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「ゴーストリコン ワイルドランズ」オープンβテストに参戦。広大なフィールドには,緻密なチームプレイが必要不可欠となる多数の作戦が待っていた
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印刷2017/03/06 17:00

プレイレポート

「ゴーストリコン ワイルドランズ」オープンβテストに参戦。広大なフィールドには,緻密なチームプレイが必要不可欠となる多数の作戦が待っていた

 ユービーアイソフトは,小説家トム・クランシー氏の名を冠する「ゴーストリコン」シリーズの最新作「ゴーストリコン ワイルドランズ」PC / PlayStation 4 / Xbox One。原題:Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands)の国内での発売を,2017年3月9日に予定している。
 本作はオープンワールドとして構築された広大な南米の内陸国を舞台に,国家さえも支配下に置いた強大な麻薬組織の壊滅を目指す,三人称視点のミリタリーシューターだ。プレイヤーは歴戦のオペレーターで構成された4人の特殊部隊「ゴースト」チームを操り,反乱軍と協力しつつ,多数のミッションを進めていくこととなる。

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 今回,本作の発売に先駆けて2月24日から27日まで開催されたPlayStation 4版オープンβテストに参加できたので,そのインプレッションをお届けしよう。βテストで移動可能なマップ範囲は全体のごく一部で,プレイできたミッションも限られていたが,それでもかなりのボリュームと感じられた。発売が近いこともあり,UIや音声はすべて日本語化済みで,かなり製品版に近いビルドだったという印象だ。
 とはいえ,お約束だが今回体験できたのは開発中のバージョンであり,製品版とは異なる可能性がある。撮影したスクリーンショットも,あくまでβテスト版のものであることをご了承いただきたい。

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「ゴーストリコン ワイルドランズ」公式サイト



特殊部隊「ゴースト」を自在に操り,ハイテクガジェットを駆使しながら悪を壊滅せよ


 冒頭でも触れたように,本作の舞台は近未来,南米の内陸国だ。現在,この地は「サンタ・ブランカ」と呼ばれる麻薬カルテルによって牛耳られており,経済はもちろん政治や軍事までその支配下にあるという未曾有の事態に陥っている。その影響は国内に留まらず,周辺諸国や北米にまで及び,かつてない規模で麻薬汚染が広がることになった。
 事態を重く見たアメリカ政府は,秘密裏にサンタ・ブランカのボス「エル・スエーニョ」を始末し,組織を壊滅させることを目的とした「キングスレイヤー作戦」を発動。プレイヤーをリーダーとする精鋭特殊部隊「ゴースト」チームを無法地帯に送り込む……というのが大まかなストーリーの流れだ。

リーダーの「エル・スエーニョ」と,彼率いる「サンタ・ブランカ・カルテル」の組織図。まずは情報収集で末端の構成員の正体を掴み,徐々に本丸に迫っていく必要がある
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 ゲームを始めるとまず,プレイヤーの分身となるゴーストのリーダー「ノマド」をカスタマイズすることができた。顔や人種といった定番の項目を変更できるほか,特に選択の幅が広かったのが装備や服装で,いかにも特殊部隊然とした格好から,ラフな一般人に近い洋服まで,配色も含めていろいろと選べた。

※2017年3月10日追記
 初出時,「製品版ではゴーストメンバーも性別を含めカスタマイズできるとのことなので(関連記事),お気に入りのチーム編成で作戦に挑めそうだ」と記載しておりましたが,製品版でカスタマイズできるのはプレイヤーキャラクターのみでしたので,記事を訂正しました。


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 カスタマイズが終わると説明を兼ねたデモが始まり,いよいよ戦場へと降り立つ。開始地点は山間のセーフハウスで,周囲には一面の大自然が広がるが,これはすべて移動可能なオープンワールドマップの一部だ。地平線は山並みに隠れて見えないが,もちろん山の向こうにはまた別の地形が広がっており,実際に車やヘリで移動しつつ行動していくことになる。山以外にも,広い河川や段々畑の農地,広大な塩湖など,βテストの範囲だけでもフィールドはバラエティに富んでおり,今後の冒険が楽しみになった。

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 新たな土地に来て早々に,ゴーストチームはチュートリアルも兼ねたミッションを開始することになる。目的は「アマル」と呼ばれる反乱軍の人間を助け出すこと。反乱軍はサンタ・ブランカと敵対関係にある現地組織で,常にプレイヤーを側面から支援してくれる。彼らと友好的な協力関係を結ぶことが,ミッション達成の近道というわけだ。

 クエストマーカーにしたがって敵の基地にたどり着くと,さっそく本作ならではのシステムを活用して戦いが始まる。
 ゴーストは前述のとおり4人のメンバーで構成されており,つねに一緒に行動することになる。ソロプレイ時はリーダーのノマドのみが操作キャラクターとなり,ほかのメンバーはAI操作だ。メンバーはノマドが移動すれば勝手についてくるが,後ろを無警戒にぞろぞろ追いかけてくる……といった非現実的な動きは少なく,左右に大きく開いたり,後ろから物陰に隠れて移動してくるなど,プレイヤーが何もしなくてもかなりプロらしい動きをしてくれる。

仲間への指示はワンボタンで簡単に出すことができる。さすがに射撃中は難しいが,物陰に隠れればいつでも変更できるぐらいにシンプル
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 それだけにプレイヤーが(あまりプロらしからぬ動きで)単独で突っ込むと,援護が間に合わずひとりでの撃ち合いになったりするが,そんなときはきちんと指示を出してやればいい。指示は大まかにチーム全体への「攻撃」「待機」「移動」「集合」の命令が可能で,個人の細かい制御はできないが,そもそもリアルタイムで進行するアクション性の高い作品で,逐一細かい指示を出している余裕はないので,これぐらいシンプルなほうが好感が持てる。
 戦闘自体はかなりカジュアル寄りで,難度が高過ぎなければ,敵はあっさり倒せるし,こちらも簡単には死なない印象だ。作戦地域によって難度が異なるようなので,あくまでβテストでの話だが,筆者のようにアクションやエイム技術にあまり自信のない人でも気軽に楽しめそうだ。

敵を双眼鏡やドローンなどで確認すれば赤いマークが表示され,どこにいるか一目瞭然となる。さらにSYNCマークを付ければ味方に狙撃させることも可能で,何人もの敵を一気に片付けられる
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 さて,ソロプレイでもチームプレイを強く意識できるのが,「SYNCショット」という攻撃方法だ。これは敵をエイム中などにマーク付けしておくと,指示と同時に味方が射撃してくれる仕組み。これによって自分の射撃を含めて,同時に4人の敵を瞬時に始末することが可能となり,攻略がかなり楽になる。
 ステルスシステムを採用したゲームの場合,たとえ銃にサプレッサーがついていても,敵の近くでターゲットを撃てば目撃されバレてしまうことが多い。ところがこのSYNCショットを使えば,メンバーと協力して目撃者を含めた複数のターゲットを同時に排除できるので,ステルス状態を維持できるわけだ。使用後はクールダウンタイムが発生するため連発はできないものの,うまく決まったときは「ナイスキル!」と言いたくなってしまう。

画面奥のヘリコプターを強奪するミッションなのだが,近くも遠くも敵だらけ。とりあえずSYNCショットで手前の敵だけ一気に片付けるのが良さそうだ
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 敵を排除しつつ敵の副官に近づければ,あとはアマルの居場所を吐かせるだけだ。敵を確保して銃を突きつけると尋問モードに入り,有用な情報を「快く」提供してくれる。今回は尋問自体がミッションの目的だったが,新たな土地に移動したときは,サブミッションや物資の場所も尋問で聞き出す必要がある。尋問はゲーム中,かなり多用するテクニックなので,真正面から映画のごとく戦うのが好きな人も,このときだけは後ろからこっそり情報源に近づくようにしよう。

恐らくゲーム中に何度も登場する尋問。当然ながらこの状態をほかの敵に見つかっては大変なことになるので,事前に片付けておくなどの工夫が必要だ
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 情報を元にアマルの監禁場所に近づくと,当然ながらガードが堅く敵も多い。そのまま正面から突っ込む……のもひとつの手だが,ここは特殊部隊らしく事前に入念な偵察を行うのも悪くない。
 ゴーストチームにはそれぞれ双眼鏡とドローンが支給されており,前者は遠くから,後者は高所から敵の拠点などを自由に偵察できる。クラシカルな双眼鏡もいいが,筆者はやはりドローンがお気に入りで,上空から敵の配置を簡単に把握できるのは痛快だ。スキル強化によりナイトビジョンやサーモグラフィ機能も搭載可能で,まさに敵陣を「丸裸」にできてしまう。
 前述のSYNCショットは,双眼鏡やドローンからも実行可能で,場合によってはその場から一歩も動かず敵を排除することもできる。バッテリーの持ち時間が短めだったり,電波があまり遠くまで届かないという弱点もあるが,まさに21世紀のハイテク部隊を体現するようなガジェットなので,ぜひ活用していきたい。

そのまま使っても便利なドローンだが,ナイトビジョンやサーモグラフィを装着すればさらに頼りになる
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 アマルを確保してヘリや車で目的地に着くと,ここでチュートリアルミッションは終了だ。ここからは自由に活動が可能で,メインやサブを問わず,好きなようにミッションを選択していける。
 βテストでは末端の2人のボスに関わるストーリーが進められなかったが,製品版では基本的にどこに行って,どこのボスから狙うかも自由なようで,プレイヤーによって千差万別の進め方になりそうだ。


情報収集から拠点の襲撃まで,何をするかはプレイヤーに任された


 オープンβでプレイできたミッションは,ストーリーを進めるためのものと,それ以外のサブ的なものに大別されており,ストーリーミッションを進めるとサンタ・ブランカの各ボスの撃破につながり,サイドミッションはゴーストチームの強化と反乱軍への協力を目的として行う。
 どちらを優先するかは自由なので,優先的にサンタ・ブランカを潰しにいってもいいし,じっくり味方を強化してもいい。どう行動するかは,プレイヤーの選択次第だ。

味方の強化方法は,主にスキルの入手や武器の改造など。スキルはミッションクリアなどで入手できるスキルポイントと物資で強化し,武器やそのパーツなどはマップ各所に落ちている
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 とはいえ,ゴーストチームは公式に存在しないという扱いになっているため,本国からの協力は非常に乏しく,武器や乗り物どころか情報さえも現地調達が基本。新たな場所に到着したら,まずは一般市民と話したり,敵の幹部などを尋問して情報を収集し,自らミッションそのものをアンロックするところから始めなくてはいけない。
 まさに自分の道は自分で切り開く,といった感じだ。

 ストーリーミッションでは,「敵の正体をハッキングで探る」や「敵陣に侵入して捕虜を解放する」といった特殊部隊の王道ともいえる作戦が多いが,逆にサイドミッションでは輸送トラックの襲撃やヘリコプターの強奪など,あまり大っぴらにできない手荒な作戦を実行する機会が目立つ。もっともサイドミッションは,成功すればスキルのアンロックや強化に使用する「物資」が大量に手に入るほか,反乱軍の協力を仰ぐ「反乱軍支援」も強化できるので積極的にクリアしたいところ。
 反乱軍支援は移動用の足を届けてもらう「乗り物要請」,任意の場所に兵員を送り込む「陽動」,指示地点に遠距離砲撃を行う「迫撃砲」など,活用すればかなり便利だ。場合によっては難度の高いミッションもより楽に進められるようになる。筆者のお気に入りは陽動で,戦闘になりそうな場所の裏手に反乱軍を呼んでおけば,そこに気を取られた敵の裏を簡単に取れるのが面白い。敵陣にジャマーなどがあるなら,迫撃砲の支援で破壊してから戦闘を始めるのもおすすめ。使えるものはどんどん使って,カルテルを窮地に追い込んでやろう。

反乱軍の迫撃砲はなかなか強力。とはいえ連発はできないので,使いどころを見極めたい
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 オープンワールドものではあるが,主役は特殊部隊のチームであるため,「お遊び」系のアクティビティは基本的にはない。だが,マップの各所にはスキルポイントが加算されるメダル,武器やそのパーツが眠っており,その広さもあって探索しがいがある印象だ。しっかりと探し回るには,ヘリが必須だろう。2つの地方しか移動できないβテストでこう感じたのだから,製品版は相当なボリュームになりそうだ。


「オープンワールドの自由度」と「精鋭特殊部隊の活躍」が同時に楽しめる


 本作は最大4人のCo-opに対応しており,AIが操作するチームメイトをプレイヤーに置き換えるような形でマルチプレイが可能だ。プレイフィールは基本的にソロプレイと同じで,マップ上に存在するミッションを,クリア済みのものも含めて好きなように選んでプレイしていく。当然ながら,ミッション報酬などもソロと同じように受け取れる。

息の合った連携とはいかないが,野良パーティのCo-opも楽しい。予測不可能なカオスっぷりも含めて,襲撃や破壊のミッションは大いに楽しめるはず
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 マルチプレイとソロプレイとの大きな違いは,やはり人間が操作するだけあって,味方が段違いに頼りになることだろう。あくまでプレイヤーが指示を出すAIと違って,メンバーがすべて最善と思う動きをするので,NPCの敵もバタバタとなぎ倒されていく。破壊や襲撃のミッションは,爽快感が抜群だ。

 とはいえ,やはり野良のパーティでは「連携」するのは難しく,ボイスチャットがなければ意思の疎通も簡単ではない。「襲撃と同時にターゲットが逃げる(ので攻撃開始と同時に倒さなくてはいけない)」といったミッションでは,NPCを止められず失敗を繰り返すこともしばしばで,何とも言えない空気がチームに漂ってしまうことも。難度の高いミッションでは,気心の知れたフレンドや,あるいは割り切ってソロで楽しむのもひとつの手かもしれない。

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 本作の2大テーマを挙げると「広大なオープンワールド」「特殊部隊のチームプレイ」だと思う。
 だが,最初はこの2つがどのように組み合わさるのか,あまりピンとこなかった。前者のオープンワールドはRPGの冒険やクライムアクションに向いているが,特殊部隊が任務で活動するにはいささか広すぎる気がしたし,後者のチームプレイは同じユービーアイソフトの「レインボーシックス シージ」で展開されるような,高密度の室内戦のほうがより「らしい」ことができるのではないかと思っていたからだ。

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 だが,実際にβテストでプレイしてみたところ,それは杞憂だった。広大なマップはそれぞれ敵の拠点やサイドミッションの開始場所,あるいはアイテムが眠るロケーションとして活用されており,特殊部隊らしさは前述のSYNCショットやドローンなどによる事前偵察,あるいはステルス状態で敵施設に突入してから制圧という一連の流れなどにより,十分に感じられた。組み合わせの相性は,非常に良かったのだ。

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 場合によっては特殊部隊らしからぬ,いろいろな意味での「力押し」が可能なのもまた楽しい。敵の拠点にAPC(装甲兵員輸送車)で突撃したり,迫撃砲のド派手な支援で敵もろとも施設を吹き飛ばすのは爽快で,昔のアクション映画を体験しているようでもある。こういったプレイの自由度の高さも,もちろん本作の魅力の一部だろう。

敵の拠点には重装甲で攻撃力も高いAPCが置いてあることがある。そのままにしておくのはもったいないので,存分に「活用」してやろう
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 前述のとおりβテストでプレイできた範囲は全体から見ればごくわずかだったが,それでも予想以上に楽しめた。あと3日後に迫った製品版の発売が待ち遠しい一作だ。

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