テストレポート
HW短評:Sapphire「SAPPHIRE NITRO R7 370」(2)Radeon R7 370の気になる3D性能と消費電力は?
→短評(1)
SAPPHIRE NITRO R7 370 4G GDDR5 PCI メーカー:Sapphire Technology 問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp 実勢価格:2万6000〜2万9000円程度(※2015年9月29日現在) |
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テスト環境は表のとおり。NITRO R7 370はクロックアップモデルであるため,MSIのオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.1.1)を用いて,リファレンスレベルに動作クロックを落とした状態でもテストを行い,それを以下本稿では「R7 370 ref.」と表記したいと思う。
テストは,4Gamerのベンチマークレギュレーション17.0から「3DMark」(Version 1.5.915)と「EVOLVE」,「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)をピックアップして利用。ゲームアプリケーションを用いたテスト時の画面解像度は1600
今回テストに用いたGPUと,R7 370の“リブランド元”である「Radeon R7 265」の主なスペックは表2にまとめたとおりだ。
テスト結果はグラフ1〜5をに示したが,R7 370 ref.の3D性能は,R9 270比で89〜98%程度,といったところ。シェーダプロセッサ数で比較すると,R7 370はR9 270比で80%の規模となり,GPUコアの動作クロックはR7 370のほうが50MHz高いということを踏まえると,おおむね妥当なスコアではないかと思う。FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチでR9 270とのスコア差を詰めている理由は,正直,よく分からないが,R7 370の規模では,シェーダプロセッサ数よりも,動作クロックのほうがスコアを左右しやすいということなのかもしれない。
なお,NITRO R7 370のスコアはR7 370 ref.とほとんど変わらないが,これはGPUのブースト最大クロックが10MHzしか変わらない以上,妥当だろう。
公称典型消費電力がR7 265より40W,R9 270より70Wも低いことで気になる消費電力だが,計測結果を見る限り,NITRO R7 370の消費電力はR9 270とほぼ同じ(グラフ6)。公称スペックから,ひょっとするとGPUに何らかの最適化が入っているかもしれないと期待していたのだが,この結果を見る限り,R7 370は純然たるCuraçao(キュラソー)コアのリブランド(≒リネーム,リフレッシュ)品という理解でいいだろう。
世代が進んだので,同じコアの製品でも,より低負荷のゲームをターゲットとする市場向けに位置づけられた結果,公称典型消費電力が下がったということなのかもしれない。
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SapphireのNITRO R7 370製品情報ページ
※HW短評に関する注意
- HW短評(ハードウェア短評)は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
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