「ブランデッドアロー」が追加された。射程がかなり長いうえ,連発が可能な単射スキルとなっている。再使用時間待機中でも使用可能で,ダメージ量は下がるものの,遠距離の敵を釣りたいときや,ザコ敵を倒すときには重宝しそうだ。また,矢を扇状に放つ「ブルーミングアロー」を強化する「コンボ:ルミナスアロー」なども追加され,ザコ敵を倒す能力は間違いなく上がっている。
遠距離攻撃クラスとはいえ,敵が堅い狩場では火力を出すために近接戦闘が求められる点はレンジャーと同様だ。スキル連係で自然に発生するコンボだと,立ち位置がどんどん後ろに下がっていくのだが,それに頼っていると狩りの効率が上がらないのは以前と変わらない。「メテオシャワー」で相手を飛び越して裏を取るなど,回避と攻撃を両立するテクニックをうまく使いたい。
ラン(伝承):快適度 ★★★★
ランの伝承は,半月錘(はんげつすい)という,先に錘(おもり)のついた武器を振り回す。最大の特徴は空を飛ぶ「軽功」スキルで,これは伝承と覚醒どちらでも利用できるが,伝承のほうがより長距離を飛べる。
リブートではヘイト稼ぎとバフを兼ねた「清純なる気品」スキルに,HP回復効果が加えられた。また,空を飛ぶ「軽功」はこれまでモンスターとの衝突判定があったが,スキル開始時に衝突しなくなったので,囲まれた際の緊急離脱に使えるようになった。さらに,パッシブ「優美な風」の攻撃速度や移動速度が以前よりも上昇し,クイックな使用感が高まった印象だ。
前方ガードを長く維持しながらの攻撃が可能で,1つのキーで攻撃スキルが出ている時間が長く,火力も比較的高いので,狩りが楽なのも魅力となる。
また,以前は「強:閃風」で滑空してから「軽功」につないで飛距離を伸ばすのが定番だったが,リブートで「軽功」から「強:閃風」につなげるようになり,空中での機動パターンが増えた点は覚えておきたい。なお「強:閃風」から「軽功」を出す場合は,Shiftキーより先にスペースキーを押さないとうまくつながらなくなったので注意したい。
ラン(覚醒):快適度 ★★★★
ランの覚醒では,大ぶりの刀剣を両手で持つ「血柳刃」を装備する。リブートでスキルダメージが抑えられた代わりに,再使用待機時間が短縮されるなど,よりスキルスピードを重視したバランス調整が行われている印象だ。「神月舞」という新スキルは一見地味だが,覚醒ランに不足していた遠距離攻撃で,これまでになかった間合いからノックダウンを狙える。操作量はほどほどに,クイックで素直な動きを求める人におすすめできるクラスだ。
シャイ:快適度:★★★★★
シャイは,メイン武器としてブーメランの「フローラン」を使う。生活コンテンツ向けのキャラクターとして誕生したクラスだが,覚醒の代わりに「才能開花」という要素があり,「ソル」という武器を使ってバフやデバフなどを中心に活躍するパーティプレイ向けのクラスでもある。覚醒(武器)ではないため,今回の中では唯一“真IV武器”での評価となる点はご了承いただきたい。
実のところ,シャイはリブートとして17クラスにカウントされていないが,実際はかなりの手が入っている。例えば,ホバーボードのようなスキル「やっほ〜!」が追加され,狩りでの機動力が格段に上がったり,範囲スキルの「これでもくらえっ!」によって,広範囲に高いダメージを与えたりできるようになった。さらに,すべてのダメージが20%増加し,フローランを投げるスキルは攻撃範囲が増加した。
火力こそ最高とは言えないものの,もともとの最大HPの高さや,操作の手軽さ,ほかのクラスに比べて全スキル習得に必要なスキルポイントが低いことなども相まって,リブート後も初心者におすすめできるクラスだ。
評価は一例! 何を見るかで自分の一番は変わるはずだ
これで17+1クラスすべての評価は終了だ。今回はあくまでも「真正面から殴り合うと痛い」という狩場で,前方ガードや回避力,HP回復力などの観点から個人的に快適だと感じたクラスを選んだに過ぎない。もちろん,時間あたりどれだけ稼げるかを計ったり,防御力をもっと上げた場合は,評価も変わってくるだろう。プレイヤーとの相性もあるので,ぜひいろいろなクラスを試してみてほしい。
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