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東京レトロゲームショウ2015:第20回 キミは,「妖怪探偵ちまちま」を知っているか?
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印刷2015/09/24 12:00

連載

東京レトロゲームショウ2015:第20回 キミは,「妖怪探偵ちまちま」を知っているか?

画像集 No.001のサムネイル画像 / 東京レトロゲームショウ2015:第20回 キミは,「妖怪探偵ちまちま」を知っているか?

今週のテーマ:妖怪ブームを31年前に先取りしていたゲーム

 筆者がPCゲーム(当時はマイコンゲームなどとも呼ばれていた)に初めて出会ったのは,今から34年前の1981年のこと。小学生だった筆者は,近所の電気屋さんで日立のベーシックマスターJr.(という名前のパソコンというかマイコンがあった)に出会い,時間があればそのお店に行ってフロッガーもどきのゲームで長いこと遊んでいた。お店の人からしたらいい迷惑だったに違いないので,34年の歳月を経て,ここでお詫びを述べておきたい。ホントすんません。

 その後,PCに毎日触れられるようになったため,たくさんのゲームを遊ぶことになったが,やはり小学生〜高校生のときに体験したゲームほど思い入れが深い。もっとも,タイトルは記憶に数多く刻まれているものの,プレイしてもエンディングまで辿り着けずに挫折したり,遊んだという事実しか覚えていないゲームもあったりする。てへっ。

PC-8801版のタイトル画面。時代を感じさせる色づかいだが,グラフィックスは当時としてはかなり頑張っていたと思う
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プロジェクト EGG「妖怪探偵ちまちま」紹介ページ

(C)2010 D4Enterprise Co.,Ltd.
(C) 2010 MSX Licensing Corporation All Rights Reserved.
'MSX' is a trademark of the MSX Licensing Corporation.


 そんな筆者が,今週の「東京レトロゲームショウ2015」でピックアップしたのが,「妖怪探偵ちまちま」だ。本連載で取り上げられるゲームの多くが,有名シリーズの第一作だとか,誰でも名前ぐらいは聞いたことのあるタイトルだとかなのだが,ここに来てかなりマニアックなレトロゲームの登場となった。懐かしい! と思ってくれる読者がいることを祈りつつ,紹介していこう。

妖怪に触れたらアウト。行き止まりも多いので追い込まれることもあるが,妖怪がなぜか唐突に向きを変えることもあるので,意外に切り抜けられたりする
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 「妖怪探偵ちまちま」は,ボーステックが1984年に発売した画面固定タイプのゲームで,「ボーステック第1回プログラムコンテスト」の最優秀賞に輝いた作品だ。当時はソフトハウス(ゲームメーカーのこと)やパソコン雑誌社が主催するゲームコンテストが盛んに行われており,優秀作品に賞金や賞品を与えたり,受賞作品をパッケージソフトとして販売するのが流行っていた。こういったコンテストに応募して収入を得ていた有名プログラマーもいるぐらいで,今のように,大人数でゲームを作る時代ではなかったのだ。

PC-8801版では日本の妖怪と西洋の妖怪を選択でき,マップや登場する妖怪も西洋風に変化する
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 「妖怪探偵ちまちま」のオリジナル版の対応機種はソニーのSMC-777だが,MSXやPC-6001,PC-8801など,さまざまな機種に移植されており,最近ではiOS版なども登場しているから,知っている人は筆者が思うより多いかもしれない。
 リリース当時,中学生だった筆者がプレイしたのはX1版で,クリアした記憶がなぜかまったくなく,たぶんあきらめたのだろう。というわけで,今回はリベンジも兼ねて,D4エンタープライズが運営する「プロジェクトEGG」で配信されているMSX版とPC-8801版の両方をプレイしてみた。ちなみにどちらも無料タイトルなので,ぜひ遊んでほしい。

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本文でも触れたように,火の玉の動きを操作できるのだが,ちまちまと連動しているので,そこが難しい
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火の玉の操作に夢中になっているうちに,いつの間にか挟まれてしまうなんてことはしょっちゅう起きる

 じぞう森で撮影をしていたアイドルの小百合ちゃんが,撮影中に妖怪一味に誘拐される事件が起きた。妖怪探偵ちまちまは,妖怪達を倒しながら,じぞう森の9丁目に誘拐されている小百合ちゃんを救出することになる……というストーリーが用意されている。「妖怪探偵」が何なのかはよく分からないが,やっぱり妖怪が相手なら妖怪探偵しかいないだろう。
 不気味なステージの真ん中に登場した目玉おやじ風のキャラが主人公の“ちまちま”だ。多くの人が「目玉おやじ」に見えるかもしれないが,誰が何と言おうと妖怪探偵のちまちま以外の何者でもない。

妖怪に火の玉を当てるときは,ど真ん中を狙うこと。操作をミスすると,中心がズレることも多い
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妖怪のバリエーションは豊富だが,攻撃パターンに違いはない。同時に出現する妖怪の数はゲームが進むごとに増えていく
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 そんなちまちまはテンキーまたはカーソルキーで上下左右に移動することができるが,妖怪に接触するとおしまいだ。弱! 掲載したスクリーンショットからも分かるように,マップ内にはすれ違える場所はないし,ジャンプもできないので,袋小路に追い込まれたり,挟み撃ちにされたら一巻の終わりとなる。
 妖怪を倒す唯一の武器が,赤い火の玉で,スペースバーを押すとちまちまから発射され,これが妖怪の真ん中にぶつかると倒せる。また,発射された火の玉は,再びスペースバーを押すと爆発する仕組みで,爆発すると四方向に爆風が飛んで同時に複数の妖怪を倒すことも可能だ。複数人でプレイすると盛り上がる,あのゲームと同様,ちまちま自身も爆風に触れると死んでしまうので,爆発のタイミングはよーく考えなくてはならない。

タイミング良くスペースバーを押すことで,火の玉を爆発させ,爆風で複数の妖怪を倒すことができる。すごく難しいけど
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 実は火の玉は,テンキーまたはカーソルキーを操作することで操作が可能だ。うまく操ると,ちまちまから遠く離れた妖怪に火の玉をぶつけたり,爆風で吹き飛ばすこともできる。ただし,火の玉の動きは,同じキーを使っているのでちまちまの動きと連動しており,火の玉を操作すると,ちまちまもあらぬ方向へと移動してしまうことがある。
 しかも火の玉のスピードは,ちまちまの動きと比べてかなり速いので,真剣に操作しても妖怪の中心に火の玉を当てられなかったり,火の玉の動きに熱中していたら,いつの間にかちまちまが妖怪に囲まれていたり,爆風が届くところに移動していたなんてことは日常茶飯事となる。

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自分では大丈夫だと思って爆発させたら爆風に巻き込まれた,などということもよく起きるので、注意しよう
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PC-8801版では複数の妖怪を同時に倒すことで,黄色い火の玉がマップ上に出現する

 ちまちまと火の玉を一つの操作系で同時に操らなければならないのが,このゲームの面白さであり,最大の特徴ともいえる部分。ハッキリ言って操作に慣れても難しいので,ぜひとも悪戦苦闘してもらいたい。でも,面白いんだよ。

妖怪は,墓石から出現する。ちなみに選択画面では,妖怪ではなく「日本のお化け」などと表記されているが,これは当時のハードウェアの漢字表示能力の問題ではないかと思われる
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 上記のように小百合ちゃんが誘拐されているのは9丁目で,ステージは1丁目から9丁目までの9ステージが用意されている。ステージ1は最初ということもあって簡単だが,前述のとおり,悪戦苦闘する操作系のためサクッと死ぬことも多い。3回倒されるとゲームオーバーだが,スコア2万点で残機が1つ増え,その後は1万点ごとに1つずつ増えていく。
 1ステージに登場する妖怪20体すべてを倒すとステージクリアだが,爆風で同時に3体の妖怪を倒すと妖怪カーが登場し,それに乗ることで次のステージへ連れてってもらえるというショートカットも用意されている。3体同時に倒すのは意外と難しく,妖怪カーが出現しても,そこまでたどり着くのも割と難儀だが,常に狙いたいところだ。

 もっとも,MSX版は妖怪カーに乗ると次のステージに連れ行ってもらえるが(X1版については,忘れちゃいました),PC-8801版では妖怪カーがマップの周りを回って妖怪達を一定の場所に集め,倒しやすくするというものに変更されている。妖怪が集まったところで妖怪カーから降り,火の玉で3体以上の妖怪をドカン! で,高得点ゲット。これはこれで面白い。

MSX版では,妖怪カーに乗ることでステージクリアだが,PC-8801版ではマップの周囲をグルグルと回る(画面の一番下が妖怪カー)
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 また,3体以上の妖怪を倒したときにマップに黄色い火の玉が現れ,それに触れることで高得点がもらえるというフィーチャーが,PC-8801版で確認できた。この火の玉を手に入れると,次のステージに移る前に小百合ちゃんを拉致した妖怪の親玉なのか,ほかとは違うボス的な妖怪と,遮蔽物などないマップで1対1で戦うことになる。確実に火の玉や爆風を当てなければ倒せないので,もうね,久しぶりにカチャカチャと賑やかな音を立てながらテンキーやカーソルキーを必死に叩くことになりましたさ。

黄色い火の玉を手に入れると,ステージクリア後にボスのような妖怪と1対1で戦うことになる
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 というわけで,今回はいささかマイナーながら,アクションゲームの原点ともいうべきゲームを紹介した。妖怪探偵ちまちまを遊びまくったという人は,改めてキーボードを必死に叩きまくって懐かしい時代を思い返してみよう。筆者がそうなったように,じんわり目頭が熱くなるかもしれないですよ。
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