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ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島公式サイトへ
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印刷2018/12/20 16:48

レビュー

「ドラゴンクエストビルダーズ2」レビュー。システムも手触りも大きく進化したブロックメイクRPGを,「ドラゴンクエストII」の世界で体験しよう

 スクウェア・エニックスは,アクションRPG「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」PS4/Switch)を,本日(2018年12月20日)発売した。

タイトル画面は,現在進行中のセーブデータの舞台が背景になる
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 「ドラゴンクエスト」(以下,DQ)シリーズの世界観をブロック状のパーツで構築し,モノづくりを生業とする「ビルダー」を主人公とした「ブロックメイクRPG」として,2016年に発売された「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ」PS4/PS3/PS Vita)。その第2弾となる本作は,「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」(以下,DQII)のストーリーや設定がもとになっている。開発陣にコーエーテクモゲームスのω-Forceを迎え,前作を大きく上回る進化を遂げた本作のレビューをお届けしていこう。
 なお,本稿ではPS4版のスクリーンショットを使用しており,コントローラ表記などもPS4に基づいたものとなる。

 本作の物語は,大神官ハーゴンと破壊神シドーが勇者によって倒された,DQIIのエンディング直後の世界から始まっている。ハーゴン教団の残党が各地に存在していて,プレイヤーとなる主人公は,その残党が乗る船の中にいる。この世界では,ハーゴン教団の教えによってモノづくりが悪とされ,主人公も職業ビルダーの1人として教団に捕らえられてしまったのだ。

DQIIのラストシーンから始まる。同作の経験者なら,ここまでの長い道のりが思い出される
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チュートリアルをうまくストーリー展開に導入。このあたりの作りはさすがDQシリーズといったところ
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 主人公の乗った船は嵐によって難破し,無人島の「からっぽ島」に流れ着く。そこで出会った少年「シドー」とともに,ビルダーとしての物語を築いていくのだ。
 本作では,このシドーが相棒としてかなり頼りになる存在で,素材集めなどをしているときは,主人公の行動を追従するように動く。高い戦闘力と強力な武器を装備できる強さも持ち,まもの相手でも頼もしい。彼が同行してくれることで,主人公の行動の選択肢も増え,前作よりもずいぶん遊びやすくなった。

からっぽ島で出会う2人。以降行動を共にするようになり,レベルアップも2人同時となる
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 要所でハイタッチをしたり,相づちを打ったりと,シドーと主人公とのやりとりはほほえましい。一方で破壊神と同じ名前や,モノづくりよりも破壊を得意とする体質(本人はモノづくりを否定しているわけではない)が,ストーリーにどのように絡んでくるのかも気になってくる,魅力的なキャラクターだ。

戦闘では率先して切り込んでいくシドー。彼の取った道具や素材は自動的に主人公の手元に集まる
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 ゲームはからっぽ島をスタート地点とし,その周囲にあるいくつかの島を舞台に進行していく。島にはストーリーに基づいたさまざまなテーマと,それにまつわるキャラクターが存在する。最初に訪れる「モンゾーラ島」なら,腐った土地に緑を取り戻して大農園を作る,次の「オッカムル島」なら,閉ざされた鉱山を切り拓き鉱物を探し出すといった具合だ。

DQIIの世界のどこかに存在している群島が舞台。ストーリーを進めると,ほかの島にも行けるようになる
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島には中心人物となるキャラクターが登場。ビルダーとして彼らの目的を手伝うことで,ストーリーが進行する
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「かかし」を作って立て,畑を作る。モンゾーラ島の中盤ぐらいまではチュートリアル的な要素が強い

 基本的な流れは,拠点となる場所を中心に島を探索し,キャラクターの依頼を受けつつ,拠点を豊かにしていくというものだ。最初から探索の自由度が高いので,先に島の行けるところをとにかく回ってしまうのも楽しい。全体マップを開くと,主人公が足を運んだ場所が表示されるのだが,これががファミコン時代を彷彿とさせるドット絵なので,懐かしい気持ちになる。

ドット絵の全体マップ。「ビルダーパズル」(後述)の場所も表示してくれる。設定でドットではないマップにも切り替え可能だ
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本作に「ルーラ」や「キメラの翼」は存在せず,点在する「みちびきのたま」を触ることで「ワープ」ができるようになる
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マップ上に存在する「ビルダーパズル」。ビルダー能力と直感を駆使して挑むパズルで,クリアすると「ちいさなメダル」が手に入る

 島で出会うキャラクター達の多くは,イベントなどを経て拠点の住人として定着し,そこでさまざまな依頼を主人公にゆだねてくる。その依頼を叶えると出現するのが,ゲーム進行の要となる「ビルダーハート」だ。これはモノづくりの喜びが具現化したカケラで,画面左上に表示された規定数まで集めて拠点にある鐘を鳴らすと,「ビルドレベル」がアップ。住人達ができることや,主人公が作れるモノのレシピが増え,さらに新しい住人がやってくることもあり,拠点が大きく繁栄するのである。

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依頼を受けたり,住人が快適な生活を過ごせたりすると出現するビルダーハート。これをどんどん集めよう
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なんとモンスターが住人になることも。おおみみずの「みみずん」は,腐った土を掘って作物が育つ健康な土に変えてくれる
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モンスターの襲来時に戦ってくれる住人も。作った武器を与えて強化もできる
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ビルダーハートを集めて鐘を鳴らすとビルドレベルがアップし,拠点が賑やかになっていく

 最初に訪れるモンゾーラ島では,大農園の復活という目的のため,農作物のタネ探しや農作業に奔走するのだが,ビルドレベルが上がっていくと住人が農作業や料理などを進んで行うようになる。昼夜に合わせて住人がワラワラと動き回って生活する様子はまるで農業シミュレーションだ。
 もし放っておいても,ビルドレベルが下がったり,住人が去っていったりすることもないので,その手のゲームが苦手な人でも安心だ。

モンゾーラ島では,農作物を作るためのタネ探しも重要。NPCやモンスターが持っていたり,マップのどこかに埋まっていたりする
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農作物にはそれぞれの育て方がある。キビの場合は,水を張った畑にタネを植えないと育たない
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大きさや置く家具などを決め,住人が生活するための部屋を作れる
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特別な施設の「設計図」をひらめくことも。設計図の通りにブロックや家具を配置しよう
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部屋や施設が増えていくと,住人もそれを正しく使ってくれるのが,見ていて面白い

 ゲーム進行はステージクリア型で,島での目的を果たすと主人公達はその島を離れ,また別の島へと移動していく。モノづくりが主体のゲームにおいて,いろいろと作ってきた拠点を離れるのは少し残念だが,クリア後の島へは再訪でき,メインとなる住人はからっぽ島へと移住させることも可能なので,悲観することはない。そこまでに覚えたモノづくりのレシピを使って自分だけのからっぽ島を作り上げていくサンドボックス的な遊び方も,本作の楽しみの1つだ。

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モンスターの襲来イベントも発生。このときは戦える住人全員が参戦する
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イベントとは別に,拠点での作業中にモンスターが襲来してくることもある

 アクションRPGとサンドボックスを融合させた本作の操作性は,前作を上回る完成度に感じられた。その大きなポイントは,モノづくりのアクションを行う「ビルダー道具」が,武器とは別の扱いになったことだ。
 武器によるアクションで行えるのは戦闘時の攻撃のほか,作物の刈り取りや小さなモノの除去だけで,岩や木などの障害物や,設置したモノなどに対して振っても影響がない。一方ビルダー道具の「ハンマー」は,武器としての攻撃力はほとんど持たないが,障害物や設置物などに対する効果が高くなっている。これらをうまく使い分けることで,拠点などで戦闘を行った場合でも,設置したモノを誤って破壊することがほとんどなくなったのだ。

武器とは別に装備しているハンマー。ボタンで素早く武器との使い分けができる
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 それに付随して,自分の前方のみならず,上や下へのモノを設置できたり,設置したいモノを回転させられたりなど,かゆいところに手が届く操作の仕様で,サンドボックスゲームとしての操作感覚がグッと向上している。
 モンゾーラ島をクリアするまでに,モノやブロックを壊さずに持ち上げて運べる「グローブ」,モノを壊して素材やブロックとして手に入れられるハンマー,汲んだ水を水源として撒ける「かわきのツボ」が手に入る。これらを任意に切り替えて使うことで,プレイヤーが思う通りのモノづくりを行えるのだ。

ブロックを壊さずに持ち上げて移動できるグローブ。用途によってハンマーと使い分けよう
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 本作において,筆者が大きな愛着を感じられたのは,やはり世界観がDQIIという点だ。冒頭の主人公のキャラメイク画面で流れるBGMが,DQIIの「ふっかつのじゅもん」入力画面に流れる「Love Song 探して」のメロディで,続く船の中で流れているのは,同作の塔で流れていた「魔の塔」である。DQIIは個人的に「ロト伝説3部作」の中で最もBGMが好きな作品だっただけに,要所で流れてくるアレンジBGMの演出は嬉しい。
 また,登場するまもの達は,DQIIの姿をそのまま立体化したような姿で現れる。NPCとして現れるまもの達の多くは友好的,もしくは敵でも憎めないタイプのキャラクターとして設定されているのもお気に入りのポイントだ。

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ひょんなことからモンゾーラ島の拠点に定住する,まじゅつしのマギール
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ヒババンゴはなんとモンゾーラ島を支配するボスモンスターに出世していた

 空中を滑空できる「風のマント」や,NPCとして登場する犬など,DQIIをプレイしていればわかるネタをうまくゲームに取り込んでいるので,細かいところにも注目してみてほしい。

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高所から落ちるとダメージを受けてしまうが,風のマントがあれば安全に降りられ,さらに滑空飛行も可能に
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DQIIで重要な存在だった犬。本作で仲間になるモンゾーラ犬は,タネ探しに活躍してくれる

 序盤のモンゾーラ島の時点でかなりのボリュームがあり,ストーリーを追っていくだけでもアクションRPGとして十分に楽しめる内容だ。サンドボックスタイプのタイトルを敬遠しているような人でも,DQIIの世界観に惹かれるなら遊びやすいだろう。
 今回プレイしたのは発売日前なので,マルチプレイは体験できなかったが,製品版ではほかのプレイヤーと一緒にモノづくりなども楽しめる。年末年始に楽しむにはぴったりの,じっくり遊べるタイトルなので,ぜひ手にとって,自分だけのDQIIの世界を作ってみてほしい。

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「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」公式サイト

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    ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島

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