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KDDI 2015年春モデルスマートフォン3製品テストレポート。コンパクトで使い勝手重視の製品はどの程度の性能を備えるのか?
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印刷2015/01/20 00:00

テストレポート

KDDI 2015年春モデルスマートフォン3製品テストレポート。コンパクトで使い勝手重視の製品はどの程度の性能を備えるのか?

KDDIの2015年春モデル。今回はこの中からスマートフォン計3製品を取り上げる
画像集 No.001のサムネイル画像 / KDDI 2015年春モデルスマートフォン3製品テストレポート。コンパクトで使い勝手重視の製品はどの程度の性能を備えるのか?
 既報のとおり,2014年1月19日,KDDIは都内で2015年春モデルの新製品発表会を行い,Androidスマートフォン計4製品を発表した。2014年冬モデルとして発売された2製品と合わせて,計6製品を2015年春の製品として展開するわけだ。
 なお,2014年12月には,同社初のFirefox OS搭載スマートフォン「Fx0 LGL25」という製品も発売しているのだが,ソフトウェア開発者やガジェットマニア向けの傾向が強い端末であるため,4Gamerでは紹介していない。

スマートフォン
  • INFOBAR A03:2月中旬発売
  • AQUOS SERIE mini SHV31:1月下旬発売
  • miraie KYL23:1月下旬発売
  • BASIO KYV32:2月中旬発売

 さて,発表された製品をザッと見て2015年春モデルの傾向を探ってみると,オールラウンドで使えるスペックを備えながら,特定のユーザー層にターゲットに絞った端末を用意するという方向性が見えてくる。シニア向けのスマートフォンを謳う「BASIO KYV32」,小学生以下のキッズ向けに特化した「miraie KYL23」(以下,miraie)に,その方向性が強く表れているだろう。

 ハードウェア面では,大画面スマートフォン全盛の現状からはちょっと離れたラインナップとなっており,4.5インチサイズの液晶パネルを採用する製品が3製品もあるという面白い状況だ。「5インチを超える製品はちょっと使いにくいな……」と感じている人には,今春のKDDI新製品は注目に値するものとなるかもしれない。
 一方,スペックは,miraieを除くと見事なまでの横並び。3製品がSoC(System-on-a-Chip)としてQualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AB」を採用しており,メインメモリ容量2GB,内蔵ストレージ容量16GBという点まで同じとなっている。搭載OSもすべてAndroid 4.4(KitKat)で,Android 5.0(Lollipop)を採用する製品はない。
 スペックやOSが横並びとなると,性能面で差が出るとすれば,それは製品によるチューニングの違いが表れたものと考えられるだろう。説明員によると,バッテリーによる長時間駆動への要求が多いため,バッテリー駆動時間重視でのチューニングを施している製品が多いとのこと。グラフィックス性能を要求するゲーム用途からすると,こうした傾向は悩ましい部分かもしれない。

 それではスマートフォン計4製品の中から,INFOBAR A03とAQUOS SERIE mini SHV31,BASIO KYV32を見ていこう。なお,miraieはGoogle Play非対応というゲーム用途にはまったく適さない制限があるため,今回は取り扱っていない。

フィーチャーフォン形状のAndroid端末である「AQUOS K SHF31」も発表された。しかし,Google Play非対応であるうえ,タッチパネルでもないのでゲーム用途にはまったく使えない。ただ,特定操作下でキーがタッチスクリーンの代替となる仕様は,今後のハードウェアキーボード搭載端末に対していい刺激になるかも?
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INFOBAR A03


INFOBAR A03の「NISHIKIGOI」カラー
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 デザイン性からファンが多いINFOBARシリーズの最新モデルが,「INFOBAR A03だ。2013年春モデルで登場した「INFOBAR A02」はHTCの製造する製品だったが,今回のINFOBAR A03は,京セラ製となった。本体のカラーバリエーションは,INFOBARシリーズには欠かせないNISHIKIGOIを初めとして,POOL,MOCHA BROWN,SAKURA IROという計4色展開となっている。

カラーバリエーションは4種類で,左からNISHIKIGOI,POOL,MOCHA BROWN,SAKURA IRO
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 特徴的なボディを正面から見ると,まず3色に塗り分けられたボタン状の「タイルキー」に目がいく。これはタッチ式ボタンだ。INFOBAR A02ではソフトウェアボタンになっていたのだが,ファンからの要望を受けて復活したのだという。

ファンの要望で復活したタイルキー(左)。タッチ式だが,ボタン表面のどこを触っても反応する印象でなかなか押しやすい。カラーバリエーションごとにタイルキーの色も異なる(右)。また左から右へとタイトルキーをなぞるとスリープを解除できる機能も搭載する
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本体背面には写真左から,スピーカーとLEDライト,アウトカメラが並んでいる。右上に見える穴のようなものは着信を示すLEDだ
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 狭額縁仕様のベゼルは今や当然だが,ボディは全体に丸みを帯びた形状となっている。強化ガラスと樹脂の一体成形でボディが作られているとのことで,眺めるだけでも仕上がりの良さが感じられて所有欲をくすぐられた。
 また,液晶パネルを挟んだ上側と下部は,液晶パネル表面よりも0.2mmほど厚くなるようにデザインされている。これは滑落時の衝撃から液晶パネルを保護するためのものだそうだ。実機を触っても気がつかない程度の段差だが,こうした些細な工夫でも液晶パネルを破損から守れるというのは面白い。

本体上側面(左)には,キャップレス防水仕様のヘッドセット端子がある。本体下側面(右)にあるのはUSB(Micro-B)端子とマイク坑だ
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本体左側面(左)。防水カバーの下にmicroSDカードスロットとSIMカードスロットがある。カバーの成形は精密で,パッと見では気がつかないほど。本体右側面(右)には,[電源/スリープ]ボタンと音量調整ボタンがある
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 丸みを持たせたボディの持ち心地だが,幅68mmとやや幅広であるにも関わらず,側面が半円を描いているためとても手に馴染みやすいなと感じた。重心も中央からやや下にあって持ちやすい。持ちやすさを重視してスマートフォンを選ぶのであれば,INFOBAR A03は要チェックの端末だといえよう。

 スペックは先述したとおりで,SoCの性能やメインメモリ容量はごく一般的なレベル。むしろ記憶容量16GBという内蔵ストレージの少なさが気になる。また,バッテリー容量は2020mAhと,ボディサイズが小さい分だけ少なめだ。
 画面サイズは4.5インチと小さいが,解像度は1080×1920ドットのフルHD解像度となっている。そのため,画面の精細感は非常に高い。

独自の「iida UI」ベースのホーム画面。ユーザーがパネルを組み合わせて自由にカスタマイズできる要素は従来製品譲りだ
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 INFOBARシリーズといえば,本体デザインと統一感を持たせた独自の「iida UI」の採用が特徴でもある。前モデルであるINFOBAR A02と比べると,ビジュアル面でいくつかの変更が加えられているが,UIを構成する「パネル」をパズルのように組み合わせて,ホーム画面をカスタマイズできる要素に変わりはない。
 なお,展示機はまだ開発機とのことだが,その挙動は「サクサク」というよりも,KDDI製品でよくいわれる「ヌルサク」といったところ。アプリの起動や動作もキビキビしており,引っかかりやもたつきは感じなかった。このまま製品化へと進めば,使っていてストレスを感じない端末になりそうである。

オプションの専用スタンド(左)は,縦置き横置き両対応だ。そのほかのオプションとしては,専用の手帳風カバーとスタイラス(右)が用意されている
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 それでは恒例のベンチマークテストも行ってみよう。Android版「3DMark」によるグラフィックス性能の計測では,「Ice Storm Unlimited」プリセットをチェックしてみた。「Ice Strome」プリセットと「Ice Strome Extreme」プリセットは,もはや現在のスマートフォンには負荷が軽すぎるため,今回から除外している。
 問題のスコアだが,「14835」と搭載するSoCのわりにスコアが伸びていない。バッテリー駆動時間を重視したチューニングによって,GPUの動作に制限がかかっているようだ。リッチな3Dグラフィックスを使うゲームは,やや苦手とするだろう。
 Android版「CPU-Z」でCPUの動作クロック変動を見てみたところ。300MHz〜2.27GHzの間で動作する設定のようだが,2.27GHzで動作することはあまりなく,1.4GHz付近をうろうろしていた。GPUの動作クロックも,330MHzを超える様子がない。これらの挙動が3DMarkの結果にも表れたのだろう。

INFOBAR A03におけるIce Storm Unlimitedのスコア(左,クリックすると詳細スコアを表示します)。CPU-ZでCPUの状態を見てみた(右)。アイドル時はデュアルコア状態で,300MHz駆動となる。しばらく挙動を見ていたが,2GHzで動作することはほとんどなかった
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ぺしぺしIkinaの結果。断続的に飽和が起きたため,スコアは78と低めとなった
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 次なるテストは,連射測定アプリケーション「ぺしぺしIkina」による連打の応答性計測だ。93〜96になるよう連打して結果は「78」。最新スマートフォンとしては,少し低い結果となった。スタートから8タップめでまず長めの飽和があり,以降は7〜8タップごとに短い飽和が続いた。大抵のゲームでは問題にならなさそうではあるが,激しい連打を要求するゲームには向かない結果といえようか。
 ドラッグの追従性も気になって調べてみたが,ホーム画面で延々とドラッグしてみても,ドラッグ操作が途切れるようなことはなかった。ドラッグ操作の多いパズル系のゲームでも動作に問題はなさそうだ。

A1 SD Benchの結果。Internal memoryとRAMともに良好な結果となっている
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 メモリ ・ストレージ性能テストアプリケーションの「A1 SD Bench」によるテストも行ってみた。今回のテストでは,「Settings」で「Advanced benchmarking」にチェックを入れた状態で,簡易版の「Quick」モードで計測している。
 測定結果によると,内蔵ストレージへのアクセス性能を計測した「Internal memory」は,Read(読み込み速度)が245.44MB/s,Write(書き込み速度)が92.19MB/s。メインメモリのアクセス性能を示す「RAM」は7559.79MB/sとなった。これは同じSoCを搭載する他製品――たとえば筆者所有の「GALAXY S5 ACTIVE」――よりも優れた結果である。アプリケーション起動の速さはこのあたりから来ているのだろう。

 グラフィックス性能が振るわないのは気になるところではあるが,コンパクトで持ちやすく,デザイン面でも特色のあるスマートフォンを求めている人なら,試してみる価値のある製品といえるのではないだろうか。

●INFOBAR A03の主なスペック
  • メーカー:京セラ
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:約4.5インチTFT液晶,解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AB」(クアッドCPUコア「Krait 400」最大CPU動作クロック2.3GHz+Adreno 330 GPU)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1300万画素
  • インカメラ:有効画素数約200万画素
  • バッテリー容量:2020mAh
  • SIM:au Nano IC Card 04
  • LTE対応:受信時最大150Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 連続通話/LTE待受時間:約1020分/約500時間
  • 本体サイズ:約68(W)×131(D)×8.9(H)mm
  • 本体重量:約130g
  • 本体カラー:NISHIKIGOI,POOL,MOCHA BROWN,SAKURA IRO
  • 主な対応サービス&機能:au VoLTE,Eメール(@ezweb.ne.jp),SMS,グローバルパスポート(LTE/GSM/UMTS),ワンセグ,フルセグ,おサイフケータイ,NFC,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング(最大10台),キャリアアグリゲーション,WiMAX 2+,WIN HIGH SPEED,緊急速報メール,防水(IPX5/IPX8),防塵(IP5X)


AQUOS SERIE mini SHV31


AQUOS SERIE mini SHV31。シャープ製スマートフォンではお馴染みの3辺狭額縁仕様
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 シャープが製造する「AQUOS SERIE mini SHV31」(以下,SHV31)は,INFOBAR A03と同じく,4.5インチサイズの液晶パネルを採用するスマートフォンだ。

 SHV31が備える第一の特徴はコンパクトさだ。本体サイズは63(W)×124(D)×9.9〜10.6(H)mmで,とくに63mmという幅の狭さは,4.5インチ級スマートフォンの中でもとりわけコンパクトである。シャープ製スマートフォンではお馴染みとなった3辺狭額縁仕様も健在で,前面は液晶パネルだけという印象を受けるだろう。
 なお,搭載する液晶パネルはIGZO液晶で,解像度は1080×1920ドットである。とくに明言はされなかったのだが,2014年に見たIGZO液晶採用スマートフォンモデルよりも発色がよくなった印象を受けた。

インカメラが下側にあるデザイン(左)は,好みが分かれるかもしれない。本体のカラーバリエーション(右)は,シアン,マゼンタ,ホワイト,ブラックの4色展開だ
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本体背面。左からLEDライト,アウトカメラ,スピーカーという定番の配置
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 幅がスリムな製品の場合,薄すぎると持ちにくい傾向がある。その点,SHV31の厚みは9.9〜10.6mmもあり,側面にカーブを描いたラウンドフォルムを採用していることもあって,持ちやすさを確保している。重心はほぼ中央にあるが,端末自体がコンパクトなので変な重みの偏りを感じることはない。
 ちなみに,ボディ下側側面には,端末を握るだけでロック画面を表示したり,着信音の音量を変えたりできる「グリップマジック」機能も搭載している。これまたシャープ製スマートフォン独自の機能だ。持つだけでロック画面を表示できるのは,実際に使ってみると操作しやすくて便利な機能だと感じる。

本体上側面(左)。キャップレス防水仕様のヘッドセット端子と,防水カバーに覆われたmicroSDカードスロットおよびSIMカードスロットがある。本体下側面(右)にあるのは,ストラップホールとマイク坑,USB(Micro-B)端子だ
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本体左側面(左)には音量調整ボタンがある。ストラップホールから左側にグリップマジックのセンサーがあるが,外観では分からない。本体右側面(右)にあるのは[電源/スリープ]ボタンのみ
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 本機はある意味,「2014年版シャープ製スマートフォンの集大成」といった印象で,ハードウェア的な進化はあまりないものの,使い勝手を重視した細かい改良が施されているのがポイントだ。
 説明員は「重視したのはタッチの反応の良さ」と語っていたが,タッチパネル上に配置されたタッチセンサーにもそれが表れている。センサーが格子状に配置された一般的なスマートフォンに対して,SHV31では下に掲載した写真のように,菱形配置となっている。これによって,格子状配置よりもポインティングの精度とドラッグの精度が高まるのだそうだ。

光が当たるようにして斜め下から見ると,菱形形状のタッチセンサーが視認できる。一般的な格子状配列よりも精度に優れるそうだ
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 とくに4.5インチサイズのスマートフォンでは,ソフトウェアキーボードが小さく表示されてしまうものだ,そうした小さなボタンを押すような場面で,ポインティング精度の高さを実感できた。ポインティング精度の高さは,ゲーム用途でも役立つと期待できる。

 さて,搭載SoCやメインメモリ容量などは,冒頭で触れたとおりでINFOBAR A03とまったく同じだ。では性能面も同じなのだろうか。ベンチマークの結果を見てみよう。
 まず3DMarkのIce Storm Unlimitedは「17668」と,2014年冬モデルのハイエンドスマートフォンと変わらない成績を残した。INFOBAR A03とは異なるチューニング傾向なのだろうが,なかなか面白い結果だ。とはいえ,バッテリー残量に応じて使用するCPUコア数やCPUとGPUの動作クロックに制約をかける仕様となっているので,3Dグラフィックス中心のゲームでは,バッテリーが減ると性能の低下を感じる可能性もあるとのことだった。2Dグラフィックスであれば,とくに影響はないはずと説明員氏が語っていたことも付け加えておこう。

3DMarkの結果(左)。Ice Storm Unlimitedは「17668」とかなり優秀だ。CPU-Z(右)でSoCの挙動を見てみたところ。アイドル時はデュアルコア状態で300MHz駆動になるが,3コア動作状態では1コアだけ2.27GHzになるといった振る舞いを示したのが興味深い
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 連打テストのぺしぺしIkinaでは,93〜96になるよう連打して「66」と,低めの結果となった。立ち上がりから14タップめまで飽和はないものの,それ以降は5タップ間隔で短い飽和が発生し,60タップめでかなり長い飽和があった。そこで,14タップめで一瞬間を置いてから,連打し直してみたところ,10〜12タップめでまで飽和が起きなかった。こういう挙動であれば,激しい連打が必要な音ゲーでも大丈夫そうだ。

 最後のA1 SD Benchの結果だが,Internal memoryはReadが154.34MB/sで,Writeが45.85MB/s,RAMは5547.20MB/sと,INFOBAR A03に比べて低いスコアとなっている。グラフィックス性能とストレージ・メモリアクセス性能の傾向が両製品で逆というのは面白い。
 もしかすると,INFOBAR A03はSoCの動作クロックを低めに抑える代わりに,メモリやストレージアクセスで性能を稼ぐチューニングを施しているのに対して,SHV31はその逆に,SoCを高速動作させる一方でメモリやストレージアクセスは控えめのチューニングとしているのかもしれない。

ぺしぺしIkinaの結果(左)。「66」と低いのだが,立ち上がりは14タップめでまでストレートなので,休み休み連打するなら,飽和は気にならなさそうだ。A1 SD Benchの結果は低めだった。とはいえ,体感して遅く感じるということはない
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 グラフィックス性能の高さからすると,INFOBAR A03よりもゲーム向きのスマートフォンといえそうだ。コンパクトで高性能なスマートフォンを求める人にお勧めできる製品だろう。

●AQUOS SERIE mini SHV31の主なスペック
  • メーカー:シャープ
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:約4.5インチIGZO,解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AB」(クアッドCPUコア「Krait 400」最大CPU動作クロック2.3GHz+Adreno 330 GPU)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1310万画素
  • インカメラ:有効画素数約120万画素
  • バッテリー容量:2120mAh
  • SIM:au Nano IC Card 04(VoLTE)
  • LTE対応:受信時最大150Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 連続通話/LTE待受時間:約1040分/約540時間
  • 本体サイズ:63(W)×124(D)×9.9〜10.6(H)mm
  • 本体重量:約118g
  • 本体カラー:シアン,マゼンタ,ホワイト,ブラック
  • 主な対応サービス&機能:au VoLTE,Eメール(@ezweb.ne.jp),SMS,グローバルパスポート(LTE/GSM/UMTS),ワンセグ,おサイフケータイ,NFC,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング(最大10台),キャリアアグリゲーション,WiMAX 2+,緊急速報メール,防水(IPX5/IPX7)


BASIO KYV32


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BASIOの本体前面。ハードウェアボタンは電話キーとホームキー,メールキーで,Androidのボタンとは異なる点に注意
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戻るキーは「戻る」,アプリケーション一覧キーは「アプリ履歴」と日本語で表記されている。これはこれで分かりやすい
 最後に取り上げる京セラ製の「BASIO KYV32」(ベイシオ,以下,BASIO)は,シニア向けスマートフォンに位置付けられた製品だ。おっと,「シニア向けなんて関係ないよ」というなかれ。スマートフォン慣れしていないシニア層に配慮した使い勝手の工夫は,年齢を問わず誰にとっても有意義なものとなっているのだ。

 外観はハードウェアボタンが下に3つ並んだ,一昔前のスマートフォンといった印象だ。ただ,これらのボタンは電話ボタンとホームボタン,メールボタンとなっていて,一般的なAndroidスマートフォンのセオリーとは異なる。
 戻るキーやメニューキーは,一般的なAndroidスマートフォンと同じソフトウェアボタンなのだが,ボタン名が日本語で書かれているので分かりやすいと感じる人は多いのではないだろうか。

 またBASIOは,米国の軍用規格であるMIL規格に準拠した耐衝撃性を備えており,滑落などのダメージに強い。液晶パネル周辺部が盛り上がって,液晶パネルを落下から保護する構造も採用されているなど,衝撃に強いスマートフォンを作り慣れた京セラらしい仕上がりとなっている。

本体背面(左)。LEDライトとアウトカメラ,スピーカーのほかに,オプションのクレイドル用の接点がある。本体のカラーバリエーションは,左からゴールド,ピンク,ブルーの3色展開
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本体上側面(左)。キャップレス防水仕様のヘッドセット端子の左側には,防水カバーに覆われたUSB(Micro-B)端子とmicroSD/SIMカードスロットがある。これらがキャップレス防水でないのは,「細かい操作になるため,シニア層には差し込みが厳しいから」とのこと。本体下側面(右)にはストラップホールがあるだけ
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本体左側面(左)には何もないが,握りやすいように段差があるのが分かる。注目すべきは右側面(右)で,[電源/スリープ]ボタンや音量調整ボタンの下側(長押しするとマナーモード)には,機能名が日本語で書かれている。カメラボタンにもカメラのアイコンが付いていて,どれも分かりやすい。ボタン自体も大きめだ
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ホーム画面も実にシンプル。1画面に置けるアプリケーションアイコンが少ない点は,気になる人もいそうだ。ちなみに,画面上のステータス領域の幅も広くなっている
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 ホーム画面はいかにもシニア向けのシンプルなものだが,各アイコンが大きなボタン状になっているので,押し間違えにくくなっている。もちろん,このホーム画面が気に入らないなら,Google Playから任意のホーム画面アプリを導入することも可能だ。

 搭載SoCやメインメモリ容量,内蔵ストレージ容量といったスペックは,冒頭で触れたとおり前2製品と同じだが,液晶パネルサイズは5インチで,解像度は1080×1920ドットと,今回の新製品では唯一の5インチクラスである点も特徴といえよう。

 展示機材でCPU-Zを使って挙動を確認してみたところ,CPUの動作クロックは2GHz台に達することがなく,動作しているCPUコア数も2基程度ということがほとんだった。風変わりなチューニングであるため,どういうことかと説明員に確認すると,「(ボディが)熱を持つとシニアのかたは不安になることがあるため,動作温度を中心に制御を施している」とのことだった。つまり,触って熱を感じる温度になる前に,動作クロックを落とす挙動が多いわけだ。

 そういう傾向があるとなると,BASIOはゲーム向きではなさそうに思える。3DMarkの結果もそれを裏付けており,Ice Storm Unlimitedのスコアは「11443」と,Snapdragon 801搭載するスマートフォンとしては,かなり低めの結果となった。

CPU-Zで動作状況を確認したところ(左)。バックグラウンドでアプリケーションをダウンロードしている状態でもほとんどCPUは動いておらず,動作クロックが2GHzを超えることはなかった。Ice Storm Unlimitedのスコア(右)は「11443」で,搭載SoCの性能からするとかなり低い
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 ぺしぺしIkinaの結果は,93〜96になるよう連打して「79」と,予想よりもいいスコアを記録した。立ち上がりは18タップめまで飽和がなく,以降は40,50,60,75タップめでやや長めの飽和が発生している程度だった。
 A1 SD Benchの結果も高いものではなく,Internal memoryはReadが128.33MB/sで,Writeが51.02MB/s,RAMは1665.40MB/sという結果だった。ベンチマークテスト中はときおり引っかかるような挙動を見せたのだが,RAMのスコアが低い点にそれが表れているのかもしれない。

ぺしぺしIkinaの結果は「79」(左)。タッチに対する反応は良好で,連打もそれなりに対応できる。A1 SD Benchの結果(右)は,SHV31よりもやや低い。とくにメモリアクセス性能はかなり低めだ
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 シニア向けの配慮によってSoCの能力を十分に発揮できていないというのは残念だ。耐衝撃性能やボタン類の使いやすさには秀でたところがあるので,性能はそれほど重視しないが使いやすさは重視したいという人向けの製品というところだろうか。

●BASIO KYV32の主なスペック
  • メーカー:京セラ
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:約5.0インチTFT液晶,解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AB」(クアッドCPUコア「Krait 400」最大CPU動作クロック2.3GHz+Adreno 330 GPU)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1300万画素
  • インカメラ:有効画素数約97万画素
  • バッテリー容量:3000mAh
  • SIM:au Nano IC Card 04(VoLTE)
  • LTE対応:受信時最大150Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 連続通話/LTE待受時間:約1530分/約750時間
  • 本体サイズ:約70(W)×142(D)×10.4(H)mm
  • 本体重量:約152g
  • 本体カラー:ゴールド,ピンク,ブルー
  • 主な対応サービス&機能:au VoLTE,Eメール(@ezweb.ne.jp),SMS,グローバルパスポート(LTE/GSM/UMTS),ワンセグ,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング(最大10台),キャリアアグリゲーション,WiMAX 2+,緊急速報メール,防水(IPX5/IPX8),防塵(IP5X),耐衝撃

KDDI 2015年春モデル新製品 特設ページ

  • 関連タイトル:

    AQUOS

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