プレイレポート
任天堂のスマホアプリ第1弾「Miitomo」をさっそく体験。どんな人でもコミュニケーションを楽しめる,斬新なSNSになりそうな予感
かねてから話題となっていた,任天堂初のスマホアプリとなる本作は,純然たるゲームではなく,SNSの色合いが濃いものになっている。おなじみの似顔絵キャラクター「Mii」を使い,SNSでの発信にあまり積極的でない人も,コミュニケーションを気軽に楽しめるという特色を持つ本作のプレイレポートを,さっそくお届けしよう。
なお今回はiOS版を,iPhone 6s,およびiPod touch(第6世代)でプレイしている。画面は開発中のもので,配信時には変更されている可能性もあるのでご了承いただきたい。
「Miitomo」公式サイト
「Miitomo」ダウンロードページ
「Miitomo」ダウンロードページ
従来のSNSとはひと味違う,
Miiを介したコミュニケーション
Miitomoは,Miiを使ってはいるが,ニンテンドー3DSの「すれちがいMii広場」や「トモダチコレクション」のようなゲームではなく,前述のとおりSNSの色合いが濃く,ユーザー同士のコミュニケーションを目的としているものだ。
SNSといえば,日本国内ではTwitterやFacebook,Instagram,LINEあたりがメジャーで,自由に発言したり,自身をアピールしたりしつつ,ほかのユーザーとコミュニケーションが取れる手軽なツールとして利用している人も多いことだろう。
その一方で,自分から積極的な発言をしたり,相手とコミュニケーションをしたりするのが,おっくうだったり苦手だったりして,連絡用などの用途のために登録はしてはいるものの,SNS自体はあまり活用していないという人も少なからず存在しているはずだ。
このMiitomoでは,そうした従来のSNSとはひと味違う,任天堂独自の切り口でユーザー同士のコミュニケーションを促すような仕組みを用意している。
プレイヤーはまず,自分の分身であるMiiを作成する。生年月日は変更不可なので,正しく入力しておきたい |
Miiは3DSやWii Uの「Miiスタジオ」と同様の手順でパーツを選んで作れる。体形などの調整も可能だ |
スマホのカメラを使えば,顔認証されて次々と出てくる候補の中から好きなものを選べる。候補がポンポンと飛び出してくる演出も面白い |
3DSやWii Uに登録済みのMiiを使いたいという人は,「Miiスタジオ」で確認できるQRコードを読み込んでもOKだ |
Miiはアプリの中でプレイヤーにボイスで話しかけてくる。その音声のトーンを細かく設定できる |
性格や動きの速さなどを設定すると,そのMiiの個性が決定する。予想したより凝った設定ができるようになっていた |
Miitomoにおけるユーザーのコミュニケーション手段は非常に簡単だ。ユーザーがやるべきことは,画面に登場する自分の分身となるMiiを作成し,そのMiiが自分に問いかけてくる質問に対する「アンサー」を入力するだけ。こうして答えたアンサーの内容は,ユーザーのパーソナルデータとして蓄積され,フレンドになったほかのユーザーに自動的に伝えられるようになっている。
今回体験した限りでは,Miiから質問される内容は,「好きな食べ物」や「気になっているニュース」「最近見た映画」など,個人情報から近況までさまざま。こうしたやりとりをしている間も,Miiはフレンドのアンサーから得た情報を会話に挟み込んでくるので,それに対してコメントしたりハートを付けたり(Facebookの「いいね!」的な要素)することで,ほかのユーザーとのコミュニケーションもとれる,という具合だ。
また,Miiの部屋には時折フレンドが遊びに来ることもあり,そのときは会話をする相手がフレンドとなり,情報を本人(?)から直接聞くことができる。また逆に誰かのスマホに自分のMiiが遊びに行ったりするなど,会話を飽きさせない仕様になっていた。
SNSで自分から積極的に発言するのが苦手という人でも,定期的にMiiからの質問に答えていれば非同期のコミュニケーションが成立するという仕組みになっており,さらに質問の内容次第では,お互いが普段あまり話題にしないようなことについてやりとりできるというのも面白いところだ。
実際のプレイではMiiを作って始めたばかりだったこともあり,比較的オーソドックスな質問が中心だったが,それでもコミュニケーションは十分に楽しむことができ,次にどんな質問が来るのか楽しみになったほどだ。
何より,SNS然とした雰囲気があまり感じられないのが大きな特徴なので,この独特の感触をぜひ多くの人に試してみてほしいところである。
ユーザーが楽しめるのは,もちろん会話だけではない。自分の分身であるMiiを使ったSNSだけに,その見た目を変えて楽しむ要素は当然実装済みで,画面下アイコンの「Miitomoショップ」に行けばトップス,ボトムス(上下セットのワンピースや着ぐるみもある),帽子,ソックス,シューズ,アクセサリーを6カテゴリの中から自由に購入してコーディネートが可能だ。
すべての服は男女共用なので男装,女装,そして両方を使った組み合わせもOK。コーディネートの組み合わせは,天文学的な数字になるだろう。このあたりは「トモダチコレクション」シリーズや「どうぶつの森」シリーズなどをイメージさせる仕様で,好きな人にはたまらないだろう。
なおこれらは,「Miitomoコイン」を使って購入することになる。Miitomoコインは本作をプレイすることで溜められるほか,有料で購入することも可能。
また,Miitomo内に用意されているミニゲームをプレイすれば,特別な服を手に入れることもできる。ただの運任せというだけでなく,ゲームとしてユーザーが介入できる余地を持たせているところは任天堂らしい。なお期間限定のイベントなどは,このゲームにて行われるようだ。
ちなみにミニゲームは,Miitomoコインか,ログインボーナスなどで入手できる「ゲームチケット」を消費してプレイすることになる。
「Miiフォト」を使えば,
写真主体のコミュニケーションも可能に
もう一つ機能として用意されているのが,「Miiフォト」だ。これは自分のMiiを使った撮影機能で,背景やスタンプを選んでMiiにポーズを取らせて写真を撮れるというものだ。
背景,ポーズともたくさんの種類が用意されていて,それだけで楽しむのもいいが,スマホのカメラで撮った写真も背景にできるので,個人的にはこのMiitomoも含めて,SNSなどに投稿するための写真をどんどん撮影してみたくなった。
自分の似顔絵キャラクターを使って撮影ができるので,いわゆる「自撮り」が苦手な人や顔出しNGの人も,SNSに記念写真を投稿しやすくなるのではないだろうか。ちなみに編集担当者は,「アイドルとの2ショット写真をネットにUpするとき,Miitomoを使って自分を隠すブームが来る!」と嬉しそうに断言していた。
※2016年3月18日追記
なお,Miiフォト内から各SNSに直接シェアした場合,ほかのユーザーはスマホからそのMiiフォトをMiitomo内に保存できる。この際,ほかのユーザーは保存したMiiフォトをMiitomo内で編集可能で,Miiの位置なども変更できる。もし自分で作成したMiiフォトを編集されたくない場合は,いったん端末内にPNG画像として保存したうえで,ほかのSNSアプリからUpしよう。
任天堂が手掛けるSNSとしては,現在「Miiverse」が運営されているが,こちらはゲームに特化したSNSで,ユーザーもゲームファン,しかも任天堂ハードのユーザー向けに限られている。一方,Miitomoは一般向けのSNSという色合いが濃く,各方面からの注目を集めている。
MiiverseもWii Uやニンテンドー3DSのハードを使ったインタフェースを設けて独自性を出していたが,このMiitomoでは,SNSにおける“一緒にやっている相手のことを気にして生じる義務感”のようなものをあまり感じさせず,まずはユーザー自身が楽しむことに注力したデザインになっていることに,ゲームメーカーである任天堂らしさを感じられた。
既存の概念にとらわれず,独自の面白さを追求していく方向性は,ゲームにおけるかつてのニンテンドーDSやWiiのそれと似ているような気もする。この方向性が一般のユーザーにどう受け入れられるかにも注目しつつ,任天堂が提示する新しいSNSをできるだけ多くの人に,ぜひ試してみてほしい。
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(C)2016 Nintendo
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