プレイレポート
洋ゲーファン注目のMMORPG「Skyforge」,日本語版がDMM GAMESによって今秋サービス開始。先駆けてCBTのインプレッションをお届け
ロシアのAllods TeamとアメリカのObsidian Entertainmentが共同開発した本作は,SFとファンタジーを融合した世界観を持ち,状況に合わせてクラスを切り替えながら戦う独自のバトルシステムが特徴のタイトルだ。
洋ゲーに詳しい4Gamer読者ならピンとくるかもしれないが,Allods Team(旧名Astrum Nival)は,かつて日本でもサービスをしていたこともある「ALLODS ONLINE」の開発で知られ,Obsidian Entertainmentといえば「Fallout: New Vegas」を始め数々の名作を生み出した名門である。その二社が協力して制作されたタイトルがどんなものなのか,気になっている人も多いだろう。
今回,そんな洋ゲーファン注目のSkyforgeを体験するべく,実際にβテストに参加したので,ゲームシステムを中心にレポートしていこう。
ちなみに,Skyforge自体は,以前よりSteamを通じて基本プレイ無料で遊ぶことができたのだが,こちらは日本語なしのバージョンとなっている。今回クローズドβテストが行われたDMM GAMES版は,ゲーム内のテキストがしっかりと訳された日本語版だ。
【関連記事】
PC版「Skyforge」の事前登録受付が開始。登録してプレイヤーをサポートしてくれる「マメシバ」コンパニオンを手に入れよう
既存の基本プレイ無料MMORPGの常識を打ち破る意欲作
冒険の舞台となる「エリオン」は,近未来的なSF要素と神話的なファンタジー要素が交わる世界。プレイヤーは,神に選ばれし存在“イモータル”として,侵略を目論む敵からエリオンの地を死守するのが使命となる。
ゲームを始めて最初に行うのは,MMORPGとしてはお馴染みのキャラクターメイクだ。プリセットにはいかにも洋ゲーといったキャラクターが並ぶが,細かいところまで調整を行える。
キャラメイクを終えてスタートすると,最初に列車内のムービーが始まった。ここでは敵の襲撃を受けた集落を救うという最初の目的が提示され,直後に列車から降り立った場面から操作可能になる。このようなムービ−からシームレスにプレイ画面につながる演出は随所に散りばめられており,物語への没入感が自然と高まるような工夫が施されている。
操作方法は,「W/A/S/D」キーで移動,マウスで視点変更をしつつマウスの両ボタンで基本攻撃,アビリティなどはキーボードから発動というオーソドックスなもので,キーバインドを変更することも可能だ。また,ゲームパッドにも対応しており,筆者愛用の「Xbox 360 コントローラー」は,特別な設定を行わなくてもつないだだけですぐに使用できた。
本作は三人称視点のカメラが採用されており,画面に並ぶアイコン類は最小限に留められていてスッキリ整理されている印象だ。画面右側にクエストの目標が表示され,目的を達成していくと随時更新されていく。広大なオープンワールドというわけではなく,地域ごとにフィールドが個別に作られていることもあって,次の目標を見失うことなく進めていけるはずだ。
MMORPGということで広大なフィールドに複数のプレイヤーが配置されることを想像する人もいると思うが,Skyforgeは拠点となる「エリナール」にプレイヤーが集まり,そこでパーティを組んで敵が出現するフィールドへと移動(転移)する形だ。
最初のフィールドは,チュートリアルを兼ねる場所となっており,ここで基本操作を学んだ後,エリナールへと誘われる。以降は,「キャンペーン」メニューから地域を選び,そこをクリアすると新しい地域が開放され,ストーリーが進行する仕組みだ。
なお,Skyforgeでは,戦闘スタイルが異なる「クラス」が存在しているが,最初にクラスを選択するのは,初めてエリナールに訪れたタイミングとなる。多様なクラスが発表されているが,最初に選べるのは,近接攻撃主体の「パラディン」,氷の魔術士「クライオマンサー」,味方を復活させられる「ライトバインダー」の3種類となっている。残りのクラスは,地域を初めてクリアしたときなどに得られる「変身のスパーク」というリソースを消費してアンロックしていく。
Skyforgeの特徴的なシステムとして,「キャラクターのレベルがない」ことが挙げられる。クラスのスキルを習得するためにザコ敵を一定数倒す必要はあるものの,既存のMMORPGによくある,敵を倒したり,反復クエストを達成したりするなどして“経験値を稼ぐ”という行為は必要ない。
装備品の収集やキャラクターの強化に関わるコンテンツもあるが,本作では地域フィールドを1つずつクリアしてストーリーを進めることが一番の目的となっている。キャラクターにレベルが設定されていると,どうしても「クエストは経験値稼ぎの手段」と感じてしまう人もいるが,レベルの概念をなくしたことで,ゲームの本質がより明確に打ち出されている印象だ。
シンプル操作でド派手なバトルが展開
バトルに関しては,クラス固有のアビリティをフル活用しつつ,ダッシュで敵の攻撃を回避したり,アイテム類を補助的に使ったりしながら進めていく。
一見すると,ノンターゲッティングのアクション性の高いバトルというイメージを抱くかもしれないが,実際は敵をターゲットする機能もあるので,的確に狙って敵を倒していくシビアさはない。むしろ,強力かつド派手な範囲攻撃でザコをなぎ払う爽快なバトルが楽しめる。
ただし,地域フィールド内にいるボス級の敵は,強力な攻撃を繰り出してくるので,しっかりと回避しながら戦う必要があるだろう。
最初に選べる3種のクラスをひと通り触ってみたが,クラスごとに異なるアビリティをいかに使いこなすかがバトルのキモになりそうだ。
例えば,パラディンの場合,マウスの左右のボタンに割り振られている基本攻撃の組み合わせで多彩な「コンボ攻撃」を繰り出せるが,クライオマンサーだと,基本攻撃は単純な遠距離攻撃になる代わりに,広範囲の敵を巻き込めるアビリティを習得できる。
すべてのクラスをアンロックするのは相当大変そうだが,「新しいクラスを動かしてみたい」と思わせるだけの魅力が備わっていることは確かだ。
ちなみに,武器はクラス固有のものとなっているが,宝石やジェムといった他の装備品はクラス共通で,装備したままの状態になっている。気軽にどこでもクラスチェンジ可能なので,アビリティの使い心地を試しながら,自分に合ったクラス,あるいはパーティに足りないロールのクラスを選択するといいだろう。
レベル制ではない独特なキャラクター育成システム
キャラクターにレベルがないということで,キャラクターの能力は主に装備品によって上げていくことになるが,ストーリーを進めていくと各種コンテンツが開放され,そこからも能力の向上が望める。
「首都」というコンテンツは,叡智の塔や大聖堂といった建造物を強化することでさまざまな恩恵を得ることができ,「紋章」というコンテンツでは,特殊なアビリティが使えるようになる。ストーリーを進める以外にもやるべきことは多い。
これら各種コンテンツで使うリソースは,地域フィールドで手に入れることになるので,敵が強くて先に勧めなくなったら,一度クリアしたフィールドに戻って,リソースと装備品を集めるのも良いだろう。
なお,今回は確認できなかったが,パーティで挑むクエストやレイド,PvPなどのコンテンツも用意されているようだ。
期限付きのクローズドβテストということで,序盤を軽くプレイしただけだったが,壮大なスケールのストーリーと,クラスによって異なるバトルの爽快さは注目に値する出来栄えであると実感できた。レベル制ではないキャラクターの育成まわりもユニークなものに仕上がっており,最初のうちはストーリーの進行を優先しながらも,少しずつキャラクター育成の楽しさが見えるようになってくる。
基本プレイ無料のMMORPGの常識から,良い意味で外れたシステムが盛り込まれた意欲作「Skyforge」。高いポテンシャルを持ったAAAタイトル級の完成度を誇っていることは間違いないので,洋ゲーファンはもちろん,すべてのゲーマーにオススメできるタイトルだ。今後予定されているオープンβテスト,あるいは正式サービスが行われる際は,ぜひとも自身でプレイし本作の魅力を感じてほしい。
「Skyforge」公式サイト
キーワード
Published by DMMGAMES, (C)2018 Mail.Ru LLC, Allods team.
Published by DMMGAMES, (C)2018 Mail.Ru LLC, Allods team.