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シンガポール最大のゲームイベント「GameStart Asia 2018」レポート。ゲーマーやアニメファンが一堂に会し,ジャンルを超えて楽しむ
なぜいまシンガポールのことを語っているのかというと,2018年110月13日と14日に開催された,シンガポール最大のゲームイベント「GameStart Asia 2018」を取材してきたからだ。4Gamerが同イベントを取材するのは2度めで,2年連続の取材となる。
シンガポールで開催された「GameStart」とは,どんな感じのゲームイベントなのか。関係者にいろいろと話を聞いた
2017年10月14日と15日,シンガポールで開催された「GameStart Asia」(以下,GameStart)は,シンガポール最大で,かつ東南アジアでもかなりの規模を誇るゲームイベントだ。日本ではあまり知られていない(であろう)このイベントを取材する機会を得たので,模様をお伝えしたい。
出展社は約50で,ASUS(Republic of Gamers)やHyperXなどのハードウェアメーカー,「崩壊3rd」(iOS / Android)のmiHoYo,日本からはPONOSやブシロードといった企業が出展している。またインディーズゲームのエリアもあり,東南アジアを拠点とするデベロッパが,ゲームの紹介をしていた。
WARHAMMERに使用するミニチュアを作るコーナーも。LEGIONごとに製作台が用意されていた |
こちらはテーブルトークRPGスペース。ゲームマスターがおり,気軽に参加できる |
会場でひときわ目を引いたのがボードゲームのコーナーで,併催されていたeスポーツ会場を除くと,一番人気のあったコーナーだろう。ミニチュアを使ったウォーゲーム「WARHAMMER」のジオラマセットが用意され,対戦で賑わっていたほか,テーブルトークRPGやカードゲームのプレイスペースもあり,参加者は各々に楽しんでいたようだ。
ブシロード |
PONOS |
全体的な雰囲気で印象に残ったのは日本カルチャーがかなり親しまれていること。日本のアニメ・ゲームを題材にしたコスプレイヤーはたくさんいたし,輸入したであろうグッズを販売するショップや,シンガポールの同人コミュニティ「Doujin Market」(略してDoujima)の出展も行われている。会場(というよりはシンガポール全体で)では日本語を目にすることも多く,“Inday Michiko”というシンガポール発の日本女性のキャラクターもあったりと,並々ならぬ日本カルチャーへのリスペクトを感じた。
シンガポールと言えば,東京ゲームショウ2018でもインタビューを実施したプロ格闘ゲーマーXian選手の本拠地だ。彼は各分野で活躍している人が,シンガポール政府観光局により任命されるという「パッション・アンバサダー」に,プロ格闘ゲーマーとして就任している。
実のところ今回の取材は,シンガポール政府観光局に招待されたものだ。なので今回はXian選手にGameStart Asiaの会場で,GameStart Asiaの,そしてシンガポールの魅力を語ってもらったので紹介したい。
4Gamer:
最初にパッション・アンバサダーの仕事内容を説明してください。
パッション・アンバサダーとしての仕事は,シンガポールに格闘ゲームシーンが存在していることを世界に知ってもらうことと,次世代の格闘ゲーマーを育てることです。具体的な活動方針などの指示はなく,僕の役割としては格闘ゲームシーンで活躍することで,シンガポールの認知度を上げる,くらいのものですね。
4Gamer:
なるほど。つまり活躍をすることが仕事となるのですね。ゲーマーが喜ぶシンガポールの観光スポットはありますか。
Xian選手:
ホーカーセンターやセントーサ島に行ってほしいですね。マリーナベイ・サンズもお勧めです。シンガポールのプレイヤーが集まる練習場所みたいなところはあるのですが,ちょっとボロいのでお勧めしません(笑)
4Gamer:
それはゲームセンターみたいなものでしょうか。
Xian選手:
個人でやってるところですね。そこの運営者を知ってないと多分開けてもらえないです(笑)。
4Gamer:
日本のプレイヤーを連れて行ったことはありますか。
Xian選手:
ええ。シンガポールのプレイヤーも日本のプレイヤーと練習したいので,そこでやってたりします。
4Gamer:
今回訪れている日本のプレイヤーとどこかに行きましたか
Xian選手:
竹内ジョン選手,ぷげら選手,冷血非道選手など6人と食事に行きましたよ。(13日の)試合が終わったのが1時過ぎで開いてるお店が少なかったんですが,海鮮料理を食べてきました。
4Gamer:
良いですね。では続いてGameStart Asiaについて聞きたいのですが,このイベントの感想を教えてください。
Xian選手:
良いイベントですね。去年よりも人が増えていますし,ほかのゲームコミュニティの古い友人とも再会できました。
4Gamer:
いち参加者としてGameStart Asiaをこうして欲しいという希望はありますか。
Xian選手:
GameStart Asiaは今の時点でもかなり大きいイベントで,シンガポールのゲーマーにとってかけがえのないモノになっています。もっと大きいイベントになって欲しいという思いもありますが,現状も居心地のいいイベントなので,このままでも良いです。縮小するのは困ってしまいますけど(笑)
4Gamer:
GameStart Asiaはボードゲームが盛況ですが,シンガポールで人気なんですか。
Xian選手:
僕自身はボードゲームを遊ばないので詳しいことは分からないですが,シンガポールにはボードゲームのお店が多いですよ。
4Gamer:
日本におけるプロゲーマーの定義は少し曖昧ですが,シンガポールにおけるプロゲーマーの定義はありますか。
Xian選手:
シンガポールでプロゲーマーと呼ばれる人は,僕がRAZERのスポンサーを得るまでは1人しかいませんでした。「Dota2」で活躍していたiceiceiceという人です。そのあとに僕がEVOで優勝したこともあり,格闘ゲームにおけるプロゲーマーが確立されました。
シンガポールでは,何かしらのスポンサーがついていて,給料がもらえている状態でないとプロゲーマーとは呼べないですね。
4Gamer:
プロゲーマーとして生計を立てられているかが肝ということですか。
Xian選手:
僕の観点ではそうです。
4Gamer:
いま,シンガポールでXian選手以外にプロの格闘ゲーマーはいるのでしょうか。
Xian選手:
今はいませんね。同じRAZER所属のGacktという選手がいましたが,今は引退し,元の仕事に戻ってます。
4Gamer:
なるほど。だからこそ後進の育成に力を入れているのですね。それでは最後にGameStart Asiaの魅力を教えてもらえますか。
Xian選手:
GameStart Asiaの一番の魅力はいろいろなゲームジャンルが混在しているところです。ゲーマーが一か所に集まって遊ぶことはあまりないので,こういう場所はすごくありがたいです。ほかのジャンルで遊んでいる友達とも会えますしね。今以上に海外のゲーマーもたくさん参加していろいろな人と交流できるような場所になると嬉しいです。
- 関連タイトル:
ストリートファイターV アーケードエディション
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©CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
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