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[SPIEL’15]「T.I.M.E Stories」から「T&T」まで。グループSNEの安田 均代表が読み解く,ドイツゲームのこれまでとこれから
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印刷2015/10/21 00:00

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[SPIEL’15]「T.I.M.E Stories」から「T&T」まで。グループSNEの安田 均代表が読み解く,ドイツゲームのこれまでとこれから

 常日頃からアナログゲームを遊んでいる人であれば,安田 均氏,あるいは氏が代表を務めるクリエイター集団・グループSNEの名前を知らない者は少ないだろう。「ロードス島戦記」を始めとする作品群でテーブルトークRPG(以下,TRGP)をいち早く国内に紹介し,また国産TRPGのマイルストーンとなった「ソード・ワールドRPG」や,いまや巨大な市場を形成する国産トレーディングカードゲーム(以下,TCG)の先駆けとなった「モンスター・コレクション TCG」などを生み出してきた,アナログゲーム界きってのヒットメーカーである。アナログゲームファンにとっては,氏およびグループSNEが関わった作品にまったく触れないほうが難しいほどの存在なのだ。
 そして近年,流行しつつあるボードゲームにおいても,彼らはやはり先駆者の一角を占めている。cosicブランドで海外のボードゲームを翻訳・出版する傍ら,オリジナル作品も多数発表しており,今回のSPIEL’15にも(冒険企画局との合同で)ブース出展を果たしていた。

 今回4Gamerは,そのSPIEL’15の会場で安田氏に話を聞くことができたので,その模様をインタビューとして掲載しよう。SPIELの常連として,すでに16回以上この地を訪れているという安田氏は,ゲームデザイナー,あるいは翻訳者として,今のドイツゲーム(あるいはユーロゲーム)をどのように見ているのか。またグループSNEは,世界規模で活況を見せるボードゲームというジャンルにおいて,何を目指すのか。興味のある読者は,ぜひご一読いただきたい。

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グループSNE公式サイト

4Gamer内「Spiel’15」記事一覧


世界に広がるドイツゲームと,変革の兆し


4Gamer:
 まずざっくりとした質問になりますが,今年のSPIELはいかがでしたか。

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安田 均氏(以下,安田氏):
 まず,ビックリするニュースがあったんだよ。Reiner Knizia(ライナー・クニーツィア)が「ルーンクエスト」のゲームを作るっていう。彼とは友達なので,どんなゲームにするのか聞きに行きましたけど,カードゲームらしいですね。あれはもともとボードゲームだったわけだから,僕としては「なるほど」って感じですが,あれをまたボードゲームに戻すのは大変じゃないかな(笑)。

※1978年にChaosiumから発売された本格ファンタジーTRPG。日本ではホビージャパンから日本語訳が発売されていた。しかし,その背景世界であるGloranthaは,1975年に発売されたウォーゲーム「White Bear and Red Moon」が初出であり,安田氏の言及はこの作品についてのもの。

4Gamer:
 おお,それはビッグニュースですね。

安田氏:
 去年はSandy Petersen(サンディ・ピーターセン)が「クトゥルフの呼び声」のボードゲーム(関連記事)を発表しましたし,「マジック:ザ・ギャザリング」もボードゲーム版(関連記事)が発売され,そういう流れが続いてるように思います。これは本当に重要なことで,RPGのようなストーリーゲームとボードゲーム,カードゲームが融合して,新しい次元に向かっているということなんですよ。そうした動きが,今年もまざまざと伝わってきて,僕としてはとても嬉しいです。まぁ,こんなこと言うと「安田はTRPG寄りだから」って言われそうですけど(笑)。

4Gamer:
 ストーリーゲームという点では,今年はフランスのパブリッシャであるAsmodeeの「T.I.M.E Stories」がとても目立っているように感じました。ブースでも大々的にプロモーションしていましたし。

安田氏:
 そうですね。フランスのボードゲームは今元気がいいんだけど,これはAsmodeeが,いろいろなメーカーとしっかりした協業体制を作っているからなんです。マネジメントはAsmodeeがしっかりとやるから,個々のクリエイターは自分のクリエーションにしっかり集中できる。その動きが,ここに来て実を結び始めたんでしょうね。グループSNEも,フランスのパブリッシャであるMatagotさんと親しいので,そのあたりの事情も聞こえています。

4Gamer:
 なるほど,そういうつながりで。

安田氏:
 ともあれ,「T.I.M.E Stories」にはとても期待できますね。まだ僕も遊べてないですけど(苦笑)。

4Gamer:
 「T.I.M.E Stories」については,デザイナーのManuel Rozoy氏に少しだけ話を聞いたのですが,名刺をもらったらUbisoftの名刺で驚きました。彼の話は,これとは別の形で記事にしようと思っているんです。

お洒落なボックスが印象的な「T.I.M.E Stories」と,デザイナーのManuel Rozoy氏(左写真)。ミッションが成功するまで,何度でも時間遡行して状況を繰り返すストーリーゲームだ
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安田氏:
 ああ,そうだったんですか。しかしこれもまた,大きな流れの一つですよね。コンピューターゲームの会社が,ボードゲームにも入ってくるという。そもそも,人類にとって一番古いゲームはボードゲームなのだから,実験的なことや冒険的なことは,ボードゲームでやるのが一番簡単なんですよ。コンピューターゲームは,ゲームの形としては一番新しいものだから,皆が注目して,その内側でさまざま試みが行われてきましたが,ゲームで大事なのはやっぱりシステムですからね。コンピューターゲームの世界が,ゲームの原点であるボードゲームやカードゲームに注目するようになるのも,ある意味自然な流れです。

4Gamer:
 GDCやCEDECのような場でも,昨今はボードゲームデザインのワークショップが開かれることが珍しくなくなりました。

安田氏:
 そうでしょう。その上でSPIELのすごいところって,全世界からゲームが集まってくるところなんですよ。アジアに限っても中国や韓国,台湾,そして日本から出展があります。日本も急成長してますけど,最近は中国がすごいですね。個人的には,インドなんかもこれから伸びるんじゃないかなと期待してるんですけど。この世界的な広がりが,実はすごく重要で,とくに今のドイツゲームにとっては,ものすごく意味が大きいと思っています。

4Gamer:
 と,言いますと?

安田氏:
 今現在,ドイツゲームではワーカープレイスメントゲームが流行していますよね。あれはとてもロジカルで,まさにドイツ人が得意なメカニクスですけど,ここ2〜3年で,それが行き過ぎてしまったように感じています。その結果として,ライトなファミリー向けゲームと,ガチガチのゲーマー向けのゲームが乖離を始めているんじゃないかと。

※各プレイヤーが手元のワーカーコマを,さまざまな仕事を示す盤面のマスに割り振って配置していくことで,行動を選択していくタイプのゲーム。

ガチガチな論理ゲーム系の新作「SteamTime」(KOSMOS)
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4Gamer:
 ああ,なるほど。

安田氏:
 一方で世界に目を向けると,アメリカはよりストーリーを重視していたり,あるいはサイコロが生み出す乱数のダイナミズムにフォーカスしているようなタイトルが多い。フランスはセンスの良さや,アイデアの素晴らしさがウリですね。そういった世界の潮流のほうが,ここドイツの流行よりも,多くのプレイヤーに届きやすいゲームを生み出す素地として機能しはじめている。それが,ここ最近のトレンドかなって感じています。

4Gamer:
 日本のゲームマーケットを下地に生まれた“ミニマリズム”の流行も,そうした潮流の一つですね(関連記事)。

安田氏:
 ええ。念のため言っておくと,「ロジック重視」のドイツが行き詰まりつつあるというのは,僕だけの感想じゃないんですよ。実際,ドイツ産のゲームは,去年あたりから数字的な面でもいろいろと苦しくなりつつあるようです。

4Gamer:
 カジュアル向けとゲーマー向けゲームの乖離については,「Puerto Rico(プエルトリコ)」がドイツゲーム賞を受賞した2002年あたりから,はっきりと現れてきているように感じます。あの年のドイツ年間ゲーム大賞は「Villa Paletti」でしたし

※ドイツゲーム賞はゲームファン投票によって決まるためマニア向けゲームが選ばれやすく,ドイツ年間ゲーム大賞は審査員投票であるため一般向けのゲームが選ばれやすい,と言われている。“重たい”ルールで遊びごたえを追求した「Puerto Rico」に対し,見た目にも楽しいバランスゲームの「Villa Paletti」が選ばれた2002年は,とくにこの傾向が顕著に現れていた。

安田氏:
 うん。あの2002年の分裂から,ドイツは未だに立ち直れてないんだよね。ときたま「ドミニオン」「パンデミック」みたいに,その間をとったようなゲームは生まれてくるんだけど,それもアメリカからですし。

「Pandemic」シリーズのの新作「Pandemic Legacy」(Z-man Games)
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4Gamer:
 ではドイツのゲームは,今やや閉塞的な状況にあるわけですか。

安田氏:
 そう。そしてだからこそ,ボードゲームが世界に広がったことの意味が大きいんです。 ゲームって,実際にプレイヤーが遊ぶことによってはじめて体験できるものじゃないですか。もちろんお国柄もあって,国によってウケるウケないの差もあるけれど,それでもほかのジャンルより圧倒的に「共通の体験」になりやすい。

4Gamer:
 ほかのジャンルというと,漫画とかアニメとか,小説などでしょうか。確かにボードゲームは言語依存が少ないものが多いので,言葉が通じなくてもいっしょに遊べたりしますよね。

安田氏:
 そう。僕は小説の翻訳もやるけれど,小説とゲームを比べると,ゲームのほうが圧倒的に共通体験が生まれやすい。そうするとね,世界に広がったボードゲームが生みだした成果を,今度はドイツのゲームが取り込めるわけです。それが,僕が思う「ボードゲームが世界に広がった意味の大きさ」で,だから,ドイツゲームは今ちょっと行き詰まりつつあるけれど,それに対してはそんなに不安を感じていないんです。

4Gamer:
 世界に広まった分,返ってくるものも大きいと。

安田氏:
 そうそう。ドイツ側でも,新しい動きは見え始めていますしね。ゲームデザイナーも,どんどん新しい人が出てきている。2013年のドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門をとった「アンドールの伝説」なんか,デザイナーは有名なイラストレーターですし。日本で言ったら,末弥 純さんがボードゲームをデザインして,大賞取っちゃった,みたいな感じですよ(笑)。


SPIEL’15の注目タイトルと,創立30周年を迎えるグループSNEの挑戦


4Gamer:
 ドイツにフランス,アメリカや日本でのボードゲームの特徴はなんとなく分かったのですが,そのほかの地域はどうでしょう。何か掘り出し物は見つかりましたか?

安田氏:
 東欧が面白いですね。東欧って昔からドイツゲームを遊んでた地域だから,基本は論理的なゲームが多いんですけど。でも,彼らは物語的な面白さを重視する傾向があるように思えます。例えば,4色のコマを使う場合だったら,それぞれのコマに勢力ごとの背景設定が決まっていたりとか。

東欧のマニアックなゲームといえばコレ,長大かつ濃密なプレイ時間を誇る文明ビルダー「Through the Age」の最新版だ
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4Gamer:
 フィンランドやポーランド,ルーマニア,チェコといった国からは,今年も数多くのメーカーがSPIELに出展しているようです。

安田氏:
 あとはイタリアかな。イタリアのデベロッパは「アイデアは良いけど,それ以外はちょっと……」みたいなことが多いんだけど,「011」っていうゲームはビジュアルもシステムも良くて,印象深かった。あれは2011年のゲームだけど,これから先,まだまだ期待できると思います。

4Gamer:
 今年のSPIELで見かけたもので,これというタイトルはありましたか。

安田氏:
 繰り返しになってしまうけれど,タイトルとしてはやっぱりアメリカが面白いですね。Praid Hat Gamesが出していた「Tail Feathers」っていうゲームなんか,とにかくフィギュアの出来が素晴らしくて。あと,あちらの場合はKickstarter発のゲームが多いので,何が出てくるか分からない楽しさもあります。ちょっと混沌としすぎてる気もするけど(笑)。

Praid Hut Gamesの新作「Tail Feathers」。フィギュアが大きいので,必然的にゲームボードも非常に大きい
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4Gamer:
 ああ,今年はKickstarter自身もブースを構えていますね。

安田氏:
 ストーリーゲームの括りだと,これもアメリカですけどMayfair Gamesの「Mystery! Motive for Murder」っていうゲームが面白そうだったかな。デザイナーは「Betrayal at House on the Hill」Bruce Glasscoで,タイトルどおりミステリー系の推理ゲームなんだけど,この手のゲームにありがちな動機や手がかりを集めて行くんじゃなくて,人間関係から洗っていくんですよ。要は「Why」と「Who」に注目したゲームで,これはとても興味深いですね。

4Gamer:
 おお,それはチェックしていませんでした。あとで見に行ってみようと思います。

安田氏:
 ただ,ストーリーゲームがミステリものに寄り過ぎてるような気がして,そこは少し残念です。もう少しファンタジーやホラーもと思ったんですが,ミステリ系が多くて(苦笑)。

4Gamer:
 SPIELの会場に入って最初に目にするのが,「ミステリウム」の大きな試遊ブースというくらいですしね。ちなみに,グループSNEとしての手応えはいかがですか。ブース出展は今年が初とのことですが。

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Mayfairの「Mystery! Motive for Murder」。水道管ゲームの要領で,人間関係をつなぎながら推理を進めていく。カードを見ているだけでも楽しいゲームだ
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会場の入口に大きなブースを構えてプロモーションしていた「Dixsit」風推理ゲーム「ミステリウム」。すでにホビージャパンから日本語版も発売されている

安田氏:
 今年グループSNEが出展した理由は,大きく分けて3つあるんです。1つ目は,ボードゲームの海外事情をウォッチするため。2つ目は,海外のゲームを日本に紹介するパブリッシャとして。3つ目が,日本のゲームを世界に発信しようという試みです。とくに重視しているのは3つ目で,そのためにブース出展を決めました。

4Gamer:
 なるほど。

安田氏:
 1つ目と2つ目は,この20年くらいのあいだ,僕がいち参加者としてやってきたことなんですが,そろそろ日本のゲームを世界に発信していかなくちゃないけないな,と。それでSPIEL出展の先輩である近藤局長(冒険企画局代表 近藤功司氏)に教えを請う形で,合同ブースを出すことにしました。今,こうしてインタビューを受けているこの場所も,世界各国のメディアさんやパブリッシャさんと話をしようと思い,用意したスペースでもあるんですよ。

冒険企画局の近藤局長によるSPIELの新作が,こちらの「25」。神経衰弱系のゲームだが,推理や賭けの要素も含まれているとのこと
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4Gamer:
 海外のメディアやパブリッシャの反応は,実際のところいががでしたか。

安田氏:
 良いですね。やはり出展者として,自分達が何者であるかがハッキリとアピールできるというのは,デベロッパとしてのグループSNEを理解してもらう上で,大きな強みになります。懇意にしてる海外のショップさんなんかとも話をしながら,いろいろと話を進めているところです。

4Gamer:
 その「いろいろ」の部分を,可能な範囲でもう少しお話しいただけませんか?

安田氏:
 それは,まだ言えないですね(苦笑)。ああ,でもTRPG関連で少しビッグなニュースがありますよ。TRPGファンの皆さんからは「安田はもうボードゲームの人だから」みたいなこと言われちゃってますけど,そんなことないですから!

4Gamer:
 おお,それは?

安田氏:
 「トンネルズ&トロールズ」(以下,T&T)最新完全版の日本語展開を,グループSNEで手がけることが決まりました。さっきFlying BuffaloのRick Loomis(リック・ルーミス)と話を詰めてきたので,これは発表しても構わないです。詳しいことは日本に戻ってからですが,グループSNEと冒険企画局の共同で日本語版をお届けしていく予定ですので,皆さんお楽しみに。

※D&Dに並ぶ歴史を持つTRPG「Tunnels&Trolls」のこと。かつての日本語版は,安田氏の監修の元,1987年に社会思想社から発売されていた。最新作となる完全版「Deluxe Tunnels&Trolls」は,2013年1月にKickstarterで企画が立ち上がると即座に目標金額を達成。海外では2015年8月に正式版がリリースされた。

海外で発売済みの英語版「Deluxe Tunnels & Trolls」。これまで触れられることのなかった背景世界「Troll World」についても,詳細な解説が含まれているという
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こちらは,かつて社会思想社から発売されていた日本語版の「T&T」。30〜40代の読者なら,懐かしさを覚える人も少なくないのでは?
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4Gamer:
 「T&T」は,我々も中学生の頃に,かなり遊ばせていただきました。そういえば,当時も「ウォーロック」誌(社会思想社)の編集長だった(現・冒険企画局の)近藤局長との共同サポート体制でしたね。いやしかし,ボードゲームにカードゲーム,そしてTRPGと大忙しですね。

安田氏:
 僕はね,今の時代,「ボードゲームだから」「TRPGだから」あるいは「コンピューターゲームだから」という括りで区別するのは,もう古いと思っているんです。そういうタコツボを堀りあっている時代じゃないでしょうと。どのゲームジャンルにも,ほかのものと通じる楽しさがあります。ボードゲームだって,そいう楽しさを分かち合う一員じゃないですか。

4Gamer:
 それは自分も強く感じます。

安田氏:
 もちろんね,それぞれの特徴を失ってしまってはダメですよ。でもそれと同じくらい,特徴だけを強調しても仕方ない。同じことは,ドイツのゲームだとか,アメリカのゲームだとかの区分けにも言えて,そういうグローバリズムが持つ良いところを,積極的に取り入れていかなくちゃいけない。ですから,グループSNEもいろいろ作っていきます(笑)。

4Gamer:
 大いに期待したいと思います。では最後になりますが,4Gamerの読者にメッセージなどがありましたら,お願いできますでしょうか。

安田氏:
 僕はね,4Gamerさんの読者の皆さんこそ,新しいことが大好きな人達だと思っているんですよ。だから,アナログゲームやコンピューターゲームの垣根なんか気にしないで,面白いものをどんどん体験していってほしいですね。それで,そこから新しいものを作り出していってほしい。我々も頑張りますから。

4Gamer:
 本日はお忙しいところ,本当にありがとうございました!

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