イベント
[GDC 2014]「Unreal Engine 4」が月額19ドルで利用可能に。Epic Gamesがビジネスモデルを発表したメディアブリーフィングをレポート
利用料は月額19ドル(約2000円)で,商業作品として発売されたタイトルは,5%のロイヤリティを別途支払う形になる。
Unreal Engine 4はアカウント登録ページで登録を行えば誰でもダウンロードが可能で,最新版のエンジンやツール,ソースコードにフルアクセスできる。また,GitHub経由でC++ソースコードにアクセスすれば,エンジンのカスタマイズも行えるとのことだ。そのほか,SteamへのアクセスやHTML 5向けのプラグインもサポートされるという。
現時点でサポートしているプラットフォーム※はPCのほか,Mac,Android,iOSで,ダウンロードができるのは英語版のみとなる。しかし,Epic Games Japanから日本向けの情報が公開されており,近いうちに日本語ローカライズ版が提供されることが明言されている。
※早期導入に向けた初期リリース版のため,Max OS XおよびAndroid,iOSにおいては,まだ十分なサポートができていない部分があるとのこと。詳細はアカウント登録ページに記載されている。
Sweeney氏は,グラフィックスをより豪華にする軍拡競争のようだった10年前とは異なり,現在のゲーム業界では情勢が大きく変化しており,自分達のビジネスもそれに対応させていかないといけないと発言。
従来のターゲットだった大規模なAAAタイトルの開発スタジオだけでなく,インディーズゲームを制作する小規模の開発現場,ゲームエンジンの使い方を学ぶ学生やアマチュアまで,幅広い層に利用機会を提供する必要のあることが,月額制のビジネスモデルを採用した理由であると説明している。
冒頭に書いたとおり,この新しいビジネスモデルでは,Unreal Engine 4を使用したゲームを商業作品としてリリースする場合,収益の5%をロイヤリティとして支払うことになる。Free-to-Play型ゲームの場合は,マイクロトランザクションや広告による収益もロイヤリティの対象に含まれるが,完全無料の場合は月額使用料以外に支払いが発生することはない。
なお今回,サポート対象のプラットフォームに,Sony computer EntertainmentのPlayStationやMicrosoftのXboxは含まれていないが,Sweeney氏によれば,プラットフォームホルダーとは,新ビジネスモデル対応について交渉の段階にあるとのこと。
Unreal Engine 4のオープン化発表もあってか,GDC 2014会場のEpic Gamesブースは,同社史上初めてのオープンブースとなっていた。ビジネスミーティングよりは開発者への解説をアピールしていたという印象だ |
サンプルゲームの1つとしてUnreal Engine 4に付属する「Tappy Chicken」 |
Unreal Engine 4という最新のゲームエンジンを,わずか月額19ドルで利用できるというのは,小規模な開発現場にいるゲーム開発者や,ゲームエンジンの使い方を学んでいる学生にとって朗報だろう。現状だと,小規模のゲーム開発ではUnityが導入されているケースが多いが,Unreal Engine 4によって今後の勢力図は変わることになるのか,注目といえそうだ。
Game Developers Conference公式Webサイト
- 関連タイトル:
Unreal Engine
- この記事のURL: