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「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2018」をレポート。スピードと正確性の両方を重視したタイピング日本一を決める大会で,猛者達がその腕を競い合った
昨年の東京ゲームショウ2017会場で行われた大会に続いて2回目となる今回は,事前に行われたオンライン予選と,当日のオフライン予選を勝ち抜いた男女16名の選手が出場し,タイピングのスピードと正確性を競う,熱い戦いを繰り広げた。
本戦にはタイピングソフト「Weather Typing」の対戦モードを使用。同じワードを同時に打ち始め,先に打ち切ったほうがポイントを獲得し,どちらかが10ワードを打ち切った時点でラウンドが終了。ポイントの高かったほうが勝者となるわけだが,今回はタイピングの正確性も重視され,最終的に算出される正確性が95%未満だった場合はポイントに関わらず敗北(両者が95%未満の場合はポイントで勝敗を決定)となる。
出題ワードは「元気ワード」「eスポーツワード」「タイピングワード」「3種の混合ワード」の4種類で,最初は「3種の混合ワード」が選択され,2ラウンド目以降はラウンド敗者がワードを選べるという仕組みだ。入力はローマ字とかなのどちらも選択可能で,ワード選択時の切り替えもOKとなる。
大会はダブルエリミネーションのトーナメントで,敗北した場合でもLOSERSトーナメントにエントリーされ,そこから勝ち上がるチャンスがある。
1回戦から白熱した戦いが繰り広げられた本戦。会場のスクリーンには対戦中の選手が打つワードと共に,両者のタイピング速度(kpm=key per minute)と正確性が逐一表示され,1ワードごとに大きな注目が集まった。今回はとくに正確性が重要視され,タイプミスをして最終的に95%未満となった場合は無条件で敗北となるため,選手は互いの正確性を考慮して,ポイントを取るだけでなく相手に譲るといった奥の深い駆け引きを繰り広げた。
正確性という部分での強さが目立っていたのは,珠選手,のん選手,miri選手の3名の女性選手達だ。とくに前大会優勝者のmiri選手はスピードと正確性を備え,1000kpm(秒間約16タイプ)前後の速度と95%の正確性を保って,客席を沸かせていた。
WINNERSトーナメントの3回戦は,そんな正確性が勝敗を分けた戦いとなった。前大会準優勝者のmuller選手と珠選手の試合は両者が正確性を強く意識した戦いで,1ポイント目を逃したmuller選手がかな入力でのスピードと正確性の両方を維持して2ポイントを連続して奪取し勝利。一方,同じ3回戦でmiri選手は正確性が崩れ,やだ選手に2-1で敗北し,LOSERSトーナメントに回る結果となった。
そして迎えたWINNERSトーナメント準決勝は,muller選手とやだ選手の対決。これまで,共に正確性の高さを見せてきた2選手だったが,互いに正確性を欠いた状態でmuller選手が1ポイントを先取すると落ち着きを取り戻し,2ポイント目はスピード,正確性そろって高い成績で勝利し,決勝へと進出する。
やだ選手はそのまま,LOSERSのファイナルへと勝ち上がってきたmiri選手との再戦に臨むも,ここではmiri選手がストレートで勝利し決勝戦へと進出した。
決勝戦は昨年の大会と同様,muller選手対miri選手というカードとなった。ただしmiri選手はLOSERSの勝者であり,2勝しなければ優勝とはならない厳しい戦いだ。
この決勝では,20ワード・3ポイント先取のルールが採用。前大会のリベンジに向け,アドバンテージを持って決勝に挑んだmuller選手だったが,LOSERSファイナルから決勝へと進んだmiri選手の勢いを止められない。正確無比のタイピングで3ポイントを連取する強さを見せて,miri選手がタイスコアへと持ち込み,来場者や実況席を大いに興奮させる。最終戦でもmuller選手に最初に1ポイント許したものの,そこから再び3ポイントを連取。見事,大会連覇を飾り,客席からは大きな拍手が贈られた。
後半の連戦からの優勝で力を使い切ったmiri選手は声を震わせながら,3回戦での敗北時に「無理だな」と心が折れそうになりつつも,自身の出番まで会場内で練習を続けてメンタルを保ったことを告白。最後には「すごい嬉しいです」と笑顔を見せていた。
観戦した誰もが,タイピング競技のeスポーツとしての可能性を感じることができた今回の大会。当日の模様はTwitchのRealforceGGのチャンネルにアーカイブされているので,ぜひそちらでこの興奮を味わってみてほしい。
「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2018」公式サイト
RealforceGG Twitchアーカイブ
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