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【PR】コンパクトでも広い画面&高性能。「AQUOS R compact」を実現した技術とゲームでの動作をチェックしてみた
また,詳細は後述するが,液晶パネルを左右と上端のギリギリまで広げたうえで,上端の一部を切り欠いてフロントカメラを設置するという「EDGEST fit」(エッジスト フィット)デザインを採用して,非常に目を引く外見となっているのもポイントである。
AQUOS R compactとは,一体どのようなコンセプトで作られ,ハードウェア面ではどんな特徴を有しているのか。そしてゲームを快適にプレイできる端末となっているのか。シャープへの取材と実機でのテストを通じて,その実態を明らかにしてみたい。
なお,今回の記事では,端末のテストにソフトバンク版のAQUOS R compactを使用している。KDDI版は,プリインストールアプリや通信サービスといった違いがあるものの,主な仕様や特徴的な機能はすべて共通なので,両製品に共通する話題として読み進めてほしい。
なお,本稿では触れられなかった特徴――カメラ機能や音声アシスタント「エモパー」など――もあるので,AQUOS R compactスペシャルサイトもチェックすることをお勧めする。
シャープのAQUOS R compactスペシャルサイト
「プレミアムなコンパクト」を求める人に向けたAQUOS R compact
それでは,AQUOS R compactの外観から見ていこう。
AQUOS R compactは,4.9インチサイズで解像度1080×2032ドット,アスペクト比9:17の「IGZOフリーフォームディスプレイ」を搭載するスマートフォンだ。公称本体サイズは66(W)×132(D)×9.6(H)mmで,公称本体重量は約140gと,今どきのスマートフォンとしては,コンパクトと言っていいだろう。
スペックの詳細は後述するが,Qualcomm製のミドルクラス市場向けSoC(System-on-a-Chip)である「Snapdragon 660 Mobile Platform」(以下,
液晶パネル上側のベゼルがほとんどないことを除けば,外観は兄貴分であるAQUOS Rと非常によく似ており,同じシリーズの端末であることが見てとれるだろう。
さて,そんな個性的な見た目をしたAQUOS R compactは,どのようなコンセプトで開発された製品なのだろうか。コンパクトサイズでハイエンドよりは下のスペックと聞けば,スマートフォン慣れしていない人や,手のサイズが比較的小さい女性を対象とした製品という印象を受けるかもしれないが,シャープにてAQUOS R compactの商品企画を担当したIoT通信本部パーソナル通信事業部商品企画部の中野伶香氏によると,そうではないという。
満員電車の中でも,親指だけで一通りの操作が可能な片手操作向きのサイズ感は,男女問わず一定のニーズがあるそうだ。しかし,バリバリ使うユーザー層であるから,性能に対する要求も相応に高い。そういう人々に向けた「プレミアムなコンパクト,ハイエンドなコンパクト」(中野氏)スマートフォンとして作られたのが,AQUOS R compactというわけだ。
IGZOフリーフォームディスプレイの切り欠き部は研磨で作る!?
そうした検討のうえで,AQUOS R compactにて使うことになったのが,シャープの自社技術であるIGZOフリーフォームディスプレイである。この技術を使うと,任意の形状をした液晶パネルを製造できるため,四辺を丸い筐体に合わせて,前面の左右端と上端のギリギリまで液晶パネルというデザインを実現できたという。
それに加えて,IGZOフリーフォームディスプレイでは,端末のデザインに対する制約が,今までもよりも緩いという利点もあったそうだ。従来のスマートフォンでは,部材の選択が先にあり,端末のデザインはそのあとのプロセスになるため,部材にデザインが制約される面がどうしても強くなる。それが,IGZOフリーフォームディスプレイであれば,端末のデザインに合わせて形状を決められるので,デザインを優先することが可能になったと,中野氏は述べていた。
この問題を解決するため,AQUOS R compactでは,フロントカメラをどう配置すべきか,試行錯誤したと中野氏は説明した。上端中央にフロントカメラを置くことが決まってからも,切り欠き部分の形状やカメラ周囲の処理をどうするか,多種多様なサンプルで検討し,その結果,本体四隅を丸めたデザインと整合性を持たせるために,カメラの周りを丸く切り欠くパターンを採用したそうだ。
ところで,1080×2032ドットという特殊な解像度とアスペクト比の液晶パネルを備えるだけに,
ちなみに,フロントカメラ左右の部分は,アプリによって挙動が代わり,Android標準の「設定」アプリや「Playストア」アプリではアイコンや通知の領域として使われる。一方,「Chrome」アプリや「マップ」アプリなどでは,何も表示させなかったり,通知の領域として使ったりといった具合に,表示方法を切り替えられる。通知領域を消して全画面で表示するゲームの場合は,何も表示しないのが基本となるだろう。
そこで役立つのが,AQUOSシリーズの便利な機能である「Clip Now」。画面の上側の縁(ふち)を左端から右へ指でなぞるだけで,スクリーンショットを撮影してくれるという機能である。これを使うと,自動でフロントカメラ左右の余白部分をカットしたスクリーンショットを撮影できるのだ。これにより,ゲームの場合は,きれいに余白をカットした1920×1080ドット分の画像が撮れる。
AQUOS R compactでゲーム画面のスクリーンショットを撮るなら,Clip Nowを活用することをお勧めしよう。
AQUOS R compactの液晶パネルは,兄貴分のAQUOS Rと同様に,最大垂直リフレッシュレート120Hzでの表示に対応する「ハイスピードIGZOディスプレイ」(以下,ハイスピードIGZO)である。ハイスピードIGZOの特徴については,
AQUOS R compactで120Hzを実現するには,IGZOフリーフォームディスプレイに合わせたチューニングが必要であったという。たとえば,1080×1920ドットよりも少しだが縦方向に長いので,120Hz駆動のためには増えた部分も計算に入れて駆動する必要があるそうだ。それに加えて,IGZOフリーフォームディスプレイはパネル内部の配線が複雑であるため,タッチパネルに対するノイズの影響も変わってくる。そのため,タッチパネル担当のチームは苦労したと,田邊氏は述べていた。
そうした工夫の結果として,120Hz表示でも指に吸い付くような操作感を実現し,画面に水滴が付いた状態でも,AQUOS R compactでは支障なくタッチ操作が行えるのである。
AQUOS R compactの液晶パネルはどうやって作る?
角や中央を丸く切り欠いた液晶パネルをどうやって作るのか,疑問に思った人はいないだろうか。この点についてシャープ開発陣に質問したところ,意外な答えが返ってきた。
液晶パネルというのは,「マザーガラス」という大きなサイズのパネルを作り,そこから必要なサイズに切り分けていくのが一般的だ。IGZOフリーフォームディスプレイもその点は同様だが,まずは四角く切り分けたうえで,切り欠き部分を研磨して,丸くなるように削り出して作っているのだという。
AQUOS R compactが採用する液晶パネルの構造を示したサンプル。タッチパネルと液晶,液晶ガラス,バックライトからなる
一般的な液晶パネルであれば,表示部分の周囲にも回路があるものなので,このように削って形を変えることはできない。しかし,IGZOフリーフォームディスプレイは,その回路も液晶パネル内に作り込んでいるため,カットした後から削り込むという工程が可能であるそうだ。当然ながら,研磨工程にはμm単位の精度が求められるが,それを万単位で生産するスマートフォンで採用できるだけの安定した量産技術を確立しているというのには,感心させられる。
加工前の液晶ガラス上部を拡大してみた。四角く切り分けたガラスの左右端とフロントカメラ部分を,後から削り込んで丸くしている
ハイエンドなコンパクトを実現する
Snapdragon 660
先述したとおり,プレミアムなコンパクトを目指したAQUOS R compactは,ハイエンド端末ほどではないものの,高い性能を実現することを求められた製品だ。その鍵となるのが,搭載SoCのSnapdragon 660である。2017年5月に発表された最新のSoCであるだけに,ミドルクラス市場向けとしては,かなり性能の高いものだ。
120Hzで表示できるかできないかの決め手となっているのは,GPU性能ではなく,メモリインタフェースが鍵であると,田邊氏は説明する。
Snapdragon 660とSnapdragon 630は,どちらもメインメモリとしてLPDDR4メモリに対応しており,AQUOS R compactでは,消費電力の小さいLPDDR4Xをメインメモリとして採用している。ただ,同じLPDDR4対応と言っても,Snapdragon 630は,メモリクロックが1333MHzまでなのに対して,Snapdragon 660ではメモリクロック1866MHzまで対応しているのだ。
ハイスピードIGZOで120Hz表示を行うには,60Hz表示よりも広いメモリ帯域幅が必要となり,Snapdragon 630では,それが不足するというのが田邊氏の説明だった。
田邊氏は,メモリ帯域幅だけでなく,Snapdragon 660はCPUやGPU性能も大きく向上していると述べる。2年前のハイエンドスマートフォンで使われていた「Snapdragon 808」(MSM8992)や,2016年後半登場のミドルクラススマートフォンで使われていた「Snapdragon 617」(MSM8952)と比べて,CPU性能だけの比較では,2倍近いベンチマークテスト結果が出ているという。
実際,AQUOS R compactの性能は,ミドルクラスとしてはかなり優秀だ。定番のグラフィックスベンチマークアプリである「3DMark」のIce Storm Extremeプリセットのスコアは「24498」,3DMarkでなめらか倍速表示を有効にした場合では,同プリセットで「26290」というスコアを記録した。
4Gamerの過去記事から,同じテストのスコアを拾ってみると,Snapdragon 808搭載端末は,およそ15000〜18000程度,Snapdragon 617搭載端末は10000前後という結果が出てくる。単純に言えば,AQUOS R compactのグラフィックス性能は,なめらか倍速表示がオフの状態でも,2年前のハイエンド端末と比べて1.36〜1.63倍,2016年のミドルクラス端末と比べて2.45倍に達しているわけだ。シャープが「ハイエンドなコンパクト」と言うだけのことはある。
兄貴分のAQUOS Rでは,放熱構造の改良点として,メイン基板で発生した熱を拡散するアルミニウム板金の厚みを拡大したり,グラファイト素材の放熱シートで覆う範囲を広げたりといった工夫が挙げられていた。また,筐体内部や表面の温度を計測する温度センサーをいくつも配置して,端末の温度を多面的に計測することで,発熱状況に応じた動作クロック制御の精度を高めて,高い性能を引き出しやすくする工夫も凝らされている。
AQUOS R compactでも,温度センサーの設置や,筐体内部に放熱板を設置するという工夫を採用してはいるのだが,当然ながら,AQUOS Rの構造をそのままでは使えない。温度センサー類は,あらためてベストな配置をシミュレーションで選び出す必要があったほか,放熱用の板金には厚みのあるものを採用することで,熱伝導率を高めて熱を全体に広げる必要もあったということだ。
実際の発熱状況を確認すべく,AQUOS R compactで「CARAVAN STORIES」を1時間以上連続でプレイした状態の背面を,Android用赤外線カメラ「FLIR ONE Pro」で撮影してみた。
見てのとおり,比較的均一に熱が広がっていることが見てとれる。高温部でも温度は36〜37℃程度なので,ちょっと温かいくらいで済むわけだ。
AQUOS R compactで「Pokémon GO」をプレイ
取り回しの良いサイズは屋外でのプレイに最適
それでは,実際にAQUOS R compactでゲームをプレイして,快適かどうかを検証してみるとしよう。まずは屋外でプレイするゲームの代表例として,「Pokémon GO」を遊んでみた。
Pokémon GOは屋外でプレイするゲームなので,ときには雨天に遭遇することもあるだろうが,AQUOS R compactなら,水滴の付着を気にすることなくプレイできるわけだ。
もう1つのポイントは,今どきのスマートフォンとしてはサイズが小さいAQUOS R compactなら,片手持ちでのプレイが現実的という点である。たとえば,ポケストップをクルクル回してアイテムを回収する作業を,握った手の親指だけでできるので,とても楽だ。
ただ,同様に片手持ちでモンスターボールを投げて命中させるのは,少々コツがいる。親指だけで一直線にスワイプするのは難しいので,弧を描くようにスワイプしてカーブボールを狙うのがいいだろう。
本稿の執筆時点では,Pokémon GOの動作確認機種リスト(関連リンク)に,AQUOS R compactは含まれておらず,ゲームの推奨端末ではないのだが,スペック面での問題はなさそうであるし,実際のプレイフィールにもまったく問題はない。AQUOS Rと同様に,Pokémon GOをプレイするのに最適な1台と言えそうだ。
「Pokémon GO」ダウンロードページ
AQUOS R compactで「デスティニーチャイルド」をプレイ
満員電車でも片手持ちで快適に遊べる
デスティニーチャイルドは,著名なイラストレーターとしても知られるキム・ヒョンテ氏が描いた美麗なキャラクターが,Live2Dでぐりぐりとアニメーションしまくるのが特徴だ。ある意味では,Live2Dの限界を追求するかのようなゲームだが,そのわりに,端末にはそれほど高い処理能力は求めないゲームでもある。
そんなデスティニーチャイルドをAQUOS
筐体の発熱状況も確認してみたが,1時間以上連続でプレイしても,ボディがほんのり温かくなる程度だった。先述した放熱機構における工夫は,功を奏しているようだ。
端末のサイズが小さいため,片手持ちで操作が行えるのも気に入った。たとえば,バトル時の場合,端末を握った手の親指が全キャラのアイコンまで届くのだ。
ちなみに,本作に登場するキャラクターがあまりにも刺激的なためか,周囲の人が見ても驚かないように,キャラクターにモザイク処理をかけたり,黒塗りにしたりする「電車内モード」がある。AQUOS R compactなら,これらの機能を使いつつ,混雑した電車内でつり革に捕まりながらでも,存分に楽しめそうだ。
「デスティニーチャイルド」ダウンロードページ
AQUOS R compactで「CARAVAN STORIES」をプレイ
発熱は高めだが最高画質でもプレイに支障なし
もともと本作は,グラフィックスの負荷が高いゲームだ。AQUOS R compactで「グラフィック設定」の「画質・消費電力設定」を最高に設定したところ,プレイ中の平均フレームレートは,25〜30fpsとなった。Pokémon GOやデスティニーチャイルドのフレームレートに比べると低い値だが,本作ならではの美麗なグラフィックスを堪能するには,それに見合う性能を持った端末が必要ということなのだろう。
とはいえ,タイミングにシビアな操作は要求されないRPGということもあってか,このフレームレートでも問題なくプレイできるのは幸いだ。
フレームレートよりも気になるのは,キャラストを連続でプレイしていると,ボディがはっきり分かる程度には温かくなることだった。放熱機構の説明でも触れているが,キャラストを1時間以上の連続プレイすると,人肌よりもやや温かい程度の36〜37℃前後まで,表面の温度が上がる。高品位のグラフィックスと高頻度のデータ通信を行うキャラストは,先の2タイトルよりも高負荷であることが,ここからも窺える。
高負荷時の発熱をどう考えるかで,AQUOS R compactに対する評価は分かれそうだ。
もっとも,キャラストは,高負荷なことで知られる「リネージュ2 レボリューション」よりも発熱量が多いタイトルなので,極端なケースという見方もあるだろう。そもそも,手に持ったときに温かく感じるのは,高負荷状態でも正常に放熱できている証拠とも言え,極端に熱いスポットもない。熱が原因で,AQUOS R compactでのプレイに支障を来すようなことは,まったくなかったことを強調しておきたい。
「CARAVAN STORIES」ダウンロードページ
【「CARAVAN STORIES」4Gamer特設サイト】
「プレミアムなコンパクト」の看板に偽りなし
片手でもゲームが快適にプレイできる
「プレミアムなコンパクト,ハイエンドなコンパクト」を目指して開発したAQUOS R compactは,そのコンセプトを高いレベルで実現したスマートフォンと言えそうだ。コンパクトな端末=スペックが低いという常識(?)は,AQUOS R compactには無縁なものである。ハイエンドスマートフォン並みの最高画質で,というのは荷が重いかもしれないが,多少画質設定を落とせば快適にプレイできるだろう。
フロントカメラが液晶パネルに食い込んだ個性的なデザインは,好みに左右される面があることは否定しないものの,これがあることによって,ゲームの表示に問題が出る心配はない。
「ハイエンドスマートフォンは性能面に不満は出ないけれど,とにかく大きくて,片手だけでは使いにくい」と考えている人にとって,AQUOS R compactは貴重な――現状ではほとんど唯一と言ってもいい――選択肢となるだろう。本稿を読んで気になった人は,店頭デモ機などで実際に手に取って,その感触や操作感を確認してみてほしい。
●AQUOS R compact(ソフトバンク版)の主なスペック
- メーカー:シャープ
- OS:Android 8.0(Oreo)
- ディスプレイパネル:4.9インチIGZO液晶,解像度1080×2032ドット
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 660」(CPUコア Kryo 260×8,最大CPU動作クロック2.2GHz,GPUコア Adreno 512)
- メインメモリ容量:最大3GB
- ストレージ:内蔵(32GB)+microSDXC(最大容量未公開)
- アウトカメラ(メイン):有効画素数約1640万画素
- フロントカメラ:有効画素数約800万画素
- バッテリー容量:2500mAh
- 対応LTEバンド:FDD-LTE 1/2/3/4/5/8/11/12/18/19/21/26/28,TD-LTE 38/39/40/41/42
- 対応3Gバンド:W-CDMA 1/2/4/5/6/8/9/11/19
- SIMカードスロット:nanoSIM(nanoUIM)
- 待受時間:約570時間(LTE)
- 連続通話時間:約1440分
- 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
- Bluetooth:5.0
- USBポート:Type-C
- 本体公称サイズ:66(W)×132(D)×9.6(H)mm
- 本体公称重量:約140g
- 本体カラー:ムーンホワイト,トルマリンブラック,ダイヤモンドイエロー,アメジストパープル
シャープのAQUOS R compactスペシャルサイト
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