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  • 発売日:2014/08/05
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「千年戦争アイギス」の基本システム紹介──キャラクター育成とバトルがキモとなる今風のブラウザゲームかと思いきや,実は骨太なゲームシステムに支えられた本格派のタワーディフェンスRPGだった
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印刷2014/12/27 00:20

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「千年戦争アイギス」の基本システム紹介──キャラクター育成とバトルがキモとなる今風のブラウザゲームかと思いきや,実は骨太なゲームシステムに支えられた本格派のタワーディフェンスRPGだった

画像集#001のサムネイル/「千年戦争アイギス」の基本システム紹介──キャラクター育成とバトルがキモとなる今風のブラウザゲームかと思いきや,実は骨太なゲームシステムに支えられた本格派のタワーディフェンスRPGだった
 DMMゲームズがサービス中のオンラインゲーム「千年戦争アイギス」は,タワーディフェンスのゲーム性と,キャラクターを育成していくRPG要素が絶妙のバランスで融合したブラウザゲームだ。もともとはDMM.R18のほうでサービスされていたタイトルだが,そのゲーム性の高さから,2014年の8月にR18要素を削った一般版が登場した。ちなみに,R18版は今も「千年戦争アイギス R」としてサービスを行っているが,ここでは一般版の千年戦争アイギスについて,その概要を紹介していく。

ゲーム内では頻繁にイベントが行われ,そのたびに高難度のマップを攻略する楽しみが増える
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しっかり作り込まれたバトルは,プレイヤーの数だけ攻略方法が存在する


 本作は,個性的で魅力あるキャラクター(ユニット)達を配置し,リアルタイムで進軍してくる敵を迎撃していくタワーディフェンスタイプのRPGとなっている。キャラクターを育成してバトルで勝利を目指すというブラウザゲームにありがちなコンセプトながら,初見で簡単にクリアできるマップもあれば,何度やっても高評価が取れないマップもある。実際にプレイしてみないと分からない,荒削りながらも新鮮な魅力があるのも事実だ。
 その魅力がいかんなく発揮されているのが,(詳しくは後述する)タワーディフェンスタイプのバトルである。ブラウザゲームのバトルというと,システムを極限まで簡略化してプレイヤーの負担を軽くする志向のタイトルが多いが,千年戦争アイギスは,しっかりと細部まで作り込まれている。システムをしっかりと理解していないと,たとえ課金ガチャを回しまくって編成したチームであっても,あっけなく敗北することもありえる。逆に,システムの理解したうえでしっかりと作戦を立てて挑めば,レアリティの低いキャラクターを中心としたチームでも勝利できるのだ。

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 もちろん,レア度の高いキャラクターを揃えることが無意味かといえばそうではなく,きちんと育成し,力を発揮できる局面で投入すれば一騎当千の働きをする。ただ,いかにレア度の低いキャラクターで難所をクリアできるかというところにスポットを当ててプレイするプレイヤーが多く,また,そうしたプレイを賞賛する風潮があり,これが本作の人気の高さにつながっているのかもしれない。

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 少し脱線してしまったが,ゲームの舞台となるのは,中世を意識したファンタジー世界だ。プレイヤーは,破滅の危機に瀕した国でただ一人生き残った王子として,祖国の奪還と破滅を招いた魔物達の討伐のため,仲間を集めながら戦っていくことになる。
 物語は「ストーリーミッション」という形になっていて,ミッションを受けてバトルを開始し,これに勝利すると物語が進行していく。わずかな手勢から始まり,少しずつ仲間が増えていく辺りは,王道ともいえる燃える展開だ。なお,一度クリアしたミッションは何度でも繰り返しプレイ可能となっているので,ここで戦力を補強して次のミッションに備えるのが基本のゲームサイクルとなる。

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まずはユニットの特徴を理解し,タワーディフェンスタイプのバトルで勝利を目指そう


 バトルは,進軍してくる魔物達を駆逐していって,各ミッションごとに定められた数だけ撃破できればクリアとなる。進軍を阻止できず,マップ内で赤い丸の部分にある本陣を通過されてしまうと“ライフ”が減っていき,これがなくなってしまうとその時点で敗北が決定する。
 チームに設定したキャラクターをユニットとしてマップ内に配置すると,攻撃範囲内に敵が入ったときに自動で敵を迎撃してくれるが,敵の攻撃を受けるとHPが減っていき,これがなくなるとマップ上から消滅してしまう。キャラクターがロストすることはないが,主力の離脱は不利な状況を招くので,HPを回復できるユニットを近くに置くなど配置を工夫しよう。

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 なお,ユニットを出すためには,ユニットごとに設定された“出撃コスト”を消費しなければならない。出撃コストは時間の経過,もしくは一部のユニットの特殊能力によって増えていく。強力なユニットほど出撃コストが高く設定されており,序盤は低コストのユニットを使って敵の進軍を遅らせ,ボス級の強力な敵が出現する頃までに,高コストのユニットを揃えるのが基本的な戦術だ。

ミッション序盤の様子(左),終盤になると高コストのユニットも投入できる(右)
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ユニットごとの特性を学べるミッション
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 では,ユニットの特徴を詳しく見ていこう。本作では,万能なユニットというのは存在せず,それぞれ一長一短の特徴を持つ。各ユニットの特徴を理解しなければ,効果的な戦術を練ることは難しいだろう。
 チュートリアルを兼ねた「戦術指南クエスト」では,丁寧な解説を受けながらユニットの基本を学べるので,飛ばさずにきっちりプレイしておいたほうがよいだろう。

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・王子
 全マップで強制的に出撃することになるユニークユニットだが,ミッション中に戦闘不能になってもゲームオーバーにはならず,扱いとしては通常のユニットと同じ。コストが10と軽く気軽に配置でき,特殊スキルの士気高揚(付けている称号によって効果が変化)によって,味方全体をパワーアップできるのが最大の特徴だ。

・ソルジャー系列
 HP,攻撃力ともにそこそこ高く,敵を2体まで足止めできる兵士。その真価は出撃コストが少ないことで,一部のソルジャー系のユニットは,出撃コストを回復させる「援軍要請」というスキルを覚えているため,最初の一手として戦場に送り出すのに最適だ。ただ,防御力はそれほど高くないので,ボス級の敵が出現し始める後半での運用は厳しくなってくる。

・ヘビーアーマー系列
 HPと防御力が高く,敵を3体までブロックできる鉄壁の兵士で,ヒーラーとセットで運用すれば前線の維持も容易だ。出撃コストが高いので,どのタイミングで投入するかをしっかり見極めよう。

・そのほかの近接ユニット
 序盤を支えるソルジャーと,多くの敵を足止めできるヘビーアーマー以外の近接ユニットは,足止めできる敵の数が1体であることが多く,基本的に敵にダメージを与えるアタッカーの役割を担う。敵の攻撃を一定確率で回避できるローグ,敵の防御力を無視してダメージを与えられるプリンセスなど,同じ近接攻撃ユニットでも特性が違っているので,どういう敵に対して使うか,またどういう場面で投入するのかを想定してチームに編入させたい。

・ヒーラー系列
 基本的に攻撃能力を持たない代わりに,周囲にいるユニットのHPを回復させることができる(ただし,キャラによっては攻撃能力を持つ場合もアリ)。マップにもよるがチームに2〜3人は入れておきたい重要なユニットだ。

・アーチャー系列
 遠距離攻撃ユニットの中ではコストが安く,近接ユニットが攻撃できない飛行するタイプの敵も迎撃可能。地上の敵にも攻撃をすることができるが,足止め能力はないため,防御力が高い相手は苦手としている。

・ウィッチ系列
 氷属性の単体魔法攻撃を行うユニットで,敵の移動速度を下げる特性を持っているため,強敵を相手にするときは欠かせないユニット。攻撃力もそれなりに高いが,防御面には不安を抱えているので,配置する場所は慎重に選ぶように。

・メイジ系列
 炎属性の範囲魔法を使う純粋なアタッカー。攻撃の速度は遅いが,その欠点を補って余りある攻撃力があり,多数のザコ敵を一撃で焼き払うこともできる。ヘビーアーマーで足止めをしている敵を狙える位置に配置すると効果的だ。

・そのほかの遠距離攻撃ユニット
 遠距離攻撃ユニットは,アーチャー/ウィッチ/メイジが基本だが,それらの特性にアレンジが加わったユニットも多数存在している。しかし,アーチャーと似た役割を持つパイレーツ以外は,レア度の高いキャラクターとなっていて,入手できるチャンスは少ない。

画像集#017のサムネイル/「千年戦争アイギス」の基本システム紹介──キャラクター育成とバトルがキモとなる今風のブラウザゲームかと思いきや,実は骨太なゲームシステムに支えられた本格派のタワーディフェンスRPGだった

 マップ攻略の流れとしては,最初に出撃コストの少ないソルジャーなどのユニットを出して序盤の猛攻を防ぎ,出撃コストが溜まってきたらヘビーアーマーと交代する。ヘビーアーマーなどコストが重いユニットは,必ずヒーラーとセットで配置し,回復させながら運用すること。その後は,アタッカーを送り込んで,ヘビーアーマーが足止めしている敵をまとめて撃破すると効率がよい。これが全体を通しての基本戦術だ。

 ただし,マップによっては,いきなり強敵や飛行タイプの敵が出現したりするので,その際は対応できるユニットを出撃させる必要がある。どの場所からどんな敵が出現するかはマップで固定なので,どうしてもクリアできないマップは,出現パターンを覚えると対策を立てやすい。

 また,敵の遠距離攻撃ユニットが出現したら,その攻撃目標が誰なのかしっかり確認しておくことも大切だ。遠距離攻撃ユニット同士で撃ち合うのは,防御力が低い味方のほうが分が悪く,誰も攻撃できない位置から最前線のヘビーアーマーをひたすら攻撃される危険もある。もし,そういった状況になってしまったら,コストの安い近接ユニットを原因となる敵の遠距離ユニットの近くに配置してすぐに排除してしまおう。そのため,敵の動きが読めない序盤から中盤は,出撃ユニット数の最大限まで出撃させるのは避け,遊軍を差し向けられるよう一枠空けておくのが理想だ。


好みのキャラクターを少しずつ強化し,自分だけの理想の部隊を編成しよう


 続いて,キャラクターについて解説していこう。
 キャラクターを入手する手段は,期間限定のイベントを除くと,ミッションクリアの報酬と,ゲーム内マネーや「神聖結晶」という特殊なアイテムを使って行う「召喚(いわゆるガチャ)」に限られる。ミッションクリアやゲーム内マネーで召喚して仲間になるのは,比較的レア度の低いユニットが多く,これらは主要ユニットのレベルを上げるため「合成継承」で消費することになるだろう。本作では,ミッションに参加して敵を倒しても経験値は入手できず,レベルを上げて能力を伸ばしたい場合は,合成継承を行う必要がある。

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 気に入ったキャラクターを自由に育てたいと思う人もいるだろうが,このようなレベル上げの仕様なので,最初のうちは主要なキャラクター数人に絞って育成を行っていくといいだろう。その際は,特別な思い入れがなければ,シルバー以上のレアリティのキャラクターを選ぶことになるだろう。その理由としては,シルバー以上のレア度のキャラクターでないと,上位の職業に転職させる「クラスチェンジ」を行うことができないからだ。
 ただ,クラスチェンジは,能力を大きく伸ばすことができる半面,出撃コストが上昇するという欠点もあり,必ずしもクラスチェンジを行わなければならないというわけではない。実際,低コストで使い勝手の良いユニットを,そのままクラスチェンジせずに使い続ける人もいるほどだが,システムを理解する前からそうした玄人向けのキャラクターに手を出すのはオススメしない。

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 レベルとは別に,「好感度/信頼度」というキャラクターの能力を底上げできるシステムもある。こちらは,クエストクリアの報酬として入手できるアイテムをプレゼントすることで,対象が女性なら好感度,男性なら信頼度が上がるというもので,これらの数値が一定以上になるとイベントが開放され,同時に能力の一部が上昇する。プレゼントアイテムを集めるのは根気がいるが,大幅な能力アップが期待できる。

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 キャラクターの育成は,全体的にかなりの労力が必要で,難度の高い期間限定イベントをクリアしようと思うと,数か月単位の長いスパンでコツコツと育成を行うことになりそうだ。このあたりのバランスは好みが分かれるとは思うが,手掛かる分,自分が育てたユニット,そして育てたユニットを集めて編成したチームには強い愛着が湧くという人も多いだろう。


 特徴がはっきりとしたユニットをいかに運用するかがカギとなるバトルパートと,好みのキャラクターを少しずつ強くしていく育成パート,千年戦争アイギスの面白さを支えている重要な二つのパートを中心に紹介してきたが,いかがだっただろうか。
 インストール不要というお手軽さはあるものの,ゲーム性が重視されたシステムなのでしっかりと考えてプレイしなければならず,同種のブラウザゲームと比較した場合,決して万人受けするタイトルとはいえない。しかし,手持ちのユニットをやりくりして,高難度のミッションをクリアできたときの達成感を知ってしまうと,時間を忘れて連続でプレイしてしまう魅力を持っている。4Gamerの読者レビューでも高い評価を得ているが,その理由の一つは,プレイすればするほど味が出てくる絶妙なゲームバランスにあるのだろう。

「千年戦争アイギス」公式サイト

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