プレイレポート
発売が迫る剣戟アクション「フォーオナー」のβテストの模様をお届け。ファクションウォーと追加キャラによって,戦場はさらに白熱
2015年のE3で電撃発表されて話題を呼んだ本作は,昨年(2016年)10月にPlayStation 4版のαテストが日本でも行われており,参加したという人も多いはず。テストの模様は4Gamerでもお伝えしたが(関連記事),αバージョンでもすでに完成度はかなり高く,戦場で手に汗握るチャンバラバトルが楽しめた。
「フォーオナー」公式サイト
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そして,本作の発売を控えた2017年1月26日〜30日にかけて,αテストに続いてクローズドβテストが行われた。クローズドであるため参加には制限があり,かつ日本はテストの対象地域に含まれていなかったが,このたび,幸運にも参加できたので,その模様を皆さんにお届けしたい。
プレイしたのはPC版で,前述のとおり日本を対象に含めたテストではなかったものの,クライアントは日本語に対応していたので,スクリーンショットも日本語化されたものとなっている。ただし,あくまでも開発途中のバージョンであることは覚えていてほしい。
なお,αテスト時点でも十分に完成度が高かったこともあり,筆者がプレイした限り,ゲームの基本システムに大きな変更はなかった。そこで本稿では,主にαテストとの違いや以前の記事で紹介しきれなかった部分について触れたい。「フォーオナーってどんなゲーム?」という人は,αテストのプレイレポートをあらかじめ一読してもらえると幸いだ。
新戦力の追加と対戦結果が命運を分ける国盗り合戦「ファクションウォー」が実装。マルチプレイがより熱くなる
今回のβテストもαテストと同様,マルチプレイモードのみがプレイ可能で,ゾーンの確保がキモになる人気の「ドミニオン」をメインに,2人対2人の「ブロウル」,タイマンバトルの「デュエル」が楽しめた。αテストとの違いとしてはキャラクターが各勢力に1人ずつ,計3人が追加されており,新たなクラスの登場によって,戦いの雰囲気も変わったという印象だ。
ナイト勢力にはアサシンタイプで短剣を装備する「ピースキーパー」,ヴァイキングには盾を持ち全方位の攻撃に耐える技も持つ「ウォーロード」,侍には薙刀で間合いを取った戦いを得意とする「野武士」が利用可能となっており,多くのプレイヤーが新たなキャラでさっそく対戦を楽しんでいた。
とくに,これまでにないタイプの,「薙刀」を持つ野武士は人気を集めたようで,多くの戦場で見かけた。
製品版にはさらに,チームデスマッチとなる「スカーミッシュ」と「エリミネーション」が追加される予定とのことで(関連記事),ヘルプ画面にはすでにエリミネーションのルールや動画が追加されていた。今回のクローズドβテストではプレイできなかったが,製品版ではさらにマルチプレイの幅が広がりそうだ。
βテストのクライアントに,「ファクションウォー」が実装されていたことが大きなトピックだろう。ファクションウォーとはゲーム中の勢力,つまりナイト,ヴァイキング,侍のいずれかの勢力に参加して戦い,マルチプレイの結果が支配地域に影響を与えるというシステムのこと。勝利すれば勢力が広がり,逆に負けが込めば地域を手放すことになり,プレイヤーには,受け取れるリワード(報酬)が増減するという形で影響を与えるのだ。
βテストのファクションウォーに参加したところ,時間の経過で支配地域にかなりの変化が起こることが確認できた。一進一退の攻防という状況も多いが,ときには1勢力の支配地域がみるみる減っていく場合もあり,居城があるらしき場所まであと一歩に迫られているという状況も。自分の活躍(あるいは失敗)がある程度まで支配地域の変化につながるだけに,変化するマップを見ていると面白く,ちょっとした戦略シミュレーションゲームのような雰囲気がある。
ちなみに,ファクションウォーで選んだ勢力と,プレイ時に選択できるキャラの勢力は一切関係なく,例えばナイト勢力でも侍やヴァイキングを使うことができるので安心だ。参加する勢力も,(報酬に影響は出るが)「ソーシャル」メニューでいつでも乗り換え可能なので,気軽に選べる。
個性的なキャラによる剣戟バトルは,操作はシンプルながらシビアな読み合いが面白い
ここからは,前回のプレイレポート記事では触れることができなかった,実際の戦闘の様子についてもう少し詳しく紹介してみたい。
上記のように,「フォーオナー」は至近距離のアクションが最大のポイントであり,それを実現しているのが「アート・オブ・バトル」というシステムだ。具体的には攻防一体の「構え」によって表現されており,上と左右に分かれた構えは,敵をロックオンすることで自動的にその方向がガードされ,また攻撃時はそのまま,構えた場所に武器を振り下ろす。構えは,動かさない限り同じ方向に固定され続けるので,一度ガードされた場所を連続して攻撃しても,当たることはほとんどない。つまり,やみくもに攻撃ボタン押し続けて勝てることはほとんどなく,それだけに敵の構えをしっかり見て対処しなければいけないというわけだ。
また防御側も,自動的にガードできるからと守ってばかりだと,敵のガード崩しに遭って,異なる方向から攻撃されてしまったりする。相手の攻撃を長時間読み続けるのは難しく,へたに長期戦を行っていると,その間に敵の数が増えて,多勢に無勢でボコボコにされたりする。そもそも,防御だけでは絶対に勝てない。
というわけで,フォーオナーのバトルは攻撃にも防御にもリスクが伴い,ある種のヒリヒリとした緊張感が常に漂っている。そんな気の抜けない戦いこそが,本作の一番の魅力だ。
それだけに,シビアなバトルに勝利したときの喜びはひとしおで,とくに「エクセキューション」と呼ばれる派手なフィニッシュムーブを発動できたりすると,爽快感は抜群だ。エクセキューションの間は無防備になるため,別の敵からの攻撃に注意しなければならないのだが,最後まで邪魔されずにトドメを刺せれば,敵のリスポーンを遅らせることができたり,自分の体力を回復できたりするというご褒美がつく。もちろん逆にエクセキューションをやられると,くやしさはなかなかのもの。ギリギリの勝負でやられたときは,筆者のようについ「もう一戦!」となってしまう人も少なくないはずだ。
本作のもう一つの魅力は,多彩なキャラクターだ。上記のとおり,今回のクローズドβテストでは各勢力に3人ずつ,計9人のキャラが使用可能になっていたが,それぞれ,見た目はもちろん所持する武器も身体能力もまったく異なる。
各勢力で最初から使用可能な3人は比較的バランスの取れた性能だが,ゲーム内ポイントの「スティール」でアンロックするキャラクターは防御力や機動力,あるいはカウンター攻撃などに特化した,ある意味,クセのあるタイプが揃えられている。実際に使用すると,そのプレイフィールの違いに驚くだろう。当然それによって,戦場での立ち回りも変わってくることになる。
キャラの個性は単に武器やステータスだけでなく,特殊スキルである「戦技」の違いにも表れている。戦技は,戦闘中の活躍で溜まる「名声」によるレベルアップで順に使用可能になり,最終的に,あらかじめセットした4つのスキルが戦闘中に発動できるようになる。
スキルとしては体力を回復させたり,敵を弱体化させるといったシンプルなものから,広範囲を投石器や矢の雨で攻撃したりする特殊なものまで,効果はさまざまだ。基本的に,レベルが上がるほど強力な戦技が使えるようになるので,活躍するほど戦略の幅が広がるというアンバイになっている。
戦技の中には,味方を有利にするものもあるので,筆者のように直接の斬り合いにあまり自信がない人は,側面から戦局を優位に進められるようになるものを選んで使うのもいいかもしれない。
本気と書いてマジと読みたくなるような「本気の真剣勝負」がフォーオナーの魅力だ
「フォーオナー」の見た目は,一般的な三人称視点のアクションゲームであり,戦場にザコ兵士が多いこともあって,一見無双系の作品に見える。しかし,その実はヒーロー(プレイヤー)同士の構えと間合い,そして読み合いが非常に重要な作品であり,どちらかといえば格闘ゲームに近いストイックささえ感じられる。
陣取りゲームのドミニオンではそこまでではないものの,ブロウルやデュエルといった,プレイヤーのスキルが勝敗に直結するモードほどその印象は強く,慣れるまでは簡単にやられてしまうところも,最近の「ビギナーにも優しい」ゲームとは異なる。うまいプレイヤーに勝つのは容易でなく,AIでさえレベルが高いと手強いので,難度はかなりシビアだ。
もっとも,マルチプレイモードで一番人気になりそうなドミニオンのメインは,あくまで陣取り合戦であり,最終局面の殴り合いを除けば,戦闘は拠点を占領するための手段でしかない。それだけに筆者のようにガチの斬り合いに自信がない人でも,敵のスキを突いて敵陣を占領して回ったり,背後に回って敵を挟み撃ちにしたりと,活躍できる場面が想像以上にある。
マップが比較的コンパクトで,覚えることが少なくて済むのも好印象で,プレイヤーは基本操作やキャラクターの挙動,戦闘スキルなどを理解することに集中できる。そして,ゲームに慣れてキャラを思い通りに動かせるようになってくると,ぐっと面白さが増してくる。
画面を覆うような派手な技や大掛かり仕掛けは少ないが,プレイヤー同士の気の抜けないバトルは常に白熱した状態になるし,つい予定をオーバーしてラウンドを続けてしまうこともしばしばだ。
製品版ではキャラクターとマップが自由に使えるようになり,マルチプレイのさらなる盛り上がりが予想される。また,Co-op可能なストーリーモードも見逃せないだろう。2月16日の発売が楽しみな一作であり,発売されたらまたそのインプレッションなどをお届けしたい。
「フォーオナー」公式サイト
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