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AMD,新型APU「Beema」「Mulins」ベースの組み込み機器向けSoC「G-Series」を発表
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印刷2014/06/04 13:01

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AMD,新型APU「Beema」「Mulins」ベースの組み込み機器向けSoC「G-Series」を発表

 2014年6月4日13:01,AMDは,組み込み機器向けSoC(System-on-a-Chip)「Embedded G-Series SOC」(以下,G-Series SOC)の新製品として,「Steppe Eagle」(ステップイーグル,同)と「Crowned Eagle」(クラウンドイーグル,同)の2種類,計6製品を発表した。
 どちらも,第3世代の低消費電力向けAPU「Beema」(ビーマ,開発コードネーム)および「Mullins」(ムリン,同,関連記事)をベースとしているのが特徴だ。なお,本稿執筆時点では,製品の投入時期は公表されていない。

AMDの組み込み向けAPU,SoCおよびGPUのラインナップ。2014年の組み込み向けSoCとなるのがSteppe EagleとCrowned Eagleだ
画像集#003のサムネイル/AMD,新型APU「Beema」「Mulins」ベースの組み込み機器向けSoC「G-Series」を発表

 本稿では発表に先立って行われた記者説明会の内容を元に,新製品の概要をお伝えしたい。


GPU搭載のSteppe EagleとGPUナシのCrowned Eagleを用意


 G-Series SOCで最初に登場した製品は,2013年4月に発表されたもので,低消費電力APU「Kabini」をベースにし,CPUコアに「Jaguar」を2〜4基,GPUコアにはRadeon HD 8000世代を採用していた。
 それに対して,今回のSteppe EagleとCrowned Eagleは,CPUコアにJaguarの改良版である「Puma+」を2〜4基を採用したほか,Steppe EagleはGPUコアに「Graphics Core Next」(以下,GCN)アーキテクチャ世代を採用する製品となっている。Crowned EagleはGPUを搭載しないモデルだ。

 ラインナップと主なスペックはのとおり。GPUが現行のRadeonのような「R〜」表記に変わっている点に注目してほしい。なお,TDPやCPUコア定格クロック/最大クロック,GPUコア定格クロック/最大クロックはいずれも,「Configurable TDP」によりデバイスメーカー側で変更可能である。

画像集#002のサムネイル/AMD,新型APU「Beema」「Mulins」ベースの組み込み機器向けSoC「G-Series」を発表

 記者説明会で説明を担当した組み込み製品部門ディレクターのKamal Khouri(カマル・クーリ)氏によると,Steppe EagleおよびCrowned Eagleは「G-Series SoCの新たなSKUとして提供される新製品」だという。つまり2013年に登場したG-Series SoCを置き換えるのではなく,新たな市場を狙う製品であるとAMDは位置付けているわけだ。
※Stock Keeping Unitの略で「スキュー」と読む。本来の意味は商品管理の単位だが,商品の種別,あるいは商品群といった意味で使われることが多い。

 さて,そんなSteppe EagleとCrowned Eagleだが,Khouri氏はその特徴として,いくつかの要素を上げている。
 その1つがPuma+コアの採用だ。「CPU主体の処理では,既存のG-Series SoCに対して最大60%の性能向上を実現した」とのことで,「消費電力あたりの性能は,最大96%も向上している」と,高性能ぶりをKhouri氏はアピールしていた。

 また,既存のG-Series SoCと完全なピン互換であることも,特徴の1つであるという。これにより,「G-Series SoCを採用しているデバイスメーカーは,今の設計をそのまま新製品に流用できる」のが利点だとKhouri氏は主張している。


シンクライアントやキオスク端末,ネットワーク機器での採用を狙う


 Steppe Eagleが狙う主な用途は,シンクライアントやキオスク端末,機器制御用のコントローラといったものが挙げられている。一方,GPUを持たないCrowned Eagleは「データセンターのバックプレーンに応用されることを期待している」(Khouri氏)という。つまり,CPUパフォーマンスを活かしたネットワーク機器を狙っているわけだ。
 また,Steppe EagleとCrowned Eagleは,ARMが開発したセキュリティ技術「TrustZone」に対応しており,TrustZoneの処理を行う専用のARM製CPUコア「Cortex-A5」も内蔵している。「TrustZoneベースの高度なセキュリティ機能が提供できるので,G-Series SoCはネットワーク製品に適していますよ」というのがAMDの主張であるわけだが,期待どおりに採用が進むかどうかは未知数だ。

画像集#004のサムネイル/AMD,新型APU「Beema」「Mulins」ベースの組み込み機器向けSoC「G-Series」を発表
Crowned Eagleはデータセンターのネットワークを制御するバックプレーンや,TrustZoneによるセキュリティ機能を売りとして,データセンター向けセキュリティ製品への応用を狙っている

 いずれにしても,Steppe EagleやCrowned Eagleを採用した製品を,ゲーマーが目にしたり,購入したりするようなことはまずなさそうなのは,少し残念なところだ。しかし,同じアーキテクチャをベースとしたSoCがこのタイミングで発表されたということは,BeemaやMullinsを搭載する製品が登場するのも,そう遠くはないということだろう。早くこれらを採用した製品を手にしてみたいものだ。

AMD Embedded G-Series SOC 製品情報

  • 関連タイトル:

    Beema,Mullins(開発コードネーム)

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