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7 Wonders: Duel
  • 発売日:2015/10/08
  • 価格:21.95ドル
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印刷2015/11/02 23:59

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「7 Wonders: Duel」をリリースしたAntoine Bauza氏に聞く,最新作あれこれ。「進撃の巨人ボードゲーム」やゲームマーケットでの新作も準備中?

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 Antoine Bauza(アントワン・ボザ)氏と言えば,「7 Wonders(邦題:世界の七不思議)」「Hanabi」といったタイトルで知られる,フランスの気鋭ゲームデザイナーだ。大の日本通でもある氏は,2015年5月に行われた「ゲームマーケット2015春」に来場し,トークステージを行ったこともあり,アナログゲームファンならその名前を知っている人も少なくないだろう。その作品は今なお多くの国で愛され,世界中にファンを生み続けている。

 SPIEL’15会場では,そんな氏の新作「7 Wonders: Duel」(Repos Production)のプロモーションが大々的になされており,来場者の注目を集めていた。またボザ氏の作品では,「TOKAIDO」の拡張「TOKAIDO: Matsuri」「TAKENOKO(邦題:タケノコ)」の拡張「TAKENOKO CHiBis」といったタイトルも,会場の各所で試遊台が用意され,多くのファンがプレイに興じているようだった。

 今回4Gamerでは,そんなBauza氏をSPIEL会場でつかまえ,話を聞く事ができたので,その模様をお伝えしていこう。同席してもらったのはBauza氏と,その友人でもあり,「TAKENOKO CHiBis」の共同デザイナーでもあるCorentin Lebrat氏だ。新作の狙いから,次回作についてまで,根掘り葉掘り聞いてみたので,ボードゲームファンはご一読を。

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Antoine Bauza氏(右)とCorentin Lebrat氏(左)。SPIEL’15の3日目終了後,日本のゲームが多数出展されているヤポンブランドブースを訪ねてきた両氏をつかまえてのインタビューとなった
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ホビージャパン「タケノコ」製品ページ

ホビージャパン「世界の七不思議」製品ページ



競技性にフォーカスした「7 Wonders: Duel」


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは「7 Wonders: Duel」(以下,Duel)についてお聞きしたいのですが,元となった「7 Wonders」が2〜7人で遊ぶゲームだったのに対し,同作は2人対戦型のゲームとのこと。制作に至るきっかけからお話いただけますか。

Antoine Bauza氏(以下,Bauza氏):
 ファンの声に応えて,というのがまず大きいですね。「7 Wonders」では何度かサイン会をやったことがあるんだけど,その時に「(7 Wondersは)大好きなんだけど,いつも2人でしか遊べない」という意見を聞くことが多くて。なので,2人でもしっかり遊べる「7 Wonders」を作りたいと思い,「Duel」をデザインすることにしました。

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4Gamer:
 「7 Wonders」は確かに2人でもプレイできますが,本来はもっと大人数で遊んだほうが面白いゲームですね。「Duel」については,実はまだプレイできていないのですが,ルールを拝見したかぎり,かなり競技性が高いゲームのように感じました。

Bauza氏:
 ええ。僕には「2人用ゲームとはコンペティティブなもの」というイメージがあるんですよ。なので,「Duel」もその傾向が強いと思います。

4Gamer:
 「7 Wonders: Duel」最大の特徴が「2人でもちゃんと遊べる7 Wonders」なのは理解したのですが、それ以外に特徴はありますか?

Bauza氏:
 一番強く言いたいのは,「Duel」は「7 Wonders」の拡張セットではないということです。当然それ単体でプレイが可能ですし,ルール的にも独立したものになっています。でも,だからといって「7 Wonders」とまるで違うゲームというわけでもない。

4Gamer:
 「7 Wonders」のプレイ経験も活きる,と。

Bauza氏:
 このタイトルは,「7 Wonderes」のプレイヤーに楽しんでもらいたいというのが第一の目標ですからね。「7 Wonders」プレイヤーなら,プレイ風景を横から見ているだけで,ゲームの全貌がなんとなく分るはずです。そういう意味では,理解しやすいゲームであるとも言えますね。

さまざまな建造物が書かれた手札から1枚を選んで建造し,これを繰り返すことで文明を発展させていくカードドラフトゲームの名作「7 Wonders」。「Duel」では,これを2人対戦に特化させるにあたり,カードドラフト形式に大幅に手が加えられている。「7 Wonders」では選ばなかった手札を次のプレイヤーに回していく方式だったが,「Duel」では場にオープンされたカードから,欲しいカードを1枚ずつ選んでいく形に。TCG用語で言えば,ブースタードラフトからロチェスタードラフトになったといえば,伝わりやすいだろうか。これにより,より深い読み合いが発生するわけだ
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豪華なコンポーネントとアートワークが魅力の「TOKAIDO」&「TAKENOKO」


4Gamer:
 「TOKAIDO」と「TAKENOKO」についても少し聞かせてください。まず「TOKAIDO」についてですが,今回リリースされた「COLLECTOR'S EDITION」は,Kickstarter発のプロジェクトとのこと。

Bauza氏:
 ええ。「TOKAIDO」自体は2012年にリリースしたタイトルですが,「COLLECTOR'S EDITION」では,多くのフィギュアを同梱しています。中には金属で作られたコンポーネントもあって,BGM用のCDまで付属しているんです。さらにはストレッチゴールを達成したことによって,拡張セットである「Matsuri」まで制作することができました。

「TOKAIDO」は,タイトルどおり日本の「東海道五十三次」をモチーフにした,すごろく風のボードゲーム。とはいえ早くゴールに辿り着くのが目的ではなく,途中で立ち寄った土地の風景や食べ物,お土産などのカード集めながら,ゆっくりと旅を楽しむのが勝利条件となっている。より多くのカードを集め,旅行を満喫した人が勝ちというわけである。ちなみに作中に登場する用語などは,ヤポンブランドの健部伸明氏が監修しているとのこと
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4Gamer:
 「Matsuri」はどんな拡張なのでしょうか。

Bauza氏:
 「Matsuri」はタイトルどおり,日本のお祭りにスポットを当てた拡張セットです。カードとして祇園祭や御船祭,獅子舞,ひな祭りなどが入っています。ゲームの構造を変えてしまうようなものではなく,ゲームの深みを増すタイプの拡張ですね。プレイヤーが採れる戦略の幅が広がるというわけです。

「TOKAIDO COLLECTOR'S EDITION」にサインをするBauza氏
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4Gamer:
 分かりました。では「TAKENOKO」についてはいかがでしょうか。先頃拡張セットの「TAKENOKO CHiBis」(以下,CHiBis)がリリースされましたが,日本語版はまだ発売されていません。どんな拡張なのか教えてもらえますか。

「TAKENOKO CHiBis」
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Bauza氏:
 まず基本セットの「TAKENOKO」は,土地に水を引いて竹を育て,ときにパンダにそれを食べてもらいながら,竹林を育てていくというゲームです。ルール的にはとても簡単で,どちらかというとボードゲーム初心者向けのタイトルですね。拡張セットの「CHiBis」では,ここに赤ちゃんパンダとお母さんパンダという要素が加わり,少しだけ複雑な駆け引きができるようになっています。

4Gamer:
 「TAKENOKO」は家族で楽しめる,手軽なボードゲームという側面が強かったと思いますが,「CHiBis」で戦略性が増したわけですね。

Bauza氏:
 とはいえ,拡張セットを含めても1プレイにかかる時間は45分ほど。初回プレイでも1時間もあれば遊べます。

4Gamer:
 それは嬉しいですね。ところで,「CHiBis」はLebratさんとの共同デザインとのことですが,Lebratさんはどういったことを担当されたのですか。

Bauza氏:
 パブリッシャから,拡張セットを作ってほしいという要望をずっともらっていたんですが,そのアイデアが自分にはイメージできなかったんですね。でもLebratと話してみたら,彼が良いアイデアを持っていた。それで彼の協力のもと,「CHiBis」をリリースできたというわけです。

4Gamer:
 ああ,なるほど。ところで「TOKAIDO」もそうでしたが,この「TAKENOKO CHiBis」はアートワークがとくに魅力的ですよね。ポップなデザインで,独特な味わいがあります。こういったアートディレクションはどんな形で進められたのでしょうか。

Lebrat氏:
 「CHiBis」のアートワークは,箱とタイル,それからカードで3人の異なるイラストレーターに担当してもらいました。全体のディレクションはBombyxで,製造はMatagotが行っています。

4Gamer:
 なるほど。同梱のフィギュアも可愛らしくて,素晴らしいと思います。ぜひ日本でも早く出してほしいですね。ところでタイトルのTAKENOKOについてなんですが……タケノコってフランスでも食べられるものですか?

Lebrat氏:
 フランスには,世界最大級のタケノコ産地があるんですよ。でも,フランス国内では売ってもいませんし,アジア料理の専門店にでもいかないと食べられないですね。ちなみにゲームのテーマは,Bauzaが日本に行ったとき,上野のパンダを見て思いついたそうですよ。

Bauza氏:
 ああ,うん。そうそう(笑)。

4Gamer:
 なるほど。中国テイストを強く感じるタイトルでもありますが,生まれたきっかけは日本にあったんですね(笑)。

「TAKENOKO」は,大陸から日本の将軍に贈られたパンダを飼うために,竹林を育てていくとという,竹林造営ゲーム。プレイヤーは庭師となって,それぞれ異なる勝利条件の達成を目指しながら,六角形のタイルをつなげて竹林を造成していくことになる。可愛らしいパンダのフィギュアや,にょきにょき伸びる(積み重ねていく)タケノコフィギュアなど,コンポーネントが楽しいタイトルだ
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「進撃の巨人 ボードゲーム」とゲームマーケット


4Gamer:
 実はもう一つ,ぜひお話を聞いてみたいタイトルがあります。SPIEL’15には出展がないようですが,Bauzaさんは現在,「進撃の巨人」をテーマにしたボードゲームを制作されていると聞いています。こちらの制作状況について可能な範囲でいいので聞かせていただけませんか。

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Bauza氏:
 実はゲームシステム自体はほぼ完成していまして,細かな調整もクリスマス時期には終わる見込みでいます。ただ,アートワークが追加で必要になる部分があって,どちらかといえば,こっちに時間がかかるかもしれません。

4Gamer:
 製品としてのリリース時期は,いつ頃になりますか。

Bauza氏:
 目標としては,2016年夏を目指しています。ただ,ヨーロッパとアメリカでの話なので,アジアは今のところ未定ですね。

4Gamer:
 ううむ,それは少し残念ですね。ちなみに,システム的にはどんなゲームなんでしょうか。対戦なのか協力プレイなのか,気になっている人も多いと思うのですが。

Bauza氏:
 プレイヤーの1人が巨人となり,残りのプレイヤーが調査兵団の兵士となって戦う,いわゆる非対称型の対戦ゲームになります。プレイ人数は3〜5人で,1ゲームは30分ほどになる見込みです。

4Gamer:
 非対称型! なるほど,それは面白いですね。1プレイ30分ほどなら,プレイヤーが順番に巨人になって遊ぶこともできそうですし。ところで,「進撃の巨人」ってフランスでも知られているんでしょうか。

Bauza氏:
 ええ。アメリカやフランスでは,とくに人気があります。日本の漫画の読書量で言えば,フランスは日本に次ぐ2位の国だと聞きますし,個人的にも,文化的な影響は大きいと感じます。

4Gamer:
 2015年春のゲームマーケットにいらしたときも,そんな話をされていましたね(関連記事)。ちなみに,ゲームマーケットに参加してみて,どう思われましたか。

Bauza氏:
 いや,素晴らしいイベントだと思いました。たくさんの優れたゲームが出展されていて……これは僕もゲームマーケット用のゲームを作らなきゃダメだって思ったくらい。なので,今後のゲームマーケットには,僕も出展者として参加したいと思っています。

4Gamer:
 えっ! それはまた,日本のファンには嬉しいニュースですね。では秋のゲームマーケットに?

Bauza氏:
 いや,さすがに秋には間に合わないですが,いつか僕とLebratで作ったゲームを持って遊びに行こうと思っています。そのときは,ゲームマーケットが全世界で初売りの作品になると思うので,日本のボードゲームファンはぜひ立ち寄ってくれると嬉しいですね。

4Gamer:
 そのときには,自分も必ず遊びに行きます。本日はありがとうございました!

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