イベント
[E3 2016]稲船敬二氏が語る「ReCore」の世界。日米の実力派クリエイター2人がタッグを組んだ夢のコラボ作品
「ReCore」公式サイト
comceptがゲーム世界を構築し,開発はArmature Studioが担当
「本作の舞台は,地球から遠く離れた恒星系の惑星ファー エデンです。人類は,生まれ故郷を地球を離れ,外宇宙に飛び出していけるほどの文明を持っています」(稲船氏)
この惑星ファー エデンは,そんな人類が移住を進めるためにテラフォーミングを行った開拓惑星だという。しかし,テラフォーミングは途中でトラブルに見舞われ失敗。主人公のジュール アダムスは,この惑星の数少ない生存者で,相棒の犬型ロボット「マック」と共に生き残りを賭けて,冒険を繰り広げていくことになるのだ。
「プレイヤーはジュールとなって,この惑星のテラフォーミングがなぜトラブルに見舞われたのか,そしてテラフォーミングを今後も進めていくべきなのかなど,残された課題や謎の解明に挑んでいくことになります。
ユニークなバトルシステム,深いストーリー,魅力ある世界観。これらをアメリカのArmature Studioとcomceptが協力することで開発/制作できた,まったく新しいIPとなるのがReCoreです」(稲船氏)
稲船氏が何者なのかは,日本のゲームファンにはもはや説明不要だろう。日本を代表するゲームクリエイターの一人で,カプコン時代の代表作には「ロックマン」シリーズ,「鬼武者」シリーズなどがあり,現在は独立系ゲーム開発スタジオのcomceptを立ち上げ,「ソウル・サクリファイス」シリーズや「Mighty No.9」などの作品を手がけている。
本作が少し変わっているのは,ゲームの開発自体はArmature Studioが担当している点だ。Armature Studioは,任天堂のファーストパーティであるRetro Studiosで「メトロイドプライム」シリーズの開発を手がけていた実績を持つ,Mark Pacini氏らが中心になって立ち上げた,実力派の新興スタジオである。
稲船氏の作品,Might No.9は「Unreal Engine 3」ベースの作品だが,Pacini氏によると,ReCoreでは「Unity」が採用されているという。では,本作の開発はArmature Studioとcomceptとで,どのように作業分担を行ったのであろうか。
「全体のゲームコンセプトはcomceptが担当しました。具体的には,ストーリー,世界観などです。キャラクターのデザイン,設定も我々のほうで担当した感じです。一方,ゲームシステム設計,バトルシステムなどはArmature Studioが担当しています。具体的にはプログラムコードの部分ですね。
ただ,我々がストーリーや世界観,キャラクターを作ってそのままArmature Studioに押しつけたのではなく,両者でディスカッションして作り上げています。ゲームシステム部分についてもArmature Studioだけで制作したのではなく,comcept側のゲームプランナー(ゲームデザイナー)がアイデア出しをするなどして制作に参加しています」(稲船氏)
いうなれば,ReCoreは日米の実力派クリエイターの2人がタッグを組んだ,夢のコラボレーション作品なのだ。稲船氏による世界観の解説のあと,Pacini氏がゲームシステムの解説を交えながら,序盤のデモプレイを披露した。その内容については別途掲載しているプレイレポートと重複するので,本稿では省略する。
本作は当初,Xbox One専用タイトルとしてアナウンスされていたが,「Xbox Play Anywhere」対応ということでPC版のリリースも決定しているため,Xbox OneユーザーでなくてもWindows 10をインストールしたPCがあればプレイできることになった。今後の動向にも引き続き注目していきたい。