企画記事
不思議な緑の生物がモチモチ進む! 「Mushroom 11」をプレイムービーで紹介
本作は,荒廃した世界を舞台に,緑色をした菌類のような生物を操作し,さまざまな仕掛けを乗り越えてステージクリアを目指すパズルゲームだ。
生物は“削られた分だけ別の部分が細胞分裂のように増殖する”という奇妙な性質を持っていて,プレイヤーはマウス操作により生物を削って動かしていく。
生物は押されて動くわけではなく,消滅と増殖を同時に行いながら移動していくので,見た目にも操作にも不思議な面白みがあり,動かしているだけでも楽しい。
これを気に入った筆者がステージ開始直後,ただモチモチと生物をこねくり回していたところ,いきなりTIPSが始まって強制的に“こうやって削って動かすんだよ”とレクチャーされてしまった。さっさと進めってことですね。
洞窟や平野を延々と進んでいくわけではなく,ときには世界荒廃前の遺物がギミックとして登場するのも興味深い。ステージの背景には崩れかかったビル群や,脱線した列車の姿などがあり,一瞬にして世界が崩壊してしまったのかもしれないと考えさせられる。何も乗せず,目的を失ったまま動き続けているベルトコンベアや、骨組みを残した建築物にそって上下し続けるエレベーターなどを足場にして進む緑の生物。ステージをすべてクリアしたあとには,希望が待ち受けているのか,それとも……。
こういったギミックで作られたステージは,進めるか否かの緊張感を演出してくれる。かなりの時間をかけて作りこんだのだろうと思わせる絶妙の難度に仕上がっていて,本当に進めるのかな? と思いながらも挑戦し,それが成功したときの嬉しさや達成感はかなりのものだ。緑色の主人公は相変わらず何の感情も表さないけれど。
ステージを進んでいくと,ボスが登場する。倒し方は,体のあちこちに付いている弱点を破壊すべく,ボスの手足を伝って登っていく……といった具合だ。ここでの戦いに必要なテクニックは,ちゃんとステージ途中にあるギミックで“学習”できる。いわば総まとめ,おさらいのような感覚だ。
やり応えのある謎解き要素,独特の操作感が生み出すアクション性,そしてUKテクノバンドのThe Future Sound of Londonが担当する音楽と,どれをとっても素晴らしい。奇抜な設定と操作方法に目が行きがちだが,それ以外の部分もしっかりと作り込まれている印象だ。
Unityを用いて,3年の歳月をかけてじっくりと手塩にかけて開発された本作。数々のインディーズ関連アワードを受賞した前評判を裏切らない作品になっているので,ムービーをみて気になった人は実際に触ってみてほしい。
「Mushroom 11」公式サイト
- 関連タイトル:
Mushroom 11
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