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「Call of Duty: Black Ops III」が正式発表。キャンペーンからマルチプレイモードまで,大きく進化したシリーズ最新作の詳細をお届け
今年の初めからさまざまなヒントが仕掛けられていたほか,数週間前からは具体的なティザームービーが公開されるなどして,ファンの期待を煽ってきた本作が,ついにその姿を現したのだ。
Call of Dutyといえば,シリーズ作品累計で1億7500万本もの売り上げを誇るFPSだが,「Black Ops」はその中でも比較的新しいシリーズになる。アメリカ政府でも一部の人間しか知らないという超機密作戦の任務にあたる特殊部隊隊員の視点で,「冷戦期の裏で起こっていた本当の出来事」を描くという,新しい切り口で展開されるキャンペーンや,スピーディでテンポ良くプレイできるマルチプレイ,そして今やCall of Dutyのシンボルとなった「ゾンビモード」など,それまでのシリーズには見られなかった斬新な試みで人気を博した。
そんなシリーズの最新作となる「Call of Duty: Black Ops III」だけに,「いったいどんな内容になるのか」と,ファンの間では正式発表前から期待が高まっていた。4Gamerは発表前にカリフォルニア州のサンタモニカにあるTreyarchのオフィスで行われたプレス向けイベントに招待され,本作のプレゼンテーションや試遊に参加してきたので,本稿ではその模様をお届けしよう。
Treyarchスタジオの通路にあった不思議なアート。手のひらを合わせると,顔の3Dモデルとともに,Black Opsシリーズに登場するフランク・ウッズの機密データのような映像や資料が表示される |
「Call of Duty: World at War」の開発直後に,スタジオの通路中に描かれたウォールペイントには,日章旗や旭日旗が確認できる,「World at War 2」の開発にも期待したいところ |
サイボーグ化された兵士が戦場で活躍する2025年以降の世界が舞台
キャンペーンモードを担当するディレクター&エグゼクティブプロデューサーのジェイソン・ブランデル氏 |
今回のイベントは,本作のディレクター&エグゼクティブプロデューサーを務めるジェイソン・ブランデル(Jason Brundell)氏によるキャンペーンモードの世界設定の解説でスタートした。
「Call of Duty: Black Ops II」では,冷戦時代に加えて,2025年の近未来が舞台となっていたが,「Black Ops III」では,さらに数十年後の世界で物語が展開されるという。プレゼンテーションの終了後,ブランデル氏に詳しく聞いたところ,後述する今回のエジプトデモで描かれているのは,2065年の世界とのことだ。
本作でも過去の時代のストーリーは存在するのか,また,「Black Ops II」の主要キャラクターが本作でも登場するのかといったことについては明かされなかったが,ブランデル氏は「エジプトのミッションは2065年」という言い方をしていたので,物語は2065年だけでなく,比較的長いスパンで描かれると考えてよさそうだ。
2025年以降の世界は,自然災害,気象の大変動,資源の枯渇といった危機が続いたため,人類はその共通利益や政治思想によって,「ウィンズロウ・アコード(Winslow Accord)」と,「CDP/Common Defense Pact」という勢力に二分されていく。
軍事技術はさらに進化して,ウィンズロウ・アコードとCDPはともに二足歩行のアンドロイド兵士を戦場に投入する。こうした技術は,負傷した兵士の身体の一部を機械化して再生するためにも使われることになり,さらにはボランティアを募って強力な人間兵器を生み出すことになった。この“人体改造技術”の進化は,こちらの記事に掲載したティザー映像で紹介されているので,確認してほしい。
こうしてサイボーグ化された兵士達には,ハッキング対策として,新たに発明された「Direct Neural Interface」(DNI)という生化学的な技術が導入されている。脳と脊髄に直接介入できる特殊装置が装着され,アドレナリンや感情などをコントロールしたり,コンピューター端末を脳波で操作したりといったことに加えて,戦場に投入された兵士同士で状況を共有するといったことまで可能になっているようだ。
こうして,兵士はより速く,より効果的に,そしてより強力に戦場を支配できるようになった。つまり,本作に登場する特殊部隊の隊員は,こうした新しい軍事技術の数々をフル装備したスーパーソルジャーなのだ。
キャンペーンでのCo-opプレイが可能に
ブランデル氏は,ストーリーの序盤についても少しだけ触れた。DNIによって人間兵器化したブラックオプスだったが,その一部隊がシンガポールでのミッションを遂行中に連絡を絶ってしまう。DNIによって状況がリアルタイムで本部に転送されていたはずなのに,である。何が起こったのかを把握するために敵勢力内に送り込まれる別働隊の一人が本作の主人公,つまりプレイヤーの操作するキャラクターということだが,その人物の詳細までは公表されなかった。
今回のプレゼンテーションでは,そんな主人公がエジプトのカイロに潜入して行うミッションのゲームプレイムービーが披露された。カイロは,ウィンズロウ・アコードとCDPの2勢力が衝突しているホットスポットであり,4人のプレイヤーは,カイロ市内にある地下鉄の駅,Ramses Stationからスタートすることになる。
「4人」と書いたとおり,「Call of Duty: Black Ops III」では,Call of Dutyシリーズでは初めて,キャンペーンモードを最大4人のプレイヤーで進めていく「Co-opキャンペーン」がフィーチャーされている。プレイヤーの体力値や銃弾残量などの情報が画面右下にあり,さらにほか3人の情報がその上に小さく表示されているという,Co-op系のアクションゲームやRPGでよく見かけるインタフェースデザインになっていた。
ブラックオプスの一隊は,地下鉄のプラットフォームから延びる階段の途中で,Egyptian Command Armyという,味方勢力と思われる部隊のエジプト人リーダーと出会い,その部隊の拠点である中央ターミナルへと進んでいく。Egyptian Command Armyは1000人ほどの兵でなんとか敵の攻撃を凌いでいるものの,ターミナルはほぼ野戦病院のようになっている状態。しかも,このリーダーは「Black Ops II」の悪役だったメネンデスの理解者であるようなセリフを語っており,ブラックオプスとの間で微妙な空気が流れているようなシーンが続いた。
やがて駅の防御壁が開くと,そこに待ち受けていたのはアンドロイドを中核とする敵兵団。直径1.5mほどと思われるスパイクの付いた球体ドローンがプレイヤーの目の前にいきなり現れ,回転しながらエジプト兵をグチャグチャにしていく。そのあおりでプレイヤーキャラクターの腕にも金属破片が刺さるのだが,その腕はロボットアームのようになっており,怪我や破損した様子はなく,破片をもう一方の手で引き抜いていた。
プレイヤー達が戦場での情報をリアルタイムで共有する
その後も激しい銃撃戦が続いたが,画面には激しい戦闘が行われているホットゾーンや,敵に押されているウィークスポットなどの情報がときおり表示されていた。これらがDNIによるリアルタイムでの戦況インフォメーションであると思われる。実を言うと,この映像を見ていた段階ではまだCo-opキャンペーンを行っているという明確な説明がされていなかったので,ただ映像に見入ってしまっていたが,ほかのプレイヤーと情報を共有しているような表示がほかにもあったかもしれない。
また,「Outride」(直訳では「先駆する」などの意味)や「Immolation」(同じく「犠牲」などの意味)といった6つほどの特殊スキルが表示されたダイヤル状のメニューを引き出し,これによってドローンをハッキングして空中から敵を急襲するようなシーンもあった。さらには,RPGの魔法などにありそうな,ハチの大群のようなものを召喚して相手を攻撃する「Fireflies」(ほたる)という名称の不思議なスキルも使っていたが,これはおそらくナノロボットのようなものであろう。
戦闘中,大きな物資のようなものを吊り下げた輸送ヘリがプレイヤー達を先導するように街中を低空飛行していたが,ムービーの終盤で,このヘリが道路の両側にあるビルと物資を使って大きな防御壁を作り,敵のロボット達がそこに押し寄せてきたところに電磁系の杭を突き刺すことによって大きな地割れを発生させ,一気に殲滅するという,もはやSFファンタジーとでも表現したくなる描写があったのは特筆しておきたいところ。
Black Opsシリーズで利用される最新兵器の数々は,それなりに研究開発が行われているものであるはずなので,こうした地割れを引き起こすような兵器やナノロボットが近い将来本当に登場することになるのかもしれない。
これだけ進化した「Black Ops III」のキャンペーンモード
今回メディア向けに紹介された「Call of Duty: Black Ops III」のプレイムービーは10分ほどの長さだったが,ここでTreyarchが最も見せたかったのは「4人によるCo-opキャンペーン」であることは疑いないところ。ブランデル氏も,「本作はCo-opモードを念頭に開発を進めていた」と語るなど,過去のシリーズ作品とは異なるアプローチであったことを強調していた。
シリーズで初の導入となるCo-opキャンペーンは,ゲームシステムやプレイにも大きな変化を与えている。以下でそれらを紹介しよう。
●リプレイアビリティ
「Call of Duty」のキャンペーンというと,一回クリアしたら以降は触らない,あるいはまったく遊ぶことなくマルチプレイに飛び込む,というプレイヤーが少なくなかった。
もちろん,これはマルチプレイの人気の高いFPSというジャンルの宿命ではあるものの,「Call of Duty: Black Ops III」では,Co-opモードが導入されたことによって,キャンペーンのマップを何度もプレイする楽しみが生まれたと言っていいだろう。
攻略済みのマップであっても,仲間たちを誘えば,以前とは異なるアプローチでプレイできるわけだ。
●カスタマイズ
キャンペーンのプレイでプレイヤーキャラクターをカスタマイズできるのも「Call of Duty: Black Ops III」の注目ポイントだろう。武器はもちろんのこと,そのアビリティやギアも細かくカスタマイズ可能になっており,まだ詳細は公表されていないものの,キャラクターの成長システムも用意される。また,ランデル氏は「キャラクターの性別さえも変更できる」と述べているので,もしかしたらRPG(MMORPG)のようなキャラクターシステムが導入されるのかもしれないが,このあたりは続報を待ちたい。
●より広大なマップ
Treyarchは,前作から3年という十分な期間をかけて「Call of Duty: Black Ops III」を開発しており,ゲームエンジンも一から作り直したという。これによって,4人のプレイヤーがマップを動き回るのに十分な広さをキャンペーンマップで確保したとのことだ。
つまり,従来のキャンペーンマップのデザインは,マルチプレイマップとは異なり,イベントや爆破効果といった演出を行うためにスペースを限定するような“枠作り”が行われていたが,本作ではプレイヤー4人の異なるアビリティやプレイスタイルに対応できるだけのスペースが確保されているということになる。
●AIシステムの練り込み
広くなったマップにより,プレイヤーがさまざまな角度から攻撃を加えること可能になったため,それに合わせて敵キャラクターのAIも練り直された。敵キャラクターは目の前の敵だけでなく,周囲の状況を把握しようと努めるなど,20種ものAIパターンが作成されたという。
例えば今回のデモに登場したロボット部隊だと,複数のプレイヤーに囲まれたと判断した場合,ローマ兵のように秩序良く隊列を作って対処しようと考えるそうだ。
●「Cyber Core」と「Cyber Rig」
「Cyber Core」と「Cyber Rig」という新しいスキルについては,今回のイベントでは十分な説明が無かったが,おそらく「Cyber Core」はRPGで言うところのアクティブスキル,「Cyber Rig」はパッシブスキルに相当すると思われる。任意で発動するのが「Cyber Core」であり,一度設定すると,「移動速度が向上する」「発砲時の反動を安定させる」といった具合に常時プレイヤーを助けてくれるのが「Cyber Rig」というわけだ。
「Ramses Station」のムービーで確認されたダイヤル式のメニューは「Cyber Core」を選ぶものだと思われるが,ここに表示されるものは固定なのか,それとも用意されたものから自分で設定できるのかは不明だ。
●T-Mode
こちらも詳しい説明はなかったが,Co-opプレイ時に他のプレイヤーと戦場の情報を共有できる「T-Mode」というシステムが用意されるという。「T」は「Tactical(タクティカル)」の頭文字だ。
プレイヤー自身が目視できていなくても,ほかのプレイヤーが確認した敵やオブジェクトの位置がマップに表示される機能だと思われる。これによって,スピーディでクレバーなゲームプレイが楽しめるはずだ。
●Safe House
「Safe House」は,プレイヤーキャラクターの拠点となる専用ルームであり,キャンペーンの合間に訪れることになる場所だ。ここでさまざまなカスタマイズを行えるほか,ゲーム中の活動で得たメダルや業績を飾ったり,武器の購入やアップグレード,カスタマイズなどもできるという。
また,ゲーム内のコンピュータからWikiページにアクセスして,次のミッションの内容やバックストーリーなどの情報を検索可能となっていて,ほかのプレイヤーを招待することもできるなど,どこかRPGライクな雰囲気も感じられる。自分のやり込み具合を仲間に披露するのに最適な空間になるはずだ。
順調な開発で,PlayStation 4版のプレイアブルデモが公開
Treyarchの創設時から同社のフロントマンとして活躍する,スタジオヘッドのマーク・ラミア氏 |
Call of Dutyシリーズ作品のプレイアブルデモが発売から半年以上も前の時点で公開されるのは非常に珍しい。しかもそれがメインプラットフォームではないPlayStation 4版ということで,ラミア氏は開発が順調に進んでいることをアピールしていた。
Call of Dutyシリーズ作品は,通常ならドイツで毎年8月に開催されるgamescomでプレイアブルデモが公開されることが多いのだが,今回は6月に開催されるE3 2015のActivisionブースに多くの試遊台が設置されるという。
また,ラミア氏は「PCプラットフォームも重視しており,4Kグラフィックスもサポートできるよう,開発チーム内に特別班を作って開発にあたらせている」とも話していたが,そのPC版については,今回のイベントで必要動作環境も発表された。
Call of Dutyのような大型タイトルでPC版動作環境が発表されるのは,マスターアップの2〜3か月前あたりが多いので,異例の早さだ。順調な開発を続けるTreyarchの自信の表れと言えるかもしれない。
「Call of Duty: Black Ops III」の必要動作環境
OS:64bit版Windows 8.x・7
CPU:Core i3-530もしくはPhenom II X4 810以上
メインメモリ容量:6GB以上
GPU:GeForce GTX 470もしくはATI Radeon HD 6970以上
グラフィックスメモリ容量:1GB以上
スムーズな移動とアクションを継続させる「ガンズアップ」という信条
ゲームディレクターとしてマルチプレイモードの開発に関わるダン・バンティング氏 |
2008年リリースの「Call of Duty: World at War」では,「パークス」システムを柱とするプレイヤーカスタマイズや,今の「ゾンビ」モードにつながるような要素を導入して成功し,「マルチプレイを楽しむ」ゲーム作りに大きな自信を持ったTreyarch。バンティング氏によると,「Call of Duty: Black Ops」の開発では,より自分たちのやり方を追求するようになったとのことだが,彼自身は「個々のアタックが強力過ぎる」と考えていたようだ。
その反省から,「Call of Duty: Black Ops II」ではチームプレイに重点を置いた改良を行ってヒットさせ,「デザインルールを完全にマスターした」と感じたという。
そして今回の「Call of Duty: Black Ops III」では,過去10年のノウハウの“習得”から,新たな“改革”の段階へと移行すべく,さまざまなリスクを厭わずにマルチプレイのデザインに取り込んできたとのことだ。
左端の人物がデイヴィッド・ヴォンダーハール氏。彼ら4人は,処女作であるRPG「Die By the Sword」以来の盟友である。「Call of Duty: Black Ops III」にRPG的な要素が含まれているのも,彼らのそうしたルーツによるものかもしれない |
そういった取り組みの中で,1つだけ変わらなかったのが,「ガンズアップ」(Guns Up)というTreyarchの哲学だ。これは,「常に銃口を上に向けて移動を続ける」という意味で,「Call of Duty: Black Ops III」においては,この「移動」と「アクション」の一体化に重点が置かれている。それが具体的に表れているのが以下のポイントだ。
●マントル(Mantle)
プレイヤーがボタンを操作してなくても,ダッシュしながら前方のオブジェクトを乗り越えられる「マントル」。「Call of Duty: Black Ops III」では,ダッシュの距離が無制限になっただけでなく,横向きや後ろ移動でのマントルにも対応。さらに,マントル時にも発砲を続けることが可能になった。
●スラストジャンプ(Thrust Jump)
「Call of Duty: Black Ops III」では,「Call of Duty: Advanced Warfare」のような外骨格によるものではなく,ブーツの底に仕込まれた小型スラスターのようなもので,高所へのジャンプが可能になっているようだ。制限はあるものの,PC版ならスペースキー,PS4版なら[×]ボタン,Xbox One版なら[A]ボタンを連打することで,「ペッパーリング」という高度を維持しながらの空中遊泳も一定時間可能になっているほか,方向転換も自由にできる。これにより,はしごを上り下りするというモタモタした移動手段はなくなった。
●パワースライド(PowerSlide)
「ガンズアップ」の哲学に基づき,頭から飛び込む「ダイビング」に変わって,つま先から滑り込んでいく「パワースライド」という新しいアクションが加わった。移動中に,PC版ならCキー,PS4版なら[○]ボタン,Xbox One版なら[B]ボタンを押すことで発動し,銃を撃ちながら前方にスライディングしたり,カバーに滑り込んだりといったことができる。
●ウォールランニング(Wall Running)
前述したブーツのスラスターによって,ウォールランニングができるようになった。もちろんウォールランニング中の銃撃やスキルの発動も可能で,方向転換もできるようになっている。意外な場所から攻撃を受ける可能性があるという点では「Call of Duty: Advanced Warfare」や「Titanfall」に近いかもしれない。
●スイミング(Swimming)
本作のマップには海や池,用水地のような場所があり,水に飛び込んで相手の攻撃を振り切ったり,泳いで抜け道に向かったりできる。グレネードを含む全ての武器が使用可能だが,息継ぎをしないと体力が減ってしまうので,飛び込んできた相手を不意打ちするために水中で待ち伏せるというわけにはいかないようだ。
マルチプレイモードを一新させる「スペシャリスト」システムとは
「Call of Duty: Black Ops III」のマルチプレイモードでは,新たに「スペシャリスト」という概念が導入される。それぞれのスペシャリストは,異なるアビリティやルックス,パーソナリティ,ボイスを持っており,プレイヤーの経験値を示す「Global XP」,武器の修練度合いを表す「Weapon XP」などのレベルアップシステムも用意される。
スペシャリストは総勢9人で,マッチが始まると変更はできない。したがって,プレイヤーは,予想される戦いに合わせて,スペシャリストに加えて,ユニークウェポンもしくはアビリティを選択するのが重要になる。
ユニークウェポンやアビリティは,弾薬残量の横にある円状のメーターがフルになると発動できる。メーターは何もしなくても4分でフルになるが,キルなどに成功すれば2分以内に満タンにすることも可能だ。また,キルされることなどでこのメーターがリセットされることはない。
今回のイベントでは,9人のスペシャリストのうち,以下の4人が公開された。
コールサイン「Ruin」
本名:Donnie Walsh
バックグラウンド:アイルランドの貧民層の多い地域で育った。怖いものなしの歩兵として活躍していたが,体に問題がないにも関わらず,自ら進んでサイバネティック改造を施した。
ユニークウェポン:Gravity Spikes 2本のスパイクを地面に差し込むことで,周囲にショックウェーブを発動する
アビリティ:Overdrive 一時的に,移動速度を上げる
コールサイン「Seraph」
本名:Zhen Zhen
バックグラウンド:シンガポールの扶養施設で育った彼女は,54Iというシンジケートの傭兵としてのキャリアを積んだ。
ユニークウェポン:Annihilator アーマー貫通弾を搭載した,大口径の輪胴式連発ピストル
アビリティ:Combat Focus 一時的なスコアストリークへのボーナス
コールサイン「Outrider」
本名: Alessandra Castillo
バックグラウンド:ブラジルの貧困街の屋根から,賑やかな街の様子を見て育ったためか,深い洞察力を備えたブラジル出身のスナイパー。
ユニークウェポン:Spallow 爆発する矢を備えた,機械式複合弓
アビリティ:Vision Pulse 一時的に,周囲の敵の場所をマップにタグ付けする
コールサイン「Reaper」
本名: Experimental War Robot (EWR)
バックグラウンド:戦場投入用ロボットとして開発されたプロトタイプ機で,その性能の高さからくる維持費の問題で廃棄処分にとなるところを逃れて部隊に編入された。
ユニークウェポン:Scythe 片腕がミニガンに変化する
アビリティ:Glitch すべての兵士のDNIをハッキングし,自分だけを数秒前の地点に戻す
新要素の導入でプレイスタイルの追求がさらに奥深く
今回のイベントでは,1時間ほどにわたって,「Team Deathmatch」「Kill Confirmed」,「Domination」といったマルチプレイを6対6で楽しめたが,その内容は,Treyarchの掲げる「ガンズアップ」にふさわしく,常に動き回り,アクションを楽しめるといった印象だった。
プレイできたマップは,エジプトの砂漠に設置された複階層型の最先端農業施設「Combine」,エチオピアの山岳地帯にあるロッジの周辺が舞台の「Hunted」,そしてスイスアルプスの軍事施設「Stronghold」の3種類のみだったが,いずれもシリーズではおなじみとなっている,3つの通り道を基本とするタイトな構造のものであった。
スペシャリストのユニークウェポンやアビリティは,これまでのシリーズにはなかった新要素なので,それぞれの扱いには慣れが必要だろうが。これはマンネリを避ける意味でも非常に好感が持てる,革新的なフィーチャーと言えそうだ。従来の「スコアストリーク」や「Create-a-Class」と相まって,プレイヤー好みのプレイスタイルを見つける楽しみが増すのは間違いないだろう。
Pick-10などの機能や,e-Sportsとの関連など,細かい情報は発表されなかったものの,まずはこのスペシャリストシステムの導入がシリーズのマルチプレイに新しい息吹を吹き込めるかに注目と言えそうだ。
また,武器のカスタマイジングについても大きな改良が行われており,その名称は「Gunsmith」となった。今回は5つの「アタッチメント」と1つの「オプティック」を選択して好みの調整が可能になっているが,圧巻は「ペイントジョブ」の充実ぶりだ。
本作では左右と後部の3面で,それぞれ64種のレイヤーを重ねてのデザインが可能になっている。プレイヤーの工夫次第でクランのロゴはもちろんのこと,細かいイラストも再現できそうで,痛車ならぬ“痛武器”が流行するかもしれない。
そのほかでは銃の材質も変更可能になっているようだが,こうしたUGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)への取り組みは,本作のソーシャル性を高めるうえで重要な要素になるだろう。
「Call of Duty: Black Ops III」のポイントまとめ
多くのファンが待ち焦がれているであろうゾンビモードについて,今回のイベントではほとんど発表はなかったが,かろうじてラミア氏から,本作では独自のストーリーやシステムが搭載された,非常に奥深いゾンビモードが開発されていると明かされた。このあたりについても,今後の詳しい発表を待ちたいところである。
ここまでキャンペーンからマルチプレイまで,長々と「Call of Duty: Black Ops III」の情報をお伝えしてきたが,最後に本作の重要ポイントや,本稿で伝えきれなかった要素を列挙して結びとしたい。
- 今回のデモ「Ramses Station」は,今から50年後の2065年後が舞台
- 未来が舞台ではあるが,強化外骨格が発展した「Call of Duty: Advanced Warfare」の世界観とは異なる
- 脳や神経,骨格に直接作用するサイバネティックスによる人体改造が行われている世界が舞台
- 「ウィンズロウ・アコード」と「CDP」という二大勢力による紛争が各地で勃発中
- 公開されたムービーでは,「Call of Duty: Black Ops II」に登場した「メネンデス」の名前が出ていた
- シングルプレイ,もしくは最大4人のCo-opでキャンペーンが楽しめる
- ほかのプレイヤーと情報を共有する「DNI」(Direct Neural Interface)が重要な役割を果たす
- 「Cyber Core」と「Cyber Rig」という2種類のスキルが用意されている
- ソーシャルハブにもなるプレイヤー専用ルーム「Safe House」が利用可能
- 左右や背後へのマントルも可能になったスムーズな移動システム
- 「スラスト」によって空中移動やウォールラン,パワースライドといったアクションが可能
- 9人のプレイヤブルキャラクターで構成される「スペシャリスト」システムがマルチプレイのキモとなる
- さらに細かい武器のカスタマイズが可能になった「Gunsmith」機能
- マルチプレイのプレイアブルデモは,6月に開催されるE3 2015で公開予定
- βテストへのアクセスは,プレオーダーで可能になる
- 関連タイトル:
Call of Duty: Black Ops III
- 関連タイトル:
コール オブ デューティ ブラックオプスIII
- 関連タイトル:
コール オブ デューティ ブラックオプスIII
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