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「コール オブ デューティ ワールドウォーII 全国大学生対抗戦」の決勝戦をレポート。国内学生チーム日本一の座をかけて,8つの学校が激突
本大会は国内の大学生,短期大学生,大学院生,高等専門学校生を対象としたゲーム大会で,今年で7回目となる。1月に行われたオンライン予選大会で,45組の中から勝ち残った8組のチームがこの決勝大会へと出場し,トーナメントによって全国No.1チームが決定する。本稿ではその模様をレポートする。
左からMCの松嶋初音さん,実況の岸 大河さん,解説のk4senさん,Shirley(SCARZ)さん |
SIEJAプレジデント盛田 厚氏は「勝ちたいという思いを全力でぶつけてもらうのと同時に,eスポーツのパイオニアとして,その情熱を周りの人達に伝えてほしい」と選手を激励 |
決勝大会に臨んだのは以下の8チーム(対戦順)。選手全員が学生で,中には過去の大会に出場経験があったり,プロチームに所属していたりする選手もいて,白熱の試合が繰り広げられた。出場選手は各チームから4名で,5名以上のチームは一部のメンバーが控え選手として試合を見守った。
G2:北海道情報大学(北海道)。左からヌマタ選手,アンパン選手,ぽわぽわtan選手(リーダー),だばえす選手,orca選手 |
CIT:千葉工業大学(千葉)。左からありしぜーしょん選手,こばん選手(リーダー),なるが選手,ぺこ選手 |
むらしんちゃん:近畿大学(大阪)。左からすかっしゅ選手,DJコシバ選手,むらしんちゃん選手(リーダー),たいしゃ選手 |
CastLe:城西大学(埼玉)。左からたっきー選手,しぐもぐ選手(リーダー),かけ選手,Tatto選手 |
Ah^~My heart will be hopping^~:名城大学(愛知)。左からかまど選手,GateGeek選手,たけとも選手,Qumada選手(リーダー),Quun選手,Asuna選手 |
ブンブンハローTDU:東京電機大学(東京)。左からものくろ選手,トト選手,りこった選手(リーダー),こいくち選手,アッシュ選手,スコーピオン選手 |
Leon United:日本大学(東京)。左からゆにまる選手,アオイト選手,おやぶん選手(リーダー),さまさま選手,もんきー選手,つだたく選手 |
T.A:東京アニメ・声優専門学校(東京)。左からトキノメ選手,あるふ選手,まこんぶ選手(リーダー),ヤビビ選手,ブラック選手 |
大会レギュレーションは世界大会「Call of Duty World League」と同じものを採用している。1回戦は「SEARCH & DESTROY」,準決勝は「CAPTURE THE FLAG」,3位決定戦は「HARD POINT」のルールでそれぞれ行われ,決勝戦ではこれら3つのルールを順にプレイして2勝したチームが優勝となる。
1回戦の「SEARCH & DESTROY」は,攻撃側と防衛側に分かれてマップ上の2つの目標物を巡って戦うルールで展開。攻撃側は目標物の爆破,防衛側は攻撃側が仕掛けた爆弾の解除か時間切れ,そして両陣営とも敵を全滅させれば勝利となる。倒されてしまうとリスポーンできない消耗戦だ。マップは「ARDENNES FOREST」を使用し,6ラウンド先取したチームが準決勝へ進出する。
ベスト8に進んだ実力に加え,各チームこの決勝大会に備えてかなり練習を重ねていて,1回戦から見応えのある戦いが続いていく。
第1戦「G2」(北海道情報大学)対「CIT」(千葉工業大学)は互いに2ラウンドを取ったラウンド5,G2のだばえす選手が1on4の圧倒的不利な状況を粘るも,相手の爆弾を解除できずに敗北。以降はCITが連続してラウンドを取り,2−6で勝利した。
第2戦「むらしんちゃん」(近畿大学)対「CastLe」(城西大学)戦は,5−5のフルセットに持ち込んでの最終戦で,むらしんちゃんのたいしゃ選手が3キルを取る活躍を見せる。CastLeは最後に1人残ったかけ選手の健闘虚しく,5−6で敗退し涙を呑んだ。
第3戦「Ah^~My heart will be hopping^~」(名城大学)対「ブンブンハローTDU」(東京電機大学)では,スナイパーライフルを備えたAh^~My heart will be hopping^~のAsuna選手の動きに注目が集まったが,相手に前衛を抑えられうまく機能させられない。ラウンド6でブンブンハローTDUのリーダーりこった選手が1on2の状況から奮闘しラウンドを取ったところでペースを掴み,2−6で押し切っている。
第4戦「Leon United」(日本大学)対「T.A」(東京アニメ・声優専門学校)戦では,Leon Unitedが1−5の後がない状況で追い込まれるものの,その後の凄まじい追い上げで4−5まで持ち返す。そのままの勢いで勝ち進むかと思われたが,T.Aがラウンド10で何とかそれを止め,4−6で準決勝に進出した。
続く準決勝「CAPTURE THE FLAG」は,敵陣の旗を自陣まで持ち帰るフラッグ戦だ。旗を持ち帰ると1ポイントとなるが,その時は自陣に旗がないと持ち帰っても加算されないというルールがある。1ラウンド5分で2ラウンドを戦い,ポイントの多いほうが勝利となる。マップは「LONDON DOCKS」を使用する。
第1戦はCIT対ブンブンハローTDU。前半3−2でCITが一歩リードして迎えた後半戦,序盤ブンブンハローTDUが合計7キルを取って一気に2ポイントを奪取し,逆転に成功する。ところが今度は両チームが旗を取っている状況で,CITは自軍の旗を取り返し,なるが選手が持ち帰って4−4のタイとし,ありしぜーしょん選手も続いて4−5と逆転した。
激しいシーソーゲームはここで終わることなく,今度はブンブンハローTDUが残り52秒でトト選手とりこった選手の連係で1ポイントを取って追いつき,会場を大いに沸かせた。制限時間いっぱいとなった延長戦,どちらか一方が旗を落としたら負けという緊張感の中,CIT側で旗を持ったこばん選手が撃ち合いに勝ち,一方ブンブンハローTDU側で旗を持つスコーピオン選手が倒されたところで勝負が決まった。
準決勝第2戦,むらしんちゃん対T.Aの試合は,前試合とは対照的に互いに堅く守る攻防が展開。前半たいしゃ選手が取った1ポイントを守るむらしんちゃんに対し,T.Aは残り15秒であるふ選手が1ポイントを取りタイに持ち込んで後半を迎える。後半T.Aは攻めに転じ,あるふ選手がキルを続けてポイント獲得に貢献し2−3で逆転。制限時間残り1分から,むらしんちゃん選手とあるふ選手が互いに旗を持って,自陣前で味方の旗が戻るのを待っているまま延長戦に突入する持久戦となった。こうなると1ポイントリードしているT.Aが優勢で,それを守り切り勝利を収めている。
3位決定戦の「HARD POINT」は,マップ上の特定の場所に現れる制圧目標を占拠した時間がポイントとして加算されていくルールだ。制圧目標は両陣営のリスポーン地点とともに一定時間で変わるので,その順番と場所の把握も重要となる。250ポイント先取するか,制限時間で多くのポイントを取ったチームの勝利となる。使用マップは「GIBRALTAR」だ。
準決勝の激戦で惜しくも敗退したブンブンハローTDU対むらしんちゃんの戦いは,互いにあまり練習していないマップで行われることになったが,このルールを得意とするブンブンハローTDUのものくろ選手が目標地点付近でうまく立ち回り,ポイント獲得に貢献していく。最終的に27キルで,250ポイント先取したブンブンハローTDUが3位の座に納まった。
決勝戦はCIT対T.Aで,「HARD POINT」「SEARCH & DESTROY」「CAPTURE THE FLAG」の順で対戦が行われ,2勝したチームが優勝となる。
1戦目の「HARD POINT」は,1回戦で登場したマップ「ARDENNES FOREST」を使用している。序盤からCITが目標地点を制圧し,ポイントで常にリードを重ねていく。T.Aもうまく次の目標地点の見越して立ち回り,離されることなく追随する状態で,激しい撃ち合いが展開。逆転に次ぐ逆転で,最終的に250−239という超接戦でCITが初戦をものにする。
2戦目「SEARCH & DESTROY」は船の上が戦場となる「USS TEXAS」。マップが細長く逃げ場が少ないため,両チーム慎重だ。ラウンド6まで3−3の膠着状態が続くが,ラウンド7でT.Aが勝ち越すと,流れが少しずつそちらへと傾き,スナイパーのまこんぶ選手がCITの動きを制限して,一気に3−6で最終戦へと持ち込んだ。
迎えた最終戦「CAPTURE THE FLAG」は「FLAK TOWER」での対戦となった。開幕直後にCITの3人が倒される中,なるが選手が1人気付かれずにT.A陣に張り付き,フラッグを持ち帰ってきたまこんぶ選手をキルして,自陣へフラッグを持ち帰るというスーパープレイを披露。一方のT.Aはチームプレイで2本を返して前半終了かと思われたが,互いにフラッグを持った状態での攻防でぺこ選手が自軍の旗を取り返して1ポイントを追加し,2−2で追いつく。
しかしT.Aは,チームプレイによってキル数を稼ぎスコアストリークも確実に入手していく。逆転を許さないどころか追加点を上げ,気付いてみれば3−6のダブルスコアで優勝を飾った。
今年の全国大学生対抗戦の頂点に立ったT.Aのリーダー,まこんぶ選手は「オフライン大会ですが,正直あまり現実感が湧きません」と感想を述べ,どんなときでも常に笑顔で声を出していくメンタルで臨んだことが勝利につながったことを,後のインタビューで明かしている。
熱く戦ってきた選手達だけでなく,客席や登壇者も涙するような大きな感動を与えた本大会。SIEJA盛田氏も,そんな感動を与えたすべての選手を讃え,来年の大会開催にも尽力することを誓った。
なおこの大会の中継は,YouTube Liveのアーカイブやニコニコ生放送のタイムシフトでも見ることができるので,ぜひチェックしてみよう。
最後に優勝を飾ったT.A所属選手のコメントをお届けしよう。
まこんぶ選手:
素直に「最高」のひと言に尽きます。前年の初出場は1回戦で負けてしまい,その悔しさから「今年こそは」と,みんなで練習を続けてきたのがこの結果だと思っています。今回のメンバーでの出場はこれが最後になるのですが,この5人で檀上に立てたことは,絶対に忘れない思い出になりそうです。
トキノメ選手:
前回1回戦で負けてかなり悔しい思いをしたんですが,今年はついに優勝できて,最後の試合を終えた瞬間から表彰式まで涙が止まりませんでした。本当にいい思い出になりました。
あるふ選手:
今年もオフライン大会に出られたことだけでも嬉しかったんですが,前回兄のだっふるがブンブンハローTDUで出場して優勝できなかったので,「代わりに俺が優勝してやる」と伝えて,実際に優勝できてよかったです。
ヤビビ選手:
正直,この場に立っているのが夢のようで,本当に感動しています。
ブラック選手:
先輩達の試合を後ろで見られた(※ブラック選手は控え選手だった)のは,特等席のような気分でした。ルールで声が出せないので,心の中ではずっと声を出して,みんなと一体化していました。今年は何もできなかったので,来年は自分も加われるように練習して,今回優勝した先輩達には「ありがとう」と伝えたいです。
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