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最近“当たってる”AMDが,「FreeSync」と「LiquidVR」の最新事情を国内向けに説明。「Catalyst Omega」級の大規模ドライバアップデートも予告
実のところ,これらはすでにGame Developers Conference 2015(以下,GDC 2015)のレポートや製品レビューで詳しく報じている内容であるため,改めて説明すべき話は少ない。ただ,いくつか目新しい情報もあったので,簡単にレポートしよう。
なお,LiquidVRの詳細とFreeSync対応ディスプレイのレビュー記事は,それぞれ以下の記事を参照してほしい。
西川善司の3DGE:AMDのVR向けSDK「LiquidVR」は,VRフォーマット戦争の調停者となりうるのか
AMD独自のディスプレイ同期技術「FreeSync」を試す。“G-SYNCキラー”の完成度やいかに?
Catalystの次なる大規模アップデートを予告
説明を担当したのは,AMDのTerry Makedon(テリー・マケドン)氏とSasa Marinkovic(サシャ・マリンコヴィチ)氏だ。
Terry Makedon氏(Senior Manager,Software Strategy,Software Engineering,AMD) |
Sasa Marinkovic氏(Globalhead,VR & Software Marketing,AMD) |
Makedon氏はAMDのドライバスイート「Catalyst」をはじめとする同社のソフトウェア戦略を統括している,4Gamerでもお馴染みの人物だ。今回はFreeSyncの解説を担当した。
Makedon氏によると,FreeSync対応ディスプレイはすでに6社から8製品計11モデルの発売が決定しているそうで,先行する競合技術であるNVIDIAの「G-SYNC」よりも,製品展開で優位に立っているという。2015年1月のInternational CES 2015では,5社の7製品10モデルが発表されていたが(関連記事),それにAcerの1機種が追加されたわけだ。FreeSync対応製品が競合を圧倒しつつあるというのも,あながち言い過ぎではないだろう。
CatalystでのFreeSyncサポートに関する新情報も明かされた。まず,現時点のCatalystでは,CrossFire構成でのFreeSyncがサポートされていないが「次バージョンのCatalystで対応することが確定している」(Makedon氏)そうだ。CrossFire構成のユーザーには朗報だろう。
さらにMakedon氏は,「(2014年12月にリリースされた)Catalyst Omega級の大規模なアップデートを2015年末までにお届けできる予定だ。このアップデートでAMD GPUの性能と機能は,さらに向上するだろう」とも述べていた。
具体的な内容は明かされなかったのだが,RadeonやAPUのユーザーは期待しておこう。
VR技術はゲームにとどまらない革命となる
続いて登壇したMarinkovic氏は,AMDの「DirectX 12」に対する取り組みとLiquidVRの説明を担当した。
DirectX 12ではマルチスレッド処理の効率が向上するとされているが,AMD製の8コアCPUはこれによって大きな性能向上が望めるのだとMarinkovic氏は主張していた。
VR技術に関してAMDは,「ゲームにとどまらない革命的な技術」(Marinkovic氏)であると位置づけているそうで,グラフィックスとCPU,さらにサウンド処理といったVRで活用されるトータルな技術をAMDは有していると,Marinkovic氏は強調していた。そうした取り組みの第一歩が,LiquidVRというわけだ。
対応ディスプレイが次々と登場予定のFreeSyncは,ゲーム体験を向上させるユニークな技術として,目が離せない存在となりそうだ。またLiquidVRも,GDC 2015で開発者の注目を集めることに成功していた。最近のAMDが繰り出す技術は,さながら“当たり”が続いているような状況にあり,今後の製品展開へポジティブな影響が期待できそうだ。
LiquidVRに関連した新しい発表も近々予定されているそうなので,AMDファンやVRコンテンツに関わる開発者は,楽しみにしておくといいだろう。
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