インタビュー
「運転する楽しさ」を若者に伝えたい――「頭文字D AS8」&「湾岸マキシ5」コラボ記念・両作の名物プロデューサーによるドライブゲーム大放談
この2タイトルのメーカーの垣根を越えたコラボキャンペーン「激走祭」が,2015年4月27日からスタートすることを受け,今回4Gamerでは両作のプロデューサーによる対談を企画。共にコミックスを原作としながら,ゲームとして独自の進化を遂げた両作が,現在のアーケードシーンで何を目指しているのか。またアーケードのみならず,ドライブゲームそのものや,リアルなクルマ好きに響く話題もあるので,興味のある人はお見逃しなく。
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アーケードのドライブゲームを支えているのは誰なのか
4Gamer:
4月27日から,「激走祭」と題されたイベントが両タイトルでスタートするとのこと。メーカーの垣根を越えたコラボレーションとなりますが,きっかけはなんだったのでしょうか。
以前から構想はあったんですよ。でも,日々の業務に追われてなかなか進まなくて,ようやく実現したのが今回の「激走祭」というわけなんです。そもそも,僕と前田さんとの付き合いは十数年来だし。最初に会ったのは……いつだっけ?
前田氏:
あれじゃないですか。雑誌の企画かなにかで,メーカー対抗のカートレース大会があって。僕はまだ,湾岸のチームに入るか入らないかという頃でしたけど。お互い車好きということもあって,すごく盛り上がったのを覚えています。
新井氏:
ああ,それだ。ドライブゲームの開発スタッフが集まって,というやつで。それから一緒に飲みに行くようになって。その頃から,「お互いのゲームでなんかやろうよ!」って話はあったんだよね。あの時は,なかば社交辞令っぽかったんだけど(笑)。
4Gamer:
今回のコラボは,ゲーム内イベント(5月1〜6日)とTwitterでのプレゼントキャンペーン(4月27日〜5月6日)の2段構えとのこと。今回はゴールデンウィーク期間限定ですが,今後も第2弾,第3弾と期待するプレイヤーは多いと思います。
新井氏:
それは,ぜひやっていきたいですね。コラボの一番の目的は,ドライブゲーム自体を盛り上げることなので。
前田氏:
僕と新井さんが一緒に全国を回るようなイベントとか,よく話題には出るんですが,なかなか難しい。今のところはまったくの未定ですけど,シーンを盛り上げられるような事を,企画していきたいと思っています。
4Gamer:
今のお話を受けて,現在のドライブゲームシーンについて詳しく聞いてみたいのですが,両作のプレイヤーというのは,どんな人達なんでしょうか。どちらも最近全国大会が行われたばかりですが。
前田氏:
「湾岸マキシ5」では,2月のジャパンアミューズメントエキスポ2015(JAEPO2015)で「全国大会」を開催しました。たくさんのプレイヤーに集まっていただいて,待ち望まれていたんだってことを強く感じましたね。参加者も,新規のプレイヤーの中に過去の大会の出場者も混じっていたりして,シリーズを長く続けてきて良かったと思いました。
新井氏:
「頭文字D AS8」でも,3月に全国大会を行いました。ほかにも,もっとうまくなりたい人向けのアーケードゲーム版PROJECT D 講習会(セミナー)も開催しています。公認エースドライバーがテクニックを直に教えてくれるという。僕も全国5か所を回りましたけど,仙台のセミナーに愛知から参加しているプレイヤーなんかもいて,すごくアットホームな雰囲気なんですよ。友達の家でやるゲーム大会みたいな。
4Gamer:
えっ,愛知からですか?
新井氏:
そうそう。夜行バスを乗り継いでやってきたみたいです。その子とは,その後全国大会の決勝大会で再会することになって。そういう意味でも,すごく楽しい大会でしたね。
4Gamer:
それはすごい。お聞きしていると,プレイヤー層はかなり若いように感じますが,実際そうなんですか?
新井氏:
若いですね。メインは男子高校生で,傾向としてちょっとヤンチャな子が多い印象です。僕,セミナーで参加者に腕相撲を挑まれてビックリしましたもん(笑)。
4Gamer:
腕相撲!?
新井氏:
いわゆる“男比べ”がしたかったんでしょうね(笑)。ドライブゲーム以前に,そういった勝負事が好きな層なんだと思います。
4Gamer:
その勝負,受けたんですか?
新井氏:
受けましたよ。負けましたけど(笑)。ちなみに,女子率は限りなくゼロに近いです。
腕相撲は無いですけど,ウチも概ね似たような傾向です。湾岸マキシの場合は,4人で遊べることもあって,友達グループや兄弟の年長者が,後輩や兄弟を誘ってプレイしてくれているみたいです。そういった先輩達が,ゲームのレクチャーをしてくれるんです。
新井氏:
「湾岸マキシ」は,中高生が4人でワイワイ遊んでいる姿をよく見かけるよね。「頭文字D AS」は,1対1でのヒリヒリした戦いがウリなので,それはそれで大事なことなんだけど,あのワイワイ感は正直ちょっと羨ましい。隣のシートと会話しながらプレイできるから。
前田氏:
一方で,「頭文字D AS」は好きな人がずっと遊んでいる印象があります。会社帰りのサラリーマンが,黙々とプレイしているみたいな。「湾岸マキシ」はプレイヤーが新陳代謝を繰り返しながら,絶えず若い層が遊んでくれるんだけど,「頭文字D AS」は大人になってもずっと続けてくれてるファンがいる。それってプレイヤーが増え続けてるってことだから,こっちからするとそこが羨ましい。
4Gamer:
そうか,そんな若い層がメインなんですね。原作のコミックスが,どちらも1990年代なので,もっと年齢層が高いと思っていました。
前田氏:
いやいや,原作から入ってくる人は今は少ないですね。逆に,ゲームで原作を知って,読んでみたというパターンが多いみたいです。
新井氏:
頭文字Dも同じです。中には,原作コミックスが父親の本棚にあって,それを読んだという人もいましたけど。父親もファミコン世代だから,親子二代でゲームも一緒にプレイする,という感じのようです。なにせ,父親の年齢が僕とほぼ変わらないんですからね(笑)。
4Gamer:
作品の内容的に,湾岸ミッドナイトのほうが年齢層高めという気もするのですが……。
新井氏:
漫画の頭文字Dは,湾岸ミッドナイトと比べると,ちょっと少年漫画寄りですからね。“溝落とし”とか“インのイン”みたいな必殺技もありますし。そこはゲームでもちゃんと再現していて,ストーリーモードなどで楽しめるようになっています。でも,プレイヤーの層で言うなら,ウチのほうが若干幅広いかもね。
前田氏:
「湾岸マキシ」も,ストーリーモードはレース中の演出やカットインに原作のシーンを再現していますし,登場車種にはFF(フロントエンジン・フロントドライブ)が無いというコダワリがあります。原作で,FFの大パワーの操安性について語られていますからね。あと原作の独特の世界観を崩さないようにも気を付けています。「走り続けている奴が一番偉い」みたいな精神論もその一つです(笑)。
4Gamer:
ということは,どちらもメインのプレイヤー層は免許を持っていない――リアルなクルマを持っていない層ということになりますね。
前田氏:
ええ。むしろ,これもゲームからクルマ好きになるケースが多いんじゃないかな。
新井氏:
リアルな車好きも,いることはいるんだけどね。これもセミナーでの出来事だけど,実車のチューニングの相談とか持ちかけられたことあるし。「どっちのサスがいいと思いますか」みたいな。「ランエボとインプレッサは,どっちが速いんですか?」※って聞かれたこともあるけど(笑)。
※単純に答えが出るようなものではなく,ここでは質問者がカジュアルなクルマファンだということを意味している。
4Gamer:
なるほど。……いや,恥ずかしながら今のドライブゲームのプレイヤーってどんな人達なのかって,よく分かっていなかったところがあったんですが,これでスッキリしました。
新井氏:
分かりますよ。今どきのゲームセンターはお客が少なくて寂しい,なんて言われていますが,つながりが見えにくくなっているだけだったりもする。アーケードゲームはリアルを介したコミュニケーションが前提ですが,彼らはその前段間として,SNSなんかを通してつながっているんです。
4Gamer:
SNSというと,Twitterとか?
新井氏:
ええ。例えば,全国対戦でマッチングした相手の名前をTiwtterで検索するじゃないですか。そうするとすぐにプレイヤー同士がつながって,コミュニケーションが取れてしまう。対戦したときの写真も見られるから,リアルで会ったときにも,「ああ,あのときの君!」みたいな感じでスムーズに交流できてしまうんです。
4Gamer:
ああ,なるほど。
前田氏:
さっきTwitterキャンペーンの話をしましたけど,あれにはもう一つの狙いもあって。プレイヤーの皆さんにツイートしてもらうことによって,僕らがプレイヤーさん達やライフスタイルなんかを知る機会になるんじゃないかと思っているんです。
新井氏:
そうですね。ほかにも,例えば「頭文字D AS」と「湾岸マキシ」を掛け持ちして遊んでくれているのは,全体のこれくらいかな,とか。
4Gamer:
たしかに,面白い試みですね。
新井氏:
ドライブゲーム以外だと,リズムゲームと掛け持ちしている人も多いみたいですよ。セガのタイトルだと「maimai」などの話題をよく見かけるので。Twitter以外では,上級者のプレイを動画サイトで共有している「頭文字D AS」プレイヤーさんも多いですね。
4Gamer:
動画を見て,コースの攻略方法を研究するわけですね。
新井氏:
そうそう。このコーナーは160km/hで抜けられるはずだけど,実際どういうコース取りなんだろうって。よく今の若者のことを“ゆとり世代”とか,“心がすぐ折れる”なんて言葉で括ってしまいがちだけど,彼らは案外負けず嫌いで,研究熱心です。
前田氏:
誰だって1位を取りたいですから。ドライブゲームって,基本的に目標がシンプルじゃないですか。一番速いヤツが偉いんだって,誰にでも分かる。だからゲーム内で自然にライバル関係が生まれて,部活動みたいなノリで「こいつにはいつか絶対勝つ!」って練習に励むんです。
新井氏:
だから今後のコラボも,そういったプレイヤーの皆さんに喜んでもらえるものを考えていきたいと思っているんです。ネット上のコミュニティと,リアルをつないで盛り上がるようなものを。もちろん,面白いゲームを作ることが第一ですが,そこは僕も前田さんも自信があるので(笑)。
アクションvs.シミュレーション――ドライブゲームに求めるもの
4Gamer:
ここからは,「頭文字D AS」と「湾岸マキシ」からはちょっと離れて,ドライブゲーム全体についてお聞きしたいと思います。セガ・インタラクティブとバンダイナムコエンターテインメントという,言わばドライブゲームを牽引してきたといっても過言ではない2社ですが……。
牽引してきたつもりは全然なかったけどね。振り返ってみたら,「あれ,俺らだけ?」みたいな(笑)。
前田氏:
ほかは皆,崖から落ちていっちゃったという(笑)。
4Gamer:
えー,広報さんの目がちょっと厳しそうですけど(笑)。まず,お二方にとって思い出深いレースゲームというと,何になるでしょうか。
新井氏:
僕は断然「ポールポジション」※かな。あれで富士スピードウェイのコースレイアウトを覚えましたから。
※ナムコが1982年にリリースしたフォーミュラレースゲーム。初めてレースゲームに立体的なリアビューを取り入れた,パイオニア的作品。
前田氏:
自分は「ファイナルラップ」※の影響が大きいですね。あれで人と対戦する楽しさを学んだというか。ただ,僕の場合はゲームより先に,リアルのクルマ好きというのがありましたけど。
※ナムコが1987年にリリースしたレースゲーム。ポールポジションの流れを汲んだタイトルだが,筐体同士を接続して最大8人同時のプレイを実現していた。
4Gamer:
新井さんは1995年の「セガラリー・チャンピオンシップ」(以下,セガラリー)以来,ずっとドライブゲームの開発に携わってこられたわけですが,その当時の思い出とかはいかがですか。「リッジレーサー」や「デイトナUSA」が登場して,ドライブゲームがぐっとリアルになった時代です。
新井氏:
「リッジレーサー」のほうが,確かちょっと早かったんだよね。あれを見たときは,感動しましたよ。もちろん誇張はあるんだけど,カウンターを当てる動作がとても気持ちよくて「車好きが作ったんだな」ってことがすぐに分かるゲームでした。一方で,デイトナの方はAM2研が作っていたのでリリースされるまでまったく存在を知らなくて。見たときはビックリしましたね。
4Gamer:
新井さんはAM3研にいらしたんですよね。同時期にドライブゲームを作っていたのに,知らなかったんですか?
新井氏:
あの当時はセキュリティがすごくて,部署が違うとまったく情報が伝わってこなかったんです。で,ゲームセンターで「デイトナ」を見て,小生意気に「これはリアルじゃないなぁ」って思ってました(笑)。その後,水口さん(「セガラリー」プロデューサーの水口哲也氏)に,「車好きが納得するリアルなゲームにしたい」なんて話してたくらいで。恥ずかしながら。
前田氏:
僕は「湾岸マキシ」の企画に就く前までは,EM開発部という部署でエレメカ筐体のデザインをしていたので,当時は花形部署の仕事を遠くから眺めていたという感じでしたね。その頃は,どちらかというと実車に乗る方に夢中で,ゲームセンターにもあまり足を運ばなかったです……。「セガラリー」も遊びはしたんだけど「なんだかなぁ……」って(笑)。
(一同爆笑)
新井氏:
いや,すごく分かるよ(苦笑)。あれはねぇ,走行性能を決めるところですごく揉めたんですよ。
前田氏:
結局のところ,“リアル”をどう捉えるかなんですよね。自分が関わってたわけではないので,あまり詳しいことは言えませんが,「湾岸マキシ」以前のナムコのレースゲームって,この“リアル”をなんとか取り入れようとして,迷走していった印象があるんです。
その後に,小山さん(「湾岸マキシ」初代プロデューサー 小山順一朗氏)が初代「湾岸ミッドナイト」をリリースするわけなんですけど,「頭文字D AS」にけちょんけちょんにされて……。
新井氏:
当時はね(笑)。
4Gamer:
しかし,「頭文字D AS」も「湾岸マキシ」も,実車が実名で登場しますよね。それはリアルではないんですか?
前田氏:
ゲームですから,もちろん嘘は混じってきますよ。嘘というか,“気持ちよさを優先する”といったところでしょうか。見た目が違うとさすがに怒られるので,そこは忠実に再現していますけど。メーカーさんによっては,資料を提供してくださるところもあります。
新井氏:
えっ,マジで? こっちはそんなの提供してもらったことないんだけど!
前田氏:
それは……人徳がないんじゃないんですか(笑)。ただ全部ではないので,提供されないものについては,自分達で取材に出向いています。
新井氏:
ただ不思議なもので,実車のデータに忠実に作ると,なぜか全高が高く見えちゃうんだよ。プラモデルのデフォルメがメーカーごとに違うようなもので,結局は人間が目で見て修正を加えないといけない。
4Gamer:
リアルを追求するという意味だと,コンシューマゲームの世界では,「グランツーリスモ」(以下,GT)シリーズや「Forza Motorsport」シリーズのような,いわゆるシミュレータ系のドライブゲームが主流になっています。これらについてはどうお考えなのでしょうか。
新井氏:
「GT」が登場したときは,ゲーム基板の進化と共に“リアル”を追求していた時代だったので,「やられたーっ!」って気分で絶望しましたよ。とくにあのリプレイがかっこ良くてね。打ちのめされました。
前田氏:
ものすごくエポックメイキングなタイトルですし,初めて見たときには僕も衝撃を受けました。ただ,あれはどこまで行ってもシミュレーターなので,僕らが目指すものとは違うんですよね。
4Gamer:
というと?
新井氏:
すごくリアルなだけに,難しいんですよ。まず,コーナーがうまく曲がれない。
前田氏:
そうそう。「デミオを運転してこの速度だと,このコーナーは曲がれないんだ……」っていう現実を突きつけてくるゲームで。これが辛いんだ(笑)。
新井氏:
運転がうまかったら,こんな苦労せずに曲がれるはずって思っちゃうんだよね。だから,初代「頭文字D AS」では“俺が思うリアル”を追求することにしました。その意味では,影響はすごく受けています。
前田氏:
「湾岸マキシ」を作るときにも,スタッフ間で最初に共有したのが,“楽しく遊んでもらう”というコンセプトでした。昔のナムコが持っていた“パッと来て,パッと楽しめる”ドライブゲームを取り戻そうと思ったんですね。
4Gamer:
シミュレータ系のタイトルを,自分で作ってみたいという気持ちはありますか?
前田氏:
うーん……なくはないですけど,積極的に作りたいかと言われると,どうかなあ。ことアーケードに限って言えば,そういったタイトルの需要は少ない気がします。昔,セガさんが出した「F355チャレンジ」※というタイトルがありましたけど……。
※セガ・エンタープライゼスから1999年にリリースされた,アーケードタイトル。フェラーリの正式ライセンスを受け,実車を再現したリアルな挙動がウリとなっていた。制作は当時のAM2研で,29インチディスプレイを3台使用した大型筐体も話題となった。
新井氏:
僕もシミュレータ系をやるつもりはないですね。結局あれはコンシューマゲーム機だからできたことで,アーケードとはスタンスが違います。これはご本人に聞いたわけでもなんでもない,僕の勝手な想像ですけど,「GT」の山内さん(ポリフォニー・デジタル代表 山内一典氏)は,本来「車が作りたい人」だと思うんです。自動車業界を俯瞰的に見てるところがあるというか。
前田氏:
あ。それ,僕もそう思います。僕らはそうじゃなくて「車を運転したい人」なんです。
新井氏:
そうそう。GTって,コレクター心理が強いというか,自動車図鑑の趣があって。あと運転以外にも,車の歴史や仕組みについて学ばなくちゃいけない。いや,そりゃ僕は楽しいけどさ(笑)。
前田氏:
僕は「車ってこんなに難しかったっけ?」と思わされるのがキツいです。ブレーキングするだけで駄目出しされたりとか。せっかく自分の好きな車に乗ってるのに,そりゃないよとなっちゃう。
新井氏:
「頭文字D AS」で一番簡単な秋名湖周回コースなんかだと,ブレーキを踏む場所が一箇所しかないからね。実は,セガラリーで作った初級コースと一緒なんだ(笑)。
でもサーキットを自分で走ってみると分かるんだけど,本当は難しい方がリアルなんです。曲がらないし止まらない,そのうえ熱くて疲れる。なにより怖いっていう。それこそ,クルマが嫌いになりかねないくらいに。
4Gamer:
アーケードゲーマーが求めているのは,そこではないと。
新井氏:
ええ。そっち方向のリアルは,もう良いかなって思います。そもそも,あの加速のGやエンジンの唸り,タイヤがズリッと滑る感覚とかをきちんとゲームで再現するのは無理があるわけで。それこそ,軽トラの挙動ですら再現できないんだから。だったら,クルマの楽しい部分だけを切り出すほうが,遊ぶ側の理には適っている。
前田氏:
僕らが若いプレイヤーに伝えたいのは,「運転する楽しさ」ですよね。なにせ,うちのプロジェクトの裏テーマは,「クルマ好きを増やそう」「スポーツカーを復権させよう」なんで。ここを入口にして,実車の世界を知ってもらえたらって思いますね。
4Gamer:
いい結論が出たようです。では最後に,4Gamer読者に向けてのメッセージをいただけますか。
前田氏:
「湾岸マキシ」は速いクルマが偉いんじゃなく,自分がカッコイイと思ったクルマで気持ちよくブッ飛ばして勝つことを目指せるゲームにしたいと思っていますので,これからもよろしくお願いします。
あと,新しい遊びやコミュニケーションでゲームセンターを盛り上げていきたいと思っているので,今後のコラボにもご期待ください。アーケードゲームが持っている,プレイヤーがリアルでつながる力は,すごく意味のあることだと思うので。そこを重視したものを考えていく予定です。
新井氏:
原作が完結して久しいですが,今後も長く続くシリーズにしていくつもりです。楽しいゲームにするのはもちろんのこと,皆さんが集まって楽しめる環境作りにも努めていきます。PROJECT D 講習会もまたやりたいと思っているので,これからも応援よろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「湾岸ミッドナイト マキシマムチューン 5」公式サイト
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