「ヒーローバンク」の「クロスメディア プロジェクト発表会」開催。名越稔洋氏が意気込みを語り，角田信朗さんが主題歌を熱唱した会場の模様をレポート

　セガは，2014年1月10日，キッズ向けニンテンドー3DS用ソフト「ヒーロバンク」の「クロスメディア プロジェクト発表会」を東京都内で開催した。この発表会では，同タイトルのアーケードゲーム版やテレビアニメ，玩具などへのクロスメディア展開がアナウンスされ，関係各社の代表者がプロジェクトに掛ける意気込みなどを語った。

「ヒーローバンク」公式サイト

　発表会冒頭の挨拶には，セガ 代表取締役社長COO鶴見尚也氏が登壇。鶴見氏は，「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」や「甲虫王者ムシキング」といった同社の子ども向けIPの事例を挙げ，「『ヒーロバンク』も同様に，パートナー各社の力を借りつつセガサミーグループの総力を結集して取り組んでいきます」と語った。

セガ 代表取締役社長 COO 鶴見尚也氏

セガ 取締役 CCO 名越稔洋氏

　続いてセガ 取締役CCO名越稔洋氏が登壇。「ヒーローバンク」の製作総指揮を務める名越氏は，同タイトルを「おそらく初となる，“お金”をテーマにしたキッズ向けゲーム」とし，「そのユニークな設定を，ゲームはもちろんのこと，さまざまな取り組みを行うことで伝えていきます」と話した。

やおきんとのタイアップによる「ヒーローバンク」オリジナルの「うまい棒」が紹介された。「次世代ワールドホビーフェア '14 Winter」セガブースで，来場者にプレゼントされる予定とのこと（関連記事）

　会場では「ヒーローバンク」が「次世代ワールドホビーフェア '14 Winter」に出展されることや，協賛各社とのタイアップを行うことなどが紹介された。そして，その一例として，やおきんの駄菓子ショップ「楽駄屋」がゲーム中に登場することも明かされた。

　さらに2014年夏からアーケード版「ヒーローバンク」，プライズ（2014年4月にセガ ゲームセンターにて先行投入），そしてトレーディングカードゲームへも展開することが明らかにされた。これらの展開について名越氏は，「セガの得意分野を生かし，『ヒーローバンク』プロジェクトを拡大していきます」と意気込みを述べた。

トムス・エンタテインメント 代表取締役社長 岡村秀樹氏

　続いて，2014年4月にテレビアニメ版「ヒーローバンク」の放映が，テレビ東京系6局で開始されることが発表された。
　壇上に立ったアニメ制作会社，トムス・エンタテインメントの代表取締役社長岡村秀樹氏は「ヒーローバンク」を，「コンセプトが斬新で，キャラクター各自もエッジが立った面白い設定」とし，「アニメ版にオリジナルのエピソードやキャラを投入することで，プロジェクトの幅を広げ，しっかりとユーザーの皆さんに伝えていきます」と語った。
　ちなみに同社は，2014年が設立50周年になるとのことで，岡村氏は「節目を迎えるという意味でも，総力を挙げて取り組んでいます」と話した。

アニメ「ヒーローバンク」

　「ヒーローバンク」は，セガトイズにより玩具展開も行われる。
　セガトイズ取締役副社長佐々木章人氏は，「ジュエルペット」の玩具「ジュエルポッド」が2年間で約100万個販売されたことを例に挙げ，同社が電子玩具に強みを持っていることをアピール。「『ヒーローバンク』においてもセガサミーグループのシナジー効果を生かし，本気で取り組んでいきます」と意気込みを語り，「長年愛されるような，いい玩具を作っていきたいです」とした。

（左）セガトイズ 取締役副社長 佐々木章人氏。（右）ゲームに登場するアイテムを電子玩具化した「バンクフォンG(仮)」の発表もなされた

　「ヒーローバンク」のコミックス版は，2013年10月から小学館の「月刊コロコロコミック」で連載がされている。同誌編集長の村上孝雄氏は，「ヒーローバンク」の世界における通貨がゴールドやゼニーといった架空のものではなく，“円”であることに言及し，「その生々しさや，主人公が100億円もの借金を背負っていること，さらにはバトルでお金を稼ぐだけでなく，興業の運営に携わって借金を返済していくという部分が，“男の人生”の縮図のようだと感じました」と第一印象を語る。

「月刊コロコロコミック」編集長 村上孝雄氏

　そして，「お金は人を幸せにもするし，狂わせたりもする。その奥の深いものを，説教くさくなく子ども達に伝えていきたいという思いが，名越さんから感じられた」と「ヒーローバンク」をコミック化するにあたり，名越氏と打ち合わせたときのエピソードを披露した。
　名越氏の「子ども向けであっても，自分が本当に面白いと思うゲームを容赦なく作ってやる」という姿勢にも感銘を受けたという。

「コロコロコミック」の人気キャラクターをモチーフにした「ヒーロー着」が「ヒーローバンク」に提供される

　発表会の終盤には，格闘家/タレントの角田信朗さんが登壇し，「ヒーローバンク」の主題歌「かせげ！ジャリンコヒーロー」を熱唱。
　角田さんは「熱い魂の鼓動みたいなもの，根性といったものを子ども達には忘れてほしくない，という気持ちを込めて歌いました。」とコメントした。

角田信朗さんは「つっぱり大将軍」の衣装で主題歌「かせげ！ジャリンコヒーロー」を披露した

　最後に名越氏が再び登壇し「時代が大きく変化していく中にあっても，“夢”“友情”“愛”といった，大事にしなくてはいけない部分は変わらないと思います。そうした普遍的な部分を伝えていくには，自由な発想によるチャレンジがあっていいと考えています。それがより伝わるように，『ヒーローバンク』プロジェクトを推進していきます」と述べ，発表会を締めくくった。

「ヒーローバンク」公式サイト