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Oculus VR,199ドルのスタンドアロン型VR HMD「Oculus Go」を2018年初頭に発売。スタンドアロン型のハイエンド「Santa Cruz」は2018年以降に
Oculus Goは,Gear VR互換で液晶パネルをディスプレイに使うシンプルなVR HMD
Oculus Goは,別途PCやスマートフォンを必要とせずに単体で動作するVR HMDで,動きの検出を内蔵センサーによる3軸自由度(3DoF,左右回転と時計回り/反時計回り回転,上下回転)の「ローテーショナルトラッキング」に限定した廉価版という位置付けになる。
Oculus Goは,Oculus VRの技術を用いたSamsung Electronics製の簡易型VR HMD「Gear VR」とのアプリケーション互換性があり,Gear VRプラットフォーム向けにリリースされた100種以上のソーシャルアプリを利用したり,VRゲームや360度ムービーを体験できるという。
Oculus Goのディスプレイ部分は,本体と一体化されており,搭載する解像度2560×1440ドットの「ファーストスイッチLCD」は,既存のVR HMDで使われている有機ELパネルよりも,表示ドライバー部のバッファが速く,結果として映像のフレームレートが高くなるといった特徴を有するとのこと。
また,詳細は不明だが,タッチパッドの付いたポインティングデバイスのように見える専用コントローラも登場するようだ。
イベントの基調講演には,Oculus VRを傘下に有するFacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が登壇し,「10億人のVRユーザー時代」が来ると主張した。Oculus Goはある意味,その先鋒となるべく市場に投入されるデバイスであり,より多くのカジュアルユーザーからビジネス用途までをカバーする多目的VR HMDになると,Oculus VRは考えているのではないだろうか。
ハイエンド向けのスタンドアロン型Santa Cruzは2018〜2019年に市場投入
Zuckerberg氏はOculus Goに続いて,ちょうど1年前となる2016年10月に行われたイベント「Oculus Connect 3」で発表されたスタンドアロン型VR HMD「Santa Cruz」(開発コードネーム,関連記事)を,2018〜2019年に市場投入すると発表した。今のところ価格は公表されておらず,国内で販売するかどうかも不明だ。
1年前に存在が明らかになったSanta Cruzは,プロセッサやセンサー,ストレージを内蔵したハイエンドなスタンドアロン型VR HMDとなるという。
こちらも詳細なスペックは明らかになっていないものの,ゴーグル部分の四隅に本体およびモーションコントローラの位置検出用広角カメラを搭載しており,これと本体内蔵センサーと組み合わせることで,既存のVR HMD「Rift」と同等の精度を持つ6軸自由度(6DoF)のモーショントラッキングを可能にしているという。
四隅のカメラが外側に露出しているのは,そのトラッキング精度を最大化させるためであると,Oculus VRのプロダクトマネージャーであるSean Liu(ショーン・リュウ)氏は説明した。
VR HMDが落下したときに,カメラ部分を保護できるように,それぞれのレンズがゴーグルにめり込んだデザインになっているのもポイントと言えよう。
ディスプレイ部分だけでなく,プロセッサやマザーボードもゴーグル部分に内蔵しているので,重くなりそうなのが気になるところだが,2016年の試作機よりも800gほど軽量化されるそうで,それほど重量感を感じることはないとのこと。
北米時間の10月12日には,筆者も開発中のSanta Cruz試作機をテストする予定なので,Santa Cruz用モーションコントローラの詳細と合わせて,どのような体験ができるのかを詳しくレポートしたいと思う。
そのほかにOculus VRは,Riftと専用モーションコントローラTouchのセットモデルの価格を,2017年9月まで行われていたサマーセール時の価格と同じ399ドル(税別)に値下げすることも発表している。
国内での直販価格は税込5万円で,先頃,国内での販売価格が発表されたAcerのWindows Mixed Reality対応VR HMD「AH101」(※税込6万円前後)よりも安い価格となった。価格がハードルとなっていた人にとっては,喜ばしい値下げとなりそうだ。
Oculus VRのOculus Go 製品情報ページ(英語)
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