「シャリーのアトリエ」とアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」の完成発表会が開催。小岩井ことりさん，上坂すみれさん，村川梨衣さんが登壇した会場の模様をレポート

　ガストは本日（2014年6月26日），PlayStation 3用ソフト「シャリーのアトリエ 〜黄昏の海の錬金術士〜」（7月17日発売予定）と，テレビアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ 〜黄昏の空の錬金術士〜」の完成発表会を東京都内で開催した。この発表会では，「シャリーのアトリエ」の二人の主人公を演じた小岩井ことりさんと上坂すみれさん，そして「エスカ＆ロジーのアトリエ」の主人公・エスカを演じた村川梨衣さんの3名がゲストとして登壇し，トークを繰り広げた。

「シャリーのアトリエ 〜黄昏の海の錬金術士〜」公式サイト

ガスト 代表取締役社長 襟川陽一氏

　発表会の主催者を代表して登壇した，ガスト 代表取締役社長 襟川陽一氏は，「シャリーのアトリエ」に関し，二人の主人公が異なるストーリーを紡ぐ展開は，同社初のチャレンジであるとし，「従来の『アトリエ』シリーズの2倍，面白さが詰め込まれている」と説明。
　また昨今のゲームはリアルなグラフィックスが主流となっているが，その一方でアニメ調のキャラクターが活躍する日本独自のゲームもまた世界的に評価されており，ガストでも引き続き「アトリエ」シリーズなどを展開していきたいと意気込みを語った。
　さらに襟川氏は，アニメ版「エスカ＆ロジーのアトリエ」について，ガストタイトル初のテレビアニメ化だったことから，今後も同様のチャレンジを続けていきたいと話していた。

創通 常務取締役 難波秀行氏

　続いて登壇した創通 常務取締役 難波秀行氏は，「エスカ＆ロジーのアトリエ」のアニメ化に際し，大きな責任を感じたという。とくにゲーム本編の魅力をどのようにアニメで再現するかについては細心の注意を払ったとのことだ。難波氏は，ゲーム本編のファンにアニメを提供するのはもちろんのこと，逆にアニメを先に見てからゲームに触れる人を意識することで，ゲームとアニメ双方をより高めることができたのではないかと語っていた。

　会場では，「シャリーのアトリエ」のディレクターを務めるガストの岡村佳人氏より，ゲーム内容のプレゼンテーションが行われた。岡村氏は，本作が「アトリエ」シリーズ通算16作め，かつ「黄昏」シリーズの3作めに当たることや，「シャリステラ」と「シャルロッテ」という二人の「シャリー」が主人公として登場し，それぞれ異なるストーリーが描かれることを紹介。

「シャリーのアトリエ」ディレクター 岡村佳人氏

　また従来シリーズにあった時間制限を撤廃したことや，主人公が「やりたい」「やってみたい」と思った欲求がそのまま目標となる新システム「ライフタスク」によって，さまざまなプレイスタイルに合わせてゲームプレイをじっくり楽しめるようになったと説明した。

　バトルに関しては，前衛と後衛の連携がテンポよく楽しめることや，さまざまな攻撃でゲージを溜めて発動させる「バーストモード」を紹介。キャラごとの必殺技も，それぞれの性格を生かした演出を施しているという。

シャリステラ役を演じる小岩井ことりさん（左）と，シャルロッテ役を演じる上坂すみれさん（右）

　ここでシャリステラ役を演じる小岩井ことりさんと，シャルロッテ役を演じる上坂すみれさんが登壇。小岩井さんは，目標のために努力するシャリステラの境遇と，自分自身の声優活動を重ね合わせ，自然な演技ができたと話す。一方，上坂さんは，シャルロッテを等身大の悩みを抱える女の子として演じたそうだ。なお岡村氏によれば，二人はそれぞれ数千ものセリフを収録したとのことである。

　また小岩井さんと上坂さんが，お互いが演じた役についてコメントする一幕もあった。上坂さんは，シャリステラは自分の意見を曲げないので，シャルロッテと衝突することもあるが，そこがゲームのキーポイントになっていると明かす。小岩井さんは，シャルロッテは，人見知りな面のあるシャリステラの心の扉を開けてくれる存在と話していた。


　そのほかトークでは，上坂さんがボイスの収録時に即興で鼻歌を歌ったことや，小岩井さんが「アトリエ」シリーズではおなじみになっている「樽」を調べたときのボイスを，さまざまなパターンで収録したことなどが披露された。

　岡村氏は，今回，二人のシャリーを主人公にしたことについて，「エスカ＆ロジーのアトリエ」の「主人公選択性」を踏襲しつつ，プレイヤーからのリクエストに応え，それぞれ異なるストーリーを用意したと説明。また小岩井さんと上坂さんは，双方のストーリーを体験することで，シャリステラとシャルロッテの魅力をより理解できると話していた。
　最後に岡村氏は，「シャリーのアトリエ」では「黄昏」シリーズにおける謎や，ファンが気になっていることに一つの回答を出しているとし，ぜひプレイしてみてほしいとトークをまとめた。

テレビアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」プロデューサー 高篠秀一氏（左）と，Studio五組 代表取締役 柴田知典氏（右）

　発表会の後半には，テレビアニメ「エスカ＆ロジーのアトリエ」のプロデューサーを務める創通の高篠秀一氏と，Studio五組 代表取締役の柴田知典氏が登壇。高篠氏によれば，アニメ版では主人公のエスカを始めとする女性キャラクターの表現に注力したという。また岡村氏は，これまで話はあれど実現に至らなかった「アトリエ」シリーズのアニメ化が，ガスト20周年という節目に現実のものとなったことに感動したとコメントしていた。

　また高篠氏は，数十時間〜100時間も遊べてしまうゲームを全12話のアニメに落とし込むにあたり，どこを軸にして，何をそぎ落としていくかを決めるのが大変だったとコメント。一方，柴田氏は，いかにファンの期待を裏切らず，キャラクターを魅力的に表現できるかどうかという部分にプレッシャーを感じていたという。

　そして岡村氏は，「アトリエ」シリーズとして，守るべき設定は提示したものの，アニメとして面白いものを作ってもらいたかったので，基本的に脚本には口を出さなかったとのこと。その結果，アニメ版ではゲームにはない部分が丁寧に描かれ，「癒し系アニメ」として評価されたと語っていた。また岡村氏は，ゲーム本編の音楽をアニメにも使用することで，「アニメを見ているだけでもゲームをプレイした感覚が得られる」とも話していた。

村川梨衣さん

　ここで，ゲーム本編およびアニメ版で主人公・エスカ役のボイスを演じた村川梨衣さんがゲストとして登壇。村川さんは，「シャリーのアトリエ」も含めて計3回，エスカを演じることとなったが，その都度，「頑張るぞ！」「嬉しい！」という気持ちが大きくなっていったと感想を述べた。
　またアニメ版の収録現場では多くの声優陣と一緒になるため，アットホームな雰囲気で非常に楽しかったとも話していた。

　最後に登壇者達は，本日最終回の放映を迎えるアニメ版について，寂しいと同時に，これまで作り続けてきたものの集大成なので，ぜひファンには鑑賞してほしいとコメント。また岡村氏は，今後の「アトリエ」シリーズにおいても，テレビアニメ化を含めたさまざまな展開をしていきたいと述べ，発表会を締めくくった。

会場では，アニメ版のDVD/Blu-rayの製品情報も紹介。テレビ放映時からの修正点も披露された

既報のとおり，「シャリーのアトリエ」の「キャラバン体験会」や，「PS Plus」会員限定の「ゲームトライアル」も実施される。また2014年夏に配信予定のスマートフォンアプリ「アトリエ クエストボード」の紹介や，7月12日より開催される「アトリエシリーズ アートギャラリー」の告知も行われた

　なお，発表会のあとに行われた質疑応答では，岡村氏が「シャリーのアトリエ」のリリース後，無料のものも含めてダウンロードコンテンツを配信することを明かした。配信スケジュールなどは追って発表されるとのことなので，本作を購入予定の人は続報をお楽しみに。

「シャリーのアトリエ 〜黄昏の海の錬金術士〜」公式サイト