Epic Gamesが開発したゲームエンジンの最新バージョンとなる,
「Unreal Engine 5」 のアーリーアクセス版が公開された。アーリーアクセス版は,実装されたさまざまな新機能をテストし,ゲームのプロトタイプ制作を開始したいと考えているプロやアマチュア向けのプレビュー版という位置付けだ。発表されていた新機能に,初めて実際に触れる機会を提供するという。
公式サイトに掲載された「Unreal Engine 5」の特徴は以下のとおり。
日本語のリリースノート も公開されているので,そちらも合わせてチェックしておこう。
Welcome to Unreal Engine 5 Early Access
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また,以前から公開されているゲームデモ
「Lumen in the Land of Nanite」 が,プリレンダのCG映像ではなくリアルタイムで動いていることを示すため,The Game Awardsの公式YouTubeチャンネルで,Epic Gamesのクリエイターへのインタビューとデモの詳細を紹介するトレイラーが公開されている。
今回は,デモの主人公である
エコー が巨大なボスキャラクター
「The Ancient」 と対決するというシーンが追加されているが,このキャラクターは映画のCGスタジオであるAaron Sims Creative Companyが作成したもので,映画に登場するキャラクターのような複雑な3Dモデルとテクスチャを備えた巨大キャラクターに注目してほしい。
Unreal Engine 5 - Brand New Gameplay Demo
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「Nanite」
仮想化マイクロポリゴン ジオメトリシステムのNaniteで膨大なジオメトリディテールを含むゲームを作りましょう。ディテールの法線マップへのベイクや LOD モデルの手動作成といった時間がかかり面倒な作業はなくなります。
ZBrushのスカルプトからフォトグラメトリスキャンまで,映画品質の数百万ポリゴンのソースアートを直接インポートし,そのアセットを数百万個設置しても,見た目の忠実度を損なわずにリアルタイムのフレームレートを維持しているという様子を想像してみましょう。そんなことは不可能と思いますか?今,これが実現します!
「Lumen」
次は完全に動的なグローバルイルミネーションソリューションのLumenです。Lumenは動的でリアルなシーンの作成を可能にします。太陽の角度変更,懐中電灯の点灯,ドアを開く,といった直接ライティングやジオメトリの変更に対して間接光がその場で適応して更新されます。
Lumenによって,ライトマップUVを作成する必要も,ライトマップのベイクを待つ必要も,リフレクション キャプチャを配置する必要もなくなります。Unreal Editorでただライトを作成し編集すれば,ゲームのコンソールでの実行時の最終結果と同じライティングをその場で確認できます。
「オープンワールド」
私たちはオープンワールドの作成を高速に,簡単に,どのような規模のチームにとっても共同作業が行いやすいものにすることを常に目指しています。最新の成果の一部をお試しください。
まず,World Partitionシステムはワールドを自動的にグリッドに分割し,必要なセルをストリーミングします。One File Per Actor(1アクタあたり1ファイル)システムによって共同作業が簡単になります。チームメンバーはお互いに足を引っ張ることなく同一のワールドの同一の領域について同時に作業できるようになります。
そしてData Layersによって,一つのワールドについて複数のバリエーションを作成できます。例えば,同じ空間に存在するレイヤーとして,日中のバージョンや夜のバージョンを用意し,ゲームプレイの中で切り替えることができます。
「アニメーション」
アニメーション作成や編集を行うために毎回Unreal Engineの外で作業をしないといけないのは,時間がかかり大変です。イテレーションを行う障害にもなります。そこでUnreal Engine 5ではアニメーション向けのツールセットを拡張し強化しました。実際の環境の中で詳細なキャラクターを制作できます。
コントロールリグのようなアーティストが使いやすいツールで,手早くリグを構築し,複数のキャラクターでリグを共有することができます。シーケンサーでポーズを作り新しいPose Browserでポーズの保存と適用ができます。新しいフルボディIKで自然な動作を簡単に作成できます。そしてMotion Warpingを使うことで,単一のアニメーションから様々なターゲットに合わせてキャラクターのルートモーションの位置を動的に調整できます。例えば,様々な高さの壁に対する飛び越えアニメーションを作成できます。
「MetaSounds」
ルックデベロップメントのようなコントロールと柔軟性がオーディオ作成にもあったら良いのに,と思ったことはありますか?UE5ではオーディオ制作の根本的に新しい方法を提供します。MetaSoundsはサウンドソースからオーディオDSPグラフでの生成とフルコントロールを提供する高パフォーマンスのシステムです。オーディオ レンダリングのすべての面の管理から,次世代プロシージャル オーディオ体験の駆動までを実現します。
MetaSoundsは,サウンドにおけるプログラマブルなマテリアルパイプライン,レンダリングパイプラインにあたるようなものです。マテリアルエディタがシェーダーの制作を助けるように,オーディオでプロシージャルなコンテンツ制作が可能になります。動的なデータ駆動のアセット,ゲームのパラメータとサウンド再生のマッピング作成,大幅なワークフロー改善など様々な恩恵があります。
「エディタUIとワークフローの強化」
リニューアルの時間です!UE5ではUnreal Editorのビジュアルが更新され,ワークフローの効率化,画面デザインの最適化によって,より簡単に,高速に,気持ちよく使えるようになっています。
早期アクセスの新機能の一部を紹介します。コンテンツブラウザを簡単に呼び出したり,非表示にしたりする機能や,エディタタブを折り畳めるサイドバーにドッキングする機能を追加しています。メインツールバーに新しく追加された新規作成ボタンで,ワールドへのアクタ配置も簡単になります。新規プロジェクト作成のワークフローも見直しを行い簡単になりました。