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ハロー!Steam広場 第123回:半人半機の少女による復讐劇を描く,ゲームフリークの横スクロールパズルアクション「GIGA WRECKER」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,3Dモデルを見ただけで,どのゲームに登場するゾンビかが分かる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第123回は,ゲームフリークが手掛ける横スクロールパズルアクション「GIGA WRECKER」をメインに紹介しよう。プレイヤーは,ステージを破壊しながらその破片で巨大な塊を作り,それをさまざまな武器に形状変化させて,悪のロボット軍団と戦うことになる。このほか,木造住宅の中で古の悪魔達から逃げ回るホラーゲーム「Wooden House」もあるので,おみのがしなく。
鉄くずの塊をさまざまなツールに形状変化させてステージを攻略していくパズルアクションゲーム「GIGA WRECKER」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,ゲームフリークが手掛けるSteamタイトル第2弾「GIGA WRECKER」を紹介しよう。
昨年,「TEMBO THE BADASS ELEPHANT」というSEGAとの共同タイトルでSteam参入を果たしたゲームフリークだが,今回のGIGA WRECKERもTEMBOと同じく横スクロールアクションゲームとなっている。ゲームフリークと聞くと「ポケモン」のイメージが先行してしまいがちだが,TEMBOは横スクロールアクションとしての手触りがとても良く,失礼ながらこの手のジャンルもいける会社なんだなと再認識させられたほど。それだけに,GIGA WRECKERの期待値も,(筆者の中では)高めである。
さて,そんな本作では,ロボット軍団の襲撃に巻き込まれた少女「烈景寺レイカ(れっけいじ れいか)」が,瀕死状態のところを謎の博士に助けられ,生命維持のために改造人間にされてしまうというプロローグからスタートする。許さんぞショッカー!(違う)。
博士いわく最強の改造人間になったレイカは,左腕が完全に機械と化しており(本人は鉄の悪魔の手と呼んでいる),その腕に秘められた“瓦礫や鉄屑を武器に再構築する能力”を使って,ロボット軍団達と戦っていくことになる。
この能力についてもう少し掘り下げると,レイカには「瓦礫や鉄くずを回収して塊にする能力」と「塊を分解・再構築して武器や道具を作り出す能力」が備わっている。前者の能力は「リコール」と呼ばれ,ロボットの血液でもある液状ナノマシンが付いた瓦礫や鉄くずを塊にして持ち歩けるといったもの。
ステージ上のオブジェクトを破壊して、瓦礫をたくさん回収すればするほど,その塊はどんどん成長していき,地形を破壊したり,敵を攻撃したりするときの威力も増していくという具合だ。この様子はどこか「塊魂」を彷彿とさせ,壊して回収のサイクルが癖になる。
ちなみに,リコールで回収できる鉄くずのなかには,敵ロボットを破壊したときの残骸も含まれるので,敵を倒していくだけでもどんどん塊は大きくなっていく。
ステージ上に配置されたほとんどのロボットは塊のサイズに関係なく一撃で倒せるが,なかには特殊なシールドを持っているロボットも存在する。こいつらを倒すためには,そのシールドよりも大きな塊を作って殴らなければならない。塊を大きくしておくというのは,戦闘をスムーズに進めるためにも,必要なことなのである。
もう一方のキモとなる「塊を分解・再構築して武器や道具を作り出す能力」は,「ARms Creating adn Handling Effect」略して「アルケー」と呼ばれ,リコールで作った塊を「剣」「ドリル」「ブロック」「ジャベリン」という4つの形状に変えることができる。そして,ステージをクリアするには,すべての形状の特性を理解して,最適な場所でそれらを使用しなければならない。
たとえば,石柱を倒して橋を架けたいと思ったときに,もし塊のまま石柱の下を叩いたりすると,その部分が根こそぎ削れてしまい,架けるために必要な長さが足りなくなってしまう。ドリルを使っても結果は同じだ。しかし,これが剣であれば,石柱の長さを維持したまま,スパっと斬り倒すことができるというわけ。
このように,「どこでどの武器を使用するか」といったパズル的思考も本作では必要になる。また,ステージに登場するオブジェクトの挙動は,すべて物理演算で処理されているというのも特徴の1つで,先ほどの石柱の例を見てもわかるとおり,塊で叩いた時と剣で斬ったときで石柱の壊れ方が違うのだ。
もちろん,アルケーの能力はギミック攻略だけでなく戦闘でも役に足つ。なかでもドリルやジャベリンは飛び道具でもあるので,安全な位置からの攻撃が可能だ。
ただ,アルケーの能力は初めからすべて使えるというわけではなく,ステージ上に配置された端末から武器の設計図をインストールするという過程を通じて習得していくことになる。新しい形状を習得して,その使い方を学び,応用ステージでマスターする,といった流れがテンポよく続くため,なかなかやめどきが見つからない。事実,筆者はゲームを起動してからクリアまで一気にプレイしてしまった。
ちなみに現バージョンでの終盤となるボス戦は,相手の行動パターンを覚えて適切に対処していくという,横スクロールアクションのボス戦として王道なバトルが展開される。パターンを覚えてあと一歩のところまで追い詰めたら,ボスの行動パターンが変化して逆転されてしまうというのもお約束だ。
今後どのような形状のアルケーを覚えていくのかが楽しみであるのと同時に,ロボットへの復讐という目的を共有する半人半機の少女と博士の行く末も気になるところ。アーリーアクセス期間中は,毎月アップデートを実施する予定とのことで,ストーリーも随時追加されていくとのこと。
プレイヤーがステージを作成して公開する機能も用意されており,ほかのプレイヤーが公開しているマップをダウンロードして遊ぶこともできるので,クリア後も末永く楽しめそうだ。
フォーラムを覗く限りでは,ゲームクラッシュしたり,操作ができなくなったりといったバグもある様子だが,日本の開発会社ということもあって,日本人からのフィードバックに対する返答も早い印象だ。アーリーアクセス版のプレイヤーはデバッカーでもあるので,何か不具合を見つけたら,「このスレッド」に報告してほしい。
「GIGA WRECKER」Steamストア(1480円)
落ち着いた雰囲気の木造住宅で悪魔たちから逃げ惑うホラーゲーム「Wooden House」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は海外のインディーズ系デベロッパ,GDNomadが手掛ける「Wooden House」を紹介しよう。
タイトルのとおり,本作は木造住宅を舞台にしたホラーゲームだ。もはやお屋敷というレベルに広いこの家に1人で住むプレイヤーは,ある日,家の地下室から悲鳴が聞こえてくることに気付く。家に張った古い書物によると,この家の地下には古の悪魔が封印されていたようで,どうやら何かの拍子にそれが解き放たれてしまったようだ(そもそもこの本を開いてしまったことが原因のようだが)。
かくしてプレイヤーは,地下から這い上がってきたバケモノ達から逃げ回りながら,彼らを元の世界に返す手段を探すことになる。
ゲーム自体は,よくある鬼ごっこ系ホラーゲームのそれであり,GDNomadが過去にリリースしているホラーゲームも同様のテイストなので,Wooden Houseも短時間でサクっと遊べるホラーゲームになるのかもしれない。
またホラーゲームでありながらも,木造住宅の落ち着いた雰囲気や,濃霧を通り抜けて窓から差し込む淡い外光がなかなかに神秘的であり,なんだかスクリーンショットを見ているだけでも心が和む。でもこれホラーゲームなんです。
そんな本作はすでにGREENLIGHTを通過しており,2016年内のリリースが予定されているとのこと。興味のある人はフォローボタンを押して最新情報を受け取れるようにしておこう。
「Wooden House」GREENLIGHTページ
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