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【PR】LenovoのノートPC「Legion 560 Pro」は,高性能に加えて使い勝手の良さにもこだわった死角のないゲームPCである
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印刷2021/08/31 12:00

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【PR】LenovoのノートPC「Legion 560 Pro」は,高性能に加えて使い勝手の良さにもこだわった死角のないゲームPCである

画像集#002のサムネイル/【PR】LenovoのノートPC「Legion 560 Pro」は,高性能に加えて使い勝手の良さにもこだわった死角のないゲームPCである

 ゲーマー向けノートPCを購入するきっかけは人それぞれだと思うが,メインのPCゲーム機として購入する場合と,デスクトップPCを補完するサブ機として購入する場合が多いかと思う。サブ機ならともかく,メインのPCゲーム機として使いたいなら,多くのPCゲームが快適に動作する性能はもちろんのこと,ゲームに適したサイズとスペックのディスプレイといった,充実した要素が求められるだろう。

 本稿では,メインのPCゲーム機として使える性能のゲーマー向けノートPCとしてLenovo製の「Legion 560 Pro(16.0型)」(以下,Legion 560 Pro)を紹介したい。

Legion 560 Pro(16.0型)(16.0型,型番:82JQ005PJP)
メーカー:Lenovo
問い合わせ先:ショッピングヘルプ
実勢価格:23万円前後(※2020年8月31日現在)
画像集#003のサムネイル/【PR】LenovoのノートPC「Legion 560 Pro」は,高性能に加えて使い勝手の良さにもこだわった死角のないゲームPCである

 Lenovoというと,お堅いビジネス向けPCのイメージが強いメーカーだが,ゲーマー向けブランドの「Legion」は,2021年で4年目を迎えており,ゲーマーにとっても無視できない存在になりつつある。そんなLegionにおける最新ノートPCの実力をチェックしてみよう。

LenovoのLegion 560 Pro製品情報ページ



第3世代Ryzenを搭載した高性能ノートPC


 Lenovoのゲーマー向けノートPCラインナップは,ハイエンド市場向けのLegion 700シリーズと,ミドルクラス市場向けのLegion 500シリーズに大別される。本稿で紹介するLegion 560 Proは,Legion 500シリーズではあるが,Lenovoが「プロレベルのゲーム向けノートPC」と謳っているとおり,比較的手頃な価格ながらも,高いゲーム性能を実現しているアッパーミドルクラスのゲーマー向けノートPCだ。

16インチのディスプレイを内蔵するLegion 560 Pro
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 写真を見てのとおり,Legion 560 Proは10キー付きのキーボードと,16インチサイズのディスプレイを内蔵した製品だ。まずは,そのスペックをざっくりとまとめておこう。

「CPU-Z」でLegion 560 ProのCPUスペックを確認したところ
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 Legion 560 Proが採用するCPUは,「AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー」(以下,Ryzen 7 5800H)だ。最高クラスのゲーム性能を誇る第3世代「Zen 3」コアを採用する8コア16スレッド対応のノートPC向けCPUで,定格クロックは3.2GHz,最大クロック4.4GHzという仕様だ。
 PCメーカーが製品の冷却性能に合わせて設定できる「Configurable TDP」(cTDP)をサポートしており,Ryzen 7 5800Hでは35〜45Wの範囲で設定できる。本機は大型かつ高性能な冷却システムを採用しているので,CPUの性能を最大に発揮できる45Wの設定となっていた。


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“AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー、
世界最高のモバイル・ゲーミング・プロセッサーで、最高のパフォーマンスおよび妥協のないバッテリーライフをご体験ください”

 Ryzen 7 5800Hと組み合わせるメインメモリには,容量16GBのDDR4-3200メモリを搭載している。AMDのRyzenシリーズは,CPUの内部バスとメモリクロックが同期しているため,メモリクロックが高いほど性能を発揮しやすい。Legion 560 Proでは,出荷時からノートPC向けとしては高クロックと言えるDDR4-3200を採用していることも特徴と言えようか。

「GPU-Z」でLegion 560 ProのGPUスペックを確認したところ
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 CPUの次はGPUだ。Legion 560 Proは単体GPUとして,NVIDIA製の「GeForce RTX™ 3070 Laptop GPU」(以下,GeForce RTX 3070)を搭載している。
 GeForce RTX 3070は,演算ユニットであるCUDAコア数が5120基で,デスクトップPC向けGeForce RTX 3070と比べて,約87%の規模を持つGPUだ。Legion 560 Proでの動作クロックは,ブーストクロックがNVIDIAの定格値である1560MHzに設定されていた。グラフィックスメモリには,容量8GBのGDDR6メモリを搭載する。

 なお,Ryzen 7 5800Hは,統合型グラフィックス機能(以下,統合型GPU)として,Vegaアーキテクチャ世代の「Radeon™ Graphics」(以下,Radeon Graphics)を内蔵しているのだが,モバイル用途よりもゲーム性能を重視したLegion 560 Proでは,統合GPUを無効化している。常にGeForce RTX 3070が使われるので,バッテリーでの駆動時間は不利になるが,ゲームが単体GPU側を使ってくれないというまれなトラブルが生じないので,デスクトップPCと同じように安心して使える設計だ。据え置きで使うことの多いゲームノートPCとして,バッテリー駆動は補助と割り切った設計であり,ゲーマーがメインPCとして使うにふさわしい製品とも言えるだろう。

 そのほかのスペックを簡単にまとめておこう。試用機はストレージとして,PCI Express(以下,PCIe)x4接続で容量512GBを搭載していたが容量1TBのSSDを搭載するモデルも存在する。512GBモデルの場合,やはり容量が大きめのゲームを複数インストールすると,少し空き容量がきつくなる。幅広いゲームタイトルをプレイしたいのであれば,1TBモデルをお勧めしたい。

評価機におけるCrystalDiskMarkのスコア
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 ただ,512GBモデルもストレージ性能は非常に高い。ストレージベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で調べたところ,逐次読み出し性能は約3400MB/s,逐次書き込み性能は2700MB/sなど,PCIe x4接続SSDらしいスコアを記録した。実際,ゲームの起動も高速で,性能面にはまったく不満のないストレージだ。

 ディスプレイには,16インチサイズで2560×1600ドット,アスペクト比16:10のIPS方式パネルを採用する。最大リフレッシュレートは最大165Hzと,ゲーム用に適した高速リフレッシュレートをサポートする。また,リフレッシュレートをGPUの描画タイミングと同期させることで,画面が上下に分断されたように見える「テアリング」や,表示のカクつき(スタッター)のない描画を可能にするNVIDIA独自のディスプレイ同期技術「NVIDIA® G-SYNC®」にも対応している。

内蔵ディスプレイはアスペクト比16:10と,一般的な16:9の液晶パネルよりもやや縦方向に広い
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プリインストールの統合設定ソフト「Lenovo Vantage」で,ディスプレイのオーバードライブを有効にできる
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 特筆すべきは,ゲーマー向け液晶ディスプレイと同様の「オーバードライブ」動作に対応している点だ。オーバードライブとは,液晶パネルを駆動するドライバICを定格以上の電圧で動作させることで,液晶パネルの応答速度を高める機能だ。ゲーマー向け液晶ディスプレイでは定番の機能だが,ノートPCでサポートしている機種は珍しい。ディスプレイ製品も手がけるLenovoらしい点だろう。

 オーバードライブの有効化でディスプレイの応答速度がどの程度速くなるかは未公開だが,体感的にも若干の反応の良さが確認できた。少なくともゲームでは,オーバードライブを有効にしておいて問題なさそうだ。

 そんなLegion 560 Proのスペックをにまとめておこう。

表 Legion 560 Pro(16.0型,82JQ005PJP)の主なスペック
CPU Ryzen 7 5800H(8C16T,定格3.2GHz,最大4.4GHz,共有L3キャッシュ容量16MB
メインメモリ DDR4-3200 SDRAM SO-DIMM 16GB(8GB×2)
グラフィックス GeForce RTX 3070 Laptop GPU(グラフィックスメモリ容量8GB)
Radeon Graphics(CPU統合型)
ストレージ SSD 容量512GB(M.2/PCIe 3.0 x4接続)×1
液晶パネル 16インチ液晶,解像度2560×1600ドット,最大リフレッシュレート165Hz,FreeSync対応,ノングレア(非光沢)
無線LAN Wi-Fi 6
Bluetooth 5.2
有線LAN 1000BASE-T
外部インタフェース USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternate Mode対応)×2,USB 3.0 Type-A×4,HDMI 2.1出力×1,RJ-45(1000BASE-T)×1,4極3.5mmミニピンヘッドセット端子×1
キーボード 日本語配列 84キー
スピーカー 内蔵2chステレオ
インカメラ 搭載(720p,Windows Hello対応)
バッテリー容量 未公開(最大駆動時間 約3.9時間)
ACアダプターー 定格出力300W
公称本体サイズ 約356(W)×264(D)×21.7〜26.85(H)mm
公称本体重量 約2.45kg
OS 64bit版Windows 10 Home


ゲーマー向けPCとして妥協のない機能を搭載


 Legion 560 Proの機能や外見,使い勝手といったあたりを見ていくことにしよう。
 Legion 560 Proの本体サイズは実測で356(W)×265(D)mm。厚さは最厚部で実測約27mmだった。16インチのディスプレイを内蔵するPCとしては,小ぶりなほうだ。

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 重量は実測で約2.45kg。ACアダプターの重量が約920gだったので,本体と合わせて3kgを超える。持ち歩くのは少々厳しいが,家庭内で使いたいところに移動したり,たまに持ち出したりする程度なら可能だろう。据え置きで使うノートPCとしての利用を中心に,たまには外でもゲームをプレイできるゲームPCといった位置づけになりそうだ。

ACアダプターと合わせると3kgをゆうに超える重量級のノートPCだ。ACアダプターのサイズは実測200(W)×100(D)×25(H)mmで,出力300Wという大出力のACアダプターを採用する
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 外周りのデザインはLegionシリーズらしいソリッドで質実剛健なもので,つや消しグレーの天板中央には,LEDイルミネーションを組み込んだLegionのエンブレムが埋め込まれている。

LegionのエンブレムがLEDで浮かび上がる天板
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 Legion 560 Proを細かく見ると,使いやすさのための気配りが行き届いているなと,感心する部分が随所にある。たとえば,背面側に並ぶインタフェース類の上部には,シルク印刷で端子の種類がアイコンと文字で記されているのだ。背面に並ぶインタフェースを直接見なくても,端子の位置と種類が分かるので,地味だが便利である。

背面インタフェースは,上からでも端子の種類と位置が分かるように印刷がある
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 日本向けのLegion 560 Proのキーボードは10キー付きの日本語キー配列がベースだ。[Enter]キーや[BackSpace]キーのあたりが混み合っていることを除けば癖のないつくりで,日本語配列キーボードのユーザーなら,あっという間に慣れるだろう。

Legion 560 Proのキーボードは10キー付きの日本語配列。[Enter]キーのあたりが少し込み入っているのが気になる程度で,メインキーはおおむね標準的な19mmピッチを確保している
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 実は本機のキーボード,ゲーマー向けノートPCの中ではトップクラスと言っても過言ではないほど,打鍵感がしっかりしたものだ。ストロークは1mm強ほどしかないが,キータイプの感触がしっかりあるおかげで,非常にタイプしやすい。ノートPCでは,幅広の[Space]キーが少しぐらついていたりということがあるものだが,Legion 560 Proのキーには,まったくグラつきがないので,端を押しても全体がスカッと沈むこんでくれる。
 さらに,ゲーマー向けPCでは重要な全キー同時押し(Nキーロールオーバー)とアンチゴースティングにも対応しているので,まったく隙がない。

「Aqua's KeyTest」を使い,手のひらでキーボードを押して同時押し状況をチェックした様子。画像では[Y]キーと[K]が反応していないが,単に手が浮いてしまったためで,基本的に全キーの同時押しが可能のようだ
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Lenovo Vantageで10キーにマクロを登録できるが,ゲームよりもコンテンツ制作アプリのショートカットの作成に役立ちそうだ
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 ここまでしっかりしたキーボードを備えるノートPCは,ゲーマー向け専業のPCメーカーでも稀だろう。非常に真面目に作られているなと感心する。
 ただ,キー割り当てのカスタマイズ機能は備えていない。キーボードマクロは,先述したLenovo Vantageで設定が可能だが,マクロを割り当てられるのは10キー部分だけなので,右手でマウスを操作する場合は使いにくいかもしれない。必要であれば,ゲーム側でキー割り当てを変更するのがいいだろう。

 Legion 560 Proの各キーには,カラーLEDイルミネーションが埋め込まれており,発光色や発光パターンのカスタマイズも,Lenovo Vantageを使って行える。設定は比較的シンプルで,5種類のプリセットから発光パターンを選択する仕様だ。発光パターンはキーボード全体か,キーボードを4つに分けたエリアごとのいずれかに対して適用できる。

LEDイルミネーションの発光パターンプリセットは5種類で,任意のものを選択して適用する(左)。発光パターンを適用するエリアは全体か分割の2種類で,分割を選ぶとキーボードが4つのエリアに分かれて,それぞれに発光パターンを適用できる
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 キーボード手前に組み込まれたタッチパッドは,サイズが120(W)×75(H)mmと非常に大きめでジェスチャの操作も楽に行える。またゲーム中にタッチパッドを無効化する「タッチパッドロック」機能も備えている。これは非常にありがたい機能で,ゲーム中にタッチパッドに触れて誤爆するミスを防ぐことができるわけだ。

 外部インタフェースは,筐体が大きめなおかげで本体左右と背面に分散配置されている。使用頻度の高いUSB 3.0 Type-Aポートは4基,USB 3.1 Type-Cは2基と豊富なので,周辺機器をつなげるのに不自由することはないだろう。
 なお,USB 3.0 Type-Aポートのうち背面の1基は,本体の電源がオフでもUSBポートからデバイスに電力を供給できる「Powered USB」仕様だ。スマートフォンの充電に使うときに重宝する。

本体背面。左からRJ-45(有線LAN),USB 3.1 Type-C,USB 3.0 Type-Aが2つ,HDMI 2.1出力,USB 3.0 Type-A(Powered USB仕様),電源コネクタの並びだ
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本体左側面。左からUSB 3.1 Type-C,4極3.5mmミニピンヘッドセット端子がある
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本体右側面。左から電子式プライバシーシャッタースイッチ,USB 3.0 Type-A
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 外部映像出力には,2つのUSB Type-Cを使えるのに加えて,フルサイズのHDMI 2.1出力も装備している。外付けディスプレイや4Kテレビを接続して,大画面でゲームを楽しめるわけだ。

ディスプレイの上端にあるWebカメラ
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 少し面白いのが,右側面にある「電子式プライバシーシャッター」というスイッチだ。これをオンにすると,ディスプレイ上部のベゼルに組み込まれたWebカメラが無効になる。あまりゲームでは使わないと思うが,リモート会議の開始時にカメラを切っておきたいというときに,スイッチをオンにするだけでカメラをオフにできるので便利である。

 サウンドの機能も見ておこう。本体左右にステレオスピーカーを内蔵するのに加えて,ゲームPCやマザーボードでお馴染みのサウンドプロセッサスイート「Nahimic」を採用しているのがポイントだ。

本体底面の前側左右端に埋め込まれたステレオスピーカー。ゲーマー向けノートPCでは定番の配置だ
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 Nahimicは,内蔵スピーカーやヘッドセットでバーチャルサラウンドサウンド出力を実現するほか,マイクのエコーを除去したり,指向性を強化したりできるゲーム向きのサウンドソフトウェアだ。音から敵の位置を画面に示す「サウンドトラッカー」機能も備えるなど,ゲームに特化した機能を持つので,うまく利用するといいだろう。

サウンドプロセッサスイートNahimicのメイン画面(左)。コンテンツに合わせた音色の設定やバーチャルサラウンドサウンド再生を実現する。チャット時にマイクのエコーを除去したり,マイクの指向性を鋭くしてノイズを抑えたりといったことも可能だ(右)。なお,指向性強化はアナログ接続のマイクか本体内蔵マイクのみで,USB接続マイクでは使えない
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 以上のように,Legion 560 Proは前出のディスプレイを始め,キーボード,サウンドとゲームに関わる機能がとても充実している。ゲーマーの満足感は高いと思う。


強力な冷却機構とAIで性能を自動的に最適化


LenovoのWebサイトに掲載されていたLegion Coldfront3.0のイメージ画像
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 GPUやCPU性能を引き出す性能面のポイントを見ていこう。
 Legion 560 Proは「Legion Coldfront3.0」と呼ばれる冷却機構を採用している。試用機をテスト前に分解するわけにはいかなかったので具体的な構造は不明だが,2基の空冷ファンを用いてCPUとGPUを冷却するのに加えて,柔軟なファン回転数変更を可能にする「Q Control4.0」という機能で制御することで,長時間のゲームプレイでも,CPUやGPUのクロックを最大に維持できるとのことだ。

底面奥側がメッシュで覆われた開口部になっていて,そこから吸気していている
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本体後部の両側面と背面の両端に排気孔が設けられている
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 CPUとGPUの性能は,Lenovo Vantageで設定できる「サーマルモード」でカスタマイズできる。サーマルモードは,以下に示す3種類の動作モードから1つを選択する仕組みだ。

  • パフォーマンス・モード:CPUおよびGPUの性能を最大に引き上げる。引き換えに消費電力と冷却機構の騒音が増大する
  • バランス・モード:CPUやGPUの処理性能と消費電力,騒音のバランスを取る
  • 静音モード:CPUとGPUの性能を控えめにして消費電力とファン回転を抑える

 なお,バランス・モードの選択項目にあるチェックボックスをオンにすると,インストール済みのゲームを自動的に検出して,「Lenovo Legion AI Engine」(以下,AI Engine)と呼ばれるAIベースでCPUおよびGPUの性能を設定する機能も備えている。

Lenovo Vantageで選択できる動作モードは,パフォーマンス・モード,バランス・モード,静音モードの3種類がある
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「ネットワークブースト」をオンにすると,ゲーム以外のネットワークトラフィックを抑えてゲームの遅延を低減してくれる
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 さらに,Lenovo Vantageでは,「ネットワークブースト」という機能も利用可能だ。これは,ゲームの動作を自動検出すると,ゲームの通信トラフィック以外を抑える機能で,これによりオンラインゲームの遅延を低減できるという。ゲーム以外はすべて抑制するわけではなく,ゲームと同時に利用したいTwitchやチャットアプリなどは,制限の対象から除外できる。

 このようにLenovo Vantageでは,ゲームを自動で検出してくれるので,ユーザーがゲームをいちいち登録する必要がない。設定がシンプルなので,初心者でも簡単にLegion 560 Proの性能を最大に生かせるだろう。


GeForce RTX 3070を搭載するノートとして高い性能を確認


 それでは,Legion 560 Proの性能を定番のベンチマークでチェックしておこう。今回は4Gamerベンチマークレギュレーション24から,「3DMark」「Watch Dogs Legion」「Call of Duty: Warzone」(以下,CoD Warzone)「Fortnite」「Borderlands 3」「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」(以下,FFXIV 漆黒のヴィランズベンチ)の計5タイトルでテストしてみた。

 サーマルモードは,最高性能のパフォーマンス・モードと,自動設定のバランス・モードを使用した。なお,バランス・モードはデフォルト設定で使っているので,AI Engineは無効の状態だ。AI Engineによる自動調節機能を使わないのは,性能の変化にばらつきがでる可能性があるためだ。
 実画面の解像度は,2560×1440ドット,1920×1080ドット,1600×900ドットの3パターンとした。なお,内蔵ディスプレイでは1600×900ドットに設定できなかったため,ゲームのベンチマークテストには外付けディスプレイを利用した。

 以降,バランス・モードをBalance,パフォーマンス・モードをPerformanceと表記することを断ったうえで,まずは3DMark(Version 2.19.7225)の結果から見ていきたい。
 グラフ1はDirectX 11テストである「Fire Strike」の総合スコアだ。

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 4K解像度相当のFire Strike Ultraは,Balance,Performanceともに6000台後半で,4Kでゲームをプレイするには少し厳しいスコアと言えよう。一方,2560×1440ドット相当のFire Strike Extremeだと12000台,フルHD解像度のFire Strikeでは23000〜24000台で,十分快適にゲームをプレイできるスコアを残した。
 BalanceとPerformanceの差は4〜5%程度で,大きな性能向上幅ではないが,動作モードの切り替えにより有意な差が得られることが分かる。

 続いてグラフ2に,Fire StrikeのGPUテストとなるGraphics scoreを,グラフ3にCPUテストとなるPhysics scoreを,グラフ4にCPUとGPUの双方に負荷をかけるCombined scoreをまとめておこう。

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 これらのグラフで興味深いのは,Graphics ScoreとPhysics ScoreにおけるPerformanceとBalanceのスコア差だろう。
 Graphics Scoreでは,Balanceに対してPerformanceモードで5〜6%のスコア向上が得られた。一方でPhysics Scoreは,ほぼスコアが変わらない。厳密に言うとBalanceのほうがわずかに高い傾向がある。つまり,Legion 560 Proの動作モードは,GPUの動作クロックを引き上げる一方で,CPUの動作クロックはほとんど変えていないのではないだろうか。Combined scoreでも,Fire StrikeにおいてPerformanceとBalanceにほとんど差がない。

 通常,ゲームの性能,とくにフレームレートを左右するのはGPUの影響が大きいので,GPUの性能を引き上げるというのは妥当といえる。ゲーマー向けPCでも,動作モードを高性能側に設定するとCPUの動作クロックを主に引き上げる製品は少なくないのだが,Legion 560 Proは,ゲームのことをよく理解している設計と評価できそうだ。

 次に,3DMarkのDirectX 12テストとなるTime Spyの総合スコアをグラフ5に,Time Spyのグラフィックス性能テストとなるGPU testの結果をグラフ6,CPU性能のテストとなるCPU testの結果をグラフ7にまとめておこう。

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 Time Spyの総合スコアでは,Balanceのスコアに対してPerformanceは約6%の性能向上が見られる。一方,GPU testでは6〜7%程度,CPU testは1〜4%程度の差が付いた。CPUがまったく上がらなかったFire Strikeとは異なり,PerformanceではCPU性能もやや向上しているが,やはりGPU性能の向上分が大きい傾向だ。

 以上を踏まえたうえで,実ゲームにおけるフレームレートを見ていこう。
 まずはWatch Dogs Legionからだ。「最大」設定における平均および最小フレームレートをグラフ8,9,10にまとめている。

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 レギュレーション24におけるWatch Dogs Legionを快適にプレイできるフレームレートの目安は75fps以上で,プレイアブルなフレームレートの目安は60fps以上だ。2560×1440ドットではプレイアブルの目安をクリアできず,1920×1080ドットおよび1600×900ドットでは,快適の目安を超えられなかった。パネル解像度でプレイアブルの目安を超えなかったことから考えると,Legion 560 ProでWatch Dogs Legionを快適にプレイしたければ,レギュレーション24の最大設定より,少しグラフィックスの品質を落としたほうがよさそうだ。

 面白いのは,1920×1080ドットの平均フレームレートと,1600×900ドットではBalanceとPerformanceの差がほぼないこと。1920×1080ドットでは,Performanceで最小フレームレートが向上しているので効果が見られるものの,1600×900ドットではむしろPerformanceのほうが平均フレームレートは低い。Watch Dogs Legionは,CPU性能で平均フレームレートが頭打ちになってしまっている可能性が考えられるだろう。

 続くグラフ11〜13は,CoD Warzoneの高負荷設定におけるフレームレートである。

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 CoD Warzoneは,快適の目安が平均120fps以上,プレイアブルが平均70fps以上であり,1920×1080ドット以下で快適の目安を上回った。Performanceならば,2560×1440ドットも快適の目安に肉薄できるので,十分に合格といえるスコアだろう。
 本作でも,1920×1080ドット以下でPerformanceのスコアに伸びが見られないが,150fps以上が得られていることからすると,こちらもCPU性能が頭打ちとなって,フレームレートが上がらないと見ていい。GPUの性能を引き上げるPerformanceでフレームレートの上昇が見られないのも,納得というところだ。

 次に,Fortniteにおけるグラフィックス設定「最高」の結果をグラフ14〜16に示す。

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 Fortniteでは,快適の目安が平均135fps以上,プレイアブルは70fps以上となり,1920×1080ドットのPerformanceと1600×900ドットで快適をクリアできた。どの解像度でもプレイアブルはクリアしているので,十分に合格といえる。
 Performanceにおけるフレームレートの伸びが大きいのは,Fortniteの特徴だ。とくに1920×1080ドットでは,Balanceに対してPerformanceの平均フレームレートは約23%も高い。このことから,FortniteはGPU寄りのタイトルであると推測できそうだ。

 続いてBorderlands 3の「ウルトラ」設定のスコアを見てみよう(グラフ1719)。

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 Borderlands 3は,60fps以上でプレイアブルとなるが,すべての解像度で目安を上回ることができた。合格といっていいだろう。
 Performanceにおける平均フレームレートも順当に伸びており,Balanceと比べると6〜8%程度高い。

 最後に,FFXIV 漆黒のヴィランズベンチの「最高品質」の結果を見ていこう。グラフ20に総合スコアを,グラフ21〜23に平均および最小フレームレートをまとめている。

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 すべての解像度で,スクウェア・エニックスが「非常に快適」の目安とした7000だけでなく,レギュレーション24における快適の目安である総合スコア9000もクリアした。快適にプレイできること請け合いだ。
 ただ,FFXIV 漆黒のヴィランズベンチでもPerformanceの効果はほとんど見られないか,むしろスコアを落としている。とくに1600×900ドットではPerformanceのスコア低下が著しい。たいていの場合,ノートPCの冷却機構はCPUとGPUをまとめて冷やす仕組みになっているので,一方の発熱がもう一方にも影響しあう。そのため,PerformanceでGPUの性能を引き上げて発熱が増えた結果として,CPU性能が抑え気味になるわけだ。FFXIV 漆黒のヴィランズベンチは,とくに低解像度だとCPU性能でフレームレートが制限されてしまうので,Performanceだとむしろスコアを落とすという,実に納得しやすい傾向になっているわけである。

 最後に,各タイトル実行時の最大消費電力と,ディスプレイのバックライトがオフにならないよう設定したうえで30分間,無操作の状態にしたあとの消費電力をアイドル時として測定した結果をグラフ24にまとめておく。

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 Balance設定時に最大消費電力を記録したのは,3DMark実行時の約200W。Performance設定時はBorderlands 3実行時に記録した約217Wだった。Performance設定時は軒並み200Wを超えているほか,アイドル時も約5Wほど消費電力が上昇する。ここまで見てきたように,一部タイトルではPerformance設定の効果が見られないので,消費電力の観点からもPerformance設定の利用には注意したほうがいいだろう。

 以上,4Gamerベンチマークレギュレーションの主要タイトルの結果を見てきたが,GeForce RTX 3070を搭載するゲーマー向けノートPCとして,Legion 560 Proは,望みうる最高のスコアが得られるとまとめていいだろう。
 注意が必要なのはパフォーマンス・モードの使い方で,GPU性能を優先して引き上げるというLegion 560 Proの特性上,ゲームタイトルによっては,逆にフレームレートが落ちることもあった。パフォーマンス・モードは,GPU性能重視でCPU性能により頭打ちが発生しにくいタイトルでのみ利用するのが良さそうだ。


Legion 560 Proで「NVIDIA Reflex」を有効にして戦いを有利に


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 何度も述べたとおり,Legion 560 Proは,GPUとしてGeForce RTX 3070を搭載しているわけだが,GeForce RTX 30シリーズを利用するメリットはグラフィックス性能や,グラフィックス品質だけに留まらない。とくに,ゲーム用途におけるGeForce RTXシリーズの価値を引き上げる機能として,NVIDIA独自の操作遅延低減技術「NVIDIA Reflex」(以下,Reflex)が挙げられる。

 たとえば,マウスをクリックしてから,ゲーム画面上で実際に射撃が行われるまでの間には,避けられない「操作遅延」が存在する。操作遅延の原因は多岐にわたるが,おおまかにマウスやキーボード自体での遅延や,これらを処理するデバイスドライバによる遅延,OSの処理による遅延,ゲームエンジンの内部処理,GPUによる描画の遅延といった段階に分けられるだろう。

 Reflexは,ゲーム開発者にNVIDIA独自のソフトウェア開発キットを提供してゲーム側に機能を組み込んでもらうことで,ゲームエンジンの内部処理を含めて操作遅延を低減する技術だ。ゲーム側の対応が必要だが,2021年6月の時点で,とくにeスポーツ系を中心に20以上のゲームタイトルがReflexへの対応を完了しており,対応タイトルは順調に増えている。

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 Reflexを使うと,Legion 560 Proではどのような効果が得られるのか。ここではサバイバルFPS「Escape from Tarkov」を使って,簡単に検証してみた。

 ちなみに,Escape from Tarkovでは,設定の「Graphics」タブに「Reflex Low Latency」という設定項目がある。ここでは,「Off」「On」「On and boosts」という3種類の設定があり,OnでReflexによる低遅延化が有効に,On and boostsでは,CPUクロックを引き上げることでCPUに起因する遅延の低減を図るという。
 それに加えてEscape from Tarkovは,NVIDIA独自の遅延計測機能「NVIDIA Reflex Latency Analyzer」(以下,NVIDIA RLA)にも対応しており,ショットを撃つと画面上に白い四角のマーク「Flash Indicator」を表示できるようにもなる。NVIDIA RLA対応のゲーマー向け液晶ディスプレイおよびマウスと組み合わせることで,マウスをクリックしてから,画面上に操作が反映されるまでの総遅延時間を計測できるというわけだ。

Escape from TarkovのGraphicsタブに,Reflexを有効化する設定がある(左)。右はNVIDIA RLAの機能を有効化した状態で,画像の左側に見える白い四角が,銃撃と同時に表示されるFlash Indicatorだ
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 Escape from TarkovでReflexをOnにすると,体感的には若干だが敵を倒しやすくなる印象を受けた。ただ,On and boosts設定はほとんど効果が感じられなかったので,通常はOnにするだけで効果があると見てよさそうである。
 なお,Escape from Tarkovは,2560×1440ドットの解像度でグラフィックス品質を「High」設定にして,おおむね平均75fps以上のフレームレートが得られた。Legion 560 Proでは,本作を高品質な表示で快適にプレイできると言っていい。

 以下にプレイの簡単な動画を掲載しておこう。動画の右側にフレームレートを表示しているので,参考にしてほしい。


 Reflexに対応するタイトルは増え続けている。こうした遅延低減機能を使ってゲームを有利にすすめることができることも,Legion 560 Proの利点と言っていいだろう。


死角が見当たらないゲーマー向けのノートPC


 Legion 560 Proの機能や性能を紹介してきた。GeForce RTX 3070を搭載するノートPCとしてトップクラスの性能を実現すると同時に,高解像度と高リフレッシュレート表示を兼ね備えたディスプレイ,ゲーマー向けキーボードに匹敵する打鍵感と同時押し性能を持つキーボードなど,ゲームに必要な要素をすべて押さえた死角のないゲーマー向けPCとまとめていいだろう。

 家庭で使うゲーム用ノートPCを探しているのなら,Legion 560 Proは候補にあげる価値がある製品だ。

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