紹介記事
「黒い砂漠」で実装予定の大規模PvPコンテンツ「薔薇戦争」を開発者コメンタリーから検証。気になるシステムの概要を紹介しよう
※掲載画像は開発者コメンタリーをキャプチャしたものです。
「薔薇戦争」は占領戦の新たなバリエーション
薔薇戦争が目指しているのは「とにかく分かりやすい大人数戦闘体験」だろう。
黒い砂漠の大人数戦と言えば,拠点戦や占領戦がある。プレイヤーが所属する「ギルド」や,その集合体の「ギルド連盟」同士で戦う対人コンテンツだ。最近は要求装備レベルが引き下げられつつあるが,とくに占領戦は黒い砂漠のエンドコンテンツなだけに参加までのハードルが高かった。そこで登場するのが「薔薇戦争」である。とにかく参加者の心理的なハードルを下げた,新たなバージョンの占領戦がやってくるのだ。
●2つの軍勢に分かれ,300人vs.300人で戦う大規模戦争
プレイヤーは「カーマスリビア」「オーディリタ」のどちらかの陣営に所属し,相手の城の総司令官NPCを倒すことで勝利となる。この「相手のボスを先に倒せば勝ち」というルールがシンプルで分かりやすい。
カーマスリビア軍の総司令官NPC |
オーディリタ軍の総司令官NPC |
戦場は広大なオープンワールドになっており,カーマスリビアからオーディリタにかけてのすべての土地が対象となる。馬で駆け抜けて味方の応援にいったり,奇襲を仕掛けたりといった戦場体験が,ローディングなしで実現するのだ。しかも,黒い砂漠と言えばアクションゲームのようなノンターゲティングバトルである。これで燃えないわけがない。
●連盟主ギルドと第3軍団
では,薔薇戦争にどのように参加するかを解説しよう。
カーマスリビアとオーディリタの各陣営は,「連盟主ギルド」と「第3軍団」で構成される。連盟主ギルドが作戦を立て,それに従って第3軍団が動く……というイメージだ。
・連盟主ギルド (100名)
「連盟主ギルド」は戦争を指揮するギルドだ。つまり,各陣営は1つのギルド(あるいはギルド連盟)によって指揮される。連盟主ギルドになるには,4〜5段階の拠点戦や占領戦で勝利するたびに得られる「連盟主ポイント」が必要となる。もし複数のギルドが名乗りを上げた場合,「連盟主ポイント」が最も高いギルド勢力が連盟主ギルドに選ばれる。つまり「常勝ギルド」ほど連盟主ギルドになりやすいはずだ。
・第3軍団 (200名)
「第3軍団」は連盟主ギルドの友軍勢力だ。いわゆる第3勢力とも言えるだろう。これは個人参加となり,拠点戦に参加していないギルドのメンバーや,ギルド未所属者でもOK。ただし参加条件があり,攻撃力・防御力の合計値(いわゆる“AD”や“ギアスコア”と言われるもの)が680以上となっている。
薔薇戦争では最大ステータスの制限が課されないため,ある程度高めの最小限条件としてこの値が設定されたそうだ。それを満たして参加申請すると,指定の時間に申請者から抽選で参加資格が与えられる。また,陣営の参加人数が300名に満たない場合のために,第3軍団には予備戦力枠も用意される。
●連盟主ギルドから細かな指示が出せるシステム
300名もの人数が効果的に機能するためには,指揮系統がシンプルで分かりやすいことも重要だ。
・指揮官1名と補佐官3名が物語を作る
戦争のシナリオを描くのは連盟主ギルドの指揮官の役目だ。薔薇戦争では指揮官に絶大な権力が与えられており,部隊の編成から指示出しまで,ほぼすべての鍵を握っている。
・部隊の構成もお任せできる
指揮官の描くゲームを演出するのが実働部隊の仕事だ。薔薇戦争では指揮官が部隊を編成したり,部隊名も任意に設定したりできる。第3軍団として個人参加するときも,部隊編成をベテランにお任せできる安心感がある。なお,1部隊は20名の規模になる。
・戦術マップで細かな指示を与える
「さあ,作戦開始だ!」
指揮官はプレイヤーや部隊に対し,リアルタイムに細かな指示を与えられる。指揮官がもっぱら見ることになるであろう画面が「戦術マップ」だ。指揮官はここからすべての味方の位置や,味方が見えている視野内の敵を把握できる特権がある。さらに,それぞれのプレイヤーアイコンにカーソルを合わせれば,キャラのレベルやクラスなども確認できる。彼らをまとめて選択して,「あちらに行け」といった行動指示を与えることも可能だ。
・「報酬」を与え,気持ちで動かす
NPCキャラを動かすRTSと決定的に異なるのは,自軍のメンバーが指揮官の指示に100%従順とは限らないことだ。とくに,自軍の2/3を占める第3軍団は非正規の集まりでもある。眼の前に面白そうな兵器があれば我先に乗ってみたくなるだろうし,勝ちに対してもそこまで真剣ではないかもしれない。
そこで,薔薇戦争では指揮官が与えるミッションに「報酬」を設定できる。あまりパッとしないお役目でも,高い報酬を用意すればモチベーションを持って取り組んでくれるかもしれない。こういった,なんとも人間らしいやり取りが行われる余地があるのも薔薇戦争の特色であり,既存の占領戦では味わえない面白さだろう。
システム的にどれくらいの金額が設定できるかは分からないが,そこそこ大きな報酬が設定できるようになっていれば盛り上がりそうだ。
・指揮官が使える強力なスキル
指揮官には,特定地域の視野を遮断して敵の指揮官をジャミングしたり,逆に明らかにして戦況を把握したりといった,戦術マップ上から使える特別なスキルも用意されている。さらには,特定の部隊をテレポートさせて奇襲を狙ったり,敵が集まっている地域にモンスターを送って焦土化させたりといったことも可能だ。これらスキルの使用タイミングで,戦局を大きく変えられるだろう。
広い視野を確保するスキル。偵察にも防衛にも利用できそうだ |
指定した“聖所”(詳細は後述する)にグリフォンを送ることもできる。どのくらい足止めになるのだろうか? |
薔薇戦争のフィールドの特徴
コメンタリー動画では,薔薇戦争のフィールドにどのような要素があるのかも紹介されていた。
●カーマスリビア城とオーディリタ城
城は各陣営の「総司令官NPC」が存在する最重要ポイントとなる。薔薇戦争の開幕に先立ち,カーマスリビア城,オーディリタ城の拠点は日本サーバーにも実装済みだ。いまから下見に行ってみるのも良いだろう。
カーマスリビア城 |
オーディリタ城 |
●聖所
聖所はお互いの陣営で奪い合う「拠点」や「陣地」のような場所で,占領している間,聖所ごとに異なるバフが得られる仕組みになる。また,アクティブな聖所は自軍のリスポーン地点にもなるため,なんとしても前線の聖所は守りたいところだ。
そして,この聖所は戦場に複数存在するが,好きなところから占領していけばいいというわけでもない。バフを得たり,最前線にリスポーンしたりするためには,拠点接続のように,線でつながった聖所を占領している必要があるのだ。
動画では「自軍城-A-B-C-D-E……」といった形で例に挙げ,自陣の城に近い聖所から順番に占領していくものとして説明されていた。
そのため,敵に自陣の近くまで占領を進められてピンチという場面でも,この“線でつながる”状態をなんとかすれば,状況をひっくり返すことも不可能ではないだろう。例えば,敵が城の手前まで聖所を占拠していたとして,経路となる聖所を落とせれば,そこから先で有効だった敵のバフを無効化でき,さらにリスポーン地点も後退するので,その隙に前線を押し上げるなどの戦略が取れるはずだ。
もちろん,敵もそれを狙ってくるかもしれないので,軍後方の聖所が攻められていないかを監視する人員も重要になるだろう。
●精霊の祭壇
両陣営の中心には「精霊の祭壇」という占領ポイントがある。精霊の祭壇を占領すると攻城兵器が使えるようになったり,モンスターダメージ減少効果のバフを得られたりする。ほかの聖所の占領に役立つので,優先したいところだ。「闇の精霊の怒り」を与えることで占領できるという特徴も攻略の上で重要になる。
●攻城兵器
城を攻めるときには攻城兵器が利用できる。これらは精霊の祭壇のほか,あちこちに配置されている。ギアスコアがあまり高くないプレイヤーが活躍するのにも役立つだろう。
●海戦
戦場の南側には海が広がっている。海上も戦闘地帯になっており,友軍の所有する帆船などで海戦ができる。ここでは純粋に艦砲戦になり,やるかやられるかの力比べになるようだ。海を制圧すれば,船着き場を利用して海からの侵入ルートを確保できる。重帆船など,強力な船を持っているプレイヤーも重要な戦力となるだろう。
薔薇戦争は10月15日に(韓国で)プレシーズンが開幕予定
薔薇戦争は一定の装備基準を必要とするものの,コンテンツ初心者もベテランの指示に従って動ける点が魅力だ。また,既存の占領戦プレイヤーにとっても,大軍の指揮を執るダイナミズムや絶大な権力を感じられる特別なコンテンツになるだろう。薔薇戦争は10月15日に韓国でプレシーズンが始まる予定となっている。続報に期待しよう。
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