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HTCがTGS 2016の出展内容を明らかに。MSIのバックパック型PC「VR One」が初披露された説明会レポート
そこで本稿では,MSIがViveブースに出展予定というVR用バックパック型PC「VR One」(関連記事)の話題を中心に,記者説明会の概要をレポートしたい。
日本初公開のバックパック型PC「VR One」量産モデルをチェック
一方,今回,日本で初公開となったVR Oneの量産型モデルは,まったく異なった外見をしている。まず,ボディ全体は大幅に薄くなり,どことなく「モビルスーツのランドセル」を思い起こさせるような外観となった。サイズの具体的な数値は公表されていないが,重量は専用バッテリー込みで約3.6kgと軽く,説明を担当したMSIのDerek Chen氏は,「通学用のバックパック並み」と表現していた。
実のところMSIは,COMPUTEX TAIPEI 2016で試作機を披露する以前から,量産モデルとなった新しい筐体の開発に取り組んでいたのだという。試作機は,同社内部でも「量産品とするには十分ではない」という意見があったため,バックパック型PCとしてより優れた製品を実現すべく,すべてを捨てて一から作り直すことで,今回のVR Oneを完成させたということだ。
VR Oneで大きな特徴といえるのが,PCの動作中でも交換可能な,ホットスワップ対応の専用バッテリーパックを2個装備していることである。動作中に片方のバッテリー残量がなくなったとしても,PCをシャットダウンすることなくバッテリーパックを外して,空になったバッテリーを充電したり,満充電された予備のバッテリーパック(別売り)と交換したりできるのだ。
バッテリーパック2個合わせて,バッテリー駆動時間は約90分とのこと。イベントやパーティーなどで長時間使うような場合,このバッテリー交換ギミックはかなり役立つだろう。
ただ,リリースやステージの説明では「ホットスワップ対応」と言っていたものの,現場で4Gamerが確認したところ,「ホットスワップには対応せず,バッテリー交換にはWindowsのシャットダウンが必要」という,相反する説明も受けた。どちらの説明が正しいのか,あるいは単に,現場にあった試作機ではできないという話なのか正直判断しかねる状況で,この点については後日確認したい。
PC本体部分と肩にかけるストラップのついた背面パネル部分は分離可能で,必要であれば分離して,据え置き型PCとして使うこともできるという。そのうえ,PC本体部分と背面パネル部分の間には,2cmほどの隙間が空いているので,PCの熱が背中に直接伝わりにくい構造になっているわけだ。
PC部分は,GPUにノートPC用の「GeForce GTX 1070」を,CPUには「Core i7-6820HK」を採用しており,CPUはクロックアップ動作も可能になっているという。
残念ながら内部は見せてもらえなかったのだが,背面側の赤いメッシュ部分が吸気孔となっており,2基の空冷ファンで取り込んだ空気は,本体側面の大きなヒートシンクを経由して左右へ排出する構造になっているそうだ。
VR Oneは,MSIとHTCが緊密に協力して開発されたPCであるため,ViveでのVR体験を改善するための工夫がいくつも盛り込まれている。たとえば,通常,Viveを利用するときには,PCに「Link box」というインタフェースユニットを接続して,HMDはこのLink boxに接続する仕組みになっていた,それがVR OneでViveを使う場合は不要になるという。
加えて,VR Oneの製品ボックスには,PCとViveのHMDを接続するための短い専用ケーブルも同梱されているそうだ。VR One自体はVive専用PCというわけではないので,おそらく専用ケーブルの側に,Link boxを不要にする仕組みが組み込まれているのではないだろうか。
ケーブルの制約から解放されるという利点を考えれば,PC用VR HMDを所有する個人にとっても有用な製品ではあるのだが,はたして,これを買いたいという個人がどれほど国内にいるのか,他人事ながらちょっと心配になってしまう。
なお,MSIは同時に,ノートPC用「GeForce GTX 1060」搭載のゲーマー向けノートPC「GS63VR Stealth Pro」(以下,GS63VR)または「GE62VR Apache Pro」(以下,GE62VR)と,Viveをセットにしたバンドルモデル2シリーズ計4製品を10月上旬に発売することも発表している。PC自体は,2016年8月に発表された同名のノートPCと変わらない。
バンドルモデルの取り扱いは,アプライド,Amazon.co.jp,パソコンショップ アーク,PCワンズ,ビックカメラグループで行われるとのことだ。メーカー想定売価は,GS62VRのバンドルモデル「GS63VR 6RF Stealth Pro-VIVE」が34万5000円前後から,GE62VRのバンドルモデル「GE62VR 6RF Apache Pro-VIVE」が33万5000円前後からとなっている。
Viveブースの見どころをパートナー各社がアピール
VR Oneの話だけでも盛りだくさんになってしまったが,今回の発表会では,HTCと共にViveブースに出展するパートナー企業各社の代表も登壇して,TGS 2016における展示の見どころを説明した。
まず,AMDと組んで出展する講談社は,アイドル育成ゲーム「Hop Step Sing!」のVive対応版を出展する予定だ。ゲーム内では,Viveのワンド型コントローラをペンライトに見立てて振ることで,ステージで歌い踊るアイドルを応援できるという。
なお,このゲームを動かすデモ用PCは,AMDのVRコンテンツ開発用途向けグラフィックスカードである「Radeon Pro Duo」を使用するそうだ。
ドリームキャスト向けダンスゲームとして名高い「スペースチャンネル5」のキャラクターや世界観を生かして,3人のプレイヤー(※実際のデモでは,1人は進行役のスタッフになる)が同時に1つのVR空間に入り込んで,ゲームを楽しめるものになるらしい。
さらに,スクウェア・エニックスは,グリーが開発中であるVive対応ゲーム「乖離性ミリオンアーサーVR」のデモ版を,Viveブースに出展する予定だ(関連記事)。
VR空間上でボスキャラクターとカードバトルで戦ったり,キャラクターとの簡単なコミュニケーションを楽しむものになるという。
そのほかにも,ドスパラとサードウェーブデジノスは,ユーザーサポート重視のゲーマー向けPC「GALLERIA Gamemaster」をViveのデモ用PCとして出展するとのことだ。
TGS 2016のViveブースは,かなりの人気を呼びそうなので,ぜひ体験してみたいデモがあるという人は,なるべく早めに足を運ぶことをお勧めしよう。
HTCのVive公式Webサイト
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