スマホゲームのセルラン分析（2023年5月25日〜5月31日）。今週の1位は「モンスト」。最も収益が多い国内メーカーのバンナムについても深掘り

　データ分析を専門に行うSensor Towerによると，2021年におけるスマートフォン向けゲームの国内収益は約2兆3746億円に達している（※関連記事）。そんな世界有数のスマホゲーム大国となった日本で，現在最も売れているタイトルを始めとした，さまざまなデータを毎週お届けするのが，本連載「スマホゲームのセルラン分析」である。

スマホゲームのセールスランキング

（2023年5月25日〜5月31日）

順位	前週	タイトル	DL数の前週比	収益の前週比
1	4	モンスターストライク	91%	19%
2	32	ドラゴンクエストウォーク	82%	614%
3	1	ウマ娘 プリティーダービー	-3%	-30%
4	8	Fate/Grand Order	2%	78%
5	3	勝利の女神：NIKKE	-5%	-12%
6	7	アークナイツ	53%	50%
7	6	パズル＆ドラゴンズ	9%	1%
8	10	原神	-4%	39%
9	13	プロ野球スピリッツＡ	6%	51%
10	39	ドラゴンクエストタクト	41%	310%
11	2	崩壊：スターレイル	-36%	-62%
12	21	あんさんぶるスターズ！！Music	-3%	124%
13	16	ONE PIECE トレジャークルーズ	-27%	31%
14	17	プロジェクトセカイ	4%	26%
15	164	アズールレーン	139%	1884%
16	14	Pokémon GO	44%	3%
17	27	ヘブンバーンズレッド	-4%	127%
18	12	荒野行動	0%	-12%
19	15	パズルサバイバル	6%	-8%
20	9	ブルーアーカイブ	16%	-40%
21	19	ガーデンスケイプ	17%	-7%
22	5	ONE PIECE バウンティラッシュ	-37%	-59%
23	48	LINE：ディズニー ツムツム	17%	176%
24	110	七つの大罪 光と闇の交戦	139%	654%
25	31	ブルーロック Project: World Champion	83%	54%
26	62	星のドラゴンクエスト	52%	226%
27	11	eFootball 2023	4%	-46%
28	初	ブラッククローバーモバイル	-	-
29	20	放置少女	-2%	0%
30	25	ロマンシング・サガ・リ・ユニバース	12%	9%
31	199	#コンパス	17%	1177%
32	33	信長の野望 覇道	-9%	28%
33	113	デュエル・マスターズ プレイス	9%	477%
34	18	メメントモリ	-40%	-43%
35	138	ドラゴンボールレジェンズ	153%	599%
36	22	ホームスケイプ	7%	-16%
37	24	LINE ポコポコ	-4%	-25%
38	45	おねがい社長！	18%	46%
39	37	アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ	-17%	15%
40	34	ロイヤルマッチ	6%	0%
41	126	うたわれるもの ロストフラグ	43%	423%
42	46	トップウォー	-13%	34%
43	36	フィッシュダム	16%	2%
44	28	ダークテイルズ	-6%	-20%
45	29	リネージュW	172%	-17%
46	38	マフィア・シティ	-6%	2%
47	40	Age of Origins	-8%	3%
48	118	Identity V	5%	319%
49	30	ドラゴンボールZ ドッカンバトル	-1%	-21%
50	43	日替わり内室	-15%	-5%

※掲載データはSensor Towerから引用したものです
※iOSとAndroidの収益の合計をもとにしたランキングです。マルチプラットフォーム展開を行うタイトルでも，PCや家庭用ゲーム機向けの収益は含まれていません

1〜25位の収益グラフ。縦軸（収益）の値は本連載では非公開

　初登場で28位にランクインした「ブラッククローバーモバイル」は，VIC GAME STUDIOS JAPANが5月25日にサービスを開始した，同名のテレビアニメ「ブラッククローバー」を題材としたタイトルである。
　生まれながらに魔法が使えない主人公の少年が，魔道士の頂点である“魔法帝”を目指すという原作ストーリーに沿った冒険を，疾走感のあるバトルやトゥーンレンダリングによるアニメとともに体験できるとのことだ。



　そのほか今回の集計期間では，ドラクエVIにちなんだイベントを開始した「ドラゴンクエストウォーク」（公式Twitter），イベント“覆天せし万象の塵”を開始した「アズールレーン」（関連記事），4周年記念イベントを実施する「七つの大罪 光と闇の交戦」（関連記事）などのタイトルがセールスを大きく伸ばしている。

前四半期におけるバンナムのセールスランキング

（2023年1月1日〜3月31日）

　これから何回かに分けて，前四半期（2023年1月1日〜3月31日）で大きな収益を挙げた日本のゲームメーカーを紹介していく。
　今回紹介するのは，前四半期で世界8位（日本のゲームメーカーでは1位）の収益を上げたバンダイナムコエンターテインメントである。同社のスマホゲームで，ワールドワイドの収益が特に大きかった10タイトルを以下に掲載しよう。タイトル名の右には，世界全体に対する日本の収益の割合も添えている。

順位	タイトル	日本の割合
1	ドラゴンボールZ ドッカンバトル	65.2%
2	ONE PIECE バウンティラッシュ	86.9%
3	ドラゴンボール レジェンズ	23%
4	ONE PIECE トレジャークルーズ	66.2%
5	アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ	100%
6	転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚	81.4%
7	機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE	100%
8	アイドルマスター ミリオンライブ！ シアターデイズ	100%
9	アイドリッシュセブン	97.9%
10	スーパーロボット大戦DD	100%

バンナムのスマホゲームにおけるタイトル別の収益割合

　同社は世界各国で人気の高いIPを的確にスマホゲーム化したうえで，ワールドワイド向けに展開するのを得意としている。上に掲載した前四半期のセルランでも，ドラゴンボールやONE PIECEといった世界最強クラスのIPのスマホゲームが，同社の収益トップ4を占めているのだ。

　日本以外でヒットしているタイトルも多く，なかでも3位の「ドラゴンボール レジェンズ」は，世界全体に対する日本の収益の割合が23％しかない。ちなみに同作が最も多くのセールスを出している国はアメリカ（全体の48.4％）で，そのほかにもフランス（5.6％），ドイツ（3.3％），イギリス（3％），イタリア（2.1％）などの，幅広い国や地域で長期にわたってヒットし続けているのだ。
　アメリカはARPPU（Average Revenue per Paid Userの略。課金を行うユーザー1人あたりの平均課金額）が日本より遥かに低いと思われる。にもかかわらず，ドラゴンボール レジェンズで世界全体に対してこれほどの収益割合を出しているわけで，現地では“48.4％”という数字から受ける印象以上に受け入れられているのではなかろうか。

Sensor Tower 日本語公式サイト

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