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「G-SYNC Compatible Monitor」ではないFreeSync対応ディスプレイでG-SYNCは利用できるのか。実際に試してみた
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印刷2019/01/16 13:26

テストレポート

「G-SYNC Compatible Monitor」ではないFreeSync対応ディスプレイでG-SYNCは利用できるのか。実際に試してみた

 既報のとおり,北米時間2019年1月15日,NVIDIAは予告どおり,同社が認定したFreeSync対応ディスプレイでVariable Reflesh Rate(≒G-SYNC)が利用可能になる「G-SYNC Compatible Monitors」プログラム対応のGeForce用公式グラフィックスドライバソフトウェア「GeForce 417.71 Driver」を公開した。

NVIDIAがCES 2019で発表したG-SYNC Compatible Monitorsプログラム。発表当初の認定ディスプレイは12製品とされる
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 G-SYNC Compatible Monitorsプログラムとは何かについては,西川善司氏による解説記事に詳しいが,簡単に説明すると,VESAが標準化したディスプレイ同期技術の規格である「Adaptive-Sync」に対応するディスプレイ――本稿ではより一般的な呼称として,VESA規格の基になったAMDの技術であるFreeSyncで表記を統一する――をNVIDIAが独自に検証し,G-SYNCと互換性のあるG-SYNC Compatible Monitor(G-SYNC互換ディスプレイ)として認定するという取り組みだ。認定済みのFreeSync対応ディスプレイを使っているGeForceユーザーなら,G-SYNCを利用できるようになるという画期的な機能である。

 専用モジュールの組み込みが必要なG-SYNC対応のゲーマー向けディスプレイは,比較的高価で製品数も多くない。それに対して,FreeSync対応ディスプレイは製品数が多く,価格もG-SYNC対応ディスプレイよりは低めだ。GeForce搭載システムから利用できるFreeSync対応ディスプレイが増えることは,ゲーマーにとって歓迎すべきことだろう。

 ただNVIDIAは,G-SYNC Compatible Monitorとして未認定のFreeSync対応ディスプレイでG-SYNCの機能を有効にできるのかどうかを明言していない。NVIDIAによれば,「FreeSync対応=G-SYNC対応」というわけではなく,FreeSync対応ディスプレイによっては,G-SYNCを有効にすると画面が点滅しているように見えたり,波打って見えたり,あるいは色が正常に表示されなかったりすることもあるようだ。
 そのためNVIDIAとしては,公式対応するのはG-SYNC Compatible Monitorsプログラム認定済みのものだけだという立場を取っている。

FreeSync対応ディスプレイの実装次第では,G-SYNCを有効にすると表示がおかしくなることもあるという
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 では,実際にG-SYNC Compatible Monitorsプログラムの認定を受けていないFreeSync対応ディスプレイでG-SYNCを有効にできるのか。有効にした場合,G-SYNCの利点である「テアリング」(Tearing,日本では誤読の「ティアリング」読みが主流)や「スタッター」(Stutter,映像のカクつき)を抑制できるのか。実際に試してみることにした。

34UC79G-B
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 筆者が今回テストに用いたのは,LG Electronics製のFreeSync対応ゲーマー向け液晶ディスプレイ「34UC79G-B」である。垂直最大リフレッシュレート144Hz対応のIPS液晶搭載モデルで,DisplayPort経由でPCと接続した場合にのみ,FreeSyncを有効にできるようになっている。G-SYNC Compatible Monitorsプログラムの認定ディスプレイではない。

ディスプレイのOSDメニューで,FreeSyncをオンにできるようになった!
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 筆者が普段から使っているゲームPCはグラフィックスカードが「GeForce GTX 1070」搭載モデルなので,ディスプレイ側でFreeSyncの機能をオンにすることはできない。しかし,そのゲームPCにGeForce 417.71 Driverを導入してから,ディスプレイ側のOSDメニューで確認してみたところ,なんの問題もなくFreeSyncをオンにできるようになった。

 続いて,PC側でGeForce Driverの設定画面である「NVIDIAコントロールパネル」を確認したところ,これまではなかった「G-SYNCの設定」という項目が表示され,G-SYNCを有効化できるようになったのを確認できている。
 この状態で,「Enable setting for the selected display model」(選択したディスプレイで設定を有効にする)のチェックボックスをオンにして設定を適用すると,晴れてG-SYNCを利用できるようになるというわけだ。

NVIDIAコントロールパネルに「G-SYNCの設定」が出現して,G-SYNCを有効化できるようになった。なお,ディスプレイ側でFreeSyncをオフにすると,NVIDIAコントロールパネルからG-SYNCの設定は非表示になる
画像集 No.006のサムネイル画像 / 「G-SYNC Compatible Monitor」ではないFreeSync対応ディスプレイでG-SYNCは利用できるのか。実際に試してみた

 チェックボックスの下には,「Selected Display is not validated as G-SYNC Compatible」(選択したディスプレイはG-SYNC Compatibleとして検証されていない)という警告が書かれているものの,G-SYNCの有効化自体は問題なくできているように見える。

 とはいえ,これだけでは本当にG-SYNCが有効になったのかや,NVIDIAが主張するような表示の異常が起きないのかは分からない。そこでG-SYNCによるディスプレイ同期が有効になっているのかをゲームで試してみよう。
 今回は時間がなかったこともあり,テストしたのは「Far Cry 5」のみ。確認方法は,ゲームの映像をAndroidスマートフォン「Galaxy Note8」の「スーパースローモーション」機能で撮影して,G-SYNCの有効と無効でテアリングの有無に違いがあるかを録画映像を見て確認するという単純な方法をとった。ディスプレイのリフレッシュレートは144Hzに設定し,Far Cry 5の画質設定は最も高負荷な「ウルトラ」を選択している。フレームレートが低いほうが,テアリングが見分けやすいだろうという判断だ。

 撮影した映像をまとめた動画を確認してもらうと分かるが,G-SYNCオフかつVsyncオフの状態では,スローモーションで見るとテアリングが発生していることが見てとれる。とくに映像左側にある床板を見ると分かりやすい。しかし,G-SYNCオンでVsyncオフの状態や,G-SYNCオンでVsyncもオンの状態では,テアリングは見当たらない。


 動画に使ったゲームのシーンが暗いので分かりにくいが,ほかのシーンやほかのゲームで少し試した限りでは,映像が点滅したり,波打って見えたりといった表示の異常は生じなかった。つまり,筆者がテストした34UC79G-Bは,G-SYNC Compatible Monitors未認定でもG-SYNCを利用でき,なおかつ副作用もテストした範囲では生じないと言えそうだ。

 もちろん,この結果を持って「G-SYNC Compatible MonitorではないFreeSync対応ディスプレイでも,G-SYNCを問題なく利用できる」とは断言できない。筆者もCES 2019におけるNVIDIAのデモで,表示異常が発生するディスプレイがあったのを確認しているからだ。今回は問題ないように見えた34UC79G-Bでも,長期的に使用し続けたり,あるいは別のゲームで試したときに問題が生じないとは言い切れないだろう。

 しかし,比較的安価で製品数も多いFreeSync対応ディスプレイで,認定済みかどうかに関わらずG-SYNCを利用できる可能性があるというのは,ゲーマーにとって歓迎できることであるように思う。あとはNVIDIAによるG-SYNC Compatible Monitors認定が進み,公式にG-SYNCをサポートするゲーマー向けディスプレイが増えてくれれば,多くのゲーマーが可変リフレッシュレートの恩恵を得られるようになるはずだ。

NVIDIA公式blogの関連ポスト「In Sync at CES: Announcing G-SYNC Compatible Monitors and BFGD Pre-Orders」(英語)

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